
ポートフォリオは、自分のスキルや能力をアピールするために非常に効果的なものですが、その作成方法やポイントを理解している学生は少ないです。
そこで本記事では、ポートフォリオが必要な理由や、具体的な作成手順、他の就活生と差をつけるポイントなどについて詳しく解説します。
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- 1.ポートフォリオとは
- 2.エンジニア志望の大学生にポートフォリオが必要な理由
- 3.エンジニア志望の大学生のポートフォリオ作成手順
- 4.エンジニアのポートフォリオで採用担当者が見ているポイント
- 5.差がつくポートフォリオを作成するポイント
- 6.まとめ
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1.ポートフォリオとは

ポートフォリオとは、自身のスキルや実績をまとめた作品集・成果物のことを指します。日本語に直訳すると「紙ばさみ」「折りかばん」「書類入れ」となりますが、ポートフォリオと呼ぶのが一般的です。
ポートフォリオは、就職・転職活動において、企業に対してスキルレベルや人材価値をアピールする際によく利用されます。
関連記事:就活に役立つポートフォリオの作り方とは?基本構成と職種別の例文を紹介
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2.エンジニア志望の大学生にポートフォリオが必要な理由
次に、ITエンジニアを志望する大学生にとって、なぜポートフォリオの作成が重要なのかについて解説します。
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スキルや意欲の証明になる
実績・経験がない新卒の大学生でもポートフォリオを作成することで、採用担当者に目に見える形で、プログラミングに関する一定程度のスキルや知識を身に付けていることを証明できます。また、ITエンジニアに必要な技術を自ら積極的に学ぼうする姿勢や実行力があることのアピールにもなるため、選考時にポートフォリオを重視する企業は少なくありません。
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書類選考で有利になる
魅力的なポートフォリオを作成することができれば、書類選考通過の確率は格段に上がります。採用担当者は日々、数多くの応募書類をチェックしているため、最低限の履歴書だけでは十分なアピールにはならず、内容を詳しく見てもらえないことも。スキルよりもやる気や将来性を重視して新卒採用を行う傾向が高いSIer企業などでは、ポートフォリオなしでも書類選考を通過しやすい傾向があります。しかし、少しでも採用担当者の興味を引き、高評価を得たいのであれば、ポートフォリオを用意しておくことが大切です。
また、大学生に対してもある程度のスキルを要求するWeb系の企業では、基本的にポートフォリオの提出は必須。したがって、企業が求めるスキルやITエンジニア像に沿ったポートフォリオの作成が、特に重要になります。
面接試験で人材価値をアピールできる
ITエンジニアを目指す大学生にとって、面接試験においてもポートフォリオは重要です。新卒採用の場合、一般的に企業は「ポテンシャル採用」と呼ばれる、その人材の将来的な価値を見込んだ採用を行います。つまり、面接試験において面接官が重視するのは、「この人は将来的に伸びる見込みがあるか」という点です。
しかし、経験や実績のない大学生の場合、履歴書だけでは自身のポテンシャルを十分に伝えるのが難しいのも事実。ポートフォリオを作れば、実績がない中でも自分にできる努力をしていると伝えることができます。自身の将来性の高さをアピールでき、採用に近づきやすくなるでしょう。
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自信につながる
自信につながるという点も、ITエンジニアを志望する大学生がポートフォリオを作成するべき理由の一つです。
ポートフォリオは、簡単に作成できるものではありません。アイデアを形にするために、自分が身に付けたスキルをフル活用して試行錯誤を繰り返す必要があります。採用選考の際に、時間や労力をかけて一生懸命に作り上げた作品を持っていることは大きな自信につながるでしょう。
また、作品をWeb上で公開すれば、それを見た人から感想やフィードバックをもらうこともできます。客観的な目で作品を評価してもらえれば、さらなる自信を得られるでしょう。改善点を聞いて改良を加え、作品の完成度を高めることもできます。
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3.エンジニア志望の大学生のポートフォリオ作成手順

