自分が離れた後も、仕組みは動き続ける。一生ものの仕事として誇れるサーバーサイドエンジニアの魅力

自分が離れた後も、仕組みは動き続ける。一生ものの仕事として誇れるサーバーサイドエンジニアの魅力
学生時代は純粋な好奇心から趣味のゲームサーバー構築に没頭し、アルバイトではチームを率いる楽しさを知った松本さん。独学での開発に限界を感じ、「プロとして最も成長できる環境」を求めてカヤックボンドへと入社します。

初期の1〜2年目はサーバーとアプリの両領域を転々としながら手厚いサポートのもとで視野を広げ、入社2〜3年目に携わった大規模オンラインゲーム開発を転機に、サーバーサイドエンジニアとしての道を確立していきました。学生時代の原点から、5年目でシニアエキスパートへと抜擢されるまでの、彼の軌跡に迫ります。
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■企業情報
株式会社カヤックボンド
「すごいものをつくる」を企業理念に掲げ、企業の「つくりたい」を技術で実現するデジタルクリエイティブカンパニー。
WEBアプリケーション、モバイルアプリケーションを中心に、WEBサービス、ゲーム、エンタメ、各種システム開発にいたるまで、幅広い領域の受託開発ビジネスを展開している。高い技術力と多様な開発実績を強みに、顧客の課題解決から最先端のデジタル表現までをワンストップで手掛ける。

■お話を伺った人
松本 烈(まつもと たけし) さん
株式会社カヤックボンド
サーバーサイドエンジニア シニアエキスパート
千葉工業大学 情報科学部(※) 情報工学科卒。学生時代から独学でゲームサーバーの構築やWebアプリ開発を経験。2019年に株式会社カヤックボンドへ新卒入社。
入社後はアプリからサーバーまで広範な開発領域を網羅的に経験。入社2〜3年目には大規模ゲームのサーバー構築に従事し、これを契機として、サーバーサイド領域を本格的に志向する。入社5年目でシニアエキスパートに抜擢され、現在は複数プロジェクトの技術支援だけでなく、他プロジェクトのリーダークラスと連携した推進も行う。
(※現在の情報変革科学部)
 

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個人開発に没頭した学生時代。独学での不安を解消できる環境が、入社の決め手に

──学生時代はどんなことに取り組んでいましたか?

大学では情報工学を専攻し、探索アルゴリズムや画像処理の勉強、そしてデジタル回路などの実習に何より熱中していました。もともと私は、モノづくりの「裏側の仕組みを突き詰めること」が好きなタイプなのだと思います。その原点は高校時代にまで遡るのですが、当時は趣味でゲームサーバーやWebサーバーの構築、ゲーム開発などに手探りで挑戦していました。

表面的な画面を作るよりも、「どういう仕組みでシステムが動いているのか」を自分で作って理解するプロセスが、純粋に面白くて仕方がなかったんですね。だからこそ大学でも、基盤の上に自分で回路を組み、意図通りに動かすといった「仕組みを突き詰める実習」に強いやりがいを感じていました。

この、学生時代を通じて一貫して培ってきたモノづくりの裏側への好奇心があったからこそ、自然と就職先でもシステムを根底から支えるエンジニア職を目指すようになったと感じています。

──趣味の個人開発では、具体的にどんなことをしていましたか?

一番最初は高校生の頃に、「Minecraft(マインクラフト)のサーバーを自分で立ててみたい」と思い、実際にやってみたのがきっかけでした。当時は右も左も分からない状態でしたが、そこからは独学で勉強しながらいろいろなサーバーを立てて、「面白いな、これ」と、純粋な好奇心を原動力に夢中で動かしていたんです。

その後、サーバー構築だけでなくWebサービスそのものも自作するようになると、ものづくりの楽しさはさらに加速していきました。使ってくれた友人から「こういう機能があったら嬉しいな」といったフィードバックをもらう機会が生まれたんですね。

友人の期待に応えたい、驚かせたいという一心で、リクエストされた機能を実現するために徹夜で作り、その翌日に友人に見せたこともありました。このように、自分が作った仕組みで周囲の人を喜ばせたいという気持ちも加わったことで、時間を忘れてどんどん開発に没頭していきました。

──その経験があったから、大学も情報工学に進学したのですか?

