【新卒向け】SI業界とは?IT業界との違いや将来性を徹底解説

【新卒向け】SI業界とは?IT業界との違いや将来性を徹底解説
SI業界に興味はあるものの、「IT業界との違いは?」「どんな企業があるの?」「将来性はどうなの?」と疑問を持つ就活生は多いはずです。 SI業界は、日本企業のIT化・DXを支える重要な領域であり、今後も成長が見込まれる注目のフィールドです。

本記事では、SI業界の基礎知識、IT業界との違い、主要企業、仕事内容、将来性、キャリアパス、志望動機の考え方までを新卒向けにわかりやすく解説します。 「SI業界の全体像を理解し、自分に合う企業を選びたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

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1. SI業界とは?SI企業(SIer)の基礎知識

SI業界は、社会や企業が抱える課題をITの力で解決する“縁の下の力持ち”のような存在です。
システム開発やITインフラ構築を総合的に手がけるため、多くの業界から必要とされ、IT市場の中でも特に重要な役割を担っています。近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)やクラウド化が進んだことで、企業の業務効率化・デジタル戦略を支えるSI業界の需要は年々高まっています。

ここでは、SI業界とは何か/SI企業(SIer)とはどんな会社か/業界の構造/直面している課題を、新卒の方にもわかりやすく解説します。

SI業界とは?システムインテグレーションの意味と役割

SI(システムインテグレーション)とは、企業の業務に必要なシステムを企画・設計・開発し、安定して動くように導入・運用までサポートすることを指します。
ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどさまざまなIT要素を組み合わせ、企業の課題を解決する仕組みをつくり上げる役割を担っています。

たとえば以下のようなシステムを一から構築します。
 

  • 銀行の口座管理システム

  • 物流の配送管理システム

  • メーカーの生産管理システム

  • 自治体の住民情報システム

  • 企業内のデータベースやネットワーク基盤など


日常生活や社会インフラにも深く関わるため、SI業界はIT業界の中でも特に“社会を支える”ポジションにあります。

SI業界は、IT市場の中でも非常に大きな規模を誇ります。
日本全体のIT市場は15兆円規模と言われ、その中でもソフトウェア開発・システム構築を中心としたSI分野は約11兆円規模と高い割合を占めています(経産省データより)。
DX推進・クラウド化などの流れから、今後もSI業界は着実に成長を続ける見込みです。

SI企業(SIer)とはどんな企業か

SI企業(SIer/エスアイヤー)とは、前述のシステムインテグレーション業務を専門に行う企業のことです。
企業の課題をヒアリングし、必要なシステムの提案から開発・運用までを一貫して担当します。

SIerに依頼されるシステムは企業ごとに大きく異なるため、
 

  • 業務の理解(ビジネス知識)

  • プロジェクト管理力

  • 技術力

  • コミュニケーション力


など幅広いスキルが求められます。

またSI企業は、ユーザー系・メーカー系・独立系・外資系・コンサル系など複数のタイプに分かれ、それぞれ扱う業務領域や強みが異なる点も特徴です(後の章で詳しく解説します)。

SI業界の構造

SI業界は、多くの場合階層構造(ピラミッド構造)になっています。
 

  • 1. 一次請け(大手SIer)
    →顧客から直接プロジェクトを受注し、全体の設計・上流工程を担当。

  • 2. 二次請け(中堅SIer)
    →一次請けの指示のもと、設計や開発の一部を担当。

  • 3. 三次請け(中小SIer・開発会社)
    →特定の開発工程やテスト作業を担当。


一次請けに近いほど、クライアントとの直接調整や要件定義などの上流工程に関わる機会が増えます。
一方で二次請け・三次請けは開発工程に集中しやすいため、プログラミングスキルを磨きたい新卒にとって学びやすい環境になるケースもあります。

SI業界の課題

需要が高く将来性のある業界である一方で、SI業界にはいくつかの課題も存在します。
 

  • 多重下請け構造による非効率

階層構造が深いほど、
 

  • コミュニケーションのずれ

  • 中間マージンの増加

  • 作業工程が複雑化


などが発生しやすいと言われています。
 

  • 技術負債を抱えたレガシーシステムの存在

金融・製造・公共などの大規模システムには、長年使われている古いシステムも多く、
 

  • 改修の難しさ

  • 技術者の不足

  • セキュリティリスク


といった問題が出やすい領域です。
 

  • 最新技術へのキャッチアップが求められる

クラウド、AI、データ分析などが急速に普及し、「従来のSIモデルからの転換」が求められています。
 

  • 若手エンジニアの育成環境

DX需要が高まり続ける一方、若手の育成と上流工程経験の提供は重要なテーマです。
この点は企業ごとに取り組みが異なるため、就活中にチェックすることをおすすめします。

