基本情報技術者は新卒の就職に有利?試験内容やITパスポートとの違いを解説

基本情報技術者は新卒の就職に有利?試験内容やITパスポートとの違いを解説
基本情報技術者は、ITエンジニアとして働く上での基礎知識が身につく資格です。取得していると就職活動で有利に働く可能性が高く、IT業界や技術者を目指す方におすすめできます。 この記事では、基本情報技術者の試験概要や試験内容のほか、取得するとどのような仕事に就く際に有利になるのか、具体的な職種名を挙げて解説していきます。

1. 基本情報技術者とは

まず、基本情報技術者試験の基本的な情報を解説します。試験の概要や難易度について確認していきましょう。

基本情報技術者試験の概要

基本情報技術者とは、「情報処理の促進に関する法律第29条第1項」に基づいて経済産業大臣が行う国家資格の一つです。プログラミングに限らず、ITエンジニアの基礎教養が詰まった試験であるため、「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれています。

基本情報技術者試験で求められる技術水準

試験を行う独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によると、基本情報技術者に要求される技術水準は下記の通りです。

1.情報技術を活用した戦略立案に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。
①対象とする業種・業務に関する基本的な事項を理解し、担当業務に活用できる。
②上位者の指導の下に、情報戦略に関する予測・分析・評価ができる。
③上位者の指導の下に、提案活動に参加できる。

2.システムの設計・開発・運用に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。
①情報技術全般に関する基本的な事項を理解し、担当業務に活用できる。
②上位者の指導の下に、システムの設計・開発・運用ができる。
③上位者の指導の下に、ソフトウェアを設計できる。
④上位者の方針を理解し、自らソフトウェアを開発できる。

基本情報技術者試験の試験日や試験開催地

試験は上期・下期の年に2回、それぞれ一定期間中にCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。CBT形式とは、試験会場に用意されたパソコンを使って受験する試験です。受験申し込み時に試験日や会場を選択でき、試験会場は北海道から沖縄まで全国に存在しています。
受験料は、2022年3月31日までに実施される試験は5,700円、それ以降は7,500円となっています。

基本情報技術者試験の試験内容

基本情報技術者試験の試験範囲は非常に広く、IPAが発表している試験要綱によると中分類だけで23項目あります。
 
・基礎理論
・アルゴリズムとプログラミング
・コンピュータ構成要素
・システム構成要素
・ソフトウェア
・ハードウェア
・ヒューマンインターフェース
・マルチメディア
・データベース
・ネットワーク
・セキュリティ
・システム開発技術
・ソフトウェア開発管理技術
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント
・システム監査
・システム戦略
・システム企画
・経営戦略マネジメント
・技術戦略マネジメント
・ビジネスインダストリ
・企業活動
・法務
 
これらすべてが、基本情報技術者の試験範囲です。
試験は午前と午後に分かれており、出題形式はどちらも多肢選択式。午前・午後ともに60%以上の正答率で合格となります。

午前制度免除制度について

基本情報技術者試験には、午前制度免除制度が設けられており、IPAが認定する講座を受講して修了試験に合格することで、基本情報技術者試験の午前試験が1年間免除されます。
詳しくは、IPAが公開している「基本情報技術者試験(FE)の午前試験が免除される制度について」をご覧ください。

基本情報技術者試験の難易度

IT人材育成を目的としてIPAと経済産業省が策定した「共通キャリア・スキルフレームワーク(レベル1~7)」によると、基礎情報技術者試験はレベル2(ミドルレベル)に該当します。
また、IPAが発表している合格率を見てみると、平成21年度秋期から令和3年度春期までの合格率は20%~30%台を推移しています。合格率から考えると、基本情報技術者試験はしっかりと時間をかけて対策すべき試験と判断できるでしょう。

関連記事:基本情報技術者試験の合格率は?難易度や勉強にかかる時間について

基本情報技術者の勉強方法

基本情報技術者の対策としては、まずはIPAが公開するシラバスを読んで試験内容を確認し、市販の参考書などを使って学習を進めましょう。
IPAのWebサイトでは過去問も公開されているので、ある程度知識が身についたら過去問を解くのがおすすめです。過去問を解きながら難しいと感じる分野を把握し、苦手分野を重点的に勉強することで効率的に対策を進められます。

2. 基本情報技術者は新卒の就職に有利な資格?