ITエンジニア志望の大学生が就職活動に役立てる目的でポートフォリオを作成する場合、必須の項目となるのは下記の4点です。
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・自己紹介(氏名、顔写真、使用できるプログラミング言語、挨拶文など)
・作品、実績紹介
・得意分野(コーディング・デザインで得意なジャンルについて)
・将来の方向性(その企業に就職してから何がしたいのか、将来やりたい仕事に関係する作品の紹介)
応募する企業にもよりますが、掲載する作品にWebサービスを組み込むと、高評価を得やすいのでおすすめです。
プログラミング初心者で、自力でポートフォリオを作成することが難しい場合は、周囲の詳しい知識を持つ人にアドバイスを求めるのも一つの手です。また、プログラミングスクールに通っている大学生は、講師に相談することで、企業に効果的にアピールできるポートフォリオを作成できるでしょう。
以下で、ITエンジニアを志望する大学生がポートフォリオに掲載する作品を作成するための具体的な手順を解説します。
企業研究を行う
ポートフォリオを作成するときには、まず目指す企業の研究が不可欠です。企業が求めるスキルや価値観を把握することで、アピールする作品が定まるため、選考も突破しやすくなります。
企業の理念やバリュー、その企業の採用関連の記事を見ると、どのような人材が求められているかが分かります。例えば、挑戦を大切にしている企業であれば、ポートフォリオでは過去のプロジェクトで困難な課題に取り組んだ経験などを中心に含めると良いでしょう。
また、企業のビジョンやカルチャーに共感していることを示すこともポイントです。単なるスキルのリストではなく、企業が抱える課題に対して自分がどう貢献できるかを意識してポートフォリオを構築することが大切になります。
企業研究をしっかり行うことで、他の候補者との差別化を図ることができ、より強力な印象を採用担当者に与えることができます。
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環境を整える
まずは、作品を作成するための環境を構築する必要があります。具体的には、以下のようなツールを用意するのがおすすめです。
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・Visual Studio Code:マイクロソフト社が公開している無料のコードエディタ
・Git:プログラムのソースコードなどの変更履歴を記録・追跡するための分散型バージョン管理システム
・GitHub:作成したプログラムコードやデザインデータなどを保存・公開できるWebサービス
・React:Meta社が開発したWebサイト上のUIを構築するためのJavaScriptライブラリ
・Linter:主にC言語のソースコードに対し、記述内容を解析して問題点を指摘してくれる静的解析ツール
上記以外に、フロントエンドエンジニア志望の大学生は、npm(パッケージを管理するシステム)やwebpack(JavaScriptなどのファイルをまとめるモジュールバンドラー)なども用意すると良いでしょう。
また、目指す職種がバックエンドエンジニアという大学生には、MySQL(データベース管理システム)やAWS(Amazon社が提供するクラウドサービス)などもおすすめです。
そのほか、企業でサイトやブログの作成・運営をする可能性があるのであれば、WordPress(コンテンツ管理システム)を使用した環境を作り、ポートフォリオを作成するのも良いでしょう。
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作品のテーマや内容を考える
ITエンジニアを目指す大学生のポートフォリオ作成において、作品のテーマや内容は重要です。プログラミング初心者の大学生でも挑戦しやすい作品例としては、ショッピングサイトやToDoアプリ、簡単なゲームなどがあります。
作品のテーマや内容は、以下のような流れでまとめていくと良いでしょう。
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・自分の作りたいものや好きなものを書き出す
・書き出したものを深堀りして、テーマやターゲットを具体的に考える
・使用技術を選定する
・機能を考え、デザインをスケッチする
・デザインのスケッチをもとにコーディングする
・機能を実装する
上記の項目のなかでも、ITエンジニア職のポートフォリオでは、特に使用技術の選定が大切です。前述したとおり、面接試験でも技術に関する質問は多く、重視されるポイントとなるため熟慮する必要があります。