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2. SI業界とIT業界の違い

IT業界と一口に言っても、その中には多様な企業タイプがあり、職場環境や仕事内容、求められるスキルは大きく異なります。
その中でSI業界は「企業の課題をITで解決する“受託型の開発スタイル”」を中心にした領域です。

ここでは、IT業界の全体像の中でSI業界がどのような位置づけにあるのか、またWeb系・自社開発企業とどのような違いがあるのかをわかりやすく解説します。
就活で「自分はどのタイプの企業に向いているのか」を判断するうえで必須の知識となる部分です。

IT業界の中でのSI業界の位置づけ

IT業界は大きく分けると、次のような分類があります。
 

  • SI業界(システムインテグレーション)
    →企業や自治体向けの業務システムを企画・設計・開発する受託型が中心。

  • Web系企業(インターネットサービス開発)
    →自社サービス・アプリなどを自分たちで開発・運営。

  • 自社開発企業(BtoBSaaS/製品開発)
    →企業向けにクラウドサービスやツールを提供。

  • ITコンサルティング企業
    →経営課題に対してITを軸に戦略を提案・伴走。

  • ハードウェア/通信系企業
    →デバイスやネットワークインフラの提供。


この中でSI業界は、企業の業務に合わせたオーダーメイド型のシステム開発を行う領域で、銀行・保険・メーカー・物流・自治体など、ほぼ全ての業界を相手に仕事をするのが特徴です。

社会基盤となる大規模システムの開発・運用に携わるため、IT業界の中でも特に企業活動を支える重要なポジションと言えます。

SI業界とWeb系・自社開発企業の違い

就活生がよく比較するのが「SI業界vsWeb系・自社開発」です。
大きな違いは開発スタイル・仕事の裁量・働く環境に現れます。
 

  • 開発スタイル

  • SI業界:受託開発が中心
    →顧客企業のニーズに合わせてシステムをゼロから構築。

  • Web系:自社サービスを内製
    →社内でサービス改善を繰り返しながら運用。

  • 自社開発:製品(SaaSなど)を社内で開発・改善

 

  • 関わる業務・スキル

  • SI業界:業務理解・要件定義・プロジェクト管理が重要

  • Web系:高速な開発サイクル・UX改善・データ分析が重要

  • 自社開発:継続的なサービス改善・技術選定が重要


SI業界では顧客とのコミュニケーションや調整能力が強く求められる一方、Web系はスピード感や企画力、サービス改善の姿勢が重要になります。
 

  • 仕事内容の広さ/深さ

  • SI業界:業界横断で多様な企業の大規模案件を経験できる

  • Web系:特定のサービスを深掘りして改善していく

 

  • チーム体制

SIは大手企業が多く、
 

  • ・大規模プロジェクト

  • ・多職種メンバーが関わるPMスタイル


の仕事が多いのが特徴です。

新卒がSI業界を選ぶときに意識したいポイント

SI業界を選ぶ際は、どんな経験が積めるのかと成長しやすい環境かの2点を必ず確認しておきましょう。

まず、企業ごとに任される業務は異なるため、上流工程(要件定義・設計)に早く関われるか、あるいは開発中心で技術を磨けるのかは重要な判断ポイントです。
次に、SIerには一次請け・二次請けなどの立ち位置があり、
 

  • ・一次請け:顧客と直接やり取りし、上流工程の経験が積みやすい

  • ・二次・三次請け:開発経験を積みやすく技術力を伸ばしやすい


という特徴があります。自分のキャリアの方向性に合う環境かどうかを見極めておきましょう。

また、新卒の場合は、研修制度や教育体制がどれだけ整っているかも大きな差になります。
入社後に安心して成長できる環境かどうか、企業説明会や社員訪問などで確認しておくと良いでしょう。

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3. SI業界の市場規模・将来性・トレンド分析

SI業界は、単に「ITの仕事がある業界」というだけでなく、日本のIT投資の中心を担っている大きなマーケットです。
DX推進やクラウド・AIの普及によって、企業がシステムに投資する金額は増え続けており、その多くをSI企業が支えています。

