新卒向け | SI業界に就職するために学生時にやるべきこと

新卒向け | SI業界に就職するために学生時にやるべきこと
SI業界とはIT業界の一部であり、主に企業からシステム開発の案件を請け負う「システムインテグレーション」を行う業界です。近年のIT技術の進化や普及に伴い、SI業界の役割は今後ますます重要になっていくと予想されます。卒業後の選択肢として、SI業界で働くITエンジニアを目指している学生も多いでしょう。本記事では、SI業界の構造や種類別の仕事内容、キャリアパス、そして新卒でSI業界へ就職するためにやるべきことをご紹介します。

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1. SI業界とは

SIとは「システムインテグレーション」の略であり、コンピュータやソフトウェア、ネットワークなどを組み合わせて顧客のシステムを開発することです。
SI業界には、このシステムインテグレーションを行う「SIer」と呼ばれるIT関連企業が多数あり、あらゆる業界で顧客のシステム開発が行われています。

ここではまず、SIの業界の規模や構造などを解説します。

SI業界の規模

SI業界の市場規模は2020年では、全体で12兆9102億円でした。SIのみの規模は9兆3248億円となっており、毎年伸長している将来性の高い市場だといえます。(※)

※参考:経済産業省の「特定サービス産業動態統計」情報サービス業より

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SI業界の構造

SI業界は、ピラミッド型の階層構造になっているのが特徴です。基本的には、まず顧客がシステム開発を一次請けと言われる大手SIerに発注します。その後、中堅SIerなどの二次請け、さらに三次請けの小規模SIerなどに業務の一部が階層的に委託されていきます。

こうした構造上、一次請けのSIerよりも二次請け・三次請けのSIerのほうが数が多いです。新卒でSI業界の企業に就職する場合、まずは二次請け・三次請けのSIerでスキルを身につけてから、一次請けSIerや他業種などにステップアップしていくというケースもあるようです。

SIerの種類

SIerは、成り立ちや資本関係などによって、大きく以下の4つに分類されます。

ユーザー系SIer

ユーザー系SIerは、比較的規模の大きな事業会社の情報システム部門が独立してSIerとなったケースの企業です。基本的には、親会社のシステムを中心に開発します。

メーカー系SIer

パソコンなどを製造するコンピュータハードウェア会社や、そのグループ会社がSIerとして多様な業種の顧客システムを開発します。自社のコンピュータやソフトウェアなどを使って幅広い開発ができます。

独立系SIer

独立系SIerはユーザー系やメーカー系と異なり、親会社を持たずに独立したSIerとして活動します。親会社の影響を受けないため、自由で小回りの利くビジネスができる点が特徴です。

外資系SIer

外資系SIerは、欧米に本社をおくSIerの日本法人です。世界規模で事業を行う著名な企業が多く、人事制度や働き方の文化が日系Slerとは異なる場合もあります。

コンサル系SIer

コンサル系SIerは、ITの導入企画や戦略立案を行った上で、システムの開発を行います。経営やビジネスに関する課題分析を得意としています。

関連記事:SIerとは?独立系、メーカー系などの種類をわかりやすく解説

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2. SIerの種類ごとの特徴

この項目では、ユーザー系SIer・メーカー系SIer・独立系SIer・外資系SIerの特徴をさらに詳しく見ていきます。どの系統が自分に向いているか考えてみてください。

ユーザー系SIerは利用者の声を身近に感じやすい

ユーザー系SIerでは、親会社からの案件を請け負う場合が多いので、利用者に近い視点で開発でき、感想を直接聞きやすいのがメリットだといえます。

親会社やグループ会社の案件に携わる際は、業界や開発の内容が似通ってしまう場合が多いですが、その分その業界の専門知識を身につけられるという点は、メリットといえるでしょう。
また、一部のユーザー系SIerでは、それ以外の企業からの案件も請け負っています。その場合は、業界にとらわれず、さまざまな案件に挑戦できる点が魅力だといえます。

メーカー系SIerは親会社が大手で安定している

メーカー系のSIerは、大手企業の情報システム事業部が独立して設立されるのが一般的です。親会社の受注案件や、親会社と他のプロジェクトを抱き合わせた案件を受けることが多いです。
親会社が大手企業であり、体制が安定しているのがメーカー系のメリットです。

長期のプロジェクトの場合は、「客先常駐型」と言って、クライアント企業の部署に出向して仕事をすることがあります。また、数社で大型のプロジェクトを進める場合、そのプロジェクトの一部をまた別の企業に外注する、といった多重下請け構造のもと案件を進めることもあります。

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独立系SIerは開発の自由度が高い

独立系SIerは親会社がなく、独自で仕事を請け負います。開発の際に、親会社の制約なく、独立した判断で進めることができる点が特徴です。
また、受託する案件の選定や開発で使用する言語の選択などもすべて自社で決めることができ、自由度が高いことも、独立系SIer企業の大きな特徴といえるでしょう。

