IT業界には客先常駐しかない?客先常駐以外で働ける企業の見分け方を解説

IT業界には客先常駐しかない?客先常駐以外で働ける企業の見分け方を解説
IT業界に対する働き方のイメージとして、「客先常駐しかない」という印象を持つ方は少なくありません。客先常駐は、雇用される企業とは別の企業のオフィスに出向して働く勤務形態であり、SIerやSES企業に就職するエンジニアに多い働き方です。客先常駐には、一つの企業への帰属意識が薄れ、プロジェクトごとに勤務地が変わるのでストレスが大きいというイメージがあり、なるべく避けたいと考える方も多いです。 しかしエンジニアの求人を探してみると、「どのIT企業も客先常駐しかない」という印象を受けることがあるかもしれません。実際には、客先常駐なしで自社勤務のIT企業も多くありますが、客先常駐がある企業なのかどうかを見分けるポイントを押さえておかないと、企業選びに失敗してしまう可能性も高くなります。 そこで本記事では、「客先常駐しかない」と思われがちなIT業界の実態と、客先常駐しかないIT企業を避けたい人向けのおすすめ企業やチェックポイントなどを解説します。

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1.「IT業界には客先常駐しかない」は本当なのか?

「IT業界には客先常駐しかない」というイメージは、IT業界の実態を言い表してはいません。確かにエンジニアの働き方として客先常駐となるケースが多いのは事実ですが、自社開発を手掛ける企業で働くエンジニアが他社に出向することは考えにくいですし、大手SIerであれば元請け企業として客先常駐エンジニアを集める立場になることもあります。

そうした企業を選んで入社することにより、客先常駐以外の働き方を実現することも十分に可能なのです。では、なぜ一般的に「IT業界には客先常駐しかない」というイメージが広まっているのか、その理由を解説しましょう。

IT業界の客先常駐を行う企業の割合は9割以上

厚生労働省が発行している『働き方・休み方改善ハンドブック』によれば、客先常駐を行う企業の割合は全体の9割を超えると報告されています。客先常駐エンジニアの比率が7割を超える企業は28.8%にのぼるというデータもあるほどで、国内のIT業界では客先常駐エンジニアが広く用いられていることがわかります。

「IT業界は慢性的な人手不足である」という話を聞いたことがある方も多いでしょう。しかしIT企業のすべてが1年間を通じて人手不足であるケースは少なく、大型案件を新規受注したタイミングのみ、人手が足りなくなるケースが大半です。その際に、スポット的に客先常駐エンジニアの手を借りて開発に取り組むなど、自社の事情に合わせて柔軟に労働力を調整できることから、業界全体で客先常駐エンジニアが重宝される傾向にあるのです。

こうしたIT業界ならではの事情も、「IT業界には客先常駐しかない」というイメージを強める一因となっています。

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多重下請け構造により客先常駐が大半を占める

IT業界には客先常駐しかないというイメージが生まれる背景として、IT業界全体の「多重下請け構造」も挙げられます。これはシステム開発を請け負った元請けのSIerが、二次請けのSIerに外注し、そこからさらに三次請け、四次請けの中小企業へと仕事が割り振られていく構造のことを指します。

元請け企業や二次請けの企業は、客先常駐がほとんど発生しない代わりに入社難易度が高く、高いスキルや豊富な実績を持ったエンジニアが大半を占めています。それ以外の三次請け、四次請けのIT企業では、入社のハードルは低い一方で客先常駐が発生することが多く、年収も低くなる傾向があります。

元請けの大手SIerの求人数に比べて、客先常駐を行う中小企業の求人数の方が圧倒的に多いことから、「IT業界には客先常駐しかない」というイメージが持たれやすくなっているのです。