ここでは、市場規模のイメージ・今後の将来性・注目のトレンドを押さえておきましょう。
「本当にこの業界を選んで大丈夫かな?」という不安を解消する材料にもなります。

SI業界の市場規模と伸び率

SI業界を含んだ全体のIT業界の市場規模は、2020年で12兆9102億円、2021年で15.2兆円、2022年で15.9兆円と年々増加しています。狭義のSI業界として、ソフトウェア開発、プログラム作成のみに絞った場合でも、市場規模は2020年で9.3兆円、2021年11.0兆円、2022年11.5兆円となっており、毎年伸長している将来性の高い市場だといえます。

なお、他の業界と比較すると、コンビニエンスストア業界が11兆円、銀行業界が10兆円、鉄道業界が7兆円と、他の業界と比較しても高い市場規模額を誇ります。IT化が進む今日、どの業界でもITに関する開発は必要になっておりますので、その開発を下支えしているのがこのSI業界業界の特徴です。

※出典:「特定サービス産業動態統計」情報サービス業より(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/result-2.html
※参考:市場規模マップ

DX・クラウド・AIがSI業界にもたらす影響

ここ数年のITトピックとして欠かせないのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)・クラウド・AIです。
これらの技術は、SI業界にとって「仕事を奪うもの」ではなく、むしろ新しい案件や役割を生み出す原動力になっています。
 

  • DX
    ・紙や電話中心の業務をデジタル化
    ・部署ごとにバラバラだったシステムを統合
    ・データを活用した経営判断を行うための仕組みを作るなど
     

  • クラウド
    ・自社でサーバーを持たず、クラウド上にシステムを構築するケースが増加
    ・既存のオンプレミス型システムをクラウドに移行する案件が増えている
     

  • AI・データ活用
    ・需要予測、レコメンド、異常検知など、データ分析・AI活用案件が増加
    ・ただAIを入れるだけでなく、「どの業務にどう使うと効果的か」を設計する役割がSIerに求められています。


このように、DXやクラウド・AIの広がりによって、SI業界の仕事はより上流・より戦略寄りへシフトしている側面があります。
単に「システムを作る人」ではなく、企業と一緒にビジネスの変革を考えるパートナーとしての役割が強まっているのです。

大手SIerが注力する最新分野

大手SIerは、従来の業務システム開発だけでなく、今後の成長を見据えてさまざまな新領域に注力しています。代表的なものをいくつか挙げると、次のような分野があります。
 

  • スマートシティ・社会インフラ系
    交通、エネルギー、防災、行政サービスなどをITで高度化するプロジェクト。
    都市全体の最適化に関わる、大規模・長期の案件が多い分野です。

  • 医療・ヘルスケアDX
    電子カルテや予約システムだけでなく、データを活用した診療支援や、在宅医療を支える仕組みづくりなど、医療現場のIT化に関わる案件が増えています。

  • 製造業のスマートファクトリー化
    IoTやセンサーを使って工場の生産ラインを可視化し、稼働状況や品質をリアルタイムで把握するシステムなど、ものづくりの高度化を支えるプロジェクトです。

  • 金融DX・キャッシュレス・決済インフラ
    オンラインバンキング、キャッシュレス決済、セキュアなデータ連携など、私たちの生活に密着したシステムの裏側も、多くの場合SIerが関わっています。

  • セキュリティ・ゼロトラストなどの基盤領域
    DXやクラウド化が進むほど、情報セキュリティの重要性も増しています。
    ネットワークやID管理、ログ監視など、安全にシステムを運用するための基盤づくりも、大手SIerが力を入れている分野です。


こうした最新分野は、今後も成長が期待される領域であり、新卒でSI業界に入る人にとってもやりがいのあるテーマが多いと言えます。
「社会課題の解決に関わりたい」「大規模な仕組みづくりをしたい」という人にとって、SI業界は魅力的な選択肢になるでしょう。