一方で、営業活動は基本的に全て自社で行わなければならないため、案件獲得が安定せずハードスケジュールになってしまう面もあるようです。

外資系SIerは能力主義である

外資系SIerは、日本の会社に比べて能力主義の傾向にあります。そのため、実力があれば高収入を得られるでしょう。年功序列では昇級しにくいため、仕事で実績を残す意欲が高い方におすすめです。

また、社内に外国籍の社員が多かったり、海外の本社とのやりとりが発生したりするケースが有るため、英語や中国語など外国語が求められる場合があるのが外資系SIerの特色です。企業によっては、選考に応募する際にTOEICのスコアを要求される場合もあります。

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3. SI業界での仕事内容

SIerに所属するITエンジニアの仕事は、顧客から依頼を受けてシステムを開発することです。システム開発は大きく以下の3工程に分けられます。企業によって、一人のエンジニアがすべての工程に携わる場合もあれば、それぞれ異なる職種のITエンジニアが仕事に携わったり、特定の工程のみ他の会社に外注したりする場合もあります。

要件定義・設計

要件定義とは、顧客の要望をヒアリングし、システム化に必要な機能や要求を要件定義書としてまとめることです。その後、作成した要件定義書を元にシステム設計を行います。顧客とのコミュニケーションが重要とされる工程です。
設計の工程は、基本設計と詳細設計にさらに細分化されます。

システム開発・テスト

設計書ができたら、それを元にプログラマーがプログラミングを行います。プログラムモジュールの完成後は、顧客との最終テストを経てシステム開発が完了します。プログラミングスキルが求められる工程です。

運用・保守

システムが完成した後は、そのシステムを安定して稼働させるために、運用・保守を行います。なんらかのトラブルによるシステム障害が発生した場合には、システム修正などのリカバリ対応が必要です。定期的なバックアップやハードウェア点検といった保守作業も欠かせません。

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4. SI業界で働くエンジニアのキャリアパス

ITエンジニアにはいくつかの職種が存在します。新卒で入社した場合の一般的なキャリアパスは、まずプログラマーからスタートし、システムエンジニアなどを経てプロジェクトマネージャーになるという流れです。一定の開発経験を積んだ後は、コンサルティングファームなどへ転職し、ITコンサルタントとして活躍するキャリアパスもあります。

ITエンジニアは職種によっては高度な知識や実務経験が求められます。一般的には数年かけて経験を積んでから活躍できる仕事と考えておいた方がいいでしょう。

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5. SI業界で働くメリットを3つ紹介

SIerとして働きたいと考える方へ向けて、メリットを3つ紹介します。
 

  • ・ノウハウを蓄積できる

    ・日本のIT人材は不足しており、今後も需要が見込まれる

    ・クラウド化は進んでいるが、大型のシステムの開発はなくならない


それぞれの詳細について解説します。

ノウハウを蓄積できる

SIerで働くことで、開発や運用のノウハウを蓄積できます。ユーザー系やメーカー系のSIerでは、元請け(一次請け)であれば大型案件の開発工程に携われるのがポイントです。

また、SIerでは、ときにはIT知識が豊富でない顧客企業の社員に対して、プロジェクトの概要やシステムの仕様に関する説明をすることもあります。そのため、開発スキルだけでなく、クライアントへの資料作成などの技術も培われます。独立系や外資系のSIerであれば、営業方法や自分から提案する能力も身につくでしょう。

日本のIT人材は不足しており、今後も需要が見込まれる

経済産業省が平成28年に行った「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」では、2030年には約41~79万人ものIT人材が不足するとされています。IT業界は人材を常に探している状態であり、SIerも例外ではないでしょう。こうした需要の高さは、SIerの魅力の1つだといえます。

クラウド化は進んでいるが、大型のシステムの開発はなくならない

これまでは、企業は自社内で専用のシステムを構築するのが一般的でした。例えば、メーカーにおける在庫管理のシステムや、勤怠管理のシステムなどです。

近年では、クラウドサービスの台頭により、システムは企業ごとに構築するのではなく、すでにあるものを利用するケースが増えてきています。そのため、一部ではSIerの仕事が減ってしまうのではないか、という懸念が生じているのです。

しかし、規模の大きいシステムは、クラウドへの移行が難しい場合もあります。既存システムのメンテナンスが必要となるため、「SIerの仕事が全くなくなる」という事態は考えにくいでしょう。

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6. SI業界で働くデメリットを3つ紹介

SI業界は、「将来性がない」「海外への進出がない」などネガティブなイメージで語られることも。ここでは、SI業界で働くデメリットについて紹介します。
 

  • ・業務内容や年収に差がある

    ・年功序列で若い人が活躍しにくい

    ・国際競争力に乏しい傾向がある


それぞれ見ていきます。

業務内容や年収に差がある

SIerの業務は階層構造になっており、企業によっては下請けの仕事を受注するケースもあります。会社の規模や立ち位置によって、業務内容や年収に差が出やすいのがデメリットです。
下請けの会社は納期も給料も厳しい傾向にあるため、「SIerの仕事はキツい」と感じる方が少なくありません。納期次第では、時間外労働が発生する場合もあります。