客先常駐なしの求人は新卒や未公開求人が多い

エンジニアの求人の中で、客先常駐なしの募集がほとんど見つからないことから、「IT業界には客先常駐しかない」という印象につながるケースもあります。客先常駐なしの求人は、求めるスキルレベルが高く、募集人数も少ないことから、一般的な求人サイトの公開求人に出てくることが少ない傾向にあります。

しかし充実した教育体制を用意した大手IT企業の中には、ポテンシャル採用で若手人材を迎え入れて長期的に育成しようとするところも少なくありません。そのため新卒採用の求人では、客先常駐なしのポジションが募集されていることも多いです。また、客先常駐なしの求人は、特定の転職エージェントやスカウトサービスでのみ案内される「非公開求人」で募集することも多くなっています。

そうした求人は転職を考えている方向けの求人サイトではヒットしないため、IT業界には客先常駐しかないというイメージが強まってしまうのです。

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2.客先常駐しかないIT企業を避けたい人向けおすすめ企業

就活ではエンジニアの内定を取りたいが、客先常駐しかないIT企業は避けたいと考えている方には、次のような特徴を持った企業・職種を選ぶことをおすすめします。
 

  • ・自社開発企業

    ・元請けの受託開発企業

    ・非IT企業の社内SE


それぞれ順番にご紹介しましょう。

自社開発企業

IT業界では、他社に依頼されたシステム開発案件を受注して開発に取り組む企業が多くを占めていますが、中には自社製品・自社サービスを持ち、自社内のエンジニアで開発業務を手掛けている企業もあります。そうした自社開発企業に入社することにより、自社製品・自社サービスの開発のみに携わることができるので、客先常駐なしの働き方を実現することができます。

自社開発企業で働くエンジニアの場合、使用する言語・技術などが限られるため、幅広い実績を積むのには向いていませんが、下請け企業では経験しにくい上流工程に携われるメリットがあります。たとえば、「楽天市場」を手掛ける楽天グループ株式会社、「メルカリ」を開発する株式会社メルカリ、「ABEMA」を展開する株式会社サイバーエージェントなども自社開発企業に挙げられます。

これらの企業では、リモートワークや在宅勤務などを取り入れていることも多く、自由度の高い働き方が手に入るのも魅力です。

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元請けの受託開発企業

客先常駐が多い受託開発企業の中でも、クライアント企業との距離が近い元請け企業を目指すことにより、客先常駐なしで働ける可能性が高まります。IT業界の多重下請け構造の中でも、なるべく上流に位置する企業の方が、客先常駐が少なく年収水準も高くなる傾向があります。

これは上流の大手SIerであればあるほど、客先常駐を受け入れる立場になるからです。クライアント企業とのやり取りにも直接参加することが多くなるため、上流工程に携わる機会も豊富です。中には客先常駐を行っている部門などがあるものの、原則として客先常駐なしの働き方を実現できる環境です。

非IT企業の社内SE

非IT企業における社内SEとして働くことにより、客先常駐なしの働き方を手に入れることもできます。社内SEは、社内の情報システム部門の担当者として、自社システムの開発・運用や、社員からの問い合わせに対応するヘルプデスク業務に携わる職種です。自社の社員向けにITサービスを提供する立場なので、外部の企業に出向して働くことはありません。

社内SEの場合、外部の企業に定められる納期のプレッシャーがなく、残業・休日出勤も発生しにくいので、IT系エンジニアの中でも働きやすい職種として人気です。ただし社内SEはもともとの求人数が少なく、近年は社内SEへの人気が高まりつつあるため、内定のハードルが上昇していることに注意が必要です。

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3.客先常駐しかないIT企業を見分けるポイント

続いて、応募しようとしている企業が客先常駐しかないIT企業なのか、もしくは客先常駐なしのIT企業なのかを判断する時に役立つ、5つのチェックポイントについてご紹介します。
 

