新卒でSIerに就職するには?メリット・デメリットや必要な知識を解説

新卒でSIerに就職するには?メリット・デメリットや必要な知識を解説
IT系企業に新卒で就職を希望する学生のなかには、SIerに興味がある人もいるでしょう。SIerにはユーザー系やメーカー系などさまざまな種類がありますが、どのSIerも企業の業務システムなどを開発する点は同じです。 この記事では、SIerの種類や仕事内容、目指すメリットと注意点などをまとめました。求められる知識・スキルと習得方法、SIerに就職する際のポイントや年収も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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1. SIerとは?システム開発に欠かせない企業

そもそもSIer(エスアイアー)とは、企業や官公庁などのクライアントからシステム開発などの依頼を受けてサービスを提供する会社のことです。

正式にはSystem Integrator(システムインテグレーター)ですが、一般的には略称であるSIerと呼ばれています。SIer以外にも、「システムベンダー」や「ITベンダー」などと呼ばれることもあります。

SIerはシステム開発を「請け負う」点に大きな特徴があり、自社でサービスを開発・提供する業態ではありません。この点がいわゆる「Web系企業」との違いです。

SIerを理解する上で、IT業界全体のビジネスの仕組みに対する理解が欠かせません。IT業界ではピラミッド型の多重下請け構造が常態化し、クライアントからシステム開発を直接請け負う一次請け(元請け)企業と、各開発の再委託を請け負う多数の企業で構成されています。

大手SIerのほとんどは一次請け企業に該当し、ワンストップで開発を行う場合もある一方、多くの場合は開発を二次請け・三次請け企業に委託しているのです。そのため、ひとくちに「SIer」と言ってもその実情はさまざまであることを覚えておきましょう。

SIerの市場規模と今後の動向

経済産業省が発表した「特定サービス産業動態統計調査 対事業所サービス業 情報サービス業」によると、SIerが占める売上高は、以下のとおり拡大しています。

 年  受注ソフトウェアに関する売上高
(百万円)
 左記のうち、システムインテグレーションが占める売上高
(百万円)
 2020   7,492,314  4,943,541
 2021   9,090,416  5,925,348
 2022   9,463,901  6,188,944

2020年における受注ソフトウェアの売上高は約7.5兆円で、そのうち、システムインテグレーションが占める売上高は約5兆円でした。2022年には、それぞれ約9.5兆円、6.2兆円近くまで伸びています。

直近3年においてSIerの市場規模は拡大しており、今後も情報サービスやシステムの必要性が絶えることはないと考えるのが自然です。システム開発は需要が存在し続ける市場であり、一次請け企業がシステム開発をすべてワンストップで対応するなどの出来事が起こるのも考えにくいため、将来を悲観視する必要はないでしょう。

そのため、SIerの市場が縮小する可能性は低いと考えられ、将来性も高いと予想されます。

「新卒でSIerはやめとけ」と言われる理由

SIerへの就職を希望する学生のなかには、「SIerはやめたほうがよい」などの言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。

その背景として考えられるのが、冒頭で紹介した業界特有のピラミッド構造です。SIerにもさまざまな企業があり、納期も比較的厳しくなく、働きやすい労働環境が整備されている企業も多く存在します。

一方、孫請けやさらに下層のSIerの場合、厳しい納期や業務量に見合わない報酬など、労働条件が劣悪になってしまう可能性は高まります。その結果、人材の獲得・確保が難しく、働き手にかかる負担が高まる悪循環が生まれてしまうのです。

ほかにも、就職してみると実態は客先常駐の業務形態で、「思っていたのと違った」というケースもあります。

SIerと言っても働き方はさまざまなので、すべてまとめて「やめとけ」という結論にはならないでしょう。

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2. SIerの種類

SIerの種類について解説します。SIerは親会社の業界や設立の背景などによって以下の5つに分類できるので、まずはSIerの全体像を把握しましょう。

ユーザー系SIer

ユーザー系SIerは、主に親会社やグループ会社向けのシステム開発を行います。基本的に親会社は大手の一般企業が多く、業種は流通、製造、商社、金融など多岐にわたります。