そうですね、大学で情報系の学部に進学したのは、先ほどお話ししたような経験が大きいと思います。

実はもっと前に遡ると、中学生の時にはすでに、無料でホームページを作れるサービスを利用して、HTMLなどを触ったりしていました。その頃からコンピュータを使って何かを作ることが好きだったので、大学の進路を選ぶ際にも、迷わず情報系への進学を決めたんです。

── 就職活動はどのような軸で進めていたのですか?

新卒の就職活動では、大きく2つの軸を大切にしていました。1つ目は、「将来的にリーダー職に就き、チームを率いて開発ができる環境があること」です。単にプレイヤーとして技術を極めるだけでなく、メンバーをサポートしながらチーム全体の成果を最大化する仕事がしたいと考えていました。

そして2つ目は、「幅広い技術や案件に触れ、エンジニアとしての選択肢を広げられること」です。最初から特定の領域に絞るのではなく、受託開発のように多様なシステムに関わることで、システム全体の構造を広く見渡せるエンジニアになりたいと考え、IT業界を中心に企業を探していました。 

── なぜ「将来リーダーになりたい」という明確な軸を持つようになったのですか?

実はその大きな原体験になっているのが、学生時代に長年続けていたアルバイトでの経験なんです。

当時は、入院患者さんの病院食の洗浄という少し珍しい業務のアルバイトに携わっていました。一度に数百食という大量の食器を4〜5人のチームで一斉に片付けるような仕事なのですが、ただ作業をこなすのではなく、いかに効率良く進めるかという段取りが必要になります。チーム全員が連携して動かなければ終わりません。

長年その業務を続ける中で、私はすべての役割をカバーできるようになり、徐々に周囲から頼られる存在になっていきました。困っている子がいたり、新しく入ってきた人がいれば積極的に声をかけて教えるなど、自然とチーム全体を見渡して動く立ち回りを担うようになっていたんですね。

チーム全員で連携して一つの目標に向かって動き、周囲をサポートすることに強いやりがいを感じたことで、「こういった立ち回りが、社会人になってからも仕事でできたらいいな」と思うようになり、それがそのまま就活の軸へと繋がっていったんです。

──就職活動全般について、どのように動きましたか?

私の就活はスタートが結構遅かったこともあり、企業のインターンシップや説明会などには参加せず、最初から就活エージェントを活用して活動を進めました。

動き出すにあたって、まずはエージェントの方と一緒に自分の持っている強みを整理し、2つの明確なアピールポイントを定めました。それが、「学生時代に個人で開発してきた実績が豊富なこと」、そして「アルバイトでリーダー経験を培ってきたこと」です。入社後も、この2つの強みが活かせる企業をエージェントの方に探していただきました。

その後は、まずはカジュアル面談という形で何社か訪問させていただきました。その中でカヤックボンドと出会い、選考へと進んでいく流れになったのです。

──御社の選考についての様子を教えてください。

まず、一次面接はエンジニアの方との面接でした。ここでは、自分が趣味で熱中してきたゲームサーバー作りなど、これまでやってきた実績を見ていただきましたね。面接官の方がそこに強い興味を持ってくださり、「うちの会社なら、こういうことをまさにお仕事としてできますよ」と言っていただけたんです。

自分がやりたいことと実務が直結していると感じられ、面接の場で「もうこの会社に入りたいです!」と思えるほど、まさに意気投合する雰囲気の面接だったことをよく覚えています。

続いて二次面接では、マネージャーの方との面接でした。その方が語られた「プロジェクトの進行をしっかりとマネジメントし、やり遂げなければならない」という強い考え方が、自分がアルバイトで培ってきた「責任を持ってチームを回す」という
気持ちととてもマッチしていたんです。そのような姿勢を受けて、「この人についていったら自分のスキルもどんどん磨けて、成長とキャリアアップも叶いそうだ」と確信しました。

また、選考期間中に実際にオフィスを訪問させてもらう機会もあり、そこで働く人たちの空気感に触れて「ここだったら自分が求めていた環境があるし、圧倒的に成長できそうだ」と肌で感じることができました。

──面接では、どのような観点を見られていると感じましたか?