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4. SI企業の種類と大手SIerの特徴

ここでは、SIerにはどんな種類の業態があるのか、どんな企業があるのかについて解説していきます。

関連記事:SIer(エスアイヤー)とは?仕事内容やSEとの違いを解説

ユーザー系SIer

ユーザー系SIerは、比較的規模の大きな事業会社の情報システム部門が独立してSIerとなったケースの企業です。基本的には、親会社のシステムを中心に開発します。
トヨタシステムズや東京海上日動システムズ、NTTデータなどの大手企業などがユーザー系SIerの例にあたります。
親会社からの案件を請け負う場合が多いので、利用者に近い視点で開発でき、感想を直接聞きやすいのがメリットだといえます。
なお、一部のユーザー系SIerでは、それ以外の企業からの案件も請け負っています。その場合は、業界にとらわれず、さまざまな案件に挑戦できる点が魅力だといえます。

関連記事:ユーザー系SIerとは?特徴・仕事内容・就職対策までわかりやすく解説!【新卒向け】

メーカー系SIer

パソコンなどを製造するコンピュータハードウェア会社や、そのグループ会社がSIerとして多様な業種の顧客システムを開発します。自社のコンピュータやソフトウェアなどを使って幅広い開発ができます。
日立製作所や富士通、NECなどの企業が代表的なメーカー系SIerの例です。

なお、メーカー系SIerは一般的に大規模なシステム開発を担うことが多く、長期プロジェクトで長期のプロジェクトの場合は、「客先常駐型」と言って、クライアント企業の部署に出向して仕事をすることがあります。また、数社で大型のプロジェクトを進める場合、そのプロジェクトの一部をまた別の企業に外注する、といった多重下請け構造のもと案件を進めることもあります。

独立系SIer

独立系SIerはユーザー系やメーカー系と異なり、親会社を持たずに独立したSIerとして活動します。親会社の影響を受けないため、自由で小回りの利くビジネスができる点が特徴です。
大塚商会やSCSK、オービックなどが独立系SIerの企業例です。
受託する案件の選定や開発で使用する言語の選択などもすべて自社で決めることができ、自由度が高いことも、独立系SIer企業の大きな特徴といえるでしょう。

一方で、営業活動は基本的に全て自社で行わなければならないため、案件獲得が安定せずハードスケジュールになってしまう面もあるようです。

関連記事:独立系SIerとは?強みや「やめとけ」と言われる理由と実態を解説

外資系SIer

外資系SIerは、欧米に本社をおくSIerの日本法人です。世界規模で事業を行う著名な企業が多く、人事制度や働き方の文化が日系Slerとは異なる場合もあります。
日本オラクルやアクセンチュア、日本IBMなどが外資系SIer企業の例です。
なお、外資系SIerは、日本の会社に比べて能力主義の傾向にあります。そのため、実力があれば高収入を得られるでしょう。年功序列では昇級しにくいため、仕事で実績を残す意欲が高い方におすすめです。

また、社内に外国籍の社員が多かったり、海外の本社とのやりとりが発生したりするケースが有るため、英語や中国語など外国語が求められる場合があるのが外資系SIerの特色です。企業によっては、選考に応募する際にTOEICのスコアを要求される場合もあります。

コンサル系SIer

コンサル系SIerは、ITの導入企画や戦略立案を行った上で、システムの開発を行います。経営やビジネスに関する課題分析を得意としています。野村総合研究所やアビームコンサルティングなどがコンサル系SIerの例にあたります。

コンサル系SIerは、システムの開発だけでなく顧客のビジネス課題の特定、ITの活用による課題解決までを担うことが多いです。開発物の納品だけでなく、課題解決までトータルにサポートを行う点が特徴的です。
なお、場合によっては実際の開発は別の企業に外注している場合もあり、顧客の課題解決スタイルは企業によって大きく異なります。

SI業界の主要大手企業と業界シェア

SI業界では、一次請けの大手SIerが業界シェアの大部分を占める構造になっています。
代表的な企業としては、NTTデータ、富士通、日立製作所、NEC、SCSK、アクセンチュアなどが挙げられ、金融・公共・製造など社会インフラに関わる大規模案件を担っています。

大手SIerの特徴は、以下が挙げられます。
 

  • ・上流工程に関われる機会が多い

  • ・研修・教育が充実している

  • ・大規模プロジェクトでマネジメント力が身につきやすい


大きな案件に関わりたい、社会に影響のある仕事がしたい新卒に向いています。

新卒が狙いやすい中堅・準大手SIerの特徴

中堅・準大手のSIerは、規模は大手ほどではないものの、新卒が早い段階から実務経験を積みやすい環境が整っている企業が多いのが特徴です。
具体的には、以下の通り手を動かしながら成長したいタイプの新卒に向いています。
 

