ITエンジニアがきついと言われる7つの理由とは？就活で失敗しないための解決策

• 1.ITエンジニアがきついと言われる7つの理由

• 2.未経験・新卒でITエンジニアを目指す時の注意点

• 3.ITエンジニアの魅力・将来性

• 4.ITエンジニアへの就活で失敗しないための5つのコツ

• 5.まとめ

1.ITエンジニアがきついと言われる7つの理由

ITエンジニアがきついと言われる主な理由として、以下の7つが挙げられます。
 

• ・専門職・技術職として高いスキルが求められるから

  ・クライアントワークによる働きにくさがあるから

  ・納期のプレッシャーでストレスを感じやすいから

  ・人手不足で残業・休日出勤が発生しやすいから

  ・客先常駐がキャリア形成につながりにくいから

  ・下請け企業では業務量の割に給料が低いから

  ・ブラック企業に入社してしまうリスクがあるから

それぞれどのような理由でITエンジニアの大変さにつながっているのかを詳しく解説します。

関連記事：なぜ「システムエンジニアはやめとけ」と言われるのか？7つの理由と就活のコツ

専門職・技術職として高いスキルが求められるから

ITエンジニアはIT業界における専門職・技術職であり、IT企業に入社して活躍するためには高いスキルが求められます。新卒で入社した時点ではプログラミングスキルが未経験でも問題ないという企業であっても、人事評価を高めて高い年収・ポジションを得るためには、非常に高いスキルが必要とされます。

就職する職種にもよりますが、ITエンジニアに求められるスキルや知識は幅広く、プログラミング言語だけではなく、サーバーやネットワークといったインフラについての知識や、機械学習・データ処理、セキュリティ対策などの知識が求められます。古いスキル・知識が陳腐化するのも早い業界なので、常に新たなスキルや知識を磨き続ける必要があることも、ITエンジニアはきついと言われる理由となっています。

クライアントワークによる働きにくさがあるから

ITエンジニアが働く現場は、クライアント企業から受注したシステム開発に携わる「クライアントワーク」が中心で、クライアントの都合に振り回されやすい性質があることから、ITエンジニアはきついと言われることもあります。たとえば、当初のスケジュール通りに計画的に業務を進めていたが、クライアント都合の急な仕様変更やスケジュール変更により、計画の見直しが必要になるケースも考えられます。二次請け・三次請けなど、より下層に位置する下請け企業ほど、こうしたクライアントワークのデメリットが目立ちやすくなるでしょう。

ただし、クライアントワークにはさまざまな業界の企業のシステム開発に携われるというメリットがあり、ITエンジニアとしてのキャリアを積み重ねるのにも最適です。もしくは自社開発が中心のIT企業を選ぶことで、クライアントワークのデメリットが少ない環境で働くことも可能です。

納期のプレッシャーでストレスを感じやすいから

受注開発の現場で働くITエンジニアは、常に納期と戦いながら働く職種でもあります。納期の直前には残業や休日出勤が発生することもあり、ワークライフバランスを重視する方の中には「ITエンジニアはきつい」と感じることも多いようです。自分では納期に合わせて計画的に仕事を進めていたとしても、前述したようなクライアント都合の仕様変更などが発生する可能性もあり、必ずしもスムーズに業務が進むとは限りません。

そうした環境の中でも柔軟に頭を切り替えて業務に取り組める方であればITエンジニアへの適性は高いですが、納期のプレッシャーに対して強くストレスを感じてしまう方は、ITエンジニアはきついと感じることが多くなるでしょう。

人手不足で残業・休日出勤が発生しやすいから

ITエンジニアは慢性的な人手不足が続いており、どの現場でも優秀な人材の確保が課題となっています。その結果、現場で働くITエンジニア一人ひとりに大きな負荷がかかっているのが現状であり、残業や休日出勤などの長時間労働にもつながっています。こうした環境の中で働く中で、ITエンジニアはきついと感じることも多いのです。

こうしたIT業界の人手不足を解消するために未経験の新卒人材を採用し、長期的な視点でITエンジニアを育成しようと考える企業も増加しています。そのため将来的にはIT業界全体の人手不足も解消へと向かい、一人ひとりの負担も少なくなった結果、より働きやすい環境の中で活躍できる可能性もあります。