選考の中では、私たちが手がける受託開発というビジネスの特性上、「エンドユーザーだけではなく、私たちの直接的な顧客に対しても誠実に対応できるか」という目線も問われていると感じました。ただ自分が作りたいものを作るのではなく、顧客の夢と、その先にいるユーザーの気持ちをどれだけ技術で引き寄せ、すり合わせられるかが重要なんだと、選考を通じて深く理解できましたね。

──当時からサーバーサイドエンジニアに絞って志望していたのですか?

将来はエンジニアになりたいという気持ちは前々から持っていましたが、実は就活の段階では、どの職種のエンジニアになるかは特に決めていませんでした。

カヤックボンドの選考でも、会社側から「入社後も様々なプランがあり、その中で本人が一番得意なもの、向いているものを見つけてからキャリアを築いていけばいい」という柔軟な方針を提示していただいていたんです。そのため、私自身も「アプリ開発もサーバー開発も、どちらも対応できますよ」というスタンスで面接を受けていました。

当時はまだ、自分の得意領域がどこにあるかも手探りだったため、さまざまなプロジェクトを経験しながら道を選べるという、選択肢の広さは非常に魅力的でしたね。なので、今のようにサーバーサイドエンジニアとしてキャリアを築こうと決めたのは、就活時ではなく、入社した後の出来事がきっかけになっています。

──最終的に、入社を決めた理由は何でしたか?

一番の決め手は、スキル面でも、そして人としても、自分が最も成長できる環境だと心から思えたことです。

学生時代に独学で開発をしていた頃は、「この実装は本当に正しい方法なのか」という不安や、「将来的にサービスが大きくなった時に起こりうる問題を考慮した、プロの作り方になっているのか」という視点が分からず、いつもどこかで限界を感じていました。しかし、カヤックボンドであれば、チームで仕事をしていく中でこの課題が解決できると考えたんです。

例えばカヤックボンドの場合、新人がプロジェクトに参画すると、オフィス内でマンツーマンでいつでも教えてくれる先輩が隣の席についてくれるという環境が整っています。この距離感であれば、技術的なスキル面はもちろんのこと、エンジニアとして最も重要となる「顧客とのコミュニケーション」についても、間近で指導してもらうことができます。そうした点から、技術だけでなく、ビジネスパーソンとしての人間性も同時に成長できると考えました。

一次面接の時から「自分が求めていた場所はここだ」という確信があまりにも強かったため、他社との選考は一切行わずに就活を終了しました。そのくらい、最初から志望度は高かったです。

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入社後の大きな転換点。サーバーサイドエンジニアとしての道を決定づけた長期プロジェクト。

──入社後はまず、どんな仕事をされたのですか?

入社当初はメンバーとしてプロジェクトに参画しました。受託開発ということもあり、プロジェクトの期間は大体3ヶ月から1年ほどで変わることが多く、ある時はサーバーサイド、ある時はアプリ側を担当しているような状態だったんです。プロジェクトごとに扱う言語も全然違っていましたし、コードを書くだけでなく、お客さんとの仕様の相談などもやらせていただきました。

環境としても、先輩社員が新入社員に対してマンツーマンでいつでも教えてくれる体制をプロジェクト側で自然と作ってくれていたため、本当に手厚いサポートをもらいながら新しい技術を習得していくことができましたね。「社会に出てもこういう学び方をしたら、すくすくと成長できるだろう」と入社前に思っていたイメージと完全にマッチしており、本当にありがたかったです。

こうして領域を限定せずに色々やってきた結果、1〜2年経つ頃には、iOSもAndroidもサーバーも一通り全部できるようになりました。

この経験が今、すごく活きていると感じています。現在はサーバーをメインに担当していますが、APIなどを構築する際に「アプリ側はどういうデータ構造だと作業しやすいのだろう」ということを常に意識しながら開発ができるようになり、自分の大きな強みになっています。

── 1〜2年という短期間でそこまで広い領域をカバーできるようになるのはすごいですね。具体的なサービスやプロダクトでいうと、これまでどのようなものに携わってきましたか?

受託開発という環境をフルに活かして、本当に業界も技術領域も異なる幅広いプロダクトを経験させてもらいました。

まず入社1年目の頃に携わったのは、保育関連のシステム開発です。保育園の連絡帳機能や親御さんとのコミュニケーションを行う保護者向けのアプリや、保育士さんが現場で5〜10分ごとに行う「午睡(ごすい)チェック」を記録するためのアプリなどの開発を経験しました。

そして2〜3年目には、大規模なソーシャルゲーム開発も経験しましたね。他にも、Unityを用いた開発では、チャット入力に対してエージェントが音声で応答を返す「会話エージェント」のアプリも作成しています。

── 本当に多種多様な開発を経験されていますね。その中から、ご自身の専門(サーバーサイドエンジニア)を絞っていったのはいつ頃だったのでしょうか?

