IT業界の人材不足は嘘だった?将来性があり市場価値の高いエンジニアになる方法

- 1.IT業界の人材不足は今も続いている
- 2.IT業界が人材不足になる5つの理由
- 3.IT業界の人材不足によって懸念される影響
- 4.人材不足のIT業界において将来性が明るいエンジニア職種
- 5.人材不足のIT業界で市場価値の高いエンジニアになる方法
- 6.まとめ
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1.IT業界の人材不足は今も続いている
結論からご紹介すると、「IT業界の人材不足は嘘である」と断言できるデータはありません。むしろIT業界の人材不足は、年々深刻さを増すと見込まれており、特にAIやクラウド、自動運転技術といった先端領域では、優秀なエンジニアの獲得競争が起こっているのが現実です。ただし、AIへの代替が可能な一部の単純作業は、AIに任されるシーンが増えているため、下流工程を担当するエンジニアの需要が減少する傾向にあるのも事実です。
ここではIT業界の人材不足について、詳細なデータとともにご紹介します。
2030年には45万人規模のIT人材が不足
経済産業省が公表している「IT 人材需給に関する調査」というデータでは、2030年には45万人のIT人材が不足するという試算が出ています。需要の伸びが少なければ16万人の不足、需要の伸びが大きければ79万人ものIT人材が不足するというシナリオが公表されています。
近年の自動運転技術の向上や、生成AIへの注目度の高まり、官公庁をはじめとするDXの推進といった状況を考慮すれば、79万人のIT人材が不足する未来が待っていると考えても不自然ではありません。そうなれば人材不足の解消どころか、IT業界の人材不足はさらに深刻化すると考えられます。
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従来のエンジニア人材は飽和傾向
ただし、IT業界の人材不足は、すべての職種・すべの領域で深刻化しているわけではありません。たとえば参入のハードルが低いWebエンジニアでは、深刻な人材不足からは抜け出す傾向が見られます。これはエンジニア初心者の方でも気軽に学習できるプログラミングスクールや学習教材が充実したことで、未経験からWebエンジニアを目指す方が増えたことが背景にあります。
また、フロントエンドの業務は生成AIを活用して業務効率化を図りやすいので、Webエンジニア一人ひとりの負担が小さくなり、少ない人手であっても従来通りの業務をこなせるシーンが増えています。こうした事情から、Web系を中心とする従来のエンジニア人材は、やや飽和傾向にあるのは事実です。
AI・クラウドなどの先端分野で人材の奪い合いが発生
しかし、従来のエンジニアの需要が満たされる一方で、先端領域においては新たなエンジニア職種へのニーズが発生しているため、依然として人材不足の解消には程遠いという現実があります。たとえば、AI事業に欠かせないAIエンジニアや、自動運転技術を担う組み込みエンジニア、クラウドサービスを使ったITインフラを手掛けるクラウドエンジニアなど。
これらの職種は、近年の技術革新によって急速にニーズが高まっている職種です。企業側もライバルとの差別化を図るため、優秀な技術を持ったエンジニア人材には、より良い待遇を用意して自社に迎えようとする心理が働きます。その結果、スキルレベルの高いエンジニアの希少性が高まり、上流工程を担当できるエンジニア人材などが不足している状況が生まれているのです。
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2.IT業界が人材不足になる5つの理由
「IT業界の人材不足が嘘である」という噂は事実ではない根拠についてここまで解説してきましたが、なぜこれほどまでに人材不足が深刻化しているのでしょうか。その背景として考えられる5つの理由について、下記でご紹介します。
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・需要の拡大に対して供給が追いついていない
・人材育成に長い時間がかかる
・業界の変化が早く必要な人材が移り変わる
・IT業界に対する「やめとけ」「きつい」というイメージ
・少子高齢化による社会全体の働き手不足
それぞれ順番に解説しますので、業界研究の参考として役立ててみてください。
需要の拡大に対して供給が追いついていない
IT業界で人材不足が深刻化する原因として、需要の拡大に対して供給が追いついていないことが挙げられます。IT業界が人材不足となるかどうかは、企業側の需要に対して、エンジニア人材の供給がどれだけ満たせているかで決まります。