客先常駐がキャリア形成につながりにくいから

未経験からITエンジニアを目指す場合、SESと呼ばれる客先常駐が中心の働き方になることが多いです。客先常駐では、プロジェクトごとに働く職場が切り替わり、毎回異なる環境に適応する必要があるため、客先常駐のITエンジニアは特にきついと感じるケースです。

また、客先常駐で働くITエンジニアの場合、クライアント企業の人手不足を解消するための労働力として必要とされるケースが多く、単純作業が中心で長期的なキャリア形成が難しいことも多いです。IT業界で長期的に活躍できるITエンジニアを目指すのであれば、なるべく早めに専門性の高いスキルを身につけ、長期的なキャリア形成を見据えた企業に転職する必要があるでしょう。

下請け企業では業務量の割に給料が低いから

ITエンジニアが働くIT業界では、現在も多重下請け構造が残っており、二次請け・三次請けなどの下層に位置する企業になるほど、激務を割安な給料で担当することが多くなっています。下請け企業で働くITエンジニアの仕事が割に合わないと感じ、きついと感じるケースも少なくないのです。

下請け企業で働くITエンジニアは、上流工程と呼ばれる専門性の高い業務を任せられる機会が少なく、長期的なキャリア形成でも不利になってしまいます。将来はITエンジニアとしてステップアップして高収入を得たいと考えている場合には、システム開発の上流工程を担当できる元請け企業や、自社開発の企業を優先的に選ぶことが大切です。

ブラック企業に入社してしまうリスクがあるから

IT業界の慢性的な人手不足や、多重下請け構造により、若手人材の労働力を使い潰そうとするブラック企業が存在するのも事実です。そうしたブラック企業に入社してしまった方の中には、ITエンジニアという仕事全般に対して「きつい」「やめとけ」といったネガティブなイメージを持ってしまうことも少なくありません。

ただし、ITエンジニアの労働環境が十分に整っていないブラック企業がある一方で、ITエンジニアを大切にして技術力の向上を応援するホワイト企業も存在します。そうした企業に入社して、会社のバックアップを受けながらITエンジニアとしてのキャリア・スキルを積むことにより、市場価値の高いITエンジニアになることができるでしょう。

関連記事：なぜ「未経験からエンジニアはやめとけ」と言われるのか？7つの理由と就活成功のポイント

2.未経験・新卒でITエンジニアを目指す時の注意点

次に、未経験・新卒からITエンジニアを目指す時に、必ず押さえておきたい注意点を3つご紹介します。
 

• ・Tエンジニアへの向き・不向きを理解しておく

  ・キャリア形成を有利に進めるなら開発経験が欠かせない

  ・常にスキル・技術を磨き続ける必要がある

それぞれ詳しく解説していきましょう。

関連記事：新卒エンジニアに未経験でなるには？エンジニア就職に向いている人はこんな人
関連記事：新卒必見！SEに向いている人、向いていない人の特徴を徹底解説

ITエンジニアへの向き・不向きを理解しておく

ITエンジニアは、ほかの職種と比べて向き・不向きがはっきりしている職業でもあります。専門性が高く技術力が求められるので、ITエンジニアに適性がない方にとっては入社後にミスマッチを感じる可能性が高くなってしまうのです。

ITエンジニアに向いている人の特徴には、論理的な思考が得意な方やパソコン操作に苦手意識がない方、自発的にITトレンドを追いかけられる方が挙げられます。論理的なプログラミング言語の仕組みを理解し、パソコンスキルを活用しながら働くことができて、プライベートの時間でもITニュースなどをチェックする習慣がある方であればITエンジニアの資質があります。

一方で、華やかで派手な仕事に携わりたい方や、プレッシャーに弱いタイプの方、IT業界のトレンドやニュースに興味がない方にとっては、ITエンジニアを目指すのは厳しい道になることが多いです。こうした向き・不向きについて、十分に自己分析を深めてからITエンジニアの募集に応募すると良いでしょう。

キャリア形成を有利に進めるなら開発経験が欠かせない

未経験・新卒からITエンジニアとして就職し、長期的なキャリア形成を有利に進めるためには、学生時代に開発経験を積んでおくことが大切です。新卒採用であれば未経験からITエンジニアを目指すことも可能ですが、志望動機などでライバルとの差別化が難しく、研修制度や福利厚生が整った企業に入るのは至難の業です。

