- 1. コンパイルとは
- 2. 「コンパイル」と「ビルド」の違い
- 3. 「コンパイラ」と「インタプリタ」の違い
- 4. コンパイラ言語とインタプリタ言語のメリット・デメリット
- 5. 学生必見!コンパイラ言語とインタプリタ言語の代表例12選
- 6. まとめ
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1. コンパイルとは
コンパイルとは、人間が書いたプログラミング言語をコンピューターが理解できる機械語へと変換する作業です。
一般的にプログラムを作る際、JavaやC言語などのプログラミング言語を用いてコンピューターに指示を出します。
しかし、コンピューターは数字の「0」と「1」の二進数で書き表した「機械語」しか読み取れません。
そのため、プログラミング言語で作られたプログラムをコンピューターが理解できるように機械語へ変換する必要があり、この変換作業をコンパイルといいます。
コンパイラとは
コンパイラとは、コンパイルを実行するソフトウェアを意味します。
なお、プログラムを機械語へと変換するソフトウェアはコンパイラだけではありません。ソースコードを機械語に変換するプログラム「言語プロセッサ」には、コンパイラ以外にも次のような種類が存在しています。
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・インタプリタ
・アセンブラ など
言語プロセッサの種類によって、ソースコードを機械語に変換するタイミングや、対応している言語が異なります。
例えば、コンパイラとインタプリタは、人間が理解しやすいプログラミング言語である「高水準言語」をそれぞれの方式で機械語に変換します。
一方、アセンブラは「アセンブラ言語」を機械語に変換するための言語プロセッサです。アセンブラ言語は人間が理解しづらい「低水準言語」であり、最初から機械語に近い状態のソースコードを入力する必要があります。
コンパイル(compile)は日本語で「編集する」という意味
プログラミング用語の「コンパイル」は、英単語の「compile」が語源です。
もともとは、資料や書類などを集めたり、編集したりする作業を表現する動詞ですが、プログラミング用語として使う場合は「翻訳」や「変換」といった意味合いになります。
なお、コンパイルを実行するソフトウェアである「コンパイラ(compiler)」は、日本語で「編集者」という意味です。
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2. 「コンパイル」と「ビルド」の違い
ここでは、「コンパイル」と「ビルド」の違いについて解説します。
ビルドは、コンパイルと混同されやすいプログラミング用語です。同じような意味合いで使われることも多い2つの用語には、明確な違いがあります。
プログラミングの作業工程を正しく理解するためにも、コンパイルとビルドの違いを把握しておきましょう。
コンパイルは「機械語への変換まで」
コンパイルは、プログラム作成における一連の工程のなかで、プログラマーによって書かれたソースコードを機械語へ変換する作業のみを指します。
具体的には、以下のような手順で変換処理が実行されます。
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1.字句解析
2.構文解析
3.中間コード生成
4.最適化
5.機械語生成
初めに、英単語や記号などの1文字単位でソースコードを解析し、プログラムの構成要素を把握します。続いて、字句のまとまりである「構文」とそれらの配置や関係性を解析し、プログラムをどのように変換するかを判断します。
その後、ソースコードの無駄な部分を削除・変換し、最適化するのが一般的な流れです。ただし、言語によってはソースコードと機械語の中間にあたる「中間コード」を生成してから最適化を実行します。
最後に最適化されたコードを機械語に変換して、コンパイル作業が完了します。
ビルドは「コンパイル後の実行ファイル生成も含む」
ビルドは、コンパイルとその後に実行される「リンク」を含む一連の作業を意味します。
リンクとは、機械語に変換されたプログラムファイルや、参照されている共通プログラムなどを実行ファイルとしてまとめる作業です。
つまり、コンパイルが機械語への変換作業のみを意味するのに対し、ビルドは機械語への変換から、複数のファイルを1つにまとめて実行可能なファイルを作成するまでの一連の工程を意味します。
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3. 「コンパイラ」と「インタプリタ」の違い