一昔前であれば、コロナ禍の影響でWebサービスやWebアプリの開発ニーズが急激に高まったことで、Webエンジニアの需要が上昇したことがありました。しかしWebエンジニアの数は急激に増えるわけではないため、Web開発企業は新たな案件を受注したくとも、人材不足のせいで依頼を断らざるを得ない状況が続いていたのです。
その後、プログラミングスクールなどの教材が充実してWebエンジニアの供給が増えたことで、Web開発企業にとっての需要も満たすことができた結果、Web系の人材不足が解消されつつある状況になりました。今後もWebエンジニアを目指す人材が増えれば、Web系の人材不足は解消に向かうでしょうし、WebサービスやWebアプリの開発ニーズが再び増加することがあれば、人材不足に逆戻りすることが考えられます。
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人材育成に長い時間がかかる
IT業界の人材不足が長く続いている理由として、一人ひとりのエンジニア人材を育成するために長い時間を要することが挙げられます。専門職であるエンジニア人材は、1週間の研修で即現場で活躍できるというものではなく、スクールに通ったりOJTで実務を経験したりして、少しずつスキルアップしていくのが一般的です。一人で開発業務を任せられるだけのエンジニアになるために大きなコストが必要になるため、なかなか人材不足が解消されない状況が続いてきたのです。
ただし、IT企業側も多くの未経験者を指導してきた実績から、効率的に一人前のエンジニアを育成するノウハウやカリキュラムを確立しつつあります。エンジニアを目指す学生側も、プログラミングスクールや動画サイトなどで基礎知識を学べる機会が増えたことから、人材育成にかかる時間は短縮される傾向にあります。
そのためいち早く一人前のエンジニアになりたいと考えている方にとっては、効率的な研修が受けられる今が就職のチャンスと言えるでしょう。
業界の変化が早く必要な人材が移り変わる
IT業界の人材不足が解消されない背景には、業界の変化が早く、必要な人材が常に移り変わることが挙げられます。たとえばiOS向けのスマホアプリ開発では、従来では「Objective-C」というプログラミング言語が使われてきましたが、近年ではApple社が2014年に公開した「Swift」を用いるケースが主流です。このように開発の現場で使用される言語が変化することで、企業側はObjective-Cを扱える人材ではなく、Swiftを扱える人材を募集しなければならなくなるなど、新たな領域での人材不足が発生するという仕組みです。
近年では、AIやIoT、クラウドサービスや自動運転技術などにおいて、技術革新がどんどん進んでいます。企業側もそうした業界の変化に合わせて必要なエンジニアを揃える必要があり、常に人材不足と戦うことになるのです。
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IT業界に対する「やめとけ」「きつい」というイメージ
IT業界には、多重下請け構造や客先常駐という独特の働き方、24時間体制でITインフラを監視する業務が発生することから、「やめとけ」「きつい」というイメージが定着しやすい傾向にあります。IT業界に詳しくない方からすれば、納期に追われて残業続きの日々を送っているブラックな労働環境という印象を持っていることも少なくありません。
そうしたイメージを一度抱いてしまうと、将来性があって平均年収が高かったとしても、IT業界を目指そうとする人が減ってしまい、人材不足が解消されない状況が生まれてしまうのです。近年では働き方改革によってIT企業のエンジニア待遇も見直されつつあり、働きやすい環境づくりが推進されていますが、今でもブラックな業界というイメージが根強いのも事実です。
少子高齢化による社会全体の働き手不足
IT業界に限らず日本全体の社会問題として、少子高齢化による働き手不足も、エンジニアの人材不足を招く一因と言えるでしょう。特にIT業界の場合、プログラミング言語は世界共通であり、グローバル化が進みやすい性質を持っています。世界規模でサービスを展開する企業も多く、日本の少子高齢化によって国内のサービス需要は低下しても、海外での需要が上昇して人材不足が発生することも珍しくありません。
企業側も、海外のIT企業と連携してシステム開発を行う「オフショア開発」を進めるなどの対策を講じていますが、そうなると次は現地企業の開発チームと円滑なコミュニケーションを取れる「ブリッジSE」と呼ばれる人材不足が浮き彫りになります。このように日本の少子高齢化によって海外に開発拠点を移そうとした場合にも、やはり人材不足の壁が立ちはだかってしまうのです。