しかしITエンジニアとして活躍するための土台として、学生時代からプログラミング言語を学び、小さなサービスであっても自分でプロダクトを開発した経験があると、ホワイト企業からの内定を取りやすく長期的なキャリア形成を有利に進められます。ITエンジニアへの適性があるかどうかを判断することにも役立つので、就活と並行しながらプログラミング言語を学び、開発実績を作ってみることをおすすめします。

常にスキル・技術を磨き続ける必要がある

ITエンジニアとして長期的に活躍していきたいと考える場合には、常にスキルや技術を磨き続ける必要がある点も押さえておきましょう。IT業界は変化が激しい世界であり、今後生成AIなどが普及することによりさらに変化のスピードが激しくなることも考えられます。そうした状況の中で、これまで学んだ技術やスキルだけで戦おうとしても、不利な状況に置かれてしまいます。

1つのプログラミング言語だけを集中して学習するのではなく、今業界で使われている言語を新たに学び直したり、将来性が高いとされるAIエンジニア・クラウドエンジニアへのジョブチェンジを目指したりと、継続的な努力が必要になる職種であることをしっかりと押さえておきましょう。

3.ITエンジニアの魅力・将来性

IT業界やITエンジニアは将来性が高いというイメージを持っている方は多いでしょう。その背景には、IT業界が抱えている慢性的な人手不足によって、ITエンジニアの需要が高まっていることが挙げられます。経済産業省が発表する「IT 人材需給に関する調査」のデータでも、2030年までに最大で約79万人のIT人材が不足すると試算されているほどで、こうした現状が解消されるまでにはまだまだ時間がかかります。一方で優秀なITエンジニアに対しては、企業からのオファーが集中し、専門性の高いITエンジニアの奪い合いが起こっている実情があります。

そのため専門性が高く技術力を備えたITエンジニアになることで、待遇・福利厚生に恵まれた働きやすい環境で活躍できるチャンスが待っているのです。ITエンジニアはパソコン1台で働ける職種でもあるため、リモートワークや在宅勤務との相性も良く、独立してフリーランスエンジニアを目指す道も用意されています。

高収入かつ時間や場所に縛られない自由な働き方を実現できるのは、ITエンジニアの将来性が明るいからこそなのです。

4.ITエンジニアへの就活で失敗しないための5つのコツ

最後に、ITエンジニアへの就活で失敗しないためのコツについて、次の5つをご紹介します。
 

• ・プログラミングスキルやIT知識を身につける

  ・簡単な開発実績・制作実績を用意しておく

  ・ITエンジニアの職種の違いを把握しておく

  ・ITパスポート試験や基本情報技術者試験の資格を取る

  ・コミュニケーションスキルを重点的にアピールする

これらのポイントも踏まえた上で、ITエンジニアへの就活に取り組みましょう。

関連記事：エンジニアの就活はこれでバッチリ！スケジュールや準備事項をマルっと解説

プログラミングスキルやIT知識を身につける

就活でITエンジニアを目指すのであれば、なるべく在学中にプログラミングスキルや基礎的なIT知識を身につけるようにしましょう。事前にITエンジニアとしての業務に欠かせないスキルを学んでおくことにより、選考を有利に進められるだけではなく、自分にITエンジニアの適性があるかどうかを調べることにも役立つからです。

また、プログラミング言語だけではなく、サーバーやネットワークについての知識、セキュリティ対策やクラウドサービスについての知識なども身につけておくと、どの職種に応募したとしても高い評価を得やすくなります。就活と並行しながら、ぜひプログラミング学習などに取り組んでみてください。

関連記事：就活生がプログラミングを学ぶべき7つの理由とは？4つのおすすめ言語も解説

簡単な開発実績・制作実績を用意しておく

ITエンジニアとしてのキャリア形成を有利に進めるためには、簡単なサービスやプロダクトで問題ありませんので、開発実績・制作実績を作っておくことも重要です。たとえば、HTML/CSSとJavaScriptの知識を活用して、自分用のスケジュール管理アプリを作ってみるなど。単にプログラミング言語を学習した人と比べて、自分の手でゼロから何かを作った経験を持つ人は、企業からは非常に高い評価を受けられます。