「コンパイラ」と「インタプリタ」の具体的な違いについて解説します。
なお、「コンパイラ」と「インタプリタ」は、高水準言語を低水準言語(機械語)に変換するという同じ役割を持っていますが、作業を実行するタイミングに違いがあります。
2つの言語プロセッサの特徴と違いを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
コンパイラは「まとめて翻訳」
コンパイラは、すべてのコードを機械語に翻訳してから一気に実行するのが特徴です。その変換方式から「一括翻訳型」とも呼ばれます。
なお、コンパイラでの変換作業に対応しているプログラミング言語が「コンパイラ言語」です。
コンパイラ言語は、プログラムを実行する前にコンパイル作業を一括で行うため、プログラム実行前段階でミスを発見しやすいのが特徴です。実行速度も早いため、比較的実戦的な環境で利用される傾向にあります。
インタプリタは「リアルタイム翻訳」
コンパイラが機械語への一括変換を実行するのに対して、インタプリタは、リアルタイム翻訳を行う言語プロセッサです。ソースコードの命令を1つずつ解釈しながら機械語に翻訳していくため、「解釈実行方式」とも呼ばれます。
なお、インタプリタでの変換作業に対応しているプログラミング言語が「インタプリタ言語」です。
インタプリタ言語を機械語に変換する際は、基本的に1行ずつ読み込んでいくため、コンパイラ言語と比べて実行速度が遅くなる傾向にあります。そのため、それほど実行速度を気にしない教育目的などのアプリケーション開発に利用されるのが特徴です。
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4. コンパイラ言語とインタプリタ言語のメリット・デメリット
コンパイラ言語とインタプリタ言語のメリット・デメリットについて解説します。
学習するプログラミング言語を選ぶ際の参考にしてください。
コンパイラ言語のメリット
コンパイラ言語のおもなメリットとして、以下の2点が挙げられます。
-
・プログラムの処理速度が高速
・実行前にミスを発見してくれる
コンパイラ言語の場合、プログラマーによってコーディングされたソースコードをコンピューターが実行可能な機械語へと一括翻訳した後、プログラムを実行します。
この一括翻訳によって、余計な工数や手間を省けるため、処理速度の高速化を実現しやすいのが特徴です。
また、プログラム実行前にミスを発見できる点もコンパイラ言語のメリットです。
プログラミング初心者にありがちな脱字や綴りなどの文法的なミスなどがあると、コンパイル時にエラーが検出されます。実行前にプログラムを最適化しやすいため、一連の作業を効率化しやすいといえます。
コンパイラ言語のデメリット
コンパイラ言語のおもなデメリットとして、以下の2点が挙げられます。
-
・修正するたびコンパイルしなければいけない
・デバッグしにくい
コンパイラ言語の場合、エラーを修正するたびにコンパイルを行い、ファイルを作成しなければプログラムを実行できません。
また、デバッグしにくい点もコンパイラ言語のデメリットです。コンパイル後にエラーが発見された場合は、ソースコード全体から自分で原因を解明し、まとめて対応しなければならないため、修正作業に時間や手間がかかりやすいといえます。
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インタプリタ言語のメリット
インタプリタ言語のおもなメリットとして、以下の2点が挙げられます。
-
・プログラムを即実行できる
・プログラムをデバッグしやすい
例えば、Webサイトの画面を作る場合、書いたコードをすぐ実行可能なインタプリタ言語であれば、リアルタイムで画面のデザインを確認しながら作業を進められます。
また、作業と並行してプログラムをすぐに実行できれば、不具合を見つけ次第、即座に修正可能です。全体のプログラミングを終えてからエラーを確認するコンパイラ言語よりも、はるかにデバッグがしやすいといえるでしょう。
インタプリタ言語のデメリット
インタプリタ言語のデメリットは、実行速度が遅い点です。ソースコード1行ごとに変換処理が発生するため、コンパイラ言語に比べてプログラム実行の性能・速度は劣ります。
また、プログラム全体を実行前に最適化できないため、メモリの使用量が多くなりやすいというデメリットもあります。
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5. 学生必見!コンパイラ言語とインタプリタ言語の代表例12選