  • ・手掛ける事業内容

    ・勤務地・勤務時間が確定していない

    ・社員数に対してオフィスが狭い

    ・取引先は大手IT企業が中心

    ・職場風景の写真が少なくイベント写真が多い


客先常駐の有無を重視して企業選びを進めたい方は、これらの5つの観点から企業研究に取り組んでみましょう。

手掛ける事業内容

客先常駐しかないIT企業を見分けるためには、手掛ける事業内容をチェックすることが効果的です。客先常駐が発生しやすい企業の特徴として、次のような事業内容を掲げていることが挙げられます。
 

  • ・SES事業

    ・システムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)

    ・エンジニア派遣

    ・ITアウトソーシング


これらの事業内容を手掛ける企業は、自社で採用するエンジニアをクライアント企業に派遣する「SES事業」を中心としている可能性が高く、客先常駐を避けたい方には不向きです。一方で、自社サービスの開発・運用といった事業内容を記載している企業であれば、自社開発企業であることが明確なので、客先常駐が発生しにくい職場環境と判断できます。

自社開発とSES事業、どちらも手掛けるIT企業も珍しくないので、入社後の業務内容についても確認しておくと安心です。

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勤務地・勤務時間が確定していない

客先常駐しかないIT企業の傾向として、勤務地・勤務時間が確定しておらず、「本社または東京都内」「配属先により異なる」など、幅を持たせた書き方となっていることも挙げられます。勤務先・勤務時間がはっきりと書かれていないということは、自社開発企業のようにすべてのエンジニアが同じ勤務条件で働くわけではなく、常駐先のクライアント企業によって変動することを意味します。

自社開発企業であれば、本社オフィス1ヶ所のみを勤務地としていたり、配属先によって勤務時間がほぼ変動しない勤務条件としていることが多いです。同様に、客先常駐を行う企業では休日・休暇に関してもプロジェクト先によって変動することがあるため、これらの待遇についての項目は必ずチェックしておきましょう。

社員数に対してオフィスが狭い

客先常駐しかないIT企業では、所属する社員数に対してオフィスの広さが狭いという特徴があります。客先常駐を行うSES事業が中心の企業では、本社で働く社員やエンジニアが少なく、狭いオフィスでも本社機能を維持できることが理由です。数百人〜数千人の社員を抱えるにも関わらず、本社オフィスがビルのワンフロアだけの企業などの場合は、客先常駐が発生する可能性が高いです。

ただし、企業によっては複数の拠点を持っている場合や、リモートワークを奨励しているためコンパクトなオフィスを選択している場合なども考えられるため、求人情報だけで判断するのではなく、会社説明会やインターンシップなどで現地を確認することをおすすめします。

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取引先は大手IT企業が中心

客先常駐しかないIT企業の場合、取引先の社名に大手IT企業が多く並ぶ傾向にあります。大手SIerとの取引が多い体質の企業は、そうした企業からの下請け案件を主に担当している可能性が高いです。また、元請けのIT企業であれば、IT業界以外の企業との取引が多く、非IT企業のシステム開発に携わることが多いので、IT業界の企業ばかりが取引先に並ぶということは客先常駐の受注開発がメインであると判断できます。

一方で、IT業界の中小企業との取引が多い場合には、その企業がシステム開発を外注・下請けに出す立場である可能性が高まります。非IT企業、大手SIer以外の企業が取引先として挙げられている企業ほど、客先常駐が発生しにくいと考えて良いでしょう。

職場風景の写真が少なくイベント写真が多い

客先常駐しかないIT企業では、企業紹介のための写真に職場風景が少なく、飲み会や社員旅行などのイベント写真が多いという特徴もあります。客先常駐を行う企業は、一つのオフィスで働く社員が少なく、定期的に社員が自社に集まる「帰社日」にイベントを開催するケースが多いです。

帰社日は、自社への帰属意識が低くなりがちな客先常駐エンジニアのための、社員同士のコミュニケーションを取る機会として設けられる傾向にあります。このような背景から、企業紹介がイベント写真ばかりで占められている場合、客先常駐が多く発生する職場環境である可能性が高いので注意しましょう。