自分でサービスを開発・公開した経験があると、開発の大変さや公開までの流れが理解できており、入社後の研修もスムーズに受けられると企業側も期待するからです。人気ランキングのトップに入るようなアプリ、誰もが知っているようなサービスを作る必要はありませんので、自分の手でサービス公開までを手掛けた実績を作ってみることをおすすめします。

ITエンジニアの職種の違いを把握しておく

本記事では「ITエンジニア」のきつい一面や、就活する上での注意点を解説してきましたが、IT業界で活躍するエンジニアにはさまざまな種類があります。WebサービスやWebアプリを手掛けるWebエンジニアや、スマホアプリの開発を担当するiOSエンジニア・Androidエンジニアのほか、ITサービスの土台を支えるインフラエンジニア、家電や自動車などに組み込まれるソフトウェアを開発する組み込みエンジニアなどの種類もあります。

こうしたエンジニアの種類に応じて、必要とされるプログラミング言語や適性は大きく異なり、「志望職種ではこれまでに学んできたプログラミング言語が活かせなかった」といったケースも少なくありません。そのためITエンジニアを目指す時には、自分がどの職種のエンジニアを目指したいのかをはっきりと決めてから、就活に臨む必要があります。

ITエンジニアの各職種については、下記のページで一覧にして解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事：エンジニアとは？種類・仕事内容・年収・適性を徹底解説します｜レバテックルーキー

ITパスポート試験や基本情報技術者試験の資格を取る

就活でITエンジニアを目指す場合には、基礎的なIT知識を復習しつつ、ITエンジニアとしての土台が身についていることをアピールするためにも、IT系資格を取得しておくことをおすすめします。未経験からでも取得しやすいIT系資格には、「ITパスポート試験」「基本情報技術者試験」の2種類が挙げられます。

いずれも国家資格に分類される資格でありながら、取得のハードルが低いので就活と並行しながら取得するのに適しています。興味がある方はより上位の資格として「応用情報技術者試験」を目指してみても良いでしょう。ITエンジニアのどの職種に就職するとしても必ず役に立つ資格なので、積極的に学習してみてください。

コミュニケーションスキルを重点的にアピールする

ITエンジニアの選考で高い評価を受けるためのコツとして、コミュニケーションスキルを重点的にアピールすることが挙げられます。ITエンジニアのエントリーシートや面接では、プログラミング言語やIT知識など、技術面をアピールする学生が多いですが、実は企業が重点的にチェックしているのは、要点を簡潔に伝え、論理的に受け答えができるかといったコミュニケーションスキルであることも少なくありません。

ITエンジニアとして働く際には、チームとの連携やクライアント企業とのやりとりなど、コミュニケーションスキルが求められる場面も多くあります。ITエンジニアとしての技術力は研修によって身につけられますが、コミュニケーションスキルは一朝一夕には身につけられないスキルのため、新卒採用ではコミュニケーションスキルを重視して選考を行っていることが多いのです。

そのためエントリーシートや面接対策では、技術力だけではなくコミュニケーションスキルをアピールすることを心掛けてみると良いでしょう。

5.まとめ

本記事ではITエンジニアがきついと言われる理由として、以下の7つをご紹介してきました。
 

• ・専門職・技術職として高いスキルが求められるから

  ・クライアントワークによる働きにくさがあるから

  ・納期のプレッシャーでストレスを感じやすいから

  ・人手不足で残業・休日出勤が発生しやすいから

  ・客先常駐がキャリア形成につながりにくいから

  ・下請け企業では業務量の割に給料が低いから

  ・ブラック企業に入社してしまうリスクがあるから

これらの性質を踏まえた上でITエンジニアを目指す際には、自分の向き・不向きを正確に理解し、常にスキル・技術を磨き続ける必要があることに注意しながら、エントリーに進むことが大切です。

ITエンジニアへの就活を成功させるためのコツとして、プログラミングスキルを身につけるだけではなく開発実績を伝えたり、コミュニケーションスキルを重点的にアピールしたりするのが効果的なので、ぜひ実践してみてください。

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