ユーザー系SIerの場合、案件を安定的に受注できるため、原則的に経営が安定しやすいです。しかし、携わる開発工程が似通ってしまう傾向にあるため、幅広い知識やスキルはやや身につきにくいという点はデメリットになるでしょう。

ユーザー系SIerの代表的な企業には以下が挙げられます。

  • ・株式会社NTTデータ

    ・株式会社三菱総合研究所

    ・日鉄ソリューションズ株式会社

メーカー系SIer

メーカー系SIerは、パソコンなどのハードウェアメーカーである親会社からシステム開発を依頼される場合が多く、システム開発の規模は比較的大きいです。親会社が取り扱う製品を含めた幅広いITシステムの提案や開発を行い、業界はメーカーに限定されます。

メーカー系SIerの代表的な企業には以下があります。

  • ・富士通株式会社

    ・株式会社日立製作所

    ・日本IBM(日本アイ・ビー・エム株式会社)

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独立系SIer

独立系SIerは、ユーザー系やメーカー系SIerとは異なり、親会社はなく独立してシステム開発を行います。

SIerの種類の中では最も企業数が多く、比較的中小規模の企業が多いです。

独立系の場合、さまざまな業界のシステム開発案件に携われるため、幅広い知識や技術を身につけられるでしょう。一方、親会社がいない分、安定的な経営という側面ではユーザー系やメーカー系に劣るというデメリットがあります。

代表的な独立系SIerには以下が挙げられます。

  • ・ISID(株式会社電通国際情報サービス)

    ・株式会社大塚商会

    ・BIPROGY株式会社(旧日本ユニシス)

コンサル系Sler

コンサル系SIerは、まず企業の経営戦略やビジネス課題解決のためにIT導入の企画・検討を行い、その上でシステム開発を進めます。

独立系SIerに近い業態とも言えますが、クライアントにより近い立場で仕事ができる点は、コンサル系SIerならではです。

コンサル系SIerの代表例は以下の通りです。

  • ・株式会社野村総合研究所

    ・シンプレクス株式会社

    ・フューチャーアーキテクト株式会社

外資系Sler

外資系SIerは、多くはグローバル展開をする海外企業の日本法人で、欧米に本社がある企業です。企業文化などが日本企業とは異なり、能力主義や成果主義な面があります。

世界規模の案件に携われる可能性もある一方で、高いスキルや語学力も求められ、成果に応じた報酬を受け取れるのは大きなメリットでしょう。

外資系SIerの代表的な企業は以下が挙げられます。

  • ・シスコシステムズ合同会社

    ・アクセンチュア株式会社

    ・日本オラクル株式会社

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3. SIerの仕事内容

続いて、SIerのおもな仕事内容について解説します。

具体的な仕事内容は会社の種類によって異なる部分はありますが、ここではあらゆるSIerに共通するシステム開発の業務内容を順番に紹介します。

要件定義・設計

システム開発の最初に行うのが、クライアントへのヒアリングを通じた要件定義です。

要件定義とは、クライアントから開発するシステムへの要望・期待、現在使っているシステムへの不満などを聞き取り、ニーズを満たすための条件を整理することです。

要件定義をまとめたものを要件定義書と呼び、開発するシステムの設計図を作成するのが最初の工程です。要件定義書が正確かつわかりやすくまとまっていないと、その後の開発工程はもちろん、完成したシステムのクオリティにも影響を及ぼします。

システム開発の方向性を定める重要な工程で、SIerの業務の醍醐味とも言える内容です。

開発・テスト

要件定義書や設計書によって定められた内容をもとに、プログラマーが実際にプログラミングをしてシステムを開発していきます。

システムの開発工程は機能ごとにチームを分けて担当することが多く、各チームで開発したプログラムを一つにして、最終的なシステムの完成を目指すのが一般的です。

システムの開発が完了すると、要件定義書や設計書通りに開発されているかを確認するテストを実施します。

あらゆる条件でシステムを動かし、バグが起きないかチェックするのも大切な業務の一つです。

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運用・保守

システムは納品して終わりではなく、運用・保守を通じて、安定的に稼働できるようサポートするのもSIerの業務です。

システム稼働後は、データのバックアップ作業やシステムの監視作業などのシステム運用を行います。ほかにも、システムの不具合やハードウェアの定期保守対応などの保守作業も担当します。

