
企業のITインフラの構築・運用に携わり、ITサービスになくてはならない存在であるインフラエンジニアは、需要・将来性の高さからさまざまなキャリアパスを選択できる魅力があります。マネジメントスキルを磨いてプロジェクトマネージャーや管理職として活躍する道もあれば、近年注目度が高まっているクラウドエンジニアとして好待遇を狙う道なども用意されています。
また、インフラエンジニアの業務の中にはマニュアル化されたITインフラの監視業務も含まれており、IT業界未経験からであっても入社しやすい職種でもあります。未経験からインフラエンジニアを目指すキャリアパスも拓けているため、今からIT系エンジニアになりたいと考えている方にもおすすめです。
本記事では、インフラエンジニア向けの5つのキャリアパスについて、それぞれの職種を詳しくご紹介します。インフラエンジニアの需要・将来性や注意点なども解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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1.インフラエンジニアのキャリアパスには2つの道がある
インフラエンジニアは、企業がITサービスを提供するために欠かせないIT基盤を支える職種であり、サーバー・ネットワークの構築から24時間体制での監視・運用業務などを担当します。クラウドサービスの登場によってクラウド上でインフラを構築するケースも増えており、クラウド環境にも強いインフラエンジニアは「クラウドエンジニア」として重宝される傾向にあります。
そんなインフラエンジニアのキャリアパスを考える時には、まずは「スペシャリスト」「ゼネラリスト」のどちらの方向性を選ぶのかを決めておくことが大切です。専門分野に特化したスペシャリストを目指すのか、もしくは幅広い知識とスキルを活かして上流工程に携わるゼネラリストを選ぶのかによって、身につけるべきスキルや経験も変わってくるからです。
ここではインフラエンジニアのキャリアパスとして、スペシャリスト・ゼネラリストを目指す場合にどのような選択肢があるのかを解説します。
スペシャリストとしてのキャリアパス
インフラエンジニアとしての技術力や専門性を磨き、現場で活躍するエンジニアを目指したい場合には、スペシャリストとしてのキャリアパスを選択すると良いでしょう。インフラエンジニアが担当する領域には、サーバー・ネットワーク・データベース・セキュリティなどがあり、各分野に特化することで替えのきかないエンジニアを目指すことができます。
各分野のプロとしてのインフラエンジニアは、「サーバーエンジニア」「ネットワークエンジニア」「データベースエンジニア」とも呼ばれ、好待遇の求人を用意する企業も少なくありません。「この分野であれば誰にも負けない」と断言できるような専門性を身につければ、どんな企業からも評価されるスペシャリストになることができます。
各分野での最新技術やトレンドに対してアンテナを張っておき、そうした知識を取り入れながら提案できるスペシャリストを目指すことにより、市場価値の高いエンジニアを目指せるでしょう。
ゼネラリストとしてのキャリアパス
一方でゼネラリストとは、1つの分野に特化するのではなく、幅広い領域の知識・スキルを身につけた人材のことを指します。ITインフラに関する知識・スキルだけではなく、Webエンジニアやアプリエンジニアとしての経験のほか、マネジメントや企業経営についての知見を身につけることにより、さまざまな現場で活躍するゼネラリストを目指すことができます。
ゼネラリストに求められるのは、現場で活躍する技術力や専門性よりも、プロジェクト全体をマネジメントするスキルや、クライアント企業の課題に合わせて最適な解決策を提案するスキルです。いわゆる「上流工程」において、開発チームやクライアント企業とのコミュニケーションを取ることが重要な職種ですが、時には現場に入って開発業務に取り組める技術力も備えておく必要があります。
プロジェクトマネージャー、ITコンサルタントといったゼネラリストとしての職種では、幅広い知識・スキルが必要とされることから、インフラエンジニアの中でも高年収・好待遇を得やすい傾向にあります。給与面・待遇面を重視してキャリアパスを考えたい方は、ゼネラリストとしてのキャリアを検討してみることをおすすめします。
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2.インフラエンジニアの5つのキャリアパスを職種ごとに解説
続いて、インフラエンジニアにとって代表的な5つのキャリアパスについて、それぞれの職種ごとにご紹介します。
