
本記事では、エンジニア業界の全体像をわかりやすく解説しながら、IT業界の5つの種類と、代表的な職種、SIerなどの業種についてもご紹介します。
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1.エンジニア業界の5つの種類
エンジニア業界は、扱う技術や提供するサービスによって以下の5つの分野に分類されます。
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・Web・インターネット業界
・情報処理サービス業界
・通信インフラ業界
・ソフトウェア業界
・ハードウェア業界
それぞれの業界について、企業の事業内容や、エンジニアの仕事内容を詳しくご紹介します。
Web・インターネット業界
Web・インターネット業界は、インターネット上でサービスを提供する企業のことを指します。GoogleやAmazon、楽天に代表される大手企業から、メガベンチャーやスタートアップまで幅広い規模の企業が存在します。
この業界の特徴は、変化のスピードが非常に速いことです。新しい技術やサービスが次々と生まれ、ユーザーのニーズに応じて迅速にサービスを改善していく必要があります。たとえばECサイトでは、ユーザーの購買行動を分析して、より使いやすいインターフェース(UI)を開発したり、AIを活用したレコメンド機能を実装したりします。
働き方も柔軟で、リモートワークやフレックスタイム制を導入している企業が多く、ワークライフバランスを重視した働き方を推進する傾向があります。また、成果主義の評価制度を採用している企業が多く、年齢や経験年数に関係なく、実力次第で昇進や昇給のチャンスがあるのも魅力です。
情報処理サービス業界
情報処理サービス業界は、企業や官公庁向けの業務システムを開発・運用する業界です。SIer(システムインテグレーター)と呼ばれる企業が中心となり、クライアント企業が抱える経営課題を解決するためのシステムを構築します。
この業界の強みは、安定性と信頼性にあります。金融機関の勘定系システムや、官公庁の行政システムなど、社会インフラを支える重要なシステムを手がけるため、高い技術力と品質管理能力が求められます。たとえば、銀行のATMシステムは24時間365日稼働する必要があり、わずかな障害も許されません。
キャリアパスも明確で、プログラマーからシステムエンジニア、プロジェクトマネージャーへとステップアップしていく道筋が整備されています。大手企業では充実した研修制度や福利厚生が用意されており、長期的に安定して働ける環境が整っています。
通信インフラ業界
通信インフラ業界は、インターネットや電話などの通信基盤を構築・運用する業界です。NTTやKDDI、ソフトバンクなどの通信キャリアが代表的な企業です。
通信インフラ業界では、すべてのデジタルサービスの基盤となる技術を扱います。5Gの普及によりIoTや自動運転技術の発展が進んでおり、通信インフラの重要性はますます高まっています。たとえば、自動運転車が安全に走行するためには、通信インフラ業界が支えているリアルタイムでの高速通信が不可欠です。
エンジニアには、ネットワーク設計やセキュリティ対策、大規模システムの運用管理などの専門知識が求められます。また、IoTや自動運転技術といった先端技術の研究開発にも携わるので、社会インフラの発展に直接貢献できるやりがいのある就職先です。
ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は、パッケージソフトウェアやアプリケーションを開発・販売する業界です。Microsoft社のOfficeや、Adobe社のCreative Cloud、会計ソフトの弥生などが代表的な製品です。
この業界の特徴は、一度開発した製品を多くのユーザーに販売できることにあります。ヒット商品を生み出すことができれば、大きな収益を上げることが可能です。たとえば、スマホ向けアプリでは、無料でダウンロードできるゲームでも、アプリ内課金により数十億円の売上を上げている事例があります。
開発現場では、ユーザーにとっての使いやすさやデザイン性が重視され、技術力だけでなく、ユーザーの視点に立った開発力が求められます。また、グローバル市場を対象とした製品開発も多く、グローバルに活躍できるのも魅力です。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、コンピューターや電子機器といった、物理的な部品・製品を開発・製造する業界です。パソコンメーカーのNECや富士通などが代表的です。
ハードウェア業界の魅力は、目に見える製品のものづくりに携われる点にあります。スマートフォンやタブレット、ドローンや3Dプリンターなど、私たちが日常的に使用する機器の開発を手掛けることができます。システムやアプリなど、デジタルなものづくりが中心となるエンジニア業界の中では、ハードウェア開発を担当できるのは大きな魅力です。
ハードウェア開発を手掛けるエンジニアには、電子回路の設計や組み込みシステム開発などの専門知識が必要です。また、製造業としての側面もあるため、コスト管理や生産効率の向上のための知識・スキルも重宝されます。
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2.エンジニア業界で活躍できる主な職種
エンジニア業界では、担当する仕事内容ごとにさまざまな職種が存在します。ここではエンジニア業界で活躍できる主な職種を7つご紹介します。
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・システムエンジニア(SE)
