プログラミング未経験から4年でPMに抜擢。クライアントからの学びを成長の糧に変える、SEの挑戦

プログラミング未経験から4年でPMに抜擢。クライアントからの学びを成長の糧に変える、SEの挑戦
プログラミング経験は、大学の授業で触れた程度。当初はエンジニアになることを全く考えていなかった生命科学専攻の天野さんが、なぜITの世界へ就職し、数年でプロジェクトマネージャーを任されるまでになったのか。
そして、富士ソフトの天野さんが語る「クライアントから学んだ、仕事を進める上での心得」とは。未経験からエンジニアとなり、能動的に成長し続けてきた天野さんのリアルな軌跡に迫ります。
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■企業情報
富士ソフト株式会社
通信、金融、官公庁、製造など幅広い業界のシステム開発から、AI、IoT、クラウドなどの最先端技術まで多種多様な領域を展開。特定のハードウェアやソフトウェアに縛られない柔軟性という強みを活かし、顧客に最適なソリューションを提供。文系やプログラミング未経験者の採用にも積極的で、充実した研修制度を通じて多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍中。

■お話を伺った人
天野 豪介(アマノ コウスケ) さん
富士ソフト株式会社
システムエンジニア
2020年新卒入社。関東学院大学 理工学卒。研究室では生命科学を専攻し、日和見感染菌の病原菌に関する研究に従事。その後2020年4月に、新卒で富士ソフトに入社。入社後は、官公庁のテレワーク環境構築プロジェクトやデータ移行案件、電力関連の大規模システム刷新プロジェクトに参画。現在はPM補佐として、テスト工程の品質管理やチームのマネジメント業務を担当。
 
 

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未経験でも大丈夫。大切なのは「ゴールまでの道筋を描く力」

Q. 学生時代に力を入れたことは何ですか?

大学時代は、学部の学生会という組織に所属し、2年次と3年次には会長を務めていました。学生会は学部の催し物を企画・運営する団体で、多くのメンバーをまとめながら企画を進める役割を担っていました。

高校時代の弓道部でも主将を務めていた経験があり、昔から周囲を引っ張ったり、チームで一つの目標に向かって動いたりすることが大好きでした。こうしたリーダー経験やチームワークを重視する姿勢は、現在のプロジェクトマネジメント業務にも大きく活かされています。

また、学業面では生命科学の分野を専攻しており、日和見感染症の起因菌に関する研究に注力していました。生物である菌を相手にする研究は一筋縄ではいかず、色々な実験を重ねてもなかなか思うような結果が出ないことも多かったです。

期限が迫る中で、最後まで結果が出ずに焦りを感じたこともありましたが、試行錯誤を繰り返しながら粘り強く取り組んできました。ここで得た「正解が見えない中でも道筋を立てて考え抜く」という経験は、現在のシステムエンジニアの仕事においても、非常に役立っていると思います。

Q. 入社前に、プログラミング経験はありましたか?

大学1年次と2年次に、情報系の授業でホームページ作成などの簡単なプログラミングに触れた程度でした。

当時は特に興味を持つこともなく、将来エンジニアを職業にしようとは全く考えていませんでした。あくまで単位を取得するために受講していたような形です。授業は比較的易しい内容だったこともあり、学生時代は特に苦手意識もありませんでした。

Q. 就職活動全般について、どのように動きましたか?

私は「早く社会に出て働きたい」という気持ちが強かったため、大学院への進学は考えずに就職活動を始めました。当初は生命科学の専攻を活かすため、医薬系や化粧品会社などの研究職を中心に受けていました。

しかし、医薬関係は大学院卒を前提とした企業が多く、学部卒では選択肢が限られていることを理解しました。そこで、就活を始めた頃から並行して志望していたIT業界へ舵を切ることにしました。

IT業界を選んだ理由は、チームで何かを成し遂げることや、自らの手で成果が見えるものを作る「ものづくり」が好きだったからです。

また、趣味でPCゲームをよく楽しんでいたため、仕事でPCを使うことへの抵抗感もありませんでした。IT業界の中ではシステムエンジニアに絞って活動を進め、インフラ領域に挑戦できる企業を見ていました。
 
