
そこで本記事では、IT業界のビジネスから仕事内容、職種からIT業界のメリットとデメリットなどについて詳しく解説します。
選考対策についてもご紹介していますので、IT業界を目指す際の参考にもなれば幸いです。
- 1.IT業界の概要をチェック
- 2.IT業界のビジネスモデル
- 3.IT業界の分類と仕事内容をチェック
- 4.IT業界の職種を知る
- 5.IT業界のメリット・デメリット
- 6.IT業界に向いている人
- 7.IT業界の選考対策
- 8.IT業界をしっかりと理解したいならインターンがおすすめ
1.IT業界の概要をチェック

まずは、業界研究の基礎となる、IT業界の概要をチェックしていきましょう。
関連記事:IT業界とは?将来性や5つの業界、活躍する職種を紹介!
IT業界の市場規模・将来性
IT専門の調査会社であるIDC Japanが2021年5月に発表したレポートによると、2020年の国内IT市場は17兆8991億円でした。2025年には、20兆3776億円程度に成長すると予測されています。この数字からも、IT業界の市場規模が大きく、年々成長していることが分かります。
現代では、スマホやパソコンなどのIT機器は、私たちの生活に欠かせないアイテムです。今後も需要はさらに伸びていくと考えられるため、将来性のある業界の1つと言えます。
ただし、IT業界のすべての分野が必ず成長するとは言い切れません。非常に変化の激しい業界であるため、急激に伸びる技術もあれば、すたれていく技術もあるでしょう。
関連記事:IT業界の今後は?|将来性と今後伸びるかどうかを解説します
IT業界は人手不足か
経済産業省の「IT人材需給に関する調査(概要)」では、IT人材の不足が2030年に最大79万人に達するとの試算が公表されています。とりわけ、IoTやAIに対応できる先端IT技術者の不足が予想されているようです。
一方で、従来型IT技術者の供給過多も危惧されています。従来型IT技術者とは、AI・ビッグデータ・IoT等が登場する以前から使われている従来型ITシステムの受託開発、保守・運用サービスにのみ関わる人材のことです。
日本の労働人口は、全体として減少が想定される半面、IT技術者の供給は2030年まで増加が見込まれています。今後は先端IT技術の市場規模拡大に伴い、トレンドに対応できるエンジニアの需要が高まると考えられるでしょう。
IT人材はプログラミングスキルだけではなく、コンピューターサイエンスの知識やクライアントとコミュニケーションをとる能力も必要です。先端技術に加え、これらを兼ね備えた人材の確保が今後の課題となります。
IT業界は理系の仕事?
IT業界=理系の仕事というイメージを持つ方も多いですが、実はIT業界で働くのに理系・文系はそれほど関係ありません。
IT業界といってもプログラムを書くだけが仕事ではなく、文書の作成や顧客とのやり取りなどの業務もあります。また、研修制度が充実している企業も多いため、基礎的なプログラミングスキルであれば文系・理系に関係なく身に付けられるでしょう。
実際に、IT業界では文系出身者のエンジニアも多数活躍しています。IT業界に興味があるのであれば、出身学部にとらわれずにチャレンジしてみてください。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
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2.IT業界のビジネスモデル

ここでは、IT業界がどのような仕組みで利益を得るのかについて詳しく解説します。
機器の開発・販売
IT業界の中でも、ハードウェアを開発・販売する企業は、パソコンやスマートフォン、ネットワーク機器などを提供しています。
代表的な企業にはApple、Dell、Ciscoなどがあり、製造技術の革新やコスト管理が求められる分野です。また、半導体やセンサーといった部品メーカーもこの分野に含まれ、IoT(モノのインターネット)の普及に伴い、ますます重要な役割を担っています。
開発職や営業職など多様な職種が存在し、技術力だけでなく、顧客ニーズを的確に捉えるマーケティング力も求められます。
システムの開発・販売