先ほどもお話しした通り、入社当初は「何が何でもサーバーサイドエンジニアになる」と領域を絞るつもりはありませんでした。しかし、その後のキャリアを大きく変えるプロジェクトとの出会いがあり、サーバー中心のキャリアを本格的に志向する転機となったのです。

そのきっかけとは、ある大規模なソーシャルゲームのサーバー開発案件にアサインされ、長期にわたって腰を据えて携わったことでした。そのプロジェクトは、サーバーサイドのエンジニアだけでメンバーが8名もいるような、当社の中でも極めて規模の大きなプロジェクトだったんですね。当然、求められる技術のレベルも高く、新しく学ぶべきことが非常に多い刺激的な環境でした。

実務の中では、プログラムだけではなく、それこそインフラの部分など、色んなことを何でも触れられるのがサーバーのすごくいいところだと感じたんです。そこをやっているうちに「あ、サーバーって本当に楽しいな」と思えるようになりました。

この大規模なプロジェクトをやりきったことで、サーバーに関する知識が一気に増え、「ここからさらにキャリアを伸ばしていこう」と思えるようになり、サーバーサイドエンジニアとしての道を歩むことを決意したのです。
 

──そこから現在に至るまでは、どのような変化がありましたか?

入社5年目に、「シニアエキスパート」という役職に就任しました。シニアエキスパートとしての仕事内容は、まず自分が今担当しているプロジェクトの技術的な面に関して、メンバーや顧客との仕様のすり合わせを行うことです。

また、メンバーから受けるコードの相談や、「こういうことを達成したいが、どうすればいいか?」といった実装に関する相談への回答を行っています。

さらに、自分以外のプロジェクトでも、ちょっとした困りごとの相談役を務めることもありますね。ほかには、他のプロジェクトのリーダークラスから課題感をヒアリングし、コードレビューのやり方といったプロジェクトにおけるルール作りのミーティングなども行っていますよ。

──社内の中でも早い昇進だと聞きましたが、抜擢された時はどのような心境でしたか?

5年目での抜擢ということもあり、正直に言うと「こんなに早くて大丈夫なのかな」という不安な気持ちもありました。

しかし、会社が自分にこの役職を任せたいと言ってくれたということは、他人にはできない、自分にしかできないことがあるからなのだろうと捉え直したんです。そこからは、「自分ができることを、全力を尽くしてやっていきたい」と前向きに決意することができました。

もちろん5年目という年次上、実務の中で当然わからないことも多くあります。そのため、一人で抱え込むのではなく、「分かる人の手も借りながら、自分の役職を務めていけたらいいな」と考えて日々の業務に臨んでいました。

──ちなみにですが、抜擢された理由は何だと思われますか?

シニアエキスパートに求められる、技術力と対外的なコミュニケーション能力の両立が評価されたと自負しています。

自分で言うのも少しおこがましいですが、技術面はもちろんのこと、それを顧客に対しても、課題解決に向けてロジカルに説明ができるところ。そして、顧客が本当に知りたいことをしっかりと読み取ってから説明ができるため、自分がフロントに立った際に顧客を安心させられる。そうした対応が普段からできているという点で、会社からの信頼を得られたのかなと思っています。

会社としても、技術と説明力の両方を兼ね備えた人材をこれから増やしていきたいという意向があり、そのモデルケースとしても私を任命してもらえたのではないかと考えています。

──入社してから1番苦労したことや、大変だったことは何ですか?

入社5年目の頃に発生した「本番障害」の対応は、本当に大変でしたし、今でも深く記憶に残っています。

それは当時担当していたゲームの、結構大きなアップデートの対応をした時のことなのですが、メンテナンスが明けた後に不具合が発覚して、本番障害が発生してしまったんです。ユーザーさんにも多大な影響が出てしまっている状態だったため、なるべく早く対応し、解決しなければならないという場面に直面しました。

もちろん、事前に色々なすり合わせや確認、テストなどはしていたのですが、それでもやっぱり予期せぬところで障害が起きてしまったんですね。

──それは大変そうですね。具体的にどのように乗り越えられたのでしょうか?