 

Q. 未経験でも内定を獲得するために、就活中に意識して行ったことはありますか?

自分の長所の中から、システムエンジニアの仕事で活かせそうな部分を選び、積極的にアピールしました。例えば選考のグループワークでは、協調性を意識して取り組むようにしていました。自分の思ったことや聞きたいことを、ワークの中で相手に上手に伝える努力をしたのを覚えています。

また、就職活動中に「開発経験があれば有利だったのに」と感じたことは、特にありませんでした。入社してから当時を振り返っても、プログラミングなどの技術的なスキルは後から習得すれば良いと感じています。

それよりも、自分で物事の道筋を立てて、最後まで完成形をイメージしながら仕事を進める力の方が、エンジニアには必要だと実感しています。ちなみに、富士ソフトでは新卒入社者の約4割がプログラミング未経験者ということもあり、未経験であること自体を過度に気にする必要はないと思います。

Q. 最終的に、富士ソフトへ入社を決めた理由は何ですか?

一番の決め手は、事業領域が非常に幅広く、入社後の「自分の選択の幅が一番広い」と感じたことです。富士ソフトは組み込み系からインフラ、アプリ開発まで多岐にわたるプロジェクトを手掛けており、キャリアの選択肢が豊富にあることが、未経験の自分には魅力でした。

就職活動中はシステムエンジニアとしてインフラ領域に挑戦できる企業を見ており、面接の時から一貫して「インフラ領域に興味がある」と伝えていたくらいです。多様な分野に挑戦でき、自分の志向に合わせたキャリアをスタートできる環境に魅力を感じ、入社を決意しました。
 
 

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臆せず質問し、自ら動く。クライアントからも貪欲に吸収する成長の姿勢

Q. 入社後の新入社員研修は、どのような内容でしたか?

全体で約2か月の研修がありました。最初の1週間はビジネスマナーを学び、その後は専門的な技術研修に入ります。

研修は、プログラミングのクラスが2つとインフラのクラスが設けられており、私はインフラクラスに参加しました。このクラス分けは、配属先で必要となる知識をより集中して学ぶために行われています。

Q. 未経験から技術研修を受けることに、不安はありませんでしたか?

インフラの基礎から丁寧に教えていただいたので、不安を感じることはありませんでした。一方的に授業を聞くだけでなく、同じクラスの同期と議論しながら進めるグループワークもあり、非常に充実した時間でした。

講師の方の説明も分かりやすく、プログラミング経験がほとんどなかった私でも、一歩ずつ理解を深めて配属に備えることができました。 

Q. 入社から現在まで、どのような業務を経験されてきましたか?

入社以来、官公庁や電力関連など、社会基盤を支える大規模なプロジェクトを中心に、これまでに8個ほどの案件に携わってきました。

1年目は、官公庁のテレワーク環境を構築するインフラ系のプロジェクトに配属されました。新人ながら特定の製品やサーバーの担当を任され、右も左も分からない中でマニュアルを片っ端から調べ、先輩や協力会社の方に聞きながら食らいついたのを覚えています。

この最初の案件では、お客様からも多くのことを教えていただき、それらを一生懸命吸収しました。当時のことは、仕事をする上で立ち返る原点として、今でも大切な経験となっています。
   

Q. 2年目以降は、どのような役割を担うようになったのでしょうか?

2年目は、官公庁のデータ移行案件に従事したほか、電力関連のプロジェクトで約3ヶ月間、要件定義などの上流工程を経験しました。この上流工程での経験が私の転機となり、単に作業をこなすだけでなく「何が正しいあるべき姿なのか」を自分なりに考え抜くという、現在の私の仕事のスタンスが確立されました。

Q. その後、未経験だったアプリケーション領域へも挑戦されたのですね。

はい、3〜4年目からはWebアプリケーション領域へ移りました。最初はテスト工程からの参画でしたが、インフラの時とは勝手が違い、実践的なコードを読み解くことの難しさを痛感しました。