次に、基本情報技術者を取得することで、就職が有利になるかどうかについて解説します。

就職に資格は必須ではない

そもそもの前提として、IT業界に就職するのに必須の資格はありません。資格がなくても、プログラミングをしてWebサイトを作成した経験があったり、IT系企業でのインターンシップで実務経験を積んでいたりすれば、就職活動でアピールできます。

基本情報技術者は新卒の就活では有利になる

就職に資格は必須ではないものの、 基本情報技術者はIT人材に必要な基礎スキルを証明する資格であり、新卒の就活で有利に働く可能性が高いです。
さらに、基本情報技術者の資格取得で知識を身につけておくと、入社後の研修が理解しやすかったり、早く仕事を覚えられたりする効果も期待できます。

基本情報技術者は就職だけでなく将来の転職活動に役立つ

基本情報技術者は新卒の就活だけではなく、将来的にIT業界に転職する際にも役立ちます。新卒に対してはポテンシャル採用を行う企業がある一方で、中途採用では即戦力を求める企業が少なくありません。その際に、基本情報技術者を取得していると、ITに関する最低限の知識があることをアピールできます。

基本情報技術者はベンチャーよりも大手で評価される

ベンチャーは人数や資金が少なく、スピード感を持って結果を出すことを求められるため、即戦力を必要としています。従って、実績・経験を優遇する傾向があります。
一方で大手企業は、採用の基準等を関係者にはっきりと伝える必要があるため、資格等を重要視します。従って基本情報技術者の取得は、特に大手IT企業に勤めることを想定している方におすすめです。

3. 基本情報技術者があると就職が有利になる職業

では、基本情報技術者があると具体的にどのような職種への就職が有利になるのか、確認していきましょう。

プログラマー

プログラマーとは、システムエンジニアやWebデザイナーが作成した設計書を元に、実際のプログラミングを行うエンジニア職です。人とのコミュニケーションやデザインよりも、黙々と作業をすることが好きな方におすすめの職業です。
プログラマーには、プログラミングに関する基礎知識はもちろんのこと、システム開発などの基本的な教養も求められるため、基本情報技術者試験が役に立ちます。

関連記事:新卒向け!プログラマーの仕事内容とキャリアアップ方法を徹底解説

システムエンジニア

システムエンジニア(SE)とは、クライアントの業務分析、システム設計、プログラミング、テスト、運用までシステム開発を一貫して担当するエンジニアです。
クライアントとの打ち合わせを通して要望を聞き出し、その希望通りに設計図を作成する必要があるため、コミュニケーション能力や論理的思考力などさまざまなスキルが要求されます。そのため、プログラミングだけではなく、クライアントへのコンサルティングから営業まで総合的に関わりたい方におすすめです。
システムエンジニアはクライアントのあらゆる要望や疑問に答える必要があることから、網羅的にIT関係の知識を学べる基本情報技術者試験が役に立ちます。

関連記事:SEとはどんな職業なのか?新卒学生がしておくべき準備とは

インフラエンジニア

インフラエンジニアとは、ネットワークやサーバーなどのITサービスが成立する上での基盤を設計・運営しているエンジニアです。
クライアントの目的に応じたサーバーの選定、システム運用に最適なOS・ソフトウェアのインストールやネットワークの構築、トラブル・障害などへの対応を行います。
ネットワークやセキュリティに関する知識が求められるため、基本情報技術者試験が役に立ちます。