システム開発・販売は、企業の業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を支える分野です。
ERP(基幹業務システム)やCRM(顧客管理システム)などの業務システムを開発・販売する企業が多く、代表的な企業にはSAP、Oracle、日本のSIer(システムインテグレーター)などがあります。
クライアントの課題を解決するため、要件定義から開発、運用まで幅広い業務に関わる点が特徴です。プログラミングスキルだけでなく、プロジェクトマネジメントやコンサルティング能力も求められます。
Webサイト・アプリの運営
Webサイトやスマホアプリの運営を行う企業は、ECサイト、SNS、動画配信サービス、ゲームアプリなどを展開しています。
代表的な企業にはAmazon、Netflix、Meta(旧Facebook)などがあり、日本国内でも楽天やサイバーエージェントといった企業が活躍しています。
この分野では、ユーザー体験(UX)を向上させるためのデザインや、データ分析に基づいたマーケティング施策が重要です。フロントエンド・バックエンドエンジニア、UI/UXデザイナー、データアナリストなど多様な職種があります。
ITコンサル
ITコンサルタントは、企業の課題解決のためにITを活用した戦略を立案し、実行を支援する仕事です。アクセンチュア、IBM、野村総研(NRI)などが代表的な企業となります。
ITコンサルは、技術力よりも業務改善や戦略立案のスキルが求められ、クライアントの経営課題を理解し、適切なソリューションを提供することが重要です。
論理的思考力やプレゼンテーション能力が必要とされるため、文系出身者も活躍しやすい分野となります。
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3.IT業界の分類と仕事内容をチェック

「IT業界」と一口に言ってもその領域は幅広いため、IT業界の中でも複数の業種に細分化されるケースが多いです。ここでは、代表的な業種と仕事内容、求められる人物像を紹介していきます。
企業にシステムを導入する:SIer
日本国内のIT業界で圧倒的なシェアを誇っているのが、SIerと呼ばれる業界です。
SIerの仕事内容
SIerは、主に企業のシステム開発・導入を請け負います。現代社会において、企業活動にシステムは欠かせません。製造業であれば、原材料や製品の在庫の管理はすべてシステム上で行います。また、注文内容などに応じて生産計画を立てる際もシステムを活用します。
一方で、製造業といっても世界中に生産拠点を持つような大企業もあれば、50人ほどの小規模の企業もあります。それらに同じシステムを導入し、運用することはできません。
SIerは、このようなクライアントの事業規模や仕事内容にあわせて、最適なシステムを提案・導入します。
システムは人事労務管理や売上の管理など、企業活動のありとあらゆる部分に入り込んでおり、定期的なアップデートが必要です。SIerの仕事は欠かせないものだといえるでしょう。
関連記事:SIer(エスアイヤー)とは?仕事内容やSEとの違いを解説
インターネット経由でサービスを提供する:Web系企業
Slerが他社のシステムを構築するのに対して、Web系企業は自社のサービスを開発・運営する企業です。
Web系企業の仕事内容
Web系企業の仕事内容は、Webを使って自社サービスを企画・開発・維持することです。インターネットを介し、不特定多数に向けてサービスを提供します。また、サービスを売り込むために営業を担当するスタッフもいます。
さらに、SIerと比較して、Web系企業で働くエンジニアはよりビジネス的な観点が求められる傾向があります。
自社で提供するプロダクトを開発するにあたり、営業などのビジネスサイドとも密に連携し、プロダクトがもたらすビジネス的な価値について考えながら企画や開発を進める必要があるためです。
なお、Web系企業のなかには、入社時に「ITに関する深い知識・スキルを持っていること」を重視する企業も少なくありません。学生のうちから、プログラミングはもちろん、ITに関する幅広い知識を身に付けておくと良いでしょう。
関連記事:Web系とは?他業界との違いや向いている人の特徴を解説!