デザインは見やすさを優先することをおすすめします。スキルに自信のある大学生であれば、アニメーションや凝ったデザインで技術力の高さをアピールするのも一つの手です。また、目指す職種がフロントエンドエンジニアの場合は、デザインの理解があると高評価を得やすくなります。しかし、バランスが悪かったり、ごてごてとして見づらかったりすると、逆効果になってしまう可能性もあるので注意しましょう。
大まかな構成を決める
いきなり1ページ目から構成な内容を作成するのではなく、まずはポートフォリオ全体の構成を決めます。
具体的には、自己紹介やスキルセット、実績をどのように並べるかを決めます。採用担当者は忙しいため、短時間であなたの強みを理解できるように工夫が必要です。特に、エンジニア志望の場合、技術的な詳細やプロジェクトの進行過程をわかりやすく説明することが求められます。
無駄な情報を省き、読み手がスムーズに情報を得られるように整理された構成を意識しましょう。
デザインを整える
構成が決まったら、デザインを整えましょう。まずは、フォントサイズや全体的な色味を統一させ、視覚的に見やすいデザインとなるよう意識します。
重要な情報を強調する際には、セクションごとに明確な区切りを設けたり、適切なアイコンや画像を活用することも効果的です。また、レスポンシブデザインを取り入れれば、どのデバイスからでも快適に閲覧できるようになります。
デザインを整えるときは、あくまでも伝えたい情報がスムーズに届くかどうかを基準に考えます。あくまでも装飾は情報を届ける手段です。デザインに凝りすぎるあまり、見づらいポートフォリオとならないように気をつけましょう。
制作した作品をホスティングする
ITエンジニアを目指す大学生のポートフォリオ作りでは、完成した作品をホスティングすることも大切です。ホスティングとは、Webサイトをレンタルサーバーにアップロードすること。アップロードするには、ドメインやレンタルサーバーを用意する必要があります。有力のレンタルサーバーだけでなく、無料のアプリなどもあるので、それぞれのメリット・デメリットなどを比べ、最適な方法を選んで利用すると良いでしょう。
ホスティングすることで、作品がさまざまな人たちの目に触れ、フィードバックをもらうことができます。それらを反映し、改善すれば、作品の完成度を高めることができるでしょう。また、企業の採用担当者に見てもらいやすくなるという利点もあります。ホスティングは、ITエンジニアを目指す大学生のポートフォリオ作成において、欠かせない工程といえるでしょう。
フィードバックを受ける
ポートフォリオが作成したら、第三者からのフィードバックを受け改善していくことが大切です。自分では気づかない改善点や、他人がどのようにポートフォリオを見ているかが分かるため、選考突破に大きく役立つでしょう。
相談する相手は、友人やOB、就活エージェントなどがおすすめです。特に、エンジニアのサポートを得意とするエージェントであれば、採用担当者の視点からも意見をもらえるため、非常に有効です。
また、フィードバックでは全体のストーリー性やデザインについても意見をもらうことで、より説得力のあるポートフォリオが完成します。
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4.エンジニアのポートフォリオで採用担当者が見るポイント

エンジニアのポートフォリオで、採用担当者が特に見るポイントは、主に下記の3つです。
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・どのようなスキルがあるか
・見やすい構成、デザインになっているか
・オリジナリティがあるか
各ポイントについて詳しく解説します。
どのようなスキルがあるか
採用担当者がエンジニアのポートフォリオを見る際、最も重視するのは「どのようなスキルを持っているか」です。プログラミング言語やフレームワーク、ツールの使用経験を具体的なプロジェクトを通じてアピールする必要があります。
ポートフォリオを作成する際は、単なるスキルの羅列ではなく、実際にどのようにそのスキルを活かして問題解決を行ったかを示すことが重要です。例えば、コードの一部やアルゴリズムの工夫点などを説明することで、技術力と問題解決能力が評価されるでしょう。
さらに、どの技術に興味があるか、今後どのようなスキルを伸ばしたいかも含めることで、成長意欲をアピールすることができます。
見やすい構成、デザインになっているか
ポートフォリオの内容が充実していても、構成やデザインが悪ければスキルや能力を正しく評価してもらえません。採用担当者は何人ものポートフォリオを見るため、見づらいと感じた時点でマイナスな印象となってしまいます。
そのため、見やすい構成やデザインは情報を効果的に伝えるために非常に大切です。視覚的に整ったデザインは読む側の負担を減らすとともに、印象を良くする効果があります。