エンジニアとして就職を目指す学生に向けて、コンパイラ言語とインタプリタ言語の代表例を紹介します。
現在、普及しているシステムやアプリケーションで使用されている、かつ、将来的に使用され続ける可能性の高い12のプログラミング言語をピックアップしました。
それぞれの言語の特徴を踏まえて、効率的に学習を進めていきましょう。
コンパイラ言語の代表例7選
まずは、コンパイラ言語の7つの代表例を紹介します。
コンパイラ言語その1:C言語
「C言語」は、処理速度が速く、プログラミング言語の中でも最速を誇ります。
大量のデータを分析、処理するシステムや機能に最適なプログラミング言語として、おもに、電子機器の組み込みシステムや業務システムなどに使われています。
また、モノとインターネット空間を紐付ける先端IT技術「IoT」にも使用されており、将来性も高い言語です。
ただし、使いこなすにはハードウェア関連の知識が必要だったり、プログラム実行前にコンパイル作業が必要だったりするため、習得するのが難しい言語でもあります。
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コンパイラ言語その2:C#
「C#(シーシャープ)」は、マイクロソフト社がC言語を元に開発したプログラミング言語です。おもに、Windowsアプリを中心としたWebアプリの開発に使用されています。
また、「Unity」というゲーム開発エンジンを使用することで、手軽に幅広いジャンルのゲームを作成できるのも特徴です。
習得難易度はやや高めですが、Javaと文法が似ているため、Java経験者であれば比較的C#も学習しやすいでしょう。
関連記事:C#とは?C言語との違いやメリット、将来性について学生向けに解説!
コンパイラ言語その3:C++
「C++(シープラスプラス)」は、C言語の機能を拡張したプログラミング言語です。具体的には、プログラムの構成要素を「オブジェクト」として扱う「オブジェクト指向」といった概念が追加されています。
C言語と同様に処理速度が速く、IoT機器を代表とする組み込みシステムやゲーム開発などに用いられます。
新たな概念が追加されている分、C言語よりも習得難易度は上がりますが、使いこなせれば、より効率的にプログラム開発を進められるのが特徴です。
関連記事:C++とは?学生にとって気になるC++エンジニアの将来性についても解説
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コンパイラ言語その4:Go
「Go(ゴー)」は、2009年にGoogle社が開発した比較的新しいプログラミング言語です。
バックエンドの開発に用いられるケースが多いですが、IoTの開発やドローン制御などの最先端機器に使用されることもあります。
幅広いプラットフォーム上で実行でき、コンパイラ言語としては比較的、習得しやすい点が特徴です。
関連記事:Go言語とはどんなプログラミング言語?活かせる職種も解説
コンパイラ言語その5:Java
「Java(ジャバ)」は、幅広いシステムやアプリ、ゲームなどに使用される汎用性の高いプログラミング言語です。動作速度が速いため、業務システム開発の現場での需要が高く、将来性にも期待できます。
また、Oracle社が管理しているため、「Oracle Database」との相性が非常によく、データベースの操作も簡単にプログラミングできるのも特徴です。
なお、Javaの場合は「Javaバイトコード」と呼ばれる中間言語にコンパイルします。Javaバイトコードとは、JavaがJava仮想マシン(JVM)上で実行される専用のコードです。
技術的に難しい部分もありますが、需要が高い分、教材や情報も多いため学習を進めやすいプログラミング言語といえるでしょう。
関連記事:学生向け|Javaとは?就職で役立つ特徴や活用事例をチェック
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コンパイラ言語その6:Swift
「Swift(スウィフト)」は、2014年にApple社が一般公開したiOSアプリ開発の公式言語です。Apple製品のアプリ開発がメインですが、その他のWebアプリやサーバー開発などにも用いられます。
また、コードがシンプルで、読み書きしやすいため、初心者でも習得しやすいのが特徴です。ほかの言語と比較すると用途は限定的ですが、Apple製品の人気度から考えると将来性は高いといえるでしょう。
関連記事:Swiftとは?iOSアプリエンジニアを目指す学生必見!