年功序列で若い人が活躍しにくい

IT業界には比較的実力主義の風潮があるものの、SIerは歴史が古いことから、昔ながらの年功序列制の体質が残っているケースもあります。そのため、能力のある若手が活躍しにくい場合もあるようです。
ユーザー系・メーカー系のSI企業では親会社からの出向なども予想されるため、出世しにくい環境だといえます。
能力にあった出世を望む方は、独立系や外資系のSIerがおすすめです。

国際競争力に乏しい傾向がある

SIerという企業形態は、日本独自のものです。海外では社内にシステム部門があることが主流で、基本的に開発の外注は行いません。
社会的に企業のグローバル展開が進む一方で海外展開が難しい点は、SIerのデメリットだと言われています。

しかし、前述した通り国内の需要がなくなることは当分ないため、それほど悲観する必要はないでしょう。

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7. SI業界で働きたい人が意識すべきこと

ここではSI業界で働きたい方が今後意識するべきことを解説します。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)に取り組む

DXとは、クラウドやAI、高速開発ツールなどのデジタル技術を活用し、ビジネスモデルを作り変えることです。

近年は新型コロナウイルスの流行でリモートワーク化が進み、デジタル技術導入のサポートが必要な場面が増加しました。SIerには、IT化が進んでいない領域にシステムを組み込んで自動化・効率化したり、既存のシステムを現在に合う形へチェンジしたりする役割があります。
今後さらに加速すると見込まれているDXを意識することで、業界での活躍の幅が広がるでしょう。

関連記事:DXとは?DXの定義とメリット、関わる職業について徹底解説

大手企業での活躍を目指す

大手企業のSIerを目指すのも手です。大手SIerでは、システム構築や運用など作業面だけではなく、その他の面でさまざまな技術や経験を身につけられます。たとえば、プロジェクトを管理する上流工程に携わる経験や、クライアントとの直接の打ち合わせで得られる情報などです。

さらに、大手SIerは、福利厚生が充実しており、給与面も中小企業より充実している傾向もあります。安心して長く働きたい場合には、大手SIerへの就職を考えてみると良いでしょう。

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8. 新卒でSI業界へ就職するためにすべきこと

最後に、新卒からSI業界で働くためにやるべきことについて解説します。

一口にITエンジニアと言ってもさまざまな職種や仕事がありますが、新卒ではプログラマーからキャリアをスタートすることが多いです。そのため、学生のうちにプログラミングの基礎的な知識・スキルを身につけておくと、就活でも有利になるでしょう。

基礎的なプログラミングスキルを習得する

多くのWebサービスや業務システムで使用されている、Java・PHP・Pythonなどのプログラミング言語の学習がおすすめです。基礎レベルのスキルであっても、仕事に対する意欲や将来性を評価してもらえる可能性があります。おすすめの学習方法は以下のとおりです。

書籍やオンライン学習サイトを活用して独学する

参考書や、オンライン動画、オンライン質問サイトなどを活用すると、独学でもプログラミングが学べます。著名なオンライン学習サイトとしては、ProgateドットインストールSchooUdemyなどがあります。

オンラインサイトには無料のものも多く、安価かつ手軽に学習を始められることがメリットです。ただし、疑問点があっても自分で解決する必要があるため、モチベーションを保つことが難しく、プログラミング初心者はハードルが高く感じる場合もあります。

スクールを活用する

プログラミングスクールでは、初心者でも一からプログラミングを学ぶことができ、一定期間で確実にスキルを習得できます。質問や疑問点にも現役エンジニアなどのプロの講師がしっかりと対応するため、効率的に学習が進められ挫折しにくいのが大きなメリットです。ただし、独学での勉強に比べてコストがかかるため、しっかりと吟味して自分にあったスクールや講座を選ぶことが重要です。

関連記事:プログラミングの勉強法とは?学習時間の目安やおすすめのサイトを紹介

資格を取得する

資格取得のための受験勉強をすれば、プログラミングの知識を体系的に学べます。就活時に資格は必須ではありませんが、知識やスキル、学習意欲の証明にもなるため、アピールポイントになるでしょう。
学割制度などもあるため、資格によっては学生が挑戦しやすい場合もあります。以下は、代表的なプログラミング言語の基礎的な資格試験の例です。

Java:Oracle Certified Java Programmer, Bronze SE 7/8
PHP:PHP7初級試験
Python:Python3エンジニア認定基礎試験

インターンシップに参加する

インターンシップでは、現役エンジニアの指導を受けながら仕事をする機会もあるため、より実践的なプログラミングスキルが身につくでしょう。また、実際の職場を体験することで企業や仕事への理解が深まり、就活時に経験から得た知識をアピールできるのも大きなメリットです。
中にはインターンでの働きぶりが評価され、そのまま正社員として採用されるケースもあります。

関連記事:プログラミングを学べるインターンの探し方!未経験者や文系は参加できる?

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9. まとめ

SI業界は、人材不足と言われるIT業界の中でも特に重要な役割を担うと考えられます。人材の需要も高く、新卒採用も積極的に行われているようです。志望する企業の概要だけでなく、業界構造やキャリアパスを理解した上で選考に臨めば、就職活動を優位に進められるでしょう。

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