
そこで本記事では、SIerとSESの違いやそれぞれに向いている人などについて詳しく解説します。
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1.SIerとSESの違い

SIerは企業のことで、SESは契約形態のことを指します。ここでは、SIerとSESの所属先企業においての仕事内容や給与の違い、将来性などについて述べます。
SIerとSESの仕事内容の違い
SIerでは、一般的には請負契約で仕事を行います。したがって、仕事の成果物に対しての契約となるため、システムの品質を確保しスケジュール通りに完成させるなど、システム開発全体に対して重要な責任を持っています。
一方で、SESでは契約先のクライアントに派遣されて技術を提供します。SIerのようにシステム開発の完成義務はなく、技術者が稼働した時間に応じて報酬を請求するという契約です。
システム開発での仕事内容は類似していますが、責任や義務などの考え方が大きく異なります。
SIerとSESの年収の違い
SIerは大手を含めてさまざまな規模の会社がありますが、SESは中小規模の企業が多いです。また、SESはSIerなどのクライアントから発注を受けることが多いため、両者を比較すると給与はSIerの方が高い傾向にあります。
具体的には、レバテックキャリアの募集によると、ITエンジニア全体の平均年収が約500万円であるのに対して、SES企業で働くITエンジニアの平均は全体で約450万円とやや低くなっています。なお、新卒の場合はいずれも約250万円~300万円でしょう。
SIerとSESの将来性の違い
SIerとSESはどちらもITシステムの開発に携わるため、仕事内容は似ています。ただし、責任の重さや、やりがいという点で若干異なります。将来の給与やキャリアパスを考慮すると、SIerでの仕事には大きな拡がりがあると言ってよいでしょう。
一方で、SIerでは専門性・仕事の幅広さなどから、新卒で就職した場合、本格的にITエンジニアとして活躍できるのは数年後と言われています。そのため、新卒ではまずハードルの低いSES企業に入社して、経験を積んでからSIerに転職するというキャリアパスも一つの選択肢と言えるでしょう。
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2.SIerとは

SIerの定義や仕事内容、種類について確認しておきましょう。
関連記事:SIer(エスアイヤー)とは?仕事内容やSEとの違いを解説
SIerの定義
SIer(エスアイヤー)とはSystem Integrator(システムインテグレーター)の略称で、主にシステム開発などのSI(システムインテグレーション)を行う企業のことです。SIerは顧客に対して、システム化に関する要望を聞き、システムを開発するサービスを提供します。また、顧客の経営課題などを、ITを活用して解決する提案も行います。SIerのことを、「ITベンダー」や「システム開発会社」と呼ぶ場合もあります。
SIerの仕事内容
SIerのITエンジニアは、主にシステム開発に携わります。システム開発では、顧客からシステム化に関する要件を聞き出し、要件定義書を作成してシステムを設計する「要件定義・設計」、実際にシステムを実装する「プログラミング」を行います。そして、テスト工程などを経てシステムを完成させ、完成後もシステムを日々安定稼働させるために「運用・保守」を行います。運用ではバックアップなどの日常的な作業、保守ではシステムのメンテナンスなどに対応します。
SIerの種類
SIerは、会社の成り立ちなどによっていくつかの種類に分けられます。以下では、代表的な4つのSlerについて解説します。
ユーザー系SIer
ユーザー系SIerは、比較的規模の大きな事業会社の情報システム部門が独立した子会社を指します。流通、製造、商社、金融などさまざまな業種の親会社を母体としています。主に親会社やグループ会社向けのシステム開発を行いますが、力のある会社はそれ以外の一般企業に対してもシステム開発サービスを提供します。
関連記事:ユーザー系SIerとは?業務内容やメリット・デメリットを解説!
メーカー系SIer
メーカー系SIerは、サーバーやパソコンなどを製造するコンピューターのハードウェアメーカーから独立した会社を指します。親会社のハードウェアやソリューションなどを含めた多彩なサービスを提供できることが特徴で、一般的には会社の規模も大きいため、顧客の課題に対してトータルで対応することが可能です。
独立系SIer
独立系SIerは、ユーザー系SIerやメーカー系SIerとは異なり、親会社やグループ会社を持たない独立した会社です。親会社などの影響を受けないため、自由にビジネスを行うことができます。一方で、親会社やグループ会社などによる資金面の恩恵がなく、経営が不安定になりがちです。そのため、中小規模のビジネスを行う会社が多い傾向にあります。
独立系SIerは企業によって特徴があり、得意な分野や新しい分野に特化した企業もあります。
関連記事:独立系SIerとは?メリット・デメリットや優良企業の選び方を紹介
外資系Sler
外資系SIerの多くは、グローバル展開をする大規模で有名な海外企業の日本法人です。欧米に本社がある企業がほとんどで、企業文化や仕事の進め方などが日本企業とは異なり、能力主義や成果主義であることが特徴です。
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3.SESとは