コンパイラ言語その7:Kotlin
「Kotlin(コトリン)」は、Androidアプリ開発の公式言語として、2012年に一般公開されたプログラミング言語です。Javaをベースに開発されており、2つの言語には互換性があります。
また、Javaよりコードがシンプルなので、プログラミング初心者でも比較的理解しやすい点が特徴です。汎用性はそれほど高くありませんが、Javaを習得するためのステップとして、まずはKotlinの学習を進めるのも一つの選択肢です。
関連記事:学生向け | Kotlinとは?特徴とおすすめの勉強法を解説
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インタプリタ言語の代表例5選
次に、インタプリタ言語の5つの代表例を紹介します。
インタプリタ言語その1:PHP
「PHP(ピーエイチピー)」は、1995年に開発されたオープンソースのバックエンド用プログラミング言語です。基本的にはWeb開発に用いられており、動的なWebページを作成するための言語として世界中で親しまれています。
動作確認が容易にでき、HTMLの中で簡単にコードを動かせるといった使いやすさが特徴です。
また、文法がシンプルで初心者でも扱いやすいため、Webサービスを開発するためのプログラミング言語として、世界トップクラスの人気を誇ります。
関連記事:学生向け!PHPを使ってできることや学習方法を徹底解説
インタプリタ言語その2:Ruby
「Ruby(ルビー)」は、オブジェクト指向の概念を取り入れたオープンソースのプログラミング言語です。汎用性が高く、おもにWebアプリやWebサイト開発で活用されています。
日本人によって開発されたプログラミング言語であり、文法がシンプルで初心者でも習得しやすいのが特徴です。記述量が少なく自由度が高いだけでなく、コーディングを楽しめるように設計されています。
関連記事:学生向け|Rubyとは?メリットや使われている業界などを解説
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インタプリタ言語その3:Python
「Python(パイソン)」は、1991年に開発された汎用的に使用されているプログラミング言語です。
サーバーサイド言語として使用されるだけでなく、組み込み開発、統計・解析、機械学習などの最新の分野まで対応できるプログラミング言語として親しまれています。
また、Pythonはコードがシンプルで覚えやすく、少ない記述で多くの処理が可能という使い勝手のよさが特徴です。
人工知能やビッグデータなど、トレンドの分野でも重宝されており、将来性の高いプログラミング言語として人気を集めています。
関連記事:Pythonでできることとは?概要や学習方法を徹底解説
インタプリタ言語その4:Perl
「Perl(パール)」は、おもにサーバーサイド言語として活用されるプログラミング言語です。1987年に開発された歴史あるスクリプト言語で、テキストの処理に優れています。
JavaやPHPなど、人気の高いスクリプト言語が登場していますが、Perlは機能性や拡張性、記述などの総合的な観点で高い評価を集めており、バランスのとれた言語として長く親しまれています。
インタプリタ言語その5:JavaScript
「JavaScript(ジャバスクリプト)」は、Web開発のフロントエンドに用いられるプログラミング言語です。おもに、Webページやアプリの画面上にアニメーションのような動的な要素を付け加えるために使用されます。
用途は比較的限定的ですが、Web開発の環境において需要が高まっているため、将来性も期待できるプログラミング言語です。
Webページ・アプリの基礎部分を構築する「PHP」や「HTML・CSS」と組み合わせて使用するのが一般的なので、並行して学習を進めましょう。
関連記事:JavaScriptとは?できることや将来性・勉強方法を解説
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6. まとめ
プログラマーによって書かれたソースコードを機械語へと変換する作業がコンパイルです。
コンパイルは、コンパイラと呼ばれるソフトウェアによって実行され、すべてのソースコードを一括でまとめて機械語に変換します。そのため、インタプリタなど、ほかの言語プロセッサと比較して、処理性能・速度に優れるのが特徴です。
また、コンパイラでの変換作業に対応しているプログラミング言語を「コンパイラ言語」といい、「C言語」や「Java」といったさまざまな種類が存在します。
言語ごとに用途や習得難易度が異なるため、それぞれの特徴や将来性を踏まえたうえで、自分にとって最も有用なプログラミング言語を習得しましょう。
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