関連記事:新卒向け | インフラエンジニアの志望動機の書き方

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、ネットワークに特化したエンジニアで、企業のコンピューターや電子機器をつないで最適なネットワークを構築します。クライアントが求めるネットワークの設計や構築のほか、構築したネットワークの運用・保守も重要な仕事です。
ネットワークエンジニアの資格として代表的なのは「ネットワークスペシャリスト試験」ですが、新卒の場合、まずは基本情報技術者を取得して基礎力をつけると良いでしょう。

Webデザイナー

Webデザイナーとは、システムエンジニアやディレクターの指示のもと、クライアントの要望通りのWebデザインを行うデザイナーです。Adobe Photoshop、Illustratorなどのツールを使いこなす技術が必要となり、ゼロから何かをつくるのが好きな人に向いています。
Webデザイナーはエンジニアやプログラマーとのコミュニケーションが必須になるため、基本情報技術者試験でITの基礎知識を学んでおくと役立つでしょう。

関連記事:新卒でWebデザイナーに?年収、適性、主な就職先について解説

アプリケーションエンジニア

アプリ開発を行うアプリケーションエンジニアの仕事にも、基本情報技術者の資格は役立ちます。アプリケーションエンジニアが開発するのは、企業が使用する業務系アプリやブラウザで利用できるWebアプリ、スマートフォン用のスマホアプリなど。いずれの場合も、システムの設計や構築、できあがったプログラムのテストなどが業務内容となります。

4. 大学生の就職に役立つのはITパスポートと基本情報技術者のどちら?

これからIT系の資格を取得しようとしている方の中で、「基本情報技術者を取得するか、ITパスポートを取得するか迷っている」という人はいませんか?
どちらもIT関連の基礎知識が身につく資格ですが、難易度に違いがあります。ここでは、ITパスポートの概要や、どちらを目指すべきかを解説するので確認してください。

ITパスポートとは

ITパスポートとは、ITを利用するすべての人が備えておくべきITの基礎知識を証明する国家試験です。試験の内容は、新しい技術(AI、ビックデータ、IoTなど)や新しい手法(アジャイルなど)の概要、経営全般、ITの知識、プロジェクトマネジメントの知識など幅広いのが特徴です。
これから社会人になる学生や現在働いている社会人を対象としており、多くの企業が社員研修や内定者への導入教育として活用しています。

ITパスポートの難易度について

共通キャリア・スキルフレームワーク(レベル1~7)によると、ITパスポートはレベル1に該当する試験です。そのため、レベル2に該当する基本情報技術者よりも難易度が低く合格しやすい資格といえます。
また、合格率も40〜50%台と基本情報技術者試験よりも高い傾向です。

ITパスポートを目指すべき人

ITパスポートは基本情報技術者よりも取得が容易で、IT化が進んだ現代社会で働くどんな人にもおすすめできる資格です。そのため、「技術者になるわけではないがITを活用した仕事をする予定がある人」「IT企業の営業職や事務職を目指す人」はITパスポートを取得すると良いでしょう。

関連記事:国家資格ITパスポートを就活で有利に活用する方法

基本情報技術者を目指すべき人

一方で、プログラマーやエンジニアを目指す方は、ITエンジニアの登竜門である基本情報技術者を取得するのがおすすめです。難易度の高い基本情報技術者を取得することで、より確実に企業からの評価を得られるでしょう。

基本情報技術者の合格後に目指す資格は?

基本情報技術者に合格してさらに余裕がある場合は、「応用情報技術者試験」を目指してはいかがでしょうか。
応用情報技術者試験は「ワンランク上のITエンジニア」になるための試験に位置づけられ、幅広い知識と応用力を身につけることで、システム開発やIT基盤構築の場面で高い能力を発揮できるようになります。

関連記事:応用情報技術者試験の資格を取得し就職を有利にする方法

5. まとめ

基本情報技術者は、ITエンジニアとして活躍するための基礎知識が身につく試験です。IT業界に就職するのに必須の資格はありませんが、基本情報技術者を取得していると選考でアピールできるでしょう。
合格率は20〜30%台と高くはないため、試験を目指す方は市販の参考書や過去問を活用し、余裕を持って対策をはじめてください。

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