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3.IT業界の人材不足によって懸念される影響
IT業界の人材不足が嘘ではなく、今でも人手が足りていないという状況は、これからエンジニアを目指そうとする方にとっては良いニュースのように思えるかもしれません。しかし実際には、IT業界によって現役エンジニアの方にとっても、これからエンジニアを目指す方にとっても無視できない影響が出てきます。それが「2025年の崖」問題です。
「2025年の崖」問題
2025年の崖問題とは、経済産業省が「DXレポート」の中で使用したキーワードのことを指します。これまで使われてきた既存のシステムの老朽化が進む一方で、既存システムの複雑化が原因でDX化が進まず、社会全体の生産性が低下して大きな経済的損失が発生することを指摘した考え方です。2025年以降、年間あたり12兆円の損失が発生するとの試算があるほどです。
老朽化が進んだ既存のシステムは、もはや全体像を把握して管理ができる人材が存在せず、これからエンジニアを目指す方々が対処しなければならない大きな課題とされています。ITサービスの提供自体が困難となり、事業を畳むIT企業も増えてくるでしょう。そうした環境の中でも市場価値の高いエンジニアを目指し続ける姿勢がなければ、キャリアの途中で挫折してしまう可能性が高まるのです。
スキル不要な仕事はAIに代替される可能性も
近年ではChatGPTをはじめとする生成AIに注目が集まっています。IT業界でもその影響は大きく、今でもプログラミングやコーディング作業の一部をAIが代替できるようになるなど、業界全体でAI活用が進んでいます。現在のところコードの正確性には難があり、AIにうまく指示を出すためのエンジニアや、出力されたコードの精度をチェックするエンジニアの存在が欠かせません。
しかし今後の技術革新によって、人の手で書くよりも正確かつ効率的にプログラムを出力できる未来がやってきたとしたら、エンジニアの仕事がAIに奪われてしまう可能性も考えられます。そうした時代においても活躍できるエンジニアとなるために、AIに代替されるのではなくAIを活用するためのスキルを身につけたり、AIエンジニアとしてのキャリアを選択したりと、慎重にキャリアプランを考える必要があります。
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4.人材不足のIT業界において将来性が明るいエンジニア職種
現在も人材不足が続くIT業界では、今後の将来性が高い職種を選んでキャリアを積むことにより、長期的に活躍できる人材を目指すことができます。ここでは特に将来性が期待されている職種として、以下の3つをご紹介します。
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・AIエンジニア
・組み込みエンジニア
・クラウドエンジニア
IT業界に入ってどのようなキャリアを歩むのか、キャリアプランを考える際の参考にしてみてください。
AIエンジニア
AIエンジニアとは、ディープラーニングや機械学習を通じてAIの利活用に関する研究・開発を手掛ける職種です。AIに学習させるための教師データの調達・管理から、膨大な量の学習・検証を繰り返しながら判定の精度を高めていくのが仕事です。AIエンジニアの成果は、顔認証や医療現場における画像診断、自動車の自動運転技術などにも活用されており、現在最も注目度の高い分野と言って過言ではありません。
外資系の企業であれば、豊富なスキルと経験を持ったAIエンジニアは年収1,000万円以上の待遇で迎えられるケースも多く、高年収を目指せる職種としても人気です。
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組み込みエンジニア
組み込みエンジニアは、自動車や家電に組み込みまれるソフトウェアの開発に携わる職種で、ソフトウェアだけではなくハードウェアの知識が求められるのが特徴的な職業です。「やめとけ」「オワコン」と言われることも多い職種でしたが、AIの台頭による自動運転技術や、家電や医療機器におけるIoT化が進んだことにより、改めてその専門性に注目が集まっています。
自動運転技術などの先端技術を扱える組み込みエンジニアは、今後の将来性が高まり続けると見込まれており、機械いじりが好きな方などハードウェア業界でも活躍したい方に向いている職種です。
関連記事:組み込みエンジニアの仕事内容とは?必要資格・スキルと新卒入社するコツ
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、ITサービスの開発・提供に欠かせないインフラエンジニアの一種で、AWS・GCP・Azureといったクラウドサービス上でITインフラを構築・運用するのが仕事です。社内のサーバールームに物理的なサーバーを設置する従来のITインフラとは異なり、近年ではクラウド上に自社のITインフラを構築する企業が増加傾向にあります。
