
SIerはIT業界の中でも未経験から就職しやすい業種で、将来のキャリア形成においてもエンジニアとしての豊富な経験を積める環境です。新卒採用を実施している企業は多く、就職難易度はそこまで高いわけではありませんが、未経験から就職を目指すならプログラミング言語やIT資格など、SIerへの志望意欲が伝わるスキルを身に付けておくことが大切です。
本記事ではSIerに未経験から就職するにあたって、押さえておきたいSIerの事業内容や種類、「やめとけ」と言われる理由や、効果的な就活対策などをご紹介します。
おすすめ記事:新卒でSIerに就職するには?メリット・デメリットや必要な知識を解説
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- 1.SIerは未経験からでも就職しやすい
- 2.SIerとは?
- 3.SIerの4つの種類
- 4.未経験からSIerはやめとけと言われる理由とは?
- 5.未経験からSIerの内定を取るための就活のコツ
- 6.まとめ
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1.SIerは未経験からでも就職しやすい
SIer(システムインテグレーター)は未経験からでも就職しやすい企業であり、新卒で内定を獲得するのも難しいことではありません。SIerをはじめとしてIT業界全体では人手不足が続いており、増加するシステム開発需要に応えるためにも積極的に若手の人材を採用しているケースが多いからです。SIerはさまざまな企業からの受託開発に取り組むことで売上を立てているという事情から、事業基盤が安定しており、人材育成のためにコストをかけられる企業とも言えます。そのため学生・求職者にとっても未経験でSIerに入社するメリットは大きく、手厚い研修を受けながら多種多様な開発現場を経験し、エンジニアとしてのレベルアップを果たせる環境となっています。
ただし、SIerの中でも大手SIerと中小SIerとで携わる仕事内容は異なるほか、ユーザー系やメーカー系といった種類によっても事業内容には違いがあるため、十分に企業研究・業界研究した上で就活に取り組むことが大切です。
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2.SIerとは?
未経験からSIerへの就職を目指すなら、SIerの事業内容や将来性、SIerで働くエンジニアの仕事内容などを理解しておく必要があります。ここではSIerの基本情報について詳しく解説します。関連記事:SIer(エスアイヤー)とは?仕事内容やSEとの違いを解説
SIerの事業内容
SIerの主な事業内容は、他社から依頼されるITシステムの開発です。社内システムを開発・刷新する必要がある事業会社からの発注を受けて、開発内容のヒアリングからシステム開発の企画・設計、仕様書にもとづいた開発業務や納品後の運用・保守なども担当します。主に大手SIerが大型の開発プロジェクトを受注し、その開発工程の一部を中小SIerに委託する形で事業を進めるのが一般的です。そのため大手SIerでは要件定義やシステム設計などの上流工程、中小SIerでは現場での開発業務や運用・保守などの下流工程に携わることが多いという特徴があります。企業によってはITコンサルティング事業やSES事業も手掛けているケースがあり、一つひとつの企業によって事業内容は大きく異なるので、十分に企業研究に取り組んだ上で就職先を選ぶ必要があります。
SIerで働くエンジニアの役割
SIerで主に募集されているのは、システムエンジニアと呼ばれる職種です。SIerのシステムエンジニアは、クライアント企業との打ち合わせに参加して要件定義・基本設計に携わったり、社内の開発チームもしくは外部の開発会社のマネジメントを行ったりするのが主な仕事です。大手SIerではシステム開発の上流工程に携わることが多いので、開発の現場でプログラミング作業に従事する機会は多くありません。システム開発の専門家としてさまざまな立場の相手と関わるため、基礎的なプログラミングスキルやIT知識は必要ですが、それ以上にヒアリングスキルやコミュニケーション能力が求められる職種となっています。
また、ITコンサルタントや営業職を募集していることがあるほか、中小SIerではプログラマーの求人を出しているケースもあります。
SIerの将来性
SIerは他社の依頼を受けて受託開発に取り組むという特性上、事業基盤が非常に安定しており、今後の将来性も高い業種となっています。企業にとってITシステムは業務を効率化するために欠かせない存在であり、定期的なアップデートや改修を必要とします。そのためSIerへのシステム開発が途絶えることは考えにくく、今後生成AIなどが普及したとしても安定した需要が続くと見込まれています。SIerで働くエンジニアにとっても将来性の高いキャリアを期待できるメリットがあり、SIerで携わったシステム開発の経験を活かし、Web系の自社開発企業に転職したり、ITコンサルタントを目指したり、フリーランスエンジニアや起業・独立に挑戦することも可能です。安定性が高く、将来性がある職場で働きたい方にとっては、最適な就職先の一つとなるでしょう。
関連記事:SIer業界研究:SIer業界の特徴や仕事内容、平均年収、大手企業の業績や社風を紹介
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3.SIerの4つの種類
SIerには、設立された経緯・目的や手掛ける事業内容によって、以下の4つの種類が存在します。-