・プログラマー(PG)
・Webエンジニア
・アプリケーションエンジニア
・インフラエンジニア
・組み込み系エンジニア
・社内SE
エンジニア業界の中で、どのような働き方を目指すのかを考える時の参考にしてみてください。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアは主に受託開発の現場で活躍し、クライアント企業の要求を分析してシステム全体の設計を行う職種です。技術的な知識だけでなく、お客様とのコミュニケーションスキルやヒアリングスキルが重要になります。
SEの主な業務は、要件定義、基本設計・詳細設計、テスト・デバッグなどです。たとえば、企業の在庫管理システムを開発する場合、まず顧客の業務フローを詳しく聞き取り、どのような機能が必要かを整理します。その後、システムの全体構成を設計し、プログラマーが実装しやすい形で詳細な仕様書を作成します。
SEから目指せる主なキャリアパスとしては、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントに進む道があります。また、特定の業界(金融、製造業、医療など)の専門知識を身につけることで、その分野のスペシャリストとして活躍することも可能です。
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プログラマー(PG)
プログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書にもとづいて、実際にプログラムのコードを書く職種です。さまざまなプログラミング言語を使いこなし、効率的で保守性の高いコードを作成することが求められます。
プログラマーの業務は、コーディングやバグ修正が中心です。クライアント企業との打ち合わせなどに参加することは少なく、対人コミュニケーションが苦手で、一人で黙々と作業したい方に向いています。
エンジニア業界では技術の進歩が速いため、常に新しいプログラミング言語やフレームワークを学習し続ける必要があります。一方で最新技術に触れる機会が多く、エンジニアとしての成長を実感できる職種でもあります。
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Webエンジニア
Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリの開発に特化した職種です。ユーザーが直接触れる部分であるフロントエンドと、ユーザーからは見えないサーバー側の処理を行うバックエンドのいずれか、もしくは両方を担当します。
フロントエンドエンジニアは、HTML/CSSやJavaScriptを使って、ユーザーにとって見やすく使いやすいインターフェースを作成します。たとえば、ECサイトの商品検索機能では、ユーザーが入力した条件に応じて、リアルタイムで検索結果を表示する仕組みを実装します。バックエンドエンジニアは、データベース設計やサーバー構築、API開発などを担当します。
Web業界は変化が激しく、新しい技術やフレームワークが次々と登場するため、常に情報収集やスキルアップに取り組む必要があります。一方で自分が開発したサービスが多くのユーザーに使われる楽しさを感じられる職種でもあります。
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アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアは、スマホアプリやPC向けアプリ、業務アプリの開発を専門とする職種です。iOS、Android、Windows、macOSなど、さまざまなプラットフォーム向けのアプリケーションを開発しています。
モバイルアプリ開発では、SwiftやKotlin、React Nativeなどの技術を使用して開発に取り組みます。たとえば、フィットネスアプリを開発する場合、スマートフォンのセンサーを活用して歩数を計測し、ユーザーの運動データをクラウドに保存して分析する機能を実装します。また、プッシュ通知機能により、ユーザーの運動習慣をサポートする仕組みを実装するのもアプリケーションエンジニアの仕事です。
アプリケーションエンジニアは、各プラットフォームのアプリストアでの配信を通じて、世界中のユーザーに自分の作品を届けることができるのが大きな魅力です。ヒット作品を開発できれば、個人開発であっても大きな収益を狙えるのが魅力です。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、システムの基盤となるサーバーやネットワークの構築・運用を担当する職種です。システム・アプリが安定して動作するための土台を支える重要な役割を果たします。
主な業務は、サーバーの設計・構築、ネットワーク設定、セキュリティ対策など。たとえば、大規模なECサイトでは、数万人の同時アクセスに耐えられるサーバー構成を設計し、障害が発生した際には迅速に復旧作業を行います。また、AWS・GCP・Azureなどのクラウドサービスを活用したインフラ構築にも携わります。
24時間365日システムを安定稼働させる必要があるため、緊急時の対応力や冷静な判断力が求められます。しかし、システム全体を支える重要な役割であり、需要がなくなりにくい分野なので、将来性が明るい就職先でもあります。
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組み込み系エンジニア