アプリを開発する:ソフトウェア業界
パソコンやスマホに欠かせないアプリケーションを開発するソフトウェア業界も、IT業界に欠かせない存在です。
ソフトウェア業界の仕事内容
ソフトウェア業界は、不特定多数向けのアプリケーションを開発する企業と、特定の顧客向けにアプリケーションを開発する企業に分かれます。
前者は世の中の需要を見つけ、それを解決するためのソフトウェアを開発するのが仕事です。仕事内容としてはWeb系と同様です。Web系企業と同様に、世の中に隠れている課題を見つけ、それを解決するサービスを生み出せるアイデア力や、ビジネス的な観点が求められる傾向があります。
特定の顧客向けにアプリケーションを開発する企業は、クライアントに徹底したヒアリングを行い、クライアントが求めるものを形にします。
関連記事:ソフトウェア業界とは?今後の動向と活躍している職種について
パソコン・スマホなどを開発する:ハードウェア業界
インターネットでさまざまな情報を得られるのも、SNSで発信ができるのも、すべてはパソコンやスマホなどのハードウェアがあるからです。
ハードウェア業界の仕事内容
ハードウェア業界のエンジニアは、ハードウェアを設計・開発・製造するのが仕事です。CPUやディスプレイ、SSDなど、技術的な側面から最適な組み合わせを考えなくてはなりません。また、予算や製造のしやすさ、強度など、さまざまな面から製品をブラッシュアップする必要があります。
製造に関しては、自社工場で行う場合と委託生産に分かれます。委託する場合には、工場との打ち合わせも重要な仕事です。
ネットワークを裏側から支える:通信・インフラ業界
高速のインターネット網を整備して、私たちの生活を裏側から支えているのが通信・インフラ業界です。
通信・インフラ業界の仕事内容
通信・インフラ業界のエンジニアは、物理的な配線や各種通信用設備に向かって仕事をします。場合によっては、肉体労働のような仕事をこなすこともあります。
関連記事:通信インフラ業界研究:通信インフラ業界の特徴や仕事内容、平均年収、大手企業の業績や社風を紹介
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4.IT業界の職種を知る

次に、IT業界にはどのような職種があるのかを見ていきましょう。
IT業界の企業には、大まかに以下のような職種があります。それぞれの職種の役割や仕事内容について、詳しく説明します。
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・エンジニア職
・営業・コンサルティング職
・マネジメント職
・Webクリエイター職
エンジニア職
エンジニアの仕事は、プログラミング言語でコンピューターを動かすためのシステムを構築し、オペレーティング・システム(OS)やアプリケーションなどのソフトウェアを開発することです。
近年のエンジニア職の仕事内容は、業種に応じて多様化してきています。共通して求められるのは、常に進化し続けるIT業界で必要な知識やスキルをいち早く習得することです。
プログラマーもエンジニア職の一つ。システムエンジニアが設計したシステムや、アプリケーションなどのプログラムを構築するのが一般的な仕事です。ただし、これはあくまでも一例で、職種名は同じでも企業ごとに仕事内容が全く違うこともあります。
プログラムを書くだけではなく、クライアントとの打ち合わせも業務の一環となることもあります。「思っていた業務と違った」とならないように、業務内容をしっかり調べると良いでしょう。
営業・コンサルティング職
営業・コンサルティング職の仕事は、クライアントの経営課題を解決したり、経営を助けたりするためのITシステムを提案し、クライアント企業の成長に貢献することです。
コンサルタントや営業職には、ITに関する幅広い知識や、多種多様な業種の経営に関する知識、課題を分析する力、マネジメント能力などが求められます。そのほかに、プレゼン能力や問題解決能力も必要です。
クライアント企業の経営課題を分かりやすく資料にまとめるスキルや、社内外で円滑にやり取りしたりするための高いコミュニケーション能力も必要とされます。
プログラミングの知識は必須ではありませんが、あったほうがより重宝されるでしょう。プログラミングをはじめとするITエンジニアとしての知識を持ちつつ、クライアント企業の対応をする営業職のことは、「セールスエンジニア」という職種名で呼ばれることもあります。
営業・コンサルティング職は、クライアントのニーズをプロジェクトチームに正しく周知する橋わたし役としても重要なポジションです。業務内容が幅広く大変な仕事である一方、成果が見えやすいのでやりがいを実感しやすいでしょう。
マネジメント職
マネジメント職はIT人材の採用から育成、スケジュール調整まで担い、プロジェクト全体を管理します。いわゆる「管理職」と呼ばれるポジションです。
マネジメント職には、社内外の関係者と交渉する力や、プロジェクトチームをまとめるリーダーシップ、高いコミュニケーション力、部下のスキルを把握して業務を割り振る能力が求められます。
トラブルにも幅広い視点から機転を利かせた行動が求められるため、エンジニア経験豊富な人が選ばれることが多いです。経験を積んだエンジニアであれば、部下が技術的な問題を抱えたときに自身の経験から助言をしたり、直接手伝ったりすることができるからです。エンジニアならではの視点で現場の意見を汲み取り、経営陣にうまく掛け合うこともあります。
Webクリエイター職