次に、SESの定義や仕事内容、派遣契約との違いについて解説します。
関連記事:SESとは?業務内容やメリット、派遣契約との違いについて分かりやすく解説
SESの定義
SESとはSystem Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の略称で、技術者の労働を提供する契約を指します。ソフトウェアやシステムの開発・保守・運用における委託契約の一種です。
システム開発での顧客との契約形態には、主に以下の2種類があります。
-
・顧客から依頼されたシステムを開発し、その納品物に対する契約
・技術者の労働を提供する契約
SESは後者に相当し、ITエンジニアの労働力を契約の対象として、顧客先にITエンジニアを派遣して常駐させるなどし、技術的なサービスを提供します。
SESでの仕事内容
SESに在籍するITエンジニアは、契約先であるクライアント企業から依頼があった際に派遣され仕事を行います。常駐先ではSIerなどがシステム開発を行っており、そこでさまざまなシステム開発に携わります。
具体的には、システム開発における開発・保守・運用などで、通常のシステムエンジニアやプログラマーなどの仕事内容と類似しています。
SESと派遣契約の違い
前述のとおり、SESはITエンジニアを派遣する労働力を対価とするサービスですが、派遣契約とはどのような違いがあるのでしょうか。
SESと派遣契約の最も大きな違いは、派遣するITエンジニアの指揮命令権の帰属先が異なることです。SESの場合、仕事の指示はITエンジニアの所属企業から出され、契約先のクライアント企業に指揮命令権はありません。一方で派遣契約の場合、契約先のクライアント企業が指揮命令権を持ち仕事の指示を出します。
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4.SESに向いている人

SESに向いている人は、以下の3つに当てはまる人です。
-
・未経験からエンジニアになりたい人
・様々な業界の開発に携わりたい人
・環境や人の移り変わりが苦じゃない人
それぞれ詳しく解説します。
未経験からエンジニアになりたい人
SESは、未経験からエンジニアとしてキャリアをスタートしたい人にとって、比較的入りやすい選択肢です。開発経験がなくても、基礎的なITスキルや学習意欲があれば採用される可能性が高く、実務を通じてスキルを身につけることができます。
また、研修制度が整っている企業も多いため、座学で学んだ知識を活かしながら、実際のプロジェクトに関わることができるでしょう。
配属先ごとに業務内容が異なるため、常に学び続ける姿勢が求められますが、IT業界で経験を積みたいと考えている人には良い選択肢となります。
関連記事:未経験でエンジニアになるのは難しい?おすすめ職種と向いている人の特徴
関連記事:未経験からSESエンジニアになるメリット・デメリットとは?企業選びのコツも解説
様々な業界の開発に携わりたい人
SESの特徴の一つは、多様な業界のシステム開発に関わるチャンスがあることです。金融、医療、物流、製造など、企業のニーズに応じて様々なプロジェクトに配属されるため、一つの業界に縛られずに経験を積みたい人には向いています。
また、新しい技術や業界ごとの課題に触れる機会が多く、幅広いスキルを習得できる点もメリットです。特定の分野にこだわらず、多様な経験を積みながら自分の適性を探りたい人にとっては、成長の機会が多い環境と言えるでしょう。
環境や人の移り変わりが苦じゃない人
SESは、プロジェクト単位で契約が決まるため、常駐先が定期的に変わることがあります。そのため、新しい環境や人間関係に順応しやすい人に向いています。チームのメンバーや業務内容が変わることを前向きに捉え、コミュニケーションをとりながら柔軟に適応できる人は、SESで活躍しやすいでしょう。
一方で、長期間同じチームで安定して働きたい人や、人間関係の構築に時間がかかる人にとっては、負担が大きくなる可能性があります。
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5.Sierに向いている人

Sierに向いている人は、以下の3つに当てはまる人です。
-
・ITにおける技術系の実務経験がある人
・マネジメントスキルをつけたい人
・仕事にやりがいを求める人
それぞれ詳しく解説します。
ITにおける技術系の実務経験がある人
Sierでは、ITの専門知識や開発経験がある人が求められます。、要件定義や設計といった上流工程に携わることが多いため、プログラミングスキルだけでなく、システム全体の構成を理解する能力が必要です。
すでに開発経験があり、より高度な設計やプロジェクト管理に関わりたいと考えている人には、Sierの環境が適しています。クライアントとの打ち合わせや提案の機会も多いため、コミュニケーション能力も重要です。
マネジメントスキルをつけたい人
Sierの業務では、チームをまとめたり、プロジェクトを管理する機会が多いため、マネジメントスキルを磨きたい人に向いています。
プロジェクトリーダーやマネージャーを目指す場合、スケジュール管理や人材育成といった業務にも関わることができます。そのため、単なる技術者としてではなく管理職としてのキャリアアップを考えている人には最適です。
IT業界でリーダーシップを発揮したい人は、Sierの仕事を通じてマネジメントの経験を積むことができるでしょう。
仕事にやりがいを求める人
Sierの仕事は、クライアントの課題を解決し、システムを設計・構築することが主な役割です。そのため、自分の仕事が企業の成長や業務効率化に直結し、成果が目に見える形で表れることが多いのが特徴です。
プロジェクトの進行には責任が伴いますが、その分達成感を得られる機会も多く、やりがいを感じやすい仕事です。クライアントの要望を実現するために、技術力だけでなく提案力も必要とされるため、単に指示された作業をこなすのではなく、主体的に動きたい人に向いています。
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まとめ
SierとSESは、言葉が似ているため混同される方が多いですが、両社の業務内容は全く異なります。
求められるスキルや能力なども違ってくるため、SierとSESについての理解をした上で、どちらがより自分に合っているかをしっかりと見極めることが大切です。
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