新卒SIerの仕事内容

システム開発の仕事内容は上記のとおりですが、新卒で入社した場合、テストや軽微なバグ修正を任されることが多いです。

これらで数年ほど経験を積んだ後に、要件定義や設計といった上流工程を任される傾向にあります。

まずはシステムの開発現場で業務を覚え、徐々に視座を上げていくイメージで業務内容も変わっていくようです。

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4. 新卒でSIerに入社する3つのメリット

ここでは、新卒でSIerに入社するメリットを3つ解説します。

規模の大きなシステム開発・構築に携われる

SIerの業務はクライアントが大企業や官公庁であることも多く、規模の大きなシステム開発や構築に携われるのはSIerならではです。

大規模なシステム開発案件の場合、開発にかかる費用は数千億円にも及ぶ場合があり、対個人のビジネスでは到底考えられない規模といえます。

仕事のやりがいや魅力として「規模の大きい仕事がしたい」と考える学生にとって、SIerは選択肢のひとつに入るでしょう。

システム開発で基本的な開発手法を学べる

SIer独自の大規模なシステムを開発するためには、適切なプロジェクト管理や開発手法を使う必要があります。

大規模システムの開発では、「ウォーターフォール手法」と呼ばれる方法を用いることが多く、システム開発の基本を学べるのもメリットの一つです。

システム開発の品質管理手法を学べる

SIerは顧客の業務システムの開発を多く行うため、システム開発には高い信頼性が求められます。

そのため、プログラムやテストなどに対し品質管理を徹底しており、その手法も学べます。システムの品質管理の手法は、将来的にも役に立つ重要なスキルです。

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5. 新卒でSIerに入社する3つのデメリット・注意点

新卒でSIerに入社するのはメリットだけではありません。

特に、以下で紹介する3点は、SIerへの就職を検討する際の注意点として覚えておきましょう。

業界特有の階層構造がある

冒頭で解説したように、SIerには業界特有のピラミッド型の多重下請け構造があります。

興味のあるSIerがピラミッドのどこに位置するのかは、選考を受ける前に必ず調べておきましょう。もちろん、孫請け企業やピラミッドの下に位置するからダメということではありませんが、過酷な労働環境を強いられる可能性があるのは否めないため注意が必要です。

案件によって繁忙度・難易度が異なる

上記のピラミッド構造に関連し、企業が抱える案件によって繁忙度や大変さが異なり、いわゆる「案件ガチャ」に巻き込まれる可能性があることも覚えておきましょう。

案件自体の難易度だけでなく、SIer全体に共通することとして、納期直前は繁忙度を極めることも往々にしてあります。

長時間の残業や徹夜、休日出勤が常態化することもあるため、SIerへの就職を希望する学生は、体力的・精神的なタフさも求められることを覚えておきましょう。

自社開発案件に携われない

SIerはクライアント企業からシステム開発を受託する業態のため、自社サービスやアプリの開発をしたい人には向いていません。

システム開発には自社開発と受託開発の大きく2つがあるため、IT業界を志望する学生は、この違いを明確に理解しておきましょう。

就職後のミスマッチを起こさないためにも、キャリア設計を踏まえた企業選びが大切です。

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6. 新卒のSIerに求められる知識・スキル

ここでは、新卒のSIerに求められる知識やスキルを解説します。

特に、以下で紹介する3つは必須と言えるので、SIerへの就職を希望する学生はできる対策から始めていきましょう。

IT全般の基礎的な知識

新卒でSIerに就職するにあたっては、IT全般の基礎的な知識は欠かせません。

ITシステムの仕組みはもちろん、サーバーなどのハードウェアやOS・ミドルウェアなどのソフトウェアに関する基礎知識を身に付けておきましょう。

IT全般の基礎的な知識は、SIerとして活躍するための「一般教養」です。身の回りで当たり前のように使っているものから、少しずつ興味を持って調べてみてもよいでしょう。