組み込み系エンジニアは、家電や自動車、産業機器などに内蔵されるソフトウェアを開発する職種です。限られたメモリやCPU性能の中で、効率的に動作するプログラムを作成するスキルが求められます。
開発対象は多岐にわたり、洗濯機の制御プログラムから自動車のエンジン制御システム、医療機器の制御ソフトウェアまで、現場によって多種多様です。たとえば、スマートフォンのカメラ機能では、シャッターを押した瞬間に画像処理を行い、美しい写真を出力するためのソフトウェアが組み込まれています。使用する言語は主にC言語やC++で、ハードウェアを扱うスキルも必要です。
また、組み込み系エンジニアが扱うソフトウェアは、一度製品に組み込まれると修正が困難なため、慎重な設計と十分なテストが必要になるという特徴があります。ハードウェアを扱うという性質から、リモートワークや在宅勤務とやや相性が悪いことにも注意が必要です。
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社内SE
社内SEは、自社の情報システムの企画・開発・運用を担当する職種です。クライアント企業の依頼を受けてシステムを開発するSIerのエンジニアとは異なり、自社の業務を深く理解し、社員が効率的に働けるシステム環境を整備します。
主な業務は、社内システムの企画・開発、ITインフラの管理、ヘルプデスク対応などです。たとえば、営業部門から「顧客管理をもっと効率化したい」という要望があった場合、業務フローを分析し、顧客管理システムの導入や改善を実施します。また、自社社員が使うパソコンやネットワークのトラブル対応も重要な業務です。
社内SEは社内のさまざまな部署と連携するため、技術力だけでなく、高いコミュニケーション能力が求められます。厳しい納期が設定されるわけではないので働きやすい環境があり、残業や休日出勤も少なめです。
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3.エンジニア業界の代表的な業種
エンジニア業界には、ビジネスモデルの違いによって、主に3つの業種があります。
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・SIer
・SES企業
・自社開発企業
それぞれの特徴を解説しますので、自分に合った就職先選びの参考にしてみてください。
SIer
SIer(システムインテグレーター)は、顧客企業の業務システム開発を一括して請け負う業種です。要件定義から設計、開発、テスト、運用まで、システム構築の全工程を担当します。
SIerの強みは、大規模で複雑なシステムを構築できる技術力と体力にあります。金融機関や官公庁など、社会インフラを支える重要なシステムを手がけることが多いです。これらのシステムは、数百人規模の開発チームで数年間かけて構築される大規模プロジェクトなので、これまでの実績からプロジェクト管理や品質管理のノウハウが蓄積されており、安定した品質のシステムを提供できるのがSIerの特徴です。
SIer勤務のエンジニアはキャリアパスが明確で、プログラマーからシステムエンジニア、プロジェクトマネージャーへとステップアップしていく道筋が一般的です。
SES企業
SES(システムエンジニアリングサービス)企業とは、エンジニアをクライアント企業に派遣してシステム開発を支援する業種です。準委任契約により、エンジニアの技術力・労働力を提供して対価を受け取ります。
SESで働くエンジニアの特徴として、さまざまなプロジェクトや技術に触れる機会が多いことが挙げられます。SESでは、契約期間が終了するごとに別の企業へ派遣されるので、幅広い知識と経験を積むことができます。たとえば、ある月は銀行のシステム開発、次の月は製造業の生産管理システムといった具合で、多彩なプロジェクトを経験できるのです。
一方で、プロジェクトごとに勤務先が変わるため、安定性に欠ける一面もあります。環境の変化でストレスを抱えやすい方にとっては、やや不向きな働き方と言えるでしょう。
自社開発企業
自社開発企業は、自社でサービスやプロダクトを企画・開発・運営する業種です。Web系企業やゲーム会社、SaaS企業などが代表的です。
自社開発の最大の魅力は、サービスの企画段階から運営までの全工程に関わることができることです。自社サービスを使うユーザーの反応を直接見ることができて、自分が開発した機能がサービスの成長に貢献するやりがいを得られる職場でもあります。たとえば、ECサイトの検索機能を改善した結果、売上が向上したり、ユーザーの満足度が上がったりする成果を直接確認できるのが特徴です。
また、柔軟に新技術を取り入れる風土があり、AIを用いた開発支援ツールなど、最新技術を積極的に導入できる環境が多いです。働き方も柔軟で、リモートワークやフレックスタイム制を導入している企業が多く、ワークライフバランスを重視する傾向があるのも、自社開発企業の特徴です。
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4.まとめ
エンジニア業界は、Web・インターネット、情報処理サービス、通信インフラ、ソフトウェア、ハードウェアの5つの分野に大別され、それぞれ異なる特徴と魅力があります。職種も多様で、システムエンジニア、プログラマー、Webエンジニアなど、自分の興味や適性に応じて選ぶことができます。
エンジニアが働く業種としては、主にSIer、SES企業、自社開発企業の3つがあります。これらの業種にもそれぞれ特徴があり、安定性を重視するかチャレンジを重視するかによって相性の良い企業は異なってきます。
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