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4.客先常駐なしのIT企業に入社する就活のコツ

最後に、客先常駐なしのIT企業に新卒で入社するために、どのような先行対策に取り組めば良いのかを解説します。
 

  • ・IT業界に特化した就活サイトを使う

    ・開発実績をアピールする

    ・自社開発のWeb開発企業を目指す


これらの3つのポイントを踏まえながら、就活に臨んでみてください。

IT業界に特化した就活サイトを使う

客先常駐なしのIT企業に入社するためには、さまざまな業界・職種の求人を扱う総合求人サイトよりも、IT業界の求人に強い特化型求人サイトを使うのがおすすめです。IT業界の特化型求人サイトであれば、入社後の業務内容や、細かなエンジニアの分類、客先常駐が発生するかどうかなどの詳しい情報が掲載されていることが多く、理想の企業を選びやすくなるメリットがあるからです。

また、IT業界に精通した就活エージェントを活用することで、自分に最適な企業を選び、内定を取るためのエントリーシート対策・面接対策に取り組みやすくなるメリットもあります。IT業界向けの就活ノウハウも充実しているので、客先常駐なしのエンジニアとして働きたい方は、IT業界の特化型求人サイトを活用してみましょう。

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開発実績をアピールする

客先常駐なしのIT企業から内定を得るためには、プログラミング言語を学習していることを示すだけではなく、過去に自分でサービスを開発した実績をアピールするのが効果的です。これまで自分でサービスを開発し、公開まで行ったことがある学生は、システム開発のプロセスを理解している即戦力のエンジニアと評価されやすくなるからです。

プログラミングスクールなどで、プログラミング言語について習得しているライバルは多いですが、実際に自分の手を動かしてオリジナルのサービスを製作できる学生は多くありません。たとえば、同級生のための時間割アプリや、プログラミングの学習支援アプリなど、目的を持って開発したサービスが一つでもあると、ライバルと大きく差をつけることができます。

一つのサービスを開発し、公開するために大きな労力が必要になりますが、将来は福利厚生や労働環境が良い職場で働きたい方は、ぜひ実践してみてください。

自社開発のWeb開発企業を目指す

客先常駐なしのIT企業に入社するために、自社開発のWeb開発企業に絞って就活を行うのも有効です。自社でWebサービスを開発しているIT企業であれば、客先常駐が発生する可能性が低く、リモートワークや在宅勤務などの柔軟な働き方を選択できることが多くなります。多くのユーザーを抱える大規模なサービスを担当することも多く、大きなやりがいも得られる環境です。

ただし自社開発企業で働くエンジニアの場合、さまざまなプロジェクトを経験して幅広い実績を積める客先常駐エンジニアと比べて、狭い領域の実績を積む働き方になることにご注意ください。一つの分野のスペシャリストを目指す場合に最適ですが、さまざまなスキルを駆使して活躍するゼネラリストを目指したい場合にはやや不向きなので、自分のキャリアビジョンに合わせた企業選びを心掛けましょう。

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5.まとめ

「IT業界には客先常駐しかない」というイメージが広がっている原因として、客先常駐を行う企業が9割以上存在することや、多重下請け構造により客先常駐エンジニアの数が非常に多いことが挙げられます。客先常駐なしの求人は、新卒採用や非公開求人など、一般的な転職者の目に入りづらい傾向にあるため、客先常駐ばかりという印象が残りやすいのです。

しかし実際には、自社開発企業や元請けの受託開発企業などにおいて、客先常駐なしのエンジニア募集が行われています。非IT企業でも「社内SE」として客先常駐が発生しない職種を募集しているので、これらの企業を選んで就活に取り組むのもおすすめです。本記事で解説してきた客先常駐なしのIT企業を見分けるポイントや就活のコツを参考にしながら、後悔のない就活に臨みましょう。

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