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・プロジェクトマネージャー
・ITスペシャリスト
・ITコンサルタント
・セキュリティエンジニア
・クラウドエンジニア
担当する業務内容・やりがいなども含めて解説するので、キャリアパス選びの際に参考にしてみてください。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャー(PM)とは、インフラエンジニアの開発チームを取りまとめるマネージャーとして、プロジェクト全体のコスト管理・進捗管理などを担当する職種です。管理職としてITインフラの構築を推進する立場なので、大きな責任を伴うものの、プロジェクトの全体像を把握しながら開発を進めることから大きなやりがいを得られる職種でもあります。
チームリーダーとして周囲に頼られるような方ほどプロジェクトマネージャーとしての素質があり、後輩に頼られやすい方や、他のチーム・部署との調整役として行動できる方に向いている職種です。時には開発の現場に参加することもあるので、インフラエンジニアとしての技術力も求められる点に注意しましょう。
プロジェクトマネージャーは大きな責任と裁量を任される立場のため、得られる収入は高水準で、年収1,000万円を越える求人も少なくありません。将来はプロジェクトマネージャーへのステップアップを目指し、積極的にマネジメントスキルを磨くのもおすすめです。
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ITスペシャリスト
ITスペシャリストは、一つの専門分野に対して高いスキルを持ったエンジニアであり、インフラエンジニアの場合にはサーバー・ネットワーク・データベースなどの領域におけるスペシャリスト人材のことを指します。一つの分野のスキル・経験を磨き続け、その分野では「この人に任せれば安心だ」と言われるほどの実績を残すことにより、従来のインフラエンジニアと比べて好待遇が期待できます。
ITスペシャリストになるためには、インフラ関連における深い知識や専門性の高いスキルを追求することが欠かせません。技術の向上に余念がなく、常に最新の技術を取り入れながら開発業務に取り組むインフラエンジニアは、ITスペシャリストとしての高い評価を得やすくなるでしょう。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、IT系エンジニアの職種の中でも、企業経営により深く携わるのが特徴です。インフラエンジニアとしてのスキルや経験を活かし、クライアント企業の業績を向上させるためにどのような施策を取れば良いのかを提案する立場となります。クライアント企業に合わせて導入すべきインフラや改善すべき業務を積極的に提案し、企業の経営層からの信頼を勝ち取りながら活躍します。
ITコンサルタントになるためには、インフラエンジニアとしての技術力だけではなく、経営戦略についての知見や、IT戦略をメインとした提案力が求められます。時には技術者としてだけではなく、企業にとってのコストや利益を重視した経営者としてのアドバイス・コンサルティングも求められるため、経営者視点を養うことも欠かせません。
ITコンサルタントにステップアップすることで、扱うプロジェクトがより大きなものとなり、企業の業績を左右するやりがいを得られることでしょう。
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セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアとは、インフラエンジニアの中でも企業のセキュリティ対策に特化したエンジニアのことを指します。外部からのサイバー攻撃やウイルス感染、従業員のミスによる情報漏洩などを防ぐために、企業のセキュリティを高める施策や提案を行います。セキュリティ対策に詳しいインフラエンジニアはどの企業からも重宝されるため、高年収・好待遇を狙いやすい職種です。
ただし、セキュリティエンジニアとして評価されるためには、サーバー・ネットワーク・OSなどの各分野において高度なスキル・知識が求められます。業界におけるセキュリティインシデントの事例についても常にアンテナを張り、直近ではどのようなサイバー攻撃が発生したのか、それを防ぐためにどのような対策が必要なのかといった、論理的な提案ができるセキュリティエンジニアを目指すと良いでしょう。
関連記事:新卒でセキュリティエンジニアに就職できるのか?