・ユーザー系SIer
・メーカー系SIer
・独立系SIer
・外資系SIer
それぞれの種類について、特徴や入社後の仕事内容とともにご紹介しましょう。
ユーザー系SIer
ユーザー系SIerとは、IT企業ではない大手企業が自社の情報システム部門を分離・独立させる形で設立したSIerのことを指します。主に親会社やグループ会社のシステム開発案件に携わっており、安定した事業基盤を持ちます。親会社がメーカー業界ならメーカー業界向けのシステム開発、商社であれば商社業界向けのシステム開発と、特定の業界のシステム開発に強いのもユーザー系SIerの特徴です。ユーザー系SIerで働くエンジニアは、専門的な業界知識を身に付けながら、安定した職場環境でキャリアを積めるメリットがあります。上流工程に携わる機会が多いので、要件定義やシステム設計など、業界では高収入・好待遇を得やすい実績を身に付けられるのも魅力です。ただし担当する案件の業界が絞られるため、異なる業界でのシステム開発経験は積みにくいことに注意しましょう。
おすすめ記事:ユーザー系Slerとは?ユーザー系Sler企業を選ぶメリット・デメリットを紹介
メーカー系SIer
メーカー系SIerとは、IT機器や家電などのハードウェアメーカーの情報システム部門が独立したSIerを指します。グループ全体でハードウェア開発からソフトウェア開発までを提供することで、業界では確固たる地位を築いています。組み込みシステム開発に強みを持つSIerですが、親会社からの開発案件で積み上げたノウハウや実績をもとに、他社のシステム開発にも積極的に携わっています。メーカー系SIerでは、ユーザー系と同様に安定的な職場環境で働けることが、入社するエンジニアにとってのメリットとなります。グループ全体が関わる大規模なプロジェクトに参加できる機会が多く、転職活動などでアピールしやすい開発実績を積めることも利点です。
独立系SIer
独立系SIerとは、ユーザー系・メーカー系のような特定の親会社を持たないSIerのことを指します。SIer出身のエンジニアなどが起業・独立して設立されるケースが多く、特定の業界や企業に縛られずに幅広いシステム開発案件を受注しています。技術力・営業力が高く業界トップクラスの業績を誇る独立系SIerも存在しますが、事業基盤を支える親会社・グループ会社を持たないので経営がやや不安定というデメリットもあります。しかし特定の業界や企業に縛られることがないので、最先端のプログラミング言語やIT技術を用いた、自由な開発環境のもとで働けるのがエンジニアとしてのメリットです。収入面・待遇面ではユーザー系やメーカー系にはやや劣るものの、エンジニアとしてのスキルアップを重視するなら独立系SIerがおすすめです。
おすすめ記事:独立系SIerとは?メリット・デメリットや優良企業の選び方を紹介
外資系SIer
外資系SIerは、海外に本社を持つグローバル企業による日本法人のことを指します。海外で開発・販売しているITサービスを国内向けに販売したり、日系企業の海外進出を支援したりするのが主な事業内容です。グローバル単位で事業を展開していることから、日系企業とは企業文化や社風が異なり、入社を目指すならビジネスレベルの英語力も求められるのが特徴です。外資系SIerは、SIerの中では最も就職難易度が高い傾向にあり、新卒採用であっても即戦力として活躍できるだけのスキルが求められます。これは外資系SIerでは実力主義・成果主義の風土を持つ企業が多いことに由来しています。その一方で、好成績を収めたエンジニアは高く評価され、高収入・好待遇が用意されることも多いので、待遇面を重視する方に向いています。
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4.未経験からSIerはやめとけと言われる理由とは?
未経験からSIerへの就活に取り組んでいると、「SIerはやめとけ」と言われることがあるかもしれません。SIer就職に対してネガティブな意見が集まりやすい理由としては、下記の3つが挙げられます。-
・長時間労働に陥りやすいから
・クライアントワークの大変さがあるから
・下請けSIerでは労働環境が悪化しやすいから
それぞれ詳しく解説しますので、SIerの企業研究や就職先選びに役立ててみてください。
長時間労働に陥りやすいから
未経験からSIerはやめとけと言われる理由として、長時間労働に陥りやすいことが挙げられます。SIerは、他社からの依頼を受けてシステム開発に取り組むという都合上、明確な納期が設定されており、納期直前には残業・休日出勤が発生しやすくなる傾向にあるのです。開発スケジュールの遅れによって納期前の長時間労働が発生しやすくなるだけではなく、開発現場の人手不足によって一人ひとりのエンジニアの負担が重くなってしまうケースもあります。そのため未経験からSIerへの就職を目指すなら、月平均残業時間などの働きやすさについて十分に調べておく必要があります。
クライアントワークの大変さがあるから
未経験からSIerはやめとけと言われる理由には、クライアントワークの大変さが挙げられることもあります。SIerのようにクライアント企業からの発注をもとにシステム開発に取り組む企業は、厳しい納期や急な仕様変更を求められるケースも多く、労働環境が悪化しやすい傾向にあるのです。特に独立系SIerの場合、案件獲得のための競争が激しいことから、短い納期で高品質なプログラムの納品が求められることも珍しくありません。そうしたクライアントワークの大変さを知っている先輩エンジニアからは、未経験からSIerに入るのはやめとけとアドバイスされることが多くなるのです。