そこで物理的なサーバー環境をクラウド上に移行するために欠かせないのが、クラウドエンジニアの知識・技術力です。クラウド上でのインフラ設計の知見を活かし、それぞれの企業に最適なクラウド環境を構築できるクラウドエンジニアは、どの企業からも重宝される存在となるでしょう。
関連記事:クラウドエンジニアとはどんな職種?仕事内容・必要資格と新卒入社のコツを紹介
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5.人材不足のIT業界で市場価値の高いエンジニアになる方法
最後に、人材不足のIT業界において、市場価値の高いエンジニアになるための方法について解説しましょう。
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・マネジメントスキルを高める
・業界の最新トレンドにキャッチアップする
・組織最適化ではなく市場最適化を目指す
それぞれ順番にご紹介します。
マネジメントスキルを高める
エンジニアとしての市場価値を高めるためには、システム開発のための技術力を磨くだけではなく、マネジメントスキルを高めることが重要になります。開発プロジェクト全体を管理する立場として、スケジュール管理や予算管理などを担当できるエンジニアは、どの企業からも高く評価されるからです。新卒採用においても、マネジメントスキルやリーダーシップを備えた人材は、高いポテンシャルを持った人物と判断されて選考を有利に進めることができるので、積極的にアピールしてみると良いでしょう。
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業界の最新トレンドにキャッチアップする
市場価値の高いエンジニアであり続けるためには、IT業界における最新トレンドにキャッチアップする姿勢も求められます。つまり、IT関連のニュースは常にチェックしておき、新たな技術や言語が登場したらいち早く試してみるなど、高い興味・関心を持って情報収集する姿勢が必要となるのです。企業の選考においても、好奇心を持ってIT業界の最新トレンドを追いかけられる人物は高く評価されやすいので、常にIT業界の動向をチェックする習慣をつけるのがおすすめです。
組織最適化ではなく市場最適化を目指す
人材不足のIT業界において競争力のあるエンジニアとなるために、組織最適化ではなく市場最適化を目指してスキルアップに励むことも重要です。組織最適化とは、一つの企業で必要なスキルや知識に絞って学ぶことであり、市場最適化とはIT業界全体で必要とされるスキル・知識を広く学ぶことを言います。たとえばWeb開発企業に就職する場合にも、Web開発に必要なスキルだけを学ぶのではなく、AIやクラウドなど、IT業界のトレンドに合わせて学ぶ姿勢が有効です。市場最適化を目指すことにより、後の転職活動においても評価が高まりやすいので、ぜひ広い視野を持ってスキルアップに取り組みましょう。
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6.まとめ
「IT業界の人材不足は嘘」と言える明確な根拠は存在せず、各種データや近年のIT業界の動向を踏まえれば、人材不足は今も続いており、領域によってはより深刻化していることも考えられます。人材不足ではないという噂を根拠にエンジニアとしてのキャリアを諦める必要はなく、今からエンジニアを目指すことにより高い将来性を見込むこともできるのです。
ただし、「2025年の崖」問題や、AIによる一部業務の代替などの影響も考えられるため、未経験でも始められる職種にこだわるのではなく、AIエンジニアや組み込みエンジニア、クラウドエンジニアといった将来性の高い職種を見据えてキャリアを積むことが大切です。本記事でご紹介してきた市場価値の高いエンジニアになる方法も参考に、将来のキャリアプランを作成してみてください。
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レバテックルーキーは、レバテックが運営するITエンジニア専門の就活エージェントです。多数のITエンジニアのキャリア支援経験のあるアドバイザーが、あなたのスキルと希望に合わせた企業の紹介から、人事目線での面接対策など、就職までを一貫してサポートします。ES添削、面接対策、ポートフォリオ作成サポートなども実施していますので、まずは一度カウンセリングにお越しください。
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