WebプロデューサーやWebデザイナーなどWebサイト上のコンテンツ作成に関わる職種を広く「Webクリエイター」と呼びます。
Webプロデューサーはプロジェクト全体を管理する必要があるため、幅広い知識とマネジメント能力が求められるでしょう。クライアントからのヒアリング内容を元に、相手が希望するWebサイトのコンテンツやコンセプトを決めるのも仕事の一部です。
Webデザイナーは、依頼者の求めるサイト像からコンセプトを決定し、求められる機能や成果などに配慮しながらデザインを制作する職種です。クライアントと直接やり取りする場合もあれば、Webプロデューサーから仕事を受ける場合もあります。
Webクリエイターという職種も、仕事内容が多岐にわたるため、自分の求める職種についてよく調べてみてください。
関連記事:【徹底解説】IT業界にある18職種ごとの年収やキャリアパス、辛いことを紹介
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5.IT業界のメリット・デメリット
ここでは、IT業界のメリットとデメリットについて解説します。
メリット
IT業界の最大のメリットは、成長産業であることです。テクノロジーの進化により、AI、クラウド、DXなど新たな市場が次々と生まれ、常に需要が拡大しています。
また、リモートワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方ができる企業が多く、ライフワークバランスを取りやすいのも特徴です。
さらに、スキルがあれば転職や独立がしやすく、エンジニアとしての市場価値を高めれば、高収入を得るチャンスも多い業界となります。
デメリット
一方で、IT業界は変化が激しく、最新技術を学び続ける必要があります。特にエンジニア職では、数年で技術が陳腐化するため、自己学習が欠かせません。
また、プロジェクトの納期が厳しく、繁忙期には長時間労働が発生することもあります。
さらに、システムの障害対応などで休日や深夜に呼び出されるケースもあり、職種によってはストレスがかかる場面も多いです。
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6.IT業界に向いている人

IT業界に向いている人は、下記の3つに当てはまる人です。
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・最新のモノやサービスに興味がある人
・新しいことを学ぶのが好きな人
・論理的思考が得意な人
それぞれ詳しく解説します。
関連記事:IT業界に向いている人の特徴7選!就職するメリットやおもな職種もご紹介
最新のモノやサービスに興味がある人
IT業界は、新しい技術やサービスが次々と生まれるため、最新トレンドに敏感な人に向いています。
例えば、AIやブロックチェーン、メタバースなどの新技術に興味を持ち、自分で試してみたいと思う人は、エンジニアやITコンサルとして活躍しやすいでしょう。
新しいことを学ぶのが好きな人
IT業界では、技術の進化が速いため、常に学び続けることが求められます。
新しいプログラミング言語や開発手法が登場するたびに学習し、自らスキルを高めていく姿勢が大切です。新しい技術にすぐ対応できるようになれば、活躍できる範囲が広がるため市場価値も高まるでしょう。
論理的思考が得意な人
ITの仕事は、システム設計やプログラミングなど、論理的な思考が求められます。
例えば、バグの原因を特定し、最適な修正方法を考えるといった問題解決力が必要です。論理的に物事を考え、筋道を立てて説明できる人は、IT業界で活躍しやすいでしょう。
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7.IT業界の選考対策

ここでは、IT業界の選考対策のポイントについて、エントリーシートと面接に分けて解説します。
エントリーシート対策
IT業界のエントリーシートでは、論理的思考力や問題解決能力を示すことが重要です。
例えば、「学生時代にどのような課題に直面し、それをどう解決したか」を具体的に書くと、評価されやすくなります。
また、「なぜIT業界を志望するのか」「その中でもなぜこの企業なのか」を明確にし、自分の強みと結びつけて説明すると、説得力が増します。
面接対策
面接では、IT業界の基本知識を持っていることを前提に話が進みます。
例えば、「最近注目している技術は?」といった質問がされることも多いため、事前に最新トレンドを調べておくと良いでしょう。
また、論理的に話す力も求められるため、結論→理由→具体例の順で答える習慣をつけると、スムーズに回答できます。
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8.IT業界をしっかりと理解したいならインターンがおすすめ
業界研究で得た情報だけでは判断が難しい場合は、インターンへの参加もおすすめです。多くのIT企業がインターンを実施しており、実際の仕事の流れや会社の雰囲気を理解できます。現役のエンジニアから指導を受けられる機会もあるため、スキルアップにもつながるでしょう。また、インターンへの参加経験は、エントリーシート作成や採用面接の際にも役立つはずです。
なお、インターンは希望者が必ず参加できるわけではありません。そのため、少しでも興味がある企業にはとりあえず申し込むのが得策です。
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