プログラミングスキル

新卒でSIerに就職した場合、まずはITエンジニアの登竜門であるプログラマーとして、開発されたシステムのテストやバグ修正を任せられるケースが多いです。

そのため、主要なプログラミング言語であるJavaやPHP、Pythonなどの基礎的な知識やスキルを習得しておくと役立ちます。

学習する際は、3つの言語を習得するというより、どれか一つの言語をある程度使いこなせるスキルレベルを目指すのがポイントです。プログラミング言語の違いは方言程度とも言われ、多少のルールは違えど、大まかな書き方は共通しています。

各言語の特徴を踏まえて、まずは一つの言語を習得できるように学習していきましょう。

関連記事:大学生のうちにプログラミングを学習しよう!メリットとおすすめの学習方法

コミュニケーションスキル

SIerとして活躍していくためにはコミュニケーションスキルが必須です。

クライアントへのヒアリングはもちろん、開発はチーム単位で行うため、メンバーと連携をとる上でも、コミュニケーションスキルが高いほど仕事を進めやすくなります。

ビジネスパーソンとして基本的なスキルで、SIerに限らずあらゆる仕事に求められるため、学生の間から円滑にコミュニケーションをとる方法は学んでおきましょう。

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7. 新卒SIerに求められる知識やスキルの習得方法

ここでは、新卒のSIerに求められる上記の知識やスキルを習得するのにおすすめな方法を解説します。

書籍やネット動画を活用する

参考書や動画配信サービスの活用は、安価なコストで学習できるのが最大のメリットです。また、始めやすさの観点からしても、書籍や動画学習はおすすめな方法といえます。

ただし、学習すべき情報の取捨選択やスキル習得までのロードマップを自分で考える必要があり、挫折しやすい点には注意が必要です。

また、独学の場合、基礎的な内容の理解はできたとしても、実践的なプログラミングスキルの習得は難しいかもしれません。効率的な学習をするのには限界がある点も、書籍や動画学習のデメリットと言えるでしょう。

プログラミングスクールに通う

プログラミングスクールを利用すれば、いつでも質問できる環境のなかで、カリキュラムに沿って用意された教材に取り組めます。教材を選定する手間や挫折するリスクを下げられるのは、スクールに通うメリットになるでしょう。必ずスキルを習得したい人には特におすすめです。

しかし、その分費用がネックになるのはやむを得ません。無料体験や説明会が開催されているスクールも多いので、それぞれを有効活用して自分に最適なスクールを見つけましょう。

学生の期間に支払うスクール代は確かに手痛い出費かもしれませんが、将来的なリターンを考えると投資する価値は十分あると言えます。

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資格を取得する

ITに関する知識を体系的・網羅的に習得するなら、資格の取得も検討しましょう。特に、新卒でIT関係の知識が乏しい場合は、情報処理推進機構(IPA)が実施する、IT全般の基本的な知識を問う「ITパスポート」がおすすめです。

IT関係の資格を取得すれば就活に有利になるわけではありませんが、モチベーションの高さのアピールにはつながるでしょう。

資格取得を目指す場合、試験日に合わせた学習時間の確保と管理が欠かせません。本業の学業や就活などと並行して継続的に学習できる環境の用意が重要です。

関連記事:プログラミング資格を大学生が取得するメリットは?おすすめ5選を紹介

インターンシップに参加する

インターンシップに参加すれば、受け入れ先の現役エンジニアの指導などを通じて、知識やスキルを習得できます。さらに、就活の面接では、インターンシップで得た経験や学びなどをアピールできるでしょう。

ただし、インターンシップは応募すれば誰でも参加できるわけではなく、選考に通過しなければなりません。インターンシップへの参加には相応な準備が欠かせず、参加先の企業によっては扱う業務内容が限定的な場合もある点には注意が必要です。

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8. 新卒でSIerに就職する際のポイント

SIerにはさまざまな企業があり、知名度や業務内容などでなんとなく決めてしまうと後悔する可能性があります。

ここでは、新卒でSIerへの就職を検討する際、特に意識したいポイントをまとめました。以下で紹介する2点は、就活を進める際に必ず実践しましょう。

将来目指したいエンジニア像を明確にする

SIerは受託開発を扱う企業のため、自社開発案件には携われません。そのため、IT業界への就職を希望する際は、将来目指したいエンジニア像やキャリアプランを明確にしましょう。