  • 開発工程にしっかり関われる

  • 若手がプロジェクトの中心メンバーになりやすい

  • 技術スキルを磨きやすい案件が多い

  • 大手の一次請けと連携しながら安定的に案件がある


また、企業によってはクラウド・AIなど最新技術に積極的な会社も多く、成長企業を選びやすいことも魅力です。

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5. SI業界の主な仕事内容と開発の流れ

SIerに所属するITエンジニアの仕事は、顧客から依頼を受けてシステムを開発することです。システム開発は大きく以下の3工程に分けられます。企業によって、一人のエンジニアがすべての工程に携わる場合もあれば、それぞれ異なる職種のITエンジニアが仕事に携わったり、特定の工程のみ他の会社に外注したりする場合もあります。

要件定義・設計

要件定義とは、顧客の要望をヒアリングし、システム化に必要な機能や要求を要件定義書としてまとめることです。その後、作成した要件定義書を元にシステム設計を行います。顧客とのコミュニケーションが重要とされる工程です。
設計の工程は、基本設計と詳細設計にさらに細分化されます。

システム開発・テスト

設計書ができたら、それを元にプログラマーがプログラミングを行います。プログラムモジュールの完成後は、顧客との最終テストを経てシステム開発が完了します。プログラミングスキルが求められる工程です。

運用・保守

システムが完成した後は、そのシステムを安定して稼働させるために、運用・保守を行います。なんらかのトラブルによるシステム障害が発生した場合には、システム修正などのリカバリ対応が必要です。定期的なバックアップやハードウェア点検といった保守作業も欠かせません。

上流・下流工程の違いとキャリアステップ

SI業界の仕事は、大きく上流工程下流工程に分かれます。役割がハッキリ分かれているため、自分がどのキャリアを目指すか考えるうえで理解しておくことが大切です。

下流工程は、主に開発やテストなど「実際に手を動かす」フェーズです。
新卒の場合はここからスタートすることが多く、プログラミングやIT基礎を身につけやすいのがメリットです。

一方、上流工程は、要件定義や設計など「システム全体を考える」フェーズ。
顧客と直接調整したり、プロジェクト全体の方針を決めたりと、難易度は高いものの市場価値は上がりやすいポジションです。

キャリアの流れとしては、
開発(下流)→設計→要件定義(上流)→PM(プロジェクトマネージャー)
というステップを踏むことが一般的です。

最初は下流工程に集中してスキルを磨き、経験を積んだあと上流に挑戦することで、より幅広いキャリアを目指せるようになります。
「技術を極めたい」「プロジェクト管理に進みたい」など、方向性に応じて進路を選べるのもSI業界の魅力です。

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6. SI業界の代表的な職種とキャリアパス

ここでは、SI業界における代表的な職種を紹介します。

システムエンジニア

システムエンジニアは、クライアントから要望をヒアリングしてシステムの設計書を作成すし、完成後のプログラムの動作テストまで一貫して開発物の納品に責任を持つ職種です。システムエンジニアにはプログラミングスキルだけでなく、幅広いIT関連の知識やコミュニケーション能力、マネジメントスキルも求められます。

関連記事:システムエンジニアとは?仕事内容や年収・必要なスキルを解説

サーバーエンジニア・インフラエンジニア

サーバーエンジニア・システムエンジニアは、サーバーやネットワークといったITシステムの基盤の設計や構築、運用・保守を行うエンジニアです。ITシステムに関する専門的なスキルに加え、セキュリティについての知識が必要な職種です。

また、ほかのエンジニア職と比べ、報告書やマニュアルなどのドキュメントを作成する機会が多い傾向にあり、論理的思考力や文章力も求められます。文系ならではの能力を活かし、活躍できる職種といえるでしょう。

関連記事:サーバーエンジニアとはどんな仕事?必要なスキル・資格と就活のコツ
関連記事:新卒からインフラエンジニアになるには?仕事内容・年収・就活の進め方まで徹底解説

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、企業や自治体などのシステム開発現場や、携帯キャリアやISPなどの通信インフラを提供する企業において、ネットワークの設計・構築・運用保守を担うエンジニアです。直接プロダクトの開発に携わるわけではなく、ネットワークの設計や構築に責任を持ち、インフラとしてのネットワークを構築する責任を持ちます。