プロジェクトごとにセクションを分けるなど、読み手がすぐに目当ての情報にアクセスできるように構成すると良いです。また、適切なフォントサイズや色使い、余白の確保など、基本的なデザイン要素にも気を配りましょう。
オリジナリティがあるか
エンジニアのポートフォリオにおいて、オリジナリティも非常に重要な要素となります。最近では、簡単にポートフォリオを作成できるサービスがあるため、似たようなポートフォリオが多くあります。そのため、採用担当者側から見ると、テンプレートをそのまま使ったポートフォリオは飽きられる可能性が高いです。
そのため、単に学校で学んだことや基本的なプロジェクトばかりを並べるのではなく、自分のアイデアや工夫が光る作品をアピールすることがポイントです。例えば、オープンソースプロジェクトへの貢献や、個人的に取り組んだユニークなプロジェクトの紹介もおすすめです。
オリジナリティのあるポートフォリオを作成することは、技術力を示すだけでなく自分の個性や考え方を伝える機会にもなります。
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5.差がつくポートフォリオを作成するポイント

他のエンジニア志望の就活生と差がつくポートフォリオを作成するためには、下記の3つのポイントを意識することが大切です。
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・作成後も改善を重ねる
・面接での質問を想定しながら作成する
・紙でも用意しておく
各ポイントについて詳しく解説します。
作成後も改善を重ねる
ポートフォリオは一度完成したら終わりではありません。より魅力的なものにするためには、選考結果やフィードバックを基にブラッシュアップすることが重要です。
書類選考や面接では、ポートフォリオに対する意見や疑問などを担当者からもらうことができる場合があります。また、友人やOBなど第三者のレビューも、自分では気づかない改善点が見えてきます。
ポートフォリオは一度作ったものを使いまわしている就活生も多いです。しかし、自分だけでは作ったものが良いか悪いかの判断は難しいでしょう。企業ごとに求められるポートフォリオも異なるため、ポートフォリオは適宜より良い形にすべく改善を重ねることをおすすめします。
面接での質問を想定しながら作成する
ITエンジニアの面接試験では、ポートフォリオをもとに質問されたり、作品の説明を求められたりすることが少なくありません。具体的な質問例は以下のとおりです。
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・作品の特徴や魅力は
・なぜその作品を作ったのか
・その技術を選んだ意図は何か
・作品のなかでどのような点を工夫したか
・作成の過程で苦労した点は何か
・作成中に生じた問題をどのように解決したか
ITエンジニアの採用面接試験を受ける大学生は、上記のような質問をあらかじめ想定し、回答を準備しておくことが大切です。作品の作成中から回答のポイントとなりそうなことをメモしておくほか、ポートフォリオをプレゼン資料と考え、どこの部分を使ってどのような話をするか決めておくと良いでしょう。
また、説明や回答内容を簡潔にまとめることも重要です。だらだらと長い説明や抑揚のない内容では聞き手にしっかりと伝わりません。端的な内容で伝わりやすく洗練された内容にすることを意識して準備しましょう。
紙でも用意しておく
ポートフォリオは、URLの共有が主流ですが、紙の形式でも用意しておくと便利です。面接時や会社説明会など、ネットにアクセスできない場面で紙のポートフォリオは強力なアピール方法となります。
特に面接では、採用担当者が紙の資料を手元で確認しながら話を進めることができるため、プレゼンテーションがスムーズに進む可能性が高まります。紙は手元に残ることから印象も強く残せるため、他の就活生との差別化にもなるでしょう。
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6.まとめ
エンジニア就職においてポートフォリオを作成することで、自分のスキルや能力などを採用担当者に分かりやすく伝えることができます。
しかし、せっかくポートフォリオを作っても選考に通らなければ意味がありません。応募する企業の研究はしっかりと行い、求められている人材であることを証明するようなポートフォリオにすることを意識することが大切です。
企業側のニーズを汲み、必要な情報がスッキリと分かりやすくまとまっているポートフォリオであれば、選考も有利に進められるでしょう。
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