下請けSIerでは労働環境が悪化しやすいから
大手SIerではなく下請け案件が中心の中小SIerを目指す場合には、特にSIerはやめとけと言われやすくなるでしょう。元請け・一次請けから何社も仲介会社を挟んだ案件を担当する場合、薄給で激務を任されることが多くなり、労働環境が悪化しやすくなることが理由です。未経験から入社した後、現場の人手不足を理由に十分な研修を受けられなかったり、ブラック体質な職場で消耗してしまう可能性が高く、応募するのはやめとけと言われることが多いのです。下請け案件ばかりのSIerは、企業ホームページの主要取引先として、大手IT企業の名前が並んでいることが多いです。一方で元請け・一次請けに近いSIerは、IT業界以外の大手企業との取引が多くなる傾向にあります。こうした取引先の傾向なども踏まえて、下請け案件ばかりのSIerは避けるようにしましょう。
関連記事:新卒でSIerはやめとけと言われる7つの理由!働くメリット・向いている人の特徴も
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5.未経験からSIerの内定を取るための就活のコツ
最後に、未経験から大手SIerの内定を取るために、実践したい就活のコツについてもご紹介しましょう。-
・入社後に活かせる資格を取って志望意欲を伝える
・コミュニケーションスキルの高さをアピールする
・プログラミングスキルを独学しておく
・IT業界に強い就活サイトを活用する
一つひとつ詳しく解説しますので、これからの就活にぜひ役立ててみてください。
入社後に活かせる資格を取って志望意欲を伝える
未経験からSIerの内定を取るために、入社後に活かせる資格を取得して志望意欲を伝えるのがおすすめです。「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験」など、基礎的なIT資格はライバルと差別化するのは難しいものの、資格取得のために時間や労力を費やしてきたことが評価され、SIerへの志望意欲が高い人物であるとみなされます。その結果、ポテンシャル採用が中心のSIerの新卒採用で内定を獲得しやすくなる傾向にあるので、積極的にIT資格の取得に取り組んでみましょう。
関連記事:基本情報技術者試験とITパスポート試験どちらを受けるべき?2つの資格の違いを解説
コミュニケーションスキルの高さをアピールする
未経験からSIerを目指すなら、エントリーシートや面接でコミュニケーションスキルの高さをアピールするのが有効です。SIerではクライアント企業や開発チームなど、さまざまな立場の相手と接する機会が多く、対人コミュニケーションが得意な人ほど評価されやすい傾向にあるからです。また、文系出身でプログラミングスキルやIT知識に自信がない方であっても、コミュニケーションスキルをアピールすることにより企業からの高い評価を得られるメリットもあります。ポテンシャル採用を実施する企業では、コミュニケーションスキルを最も重視して選考を行っているケースも多いので、ぜひ実践してみてください。
プログラミングスキルを独学しておく
未経験からSIerを目指す場合、独学で構いませんのでプログラミング言語についても学んでおくと有利に働きます。無料で学べる動画サイトや学習サイトなどを活用して、プログラミングの基礎を身に付けておくことは今後のキャリア形成にも有効です。HTML/CSSやJavaScriptなど、初心者向きで学びやすいと言われる言語を優先的に学習してみると良いでしょう。現役のエンジニアほどの高いプログラミングスキルは不要ですが、プログラミングに対する一定の知見がある方なら、未経験であっても好印象に映ります。プログラミングに触れることで、自分自身のIT業界への向き不向きも判断しやすくなるので、ぜひ学習しておきましょう。
IT業界に強い就活サイトを活用する
未経験からSIerに就職するためには、IT業界に強い就活サイトを活用するのもおすすめです。本記事で解説してきたSIerの種類や、IT系職種の細かな分類で検索しながら理想の就職先を探せるほか、IT業界の就活に詳しいアドバイザーからのES添削や面接指導を受けられるメリットがあるからです。就活コラムも充実しており、SIer就活に役立つ情報も手に入りやすくなるでしょう。これまですべての業界・職種を扱う総合型の就活サイトしか使ってこなかった方は、IT業界を専門とする就活サイトにも登録して、企業研究・業界研究の参考にしてみてください。
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6.まとめ
SIerは未経験からでも入社しやすい就職先であり、安定した事業基盤や豊富な案件により、エンジニアとしてのスキルアップも叶えやすい魅力があります。今後の将来性も高く、安定性・将来性を重視する方にもおすすめです。ただしSIerには、ユーザー系・メーカー系・独立系などの種類が存在し、大手SIerと中小SIerで担当する業務内容も異なります。「未経験からSIerはやめとけ」と言われることが多いのも事実なので、十分に企業研究に取り組んだ上で就活に臨む必要があります。
本記事で解説してきた未経験からSIerに入る就活のコツも参考にしながら、第一志望のSIerからの内定獲得を目指しましょう。
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