関連記事:ネットワークエンジニアに新卒でなる方法|企業選びのポイントまで解説

営業

直接テクノロジーの開発に携わりはしませんが、開発した製品やサービスを広く拡販し販売する営業職も人気です。システム開発の提案やネットワーク機器の提案、IT機器の販売など、広くITに関する商品を販売・提供する職種になります。
文系職でIT企業に就職する方は営業職が多く、顧客ニーズを理解して提案する営業力・自社製品に対する詳しい理解や専門知識が求められる仕事です。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、ITを活用してクライアントが抱える課題の解決策を提案する職種です。提案内容は、経営方針に沿ったIT戦略の策定やシステム開発など、ITを用いた顧客の課題解決全般にわたります。ITコンサルタントとして活躍するには、IT関連の幅広い技術や知識のほか、ビジネスのノウハウやヒアリング力が必須になります。

関連記事:新卒でITコンサルタントになるために知っておくべき7つのこと|キャリア例も合わせて紹介

プロジェクトマネージャー(PM)へのキャリアパス

PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクト全体を計画し、進行を管理する役割を担うポジションです。
SI業界では「最終的にPMを目指す」キャリアが一般的で、市場価値も高い職種といえます。

PMへのステップは多くの場合、
プログラマー→システムエンジニア→リーダー(サブPM)→PM
という流れをたどります。
開発経験や設計経験があるほど、PMとしての判断力や問題解決力が磨かれやすいため、まずは現場の実務を理解することが重要です。

PMになると、
 

  • ・コスト管理(予算・工数の調整)

  • ・進捗管理・品質管理

  • ・顧客との折衝・提案

  • ・チームメンバーのサポートや調整


といった業務が中心になります。

“人と関わる仕事が好き”“チームを動かすことに興味がある”人は、早い段階からPMを意識するとキャリア形成がスムーズです。

技術職とマネジメント職の違い

SI業界では、キャリアを進める中で、技術を極める道(技術職)と、人やプロジェクトをまとめる道(マネジメント職)に分かれるケースが多いです。

技術職(スペシャリスト)は、以下を中心に担当し、技術力で価値を発揮するタイプのキャリアです。
 

  • ・高度な設計・アーキテクチャ設計

  • ・クラウド・セキュリティなど専門領域の深掘り

  • ・技術選定・技術的な問題解決


一方、マネジメント職(PM・PLなど)は、以下を担当し、“人とプロジェクトを動かす”ことが主な役割になります。
 

  • ・人員配置や進捗管理

  • ・顧客調整や提案

  • ・プロジェクト全体のリスク管理


どちらが優れているというわけではなく、「技術を極めたいか」「チームを動かすことが好きか」によって向き不向きが変わります。

新卒のうちは両方の仕事を経験しながら、自分の適性を確かめることが多いです。
途中から道を変えるケースも一般的なので、最初に進路を固定しすぎる必要はありません。

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7. 新卒でSI業界に就職するメリット

SIerとして働きたいと考える方へ向けて、メリットを3つ紹介します。
SI業界はまだまだ伸びていく市場でもあるため、今後も働き手が多く不足することが予測されます。

ノウハウを蓄積でき、転職市場でも活かしやすい

SIerで働くことで、開発や運用のノウハウを蓄積できます。ユーザー系やメーカー系のSIerでは、元請け(一次請け)であれば大型案件の開発工程に携われるのがポイントです。

また、SIerでは、ときにはIT知識が豊富でない顧客企業の社員に対して、プロジェクトの概要やシステムの仕様に関する説明をすることもあります。そのため、開発スキルだけでなく、クライアントへの資料作成などの技術も培われます。独立系や外資系のSIerであれば、営業方法や自分から提案する能力も身につくでしょう。

日本のIT人材は不足しており、今後も需要が見込まれる

経済産業省が平成28年に行った「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」では、2030年には約41~79万人ものIT人材が不足するとされています。IT業界は人材を常に探している状態であり、SIerも例外ではないでしょう。こうした需要の高さは、SIerの魅力の1つだといえます

世界的にIT化のニーズが進んでいる

世界的にIT技術が進化していることもSI業界として就職するメリットの1つです。今後日本以外の国でももっとIT化が進んでいくにあたり、日本だけでなく海外での仕事も増えてくるでしょう。そのため、仕事がなくなるということはまずほとんどないと言ってもよく、むしろ働き手が常に不足している状態なのです。また、海外の仕事を経験しつつ、別の海外企業へ転職するというキャリアパスもあるため、よりキャリアの可能性を広げられるのもSI業界の特徴の1つです。