「コーディングができないとかなり辛い領域だな」「テストをするにしても、もっとコードが読めないと厳しいな」と感じるような苦労もありましたが、現場で必死にキャッチアップを続けました。

その後、官公庁のアプリ改修案件のTL(テックリーダー)などを経て、直近ではこれまでのリーダー経験を活かし、初めてPM(プロジェクトマネージャー)の役割も任せていただけるようになりました。

Q. 現在の仕事内容やチーム内での役割について教えてください。

入社4年目以降は、これまでのリーダー経験を活かし、マネジメント業務へと軸足を移しています。直近では、3年間携わってきた官公庁案件のプロジェクトで、最後の1年間は運用・保守フェーズのPM(プロジェクトマネージャー)を任されました。

現在は、その官公庁案件のPMと並行する形で参画した電力関連のプロジェクトにメインで従事し、PM補佐という立場で、主に「品質管理」を担当しています。

Q. 入社後の配属先はどのように決まるのでしょうか?

選考段階から本人の志向を確認する機会がありますが、より具体的な調整は内定承諾後に行われます。内定者向けに勤務希望調査のアンケートが実施され、希望する勤務地域や技術分野を回答する仕組みです。会社側はこの内容をもとに、個々の希望が極力叶うよう調整してくれます。

私の場合は、面接の時から一貫して「インフラ領域に興味がある」と伝えていました。実際に、新入社員研修でもインフラクラスに振り分けられ、配属後も希望通りインフラ案件からキャリアをスタートさせることができました。

Q. 配属後も、自分のやりたいことに挑戦できる環境ですか?

はい、上司も本人の志向をよく理解してくれています。最初のプロジェクト以降も、新しいインフラ案件が立ち上がる際には、課長から「天野さんに合うプロジェクトがあるよ」と優先的に提案していただけることが多かったです。

自分の希望や「何に挑戦したいか」を周囲にしっかり伝えておくことで、チャンスを広げていける環境だと実感しています。

Q. 新しいプロジェクトに参画する際、どのようにキャッチアップしていますか?

社内には教育資料も整備されていますが、私の場合は「現場で実際の物を見て学ぶ」スタイルがメインです。1人で黙々と調べるよりは、自ら足を運んで周囲に聞き回ることを大切にしています。

分からないことがあれば、臆することなく周囲にどんどん質問して回っています。自分から積極的にコミュニケーションを取り、周囲の知恵を借りることで、結果的に早く業務を吸収できていると感じます。

Q. これまでで一番大変だったことは何ですか?

やはり、入社1年目の最初のプロジェクトです。右も左も分からない状態でしたが、新人である私にも専門の担当(特定の製品やサーバー)が割り当てられました。マニュアルを片っ端から読み漁り、製品仕様を一つひとつ調べて対応していく日々は、常に緊張感の連続でした。

その困難を乗り越えられたのは、自ら徹底的に調べる姿勢に加え、「1年目だからこそ気負わず周りに頼る」と決めていたからです。自社の先輩はもちろん、現場にいる協力会社の方々にも積極的に声をかけ、回答を求めて動きました。

どの工程も初めてのことばかりで、プロジェクトの最初から最後まで大変さはありましたが、その分、エンジニアとしての基礎体力を養えた非常に大きな経験でした。

Q. 仕事の中で、どのような瞬間に楽しさややりがいを感じますか?

どのプロジェクトにも共通して言えるのは、自分が携わったサービスが無事にリリースされ、お客様に使われている様子を実感できた時です。大きなトラブルなく、当たり前に動いているその「安心感」に繋がる瞬間が、一番の喜びです。

特に、現在3年目になる官公庁の案件には強い思い入れがあります。これまでのキャリアで最も長く携わっているシステムであり、保守・運用からPM業務まで幅広く経験させてもらいました。

長く深く関わっている分、システムそのものが自分の一部のような感覚もあり、安定して稼働し続けていることへの自負とやりがいはひとしおです。
 
 

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「何が正しいか」を問い続ける。上流工程での学びを活かした仕事のスタンス