IT業界は企業によって扱うサービスのジャンルが異なるだけでなく、受託または自社開発の違いもあります。SIerとWeb系企業を行き来してキャリアアップするのはあまり一般的ではなく、どちらかに身を置いて専門性を高める人が多いです。

就職してから「思っていたのと違う」という事態に陥らないで済むよう、必ず目指したい姿を明確にしておきましょう。

SIer業界における企業のポジションを調べる

SIer特有のピラミッド構造のなかで、希望する企業がどのポジションに位置するかも必ず調べておいてください。

その企業のクライアント・取引先を見たり、会社概要を確認したりすれば、どの階層に属するかイメージが湧くはずです。

大手SIerの場合は待遇や労働環境もよく、ホワイト企業であることが多い一方で、応募者も殺到します。また、大手SIerでは現場業務に携わる機会はかなり限定的で、スキルアップの側面では二次・三次請け企業のほうが優れていることもあります。

ピラミッドの下のほうに位置する企業は労働環境がネックになりがちですが、それぞれに一長一短あるのは間違いありません。

業界の構成図も踏まえて就職先を検討すると、よりフラットな目線で判断できるでしょう。

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9. SIerの平均年収とキャリアパス

最後に、Slerの年収とキャリアパスについて解説します。

SIerの平均年収と新卒の平均年収

レバテックキャリアに掲載されているSIerで働くITエンジニアの年収は、約300〜1,000万円です。かなり幅はありますが、給与所得者の平均年収である443万円に比べると、高い報酬を獲得できる可能性が高いでしょう。

SIerのなかにも職種は細かく分かれており、上流工程を担当するマネージャー職の場合は、年収1,000万円を超える募集もあります。新卒で採用される場合は、上記レンジのなかでも下限に近い300〜400万円に該当するのが一般的です。

大手SIerは平均年収1,000万円を超えることも

SIerの年収は上記の通り幅がありますが、大手SIerの場合は平均年収1,000万円を超えるケースもあります。国内の大手SIerにおける、平均年収の高い企業3社は以下の通りです。

 順位  企業  平均年収(万円)
 1  株式会社野村総合研究所  1,242
※2023年3月31日時点
 2  ISID(株式会社電通国際情報サービス)  1,128
※2022年12月31日時点
 3  株式会社SRAホールディングス  1,125
※2023年3月31日時点

平均年収が高い分、相応のスキルが求められるのは当然ですが、市場規模が年々拡大しているSIerを目指すモチベーションにもなるでしょう。
 

SIerのキャリアパス

SIerに就職してからのキャリアパスは、まずはプログラマーとしてシステム開発の現場でスキルと経験を積むのが一般的です。

その上で、システムエンジニアとして要件定義や設計、チームメンバーの管理などを経験し、プロジェクトマネージャーにキャリアアップする傾向にあります。

また、近年はITシステムも複雑化しており、データサイエンティストやAIエンジニアなど、時代の潮流に合わせた専門職も登場しています。新しい領域のスペシャリストとして自身のスキルを磨くのも、一つのキャリアパスとして考えられるでしょう。

総じてIT市場は売り手市場で、慢性的なエンジニア不足に悩まされています。そのため、自身のモチベーションと継続的な努力次第で、将来にわたってキャリアアップをし続けられるでしょう。

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10. まとめ

大企業や官公庁をクライアントに抱えて大規模なシステム開発に携われるSIerは、Webサービスを開発するWeb系のエンジニアにはない魅力があります。

SIerは会社の成り立ちによって5つに分類でき、業界特有のピラミッド構造を理解した上で、各企業の特徴を理解することが大切です。

SIerとして活躍するには、ITにまつわる基礎的かつ体系的な理解はもちろん、プログラミングスキルも欠かせません。

新卒でSIerに就職したい学生は、本記事を参考に、できる準備を少しずつ進めていきましょう。

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