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8. SI業界に向いている人の特徴

SI業界は「技術力」だけでなく、コミュニケーション力・学習意欲・チームワークなど、総合的なスキルが求められる分野です。
ここでは、特に新卒が知っておきたい“SI業界で活躍しやすいタイプ”を3つ紹介します。

クライアントとコミュニケーションを取りながら仕事を進めたい人

SI業界では、顧客の要望をヒアリングしながらシステムを形にしていくため、人と話すことが苦にならない人や相手の意図をくみ取るのが得意な人が向いています。
技術だけでなく「相談される」「説明できる」スキルが大切になる仕事です。

新しい技術を学び続けることが好きな人

IT業界は技術の変化が速く、SIerも常に新しい知識を吸収し続ける必要があります。
学ぶことが好きな人・変化に前向きな人は、強みをそのまま業務に活かせるでしょう。
クラウドやAI、セキュリティなど新分野に挑戦したい人にも向いています。

チームでプロジェクトを進めるのが好きな人

SIの仕事は、多くのエンジニアや関係者と協力しながら進めていくため、チームで成果を出すことが好きなタイプに向いています。
役割分担・進捗管理・情報共有など、協力しながらゴールに向かう力が求められます。
“みんなで何かを作り上げる経験が好き”という人にピッタリの環境です。

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9. 新卒でSI業界を目指す準備と就活対策

新卒からSI業界で働くためにやるべきことについて解説します。

一口にITエンジニアと言ってもさまざまな職種や仕事がありますが、新卒ではプログラマーからキャリアをスタートすることが多いです。そのため、学生のうちにプログラミングの基礎的な知識・スキルを身につけておくと、就活でも有利になるでしょう。

基礎的なプログラミングスキルを習得する

多くのWebサービスや業務システムで使用されている、Java・PHP・Pythonなどのプログラミング言語の学習がおすすめです。基礎レベルのスキルであっても、仕事に対する意欲や将来性を評価してもらえる可能性があります。おすすめの学習方法は以下のとおりです。

書籍やオンライン学習サイトを活用して独学する

参考書や、オンライン動画、オンライン質問サイトなどを活用すると、独学でもプログラミングが学べます。著名なオンライン学習サイトとしては、Progate・ドットインストール・Schoo・Udemyなどがあります。

オンラインサイトには無料のものも多く、安価かつ手軽に学習を始められることがメリットです。ただし、疑問点があっても自分で解決する必要があるため、モチベーションを保つことが難しく、プログラミング初心者はハードルが高く感じる場合もあります。

スクールを活用する

プログラミングスクールでは、初心者でも一からプログラミングを学ぶことができ、一定期間で確実にスキルを習得できます。質問や疑問点にも現役エンジニアなどのプロの講師がしっかりと対応するため、効率的に学習が進められ挫折しにくいのが大きなメリットです。ただし、独学での勉強に比べてコストがかかるため、しっかりと吟味して自分にあったスクールや講座を選ぶことが重要です。

関連記事:プログラミングの勉強方法は何がいい?挫折せず続ける方法について解説!

資格を取得する

資格取得のための受験勉強をすれば、プログラミングの知識を体系的に学べます。就活時に資格は必須ではありませんが、知識やスキル、学習意欲の証明にもなるため、アピールポイントになるでしょう。
学割制度などもあるため、資格によっては学生が挑戦しやすい場合もあります。以下は、代表的なプログラミング言語の基礎的な資格試験の例です。

Java:OracleCertifiedJavaProgrammer,BronzeSE7/8
PHP:PHP7初級試験
Python:Python3エンジニア認定基礎試験

インターンシップに参加する

インターンシップでは、現役エンジニアの指導を受けながら仕事をする機会もあるため、より実践的なプログラミングスキルが身につくでしょう。また、実際の職場を体験することで企業や仕事への理解が深まり、就活時に経験から得た知識をアピールできるのも大きなメリットです。
中にはインターンでの働きぶりが評価され、そのまま正社員として採用されるケースもあります。