解決のために、遅くまでみんなで残って、オンラインでミーティングをずっと繋ぎっぱなしにしながら、「ここが原因じゃないか」「次はここを調べてみよう」という感じで、本当に泥臭く可能性を一個一個潰していく作業をして、なんとか解決に導きました。

原因を調査するとなった時は、私はサーバーサイドエンジニアなのですが、サーバーの領域だけじゃなくて、「サーバーに原因がないからクライアント(アプリ)側にあるんじゃないか」と、クライアント側のソースコードまで深く見に行って原因を究明する、といったことも行いましたよ。

──反対に、これまでにやりがいを感じたり、嬉しかったことは何ですか?

自分が開発に関わったプロジェクトやサービスを通じて、様々な立場の人が喜んでくれた瞬間に、大きなやりがいと喜びを感じます。

もちろん、実際にアプリやサービスを使ってくれるエンドユーザーが喜んでくれるのは嬉しいのですが、受託開発だからこそ、一緒に開発に関わったクライアント側のメンバー、PMやQAの人など、一緒にお仕事をしてきた身近な人たちが喜んでくれた時にも強いやりがいを感じるんです。

また、サーバーサイドエンジニアは応用が利くところもあるので、社内から「こういうSlackのボットを作ってほしいんだよね」といった、ちょっとした身近な相談を受けることがあります。そうしてツールを作成し、事務の人などが喜んでくれた時も、この仕事をしていて本当に楽しいと感じる瞬間ですね。

そして、プロジェクトの期間が満了して自分がその現場を離れなければならない際、最後の挨拶の場で、本当に色々な人からお礼の言葉をいただいたことがありました。その時は、嬉しさと感動のあまり泣いてしまったほどです。
プロジェクトを離れるときの「今までありがとうございました」という言葉は、自分にとっては一番嬉しく、エンジニアとしての生きがいを感じられる瞬間です。その言葉があるからこそ、「次もまた頑張ろう」と強く思うことができます。

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自分の手から離れた後も残り続ける、一生もののキャリア。ずっと新しいことを知り続ける面白さも魅力

──仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

大きく分けて2つの軸を大切にしています。1つ目は、チームの心を一つにして仕事に取り組むこと、そしてチームメンバー全員が共通の理解を得ながら仕事をすることです。サーバーサイドエンジニアは、色んな職能の人と関わることが多い職種ですからね。

だからこそ、たとえばAPIを一つ作るにしても、サーバー側の領域だけで閉じるのではなく、実際にアプリを動かした時にそれがどこで使われるのかをちゃんと意識するようにしています。実際に見に行って、「アプリ側はどういうデータ構造だと作業しやすいのか」という使う側の視点に立って、APIを設計することを心がけているんです。

また、チーム内で認識の差異が生まれないように、言葉を揃えてから喋るということを重視しています。専門用語で「ユビキタス言語」と言ったりしますが、具体的には用語集を作って、全プロジェクトの人が共通の言葉で話すようにしているんですよ。リーダーだけがすべてを知っている状態を避けるなど、チームメンバー全員が共通の理解を得ながら仕事することを大事にしていますね。

2つ目は、実際にサービスを使ってくれる人が、本当にそれで嬉しいのか、サービスとしてそれが嬉しいのかという点を、特に顧客との間でよく確認することです。ただ顧客の仕様通りに作るだけでなく、その仕様が「実際に使うユーザーにとっても良いのか」という点も、サーバーサイドエンジニアとして考える必要があります。

サービスを一緒に作るという立場から、叶えたいものがみんなにマッチしているかを顧客とよく確認し、顧客の夢と、ユーザーが求めているものをすり合わせることを常に大事にしていますね。

──今後の展望や、描きたいキャリアイメージはありますか?