Q. 仕事をする上で、大切にしていることは何ですか?

一番大切にしているのは、「何が正しいのか」を自分の中で常に問い続けながら作業に当たることです。

もちろん、実際の現場ではコストや納期など様々な制約があります。例えば、予算が限られている状況で「一番品質が良いもの」を選びたくても、高価すぎて買えないといったケースです。本来は高品質なものが「正解」かもしれませんが、そのプロジェクトの予算内では、現実的な代替案こそが「正しい答え」になります。

このように、その時々の状況に応じて「今、何が一番正しい判断なのか」を常に考え続けるようにしています。

また、自分なりの根拠を持って仕事に臨むことで、もし結果が間違っていたとしても「どこで判断を誤ったのか」を客観的に見つけやすくなります。漠然と答えを出すのではなく、自分なりの「正しさ」を積み上げていくことを、日々の心得としています。

Q. そのような意識を持つようになったきっかけはありますか?

入社2年目に参画した、電力関連の大規模プロジェクトでの経験がきっかけです。要件定義だけで1年を費やすようなプロジェクトで、私は3ヶ月間、検討業務や資料作成などの上流工程に携わりました。

そこで出会ったお客様が非常に優秀な方で、プロジェクトの積み上げ方や、あるべき姿をどう導き出すかといった考え方を、間近で多く吸収させていただきました。

特に上流工程は、正しい情報を一つひとつ取り揃えて、きっちりと積み上げていく作業の連続です。漠然と答えを出すのではなく、状況を踏まえて「正しさを追求する姿勢」は、他のプロジェクトに移った現在も、私のエンジニアとしての基盤になっています。

Q. 天野さんは、社内だけでなくクライアントからも多くのことを吸収されているそうですね。

はい。プロジェクトには自社の社員だけでなく、多くのお客様や協力会社の方々が関わっています。私は自分一人で調べるよりも周囲に聞きに行くタイプなので、結果的に社外の方からも多くの刺激や学びをいただく機会に恵まれました。

特に、特定のプロジェクトに長く関わる社員とはまた異なる視点を持つお客様からのアドバイスは、非常に納得感が高いものばかりでした。

Q. 今後の展望や、挑戦してみたいことはありますか?

一番の目標は、ゼロベースで何かを作り上げるプロジェクトに、最上流の工程から携わることです。これまでは、テスト工程から参画した電力関連の案件や、運用・保守フェーズを担った官公庁の案件など、プロジェクトの途中やリリース後の管理業務がメインでした。

もちろんそれらも重要な経験ですが、いつかは「1からシステムを構想し、形にしていく」というプロセスを、PMとして上流から経験してみたいと考えています。新規プロジェクトの立ち上げは数多くあるわけではありませんが、チャンスがあれば積極的に手を挙げていきたいです。

Q. どのような人がシステムエンジニアに向いていると思いますか?

一番は、チームワークを大切にし、こまめにコミュニケーションが取れる人だと思います。システム開発は決して一人で黙々と進めるものではありません。

もしコミュニケーションが不足してしまうと、出来上がったものの方向性が本来の意図とズレてしまったり、認識の相違から大きな問題に発展したりすることも少なくありません。だからこそ、常に周囲と進捗や意図を共有し、方向性を合わせながら進められる力は、技術スキル以上に重要だと考えています。

Q. 天野さんが感じる、この仕事の面白さや魅力は何ですか?

プロジェクトごとに設定されたゴールに向かって、チーム全員で一丸となって進んでいくプロセスそのものが大きな魅力です。私自身、昔からチームで何かを成し遂げることが好きなので、メンバーと協力しながら一つのシステムを作り上げていく今の環境には、非常に手応えを感じています。

Q. 最後に、システムエンジニアを目指す就活生へメッセージをお願いします。

自分の「やりたい」という気持ちに素直に、全力で向かっていってほしいです。一つのことに100%の力で突き進むのは、社会人になると意外と難しくなることもあります。

学生という今の時期は、失敗を恐れず色々なことにトライできる絶好のチャンスです。私自身も未経験からのスタートでしたが、自分の志向を信じて挑戦したことで今があります。皆さんも納得感のあるキャリアを築けるよう、今の時間を大切に過ごしてください。応援しています!

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