関連記事:【完全版】プログラミングインターンの探し方解説|インターン先の選び方まで紹介

企業研究・OB訪問でリアルな情報を得る

SI業界は企業ごとに担う工程や仕事内容が大きく異なるため、企業研究の深さがそのまま志望動機の質につながります。
特におすすめなのがOB・OG訪問や社員面談で“現場の声”を集めることです。
企業サイトや説明会では分かりにくい以下の情報は、OB訪問のほうが圧倒的にリアルに聞けます。
 

  • ・実際に任される工程(上流か下流か)

  • ・若手の裁量の大きさ

  • ・プロジェクトの働き方(残業・チーム体制)

  • ・最新分野への取り組み状況


特にSI業界は職場環境がプロジェクトごとに変わることも多いため、複数の社員に話を聞いて比較するのがおすすめです。
ここで得た情報は志望理由の説得力にも直結します。

志望動機を磨くための自己分析法

SI業界の志望動機を明確にするためには、まず「自分が何にやりがいを感じるか」を整理することが重要です。
自己分析をする際は、次の3つの視点を使うと深掘りしやすくなります。
 

  • 1. 過去の経験から“好きだったこと”を抽出する
    →例:チームで何かを作るのが好き/分析・改善が得意など

    2. その経験のどの要素がSI業界と結びつくかを言語化する
    →例:問題を整理して解決策を考えるのが得意→要件定義と相性がいい

    3. 将来どう成長したいかを描く
    →例:上流工程に挑戦したい/PMを目指したい/社会インフラに関わりたい


この3ステップが整理できると、「なぜSI業界なのか」「なぜその企業なのか」が自然と明確になります。
自己分析が深いほど、企業側にも“言葉に説得力がある”と感じてもらいやすくなります。

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10. SI業界の志望理由・志望動機を作成するコツ

SI業界の選考では、「なぜSIなのか」「なぜこの企業なのか」を一貫性のある言葉で伝えることが重要です。
ここでは、新卒が押さえておくべき志望動機づくりの3つのポイントを紹介します。

なぜSI業界を志望するのかを明確にする

まず最初に整理すべきなのは、「なぜITの中でもSI業界なのか」という理由です。
たとえば、以下のように自分の経験や価値観から導ける理由を言語化しましょう。
 

  • ・企業の課題解決に関われる点に魅力を感じた

    ・大規模なシステムに携わりたい

    ・人と関わりながら開発を進められる仕事がしたい


抽象的な「ITに興味がある」だけでは弱いため、“SI業界ならではの役割”と紐づけて説明できることが大切です。

SI業界で何をしたいのか・どんなキャリアを描くのか

次に必要なのが、入社後にどんな仕事をしたいか・どんな成長を目指すかの具体化です。
例としては、以下のように自分が目指したい姿を明確にすると志望動機に説得力が生まれます。
 

  • ・上流工程に挑戦したい

    ・将来はPMとしてプロジェクトをリードしたい

    ・クラウドやAIなど最新技術を扱えるエンジニアになりたい


企業は「長く成長してくれるか」を見ているため、将来像を言語化しておくことは大きな加点ポイントになります。

なぜそのSI企業を選んだのかを具体的に伝える

最後の仕上げは、数あるSI企業の中で、なぜその会社なのかを説明することです。
待遇や知名度だけではなく、以下のような比較ポイントを根拠にして伝えると、志望度の高さが伝わります。
 

  • ・事業領域(金融・公共・製造など)が自分の興味と合っている

    ・上流工程に関われる環境がある

    ・教育制度やキャリア支援が充実していて成長できると感じた

    ・社員との面談で働く姿をイメージできた


ここをしっかり説明できると、企業側に「この学生はしっかり研究している」「ミスマッチが起きにくい」と感じてもらいやすくなります。

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11. まとめ

SI業界は、日本のITを支える大規模な市場であり、DX・クラウド・AIなどの需要拡大により、今後も成長が期待される分野です。
業務内容や担当工程は企業によって大きく異なるため、業界構造・仕事内容・キャリアパスを理解したうえで志望企業を選ぶことが重要です。
また、新卒のうちは技術力を磨きつつ、自分が「技術を極めたいのか」「マネジメントを目指したいのか」を少しずつ見極めていけば問題ありません。
企業研究・OB訪問でリアルな情報を集め、あなた自身の強みや価値観に合う企業を見つけていきましょう。

SI業界は、成長したい人に多くのチャンスがあるフィールドです。あなたの就活がより良い方向に進むことを応援しています。

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