プロジェクトの立ち上げ段階から参画し、大規模な案件において、自分が構築した基盤がリリース後も長期にわたって安定して機能し続ける状態を実現したいと考えています。そう考えるようになった動機は、これまでの経験にあります。これまでは、ある程度進んでいるプロジェクトの途中から参画し、そこで発生している技術的な問題を解決することが多かったんですね。

これまでの私の経験から、初期の基盤設計やエラーハンドリング、メッセージのやり取りといった基本ルールがおざなりになっているプロジェクトでは、開発が進んだ後に「この場合はどうするんだ」という問題が頻繁に発生していました。だからこそ将来的には、プロジェクトの最初の立ち上げフェーズから自分が関わりたいと思うようになりましたね。最初に完璧な設計思想でコミュニケーションをとり、強固な基盤を作っておくことで、もし私が途中でプロジェクトを抜けた後でも、ずっとシステムがうまく作用し続ける状態を作りたいと考えています。

これまで複数の現場で泥臭く培ってきた知見を活かし、立ち上げ初期に「抑えるべき勘所」を正しく適用していくことは、ぜひ今後挑戦したい事の1つですね。

──松本さんから見て、どんな人がサーバーサイドエンジニアに向いていると思いますか?

「いろんな立場の人のことを考えてからコミュニケーションがとれる人」だと思います。サーバー側の目線だけで考えてしまうと、どうしても自分の領域の中に閉じこもった設計や思考になりがちですからね。

しかし、最終的にそのシステムを使ってもらうクライアントサイドのエンジニアの気持ちや、その先にいるエンドユーザーの気持ちをいつも想像しながらものづくりができる人は、サーバーサイドとして非常に強いですし、向いていると感じます。
もっと詳しく言うと、いろんな人の立場を考えて連携プレイをするのが好きな人、そしてそのために関係者全員を見渡せる視野の広さを持っている人ですね。そのためには、日頃から自分の領域以外のことにも、広く関心を持つようにしておくと良いかもしれません。

それに加えて、自分が作ったサービスや、構築した仕組みの裏側を多くの人に使ってもらえることに純粋な喜びを感じられる人は、間違いなく向いていると思います。

──松本さんが思う、この仕事の面白さや魅力は何だと思いますか?

これも2つの大きな魅力があると感じています。まず1つ目は、自分が開発に関わったサービスが、想像していた以上に多くの人々に使っていただけることです。

しかも、自分がプロジェクトの手を離れた後であっても、そのサービスが世の中で動き続けているというのは本当にすごいことだと思っています。実際に、私が結構前に担当していたプロジェクトのシステムが、今でも世の中で現役で動いていたりします。

自分がプロジェクトから離れた後でも、「あのサービス良かったよ」と言ってもらえることもあって、自分の歩んできたキャリアが形として残り続けることを実感しました。まさに「一生ものの仕事」として誇れるところが、この職種の最大の魅力ですね。

そして2つ目は、さまざまな領域のドメイン知識や最新技術が身につくことです。実はサーバーサイドエンジニアは、ロジックを組むためにその業界の仕組みを深く勉強する必要があるんですよ。たとえば支払いをするための決済サービスを作るのであれば、「決済の仕組みって、そもそもどういうことなんだ?」という根本を知らなければコードが書けません。

しかし、知らないと業務で困ってしまう環境だからこそ、生涯ずっと新しいことを知り続けることができるとも捉えられます。この飽くなき探求のプロセスこそが、サーバーサイドエンジニアとして働く何よりの面白さだと思いますね。

──最後に、サーバーサイドエンジニアを目指す学生へのメッセージをお願いします。

まずはどんな形でもいいので、実際に自分の手を動かして「サーバーを1個立ててみる」ことを強くお勧めします。まだやったことがない人は、今すぐ立ててほしいくらいです。

実際にサーバーを立てようと思うと、おそらく最初は分からないことだらけで、何度も壁にぶつかると思います。でも、その時に投げ出さず、「これってどういうことなの?」と、原因を1つずつ自分で調べて紐解いていくプロセスそのものが、エンジニアの仕事の本質だと思うんですね。

社会に出てプロになってからも、私たちはテクノロジーの進化に合わせてずっと勉強しっぱなしの毎日になります。だからこそ、学生のうちから「自分で調べて、学んで、解決する」という学びのサイクルに慣れておくと、将来に向けた大きなアドバンテージになりますよ。

また、私が社会に出て強く衝撃を受けたのが、会社という組織はとんでもない速度で、自分以上のスピードで急成長していくということでした。ですので、みなさんも会社と一緒に成長していけるよう、新しいことにどんどんチャレンジしていく姿勢を忘れないでください。応援しています! 

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