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアとは、クラウドサービスを活用したITインフラを構築・運用するエンジニアを指します。近年では自社のサーバールームにサーバー機器・ネットワーク機器を設置してITインフラを構築するのではなく、クラウド上でITインフラを構築するケースが増えており、クラウドエンジニアの需要も急上昇しています。
AWSやGCP、Azureといった各種クラウドサービスについての知見が豊富なクラウドエンジニアは非常に市場価値が高く、物理的に構築されたITインフラ(オンプレミス)から、クラウド上のITインフラへの移行を担当できるクラウドエンジニアは今後も需要が高まり続けるでしょう。
インフラエンジニアの業務の中でも、クラウドサービスをはじめとする分野は変化が激しく、常に最新の情報や技術を取り入れる必要があるものの、豊富な実績を残すことで年収1,000万円以上を得られるチャンスも待っています。
関連記事:クラウドエンジニアとはどんな職種?仕事内容・必要資格と新卒入社のコツを紹介
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3.インフラエンジニアの需要・将来性
インフラエンジニアは、Webエンジニアやアプリエンジニアと比較すると地味なイメージがあり、業務の大変さから「インフラエンジニアはやめとけ」と言われることも多いです。コロナ禍においては在宅勤務・リモートワークが主流となり、企業のオフィスにおけるITインフラの必要性が低下したことも一因となっています。
しかしインフラエンジニアの需要自体は今後もなくなることは考えにくく、特にクラウドサービスの普及によってクラウドエンジニアとしても活躍できるインフラエンジニアの将来は非常に明るいものとなっています。インフラエンジニアが携わるのは、AIやIoTといった最新技術を支えるためのITインフラなので、IT技術が向上・普及し続ける限り、必ず求められるエンジニアなのです。
ただし、最新の技術やスキルを学んで技術力を磨いたり、将来のキャリアパスのために自主的にマネジメントスキル・経営者視点などを身につけたりできなければ、時代に置いていかれてしまう可能性も高いでしょう。インフラエンジニアとして求められるスキルや知識をアップデートし続けることにより、将来性のあるエンジニアとなることができます。
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4.未経験からインフラエンジニアを目指す場合のキャリアパスとは?
続いて、未経験からインフラエンジニアを目指す場合のキャリアパスについてもご紹介しましょう。インフラエンジニアになるためにはソフトウェア・ハードウェアを含めた幅広い知識が必要とされるため、未経験から就職するハードルが高いというイメージを持たれがちです。しかし実際には、IT系エンジニアの中でも未経験からスタートしやすい職種となっているので、下記で紹介するキャリアパスを参考にしてみてください。
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・未経験OKのITインフラ監視業務
・ヘルプデスクにおける問い合わせ対応
・ITインフラの運用・保守
それぞれ順番に解説します。
関連記事:新卒でインフラエンジニアになれる?インフラエンジニアの仕事内容や職種を徹底解説
未経験OKのITインフラ監視業務
未経験からインフラエンジニアを目指す場合には、まずはITインフラの監視業務からスタートするのがおすすめです。すでに構築されたITインフラをマニュアルに沿って監視することで、異常や不正アクセスなどがないかをチェックするのが仕事です。決まった手順に沿った作業が中心で、専門的な技術・スキルを持たない方でも始めることができるので、インフラエンジニアとしてのキャリアを歩む第一歩としてもおすすめです。
ただし、監視業務を担当するインフラエンジニアは高収入が目指せるとは言えず、早めにスキル・経験を積んでステップアップすることが大切です。そのために実績や資格などを身につけて、インフラ設計・構築などの上流工程を任されるエンジニアを目指すと良いでしょう。
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ヘルプデスクにおける問い合わせ対応
未経験からインフラエンジニアを目指すためのキャリアパスとして、社内SEとしてのヘルプデスク業務からスタートする選択肢もあります。ヘルプデスクは、社内のITインフラに関する社員からの問い合わせに対応する業務で、「インターネットにつながらない」「サーバーがダウンしている」といった連絡に対処します。
ヘルプデスク業務を通じてITインフラについての基礎的な知識を身につけてから、インフラエンジニアへとジョブチェンジするというキャリアパスが基本です。ユーザーからの距離が近く、ヒアリング力や提案力も磨かれるので、将来はITコンサルタントやプロジェクトマネージャーを目指したい方にも向いています。
ITインフラの運用・保守
未経験からインフラエンジニアを目指す場合には、ITインフラの運用・保守業務からスタートする選択肢もあります。前述した監視業務と同様に、すでに構築されたITインフラを担当するのが特徴で、トラブル対応やアップデートの管理などの業務が含まれます。
いずれのインフラエンジニアにおける下流工程に分類され、未経験からでも始めやすい業務の一つです。まずはITインフラの運用・保守からスタートして、サーバー・ネットワークの知識や、ハードウェアを扱うスキルなどを身につけながら、インフラエンジニアとしてのキャリアを積み重ねていくと良いでしょう。
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5.インフラエンジニアのキャリアパスを考える時の注意点
最後に、インフラエンジニアが将来のキャリアパスを考える時に押さえておきたい注意点についても解説します。
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・第三者からの客観的な意見も参考にする
・柔軟にキャリアパスを再設計する
・コミュニケーションスキルの向上も欠かせない
これらのポイントも踏まえながら、インフラエンジニアとしてのステップアップを目指しましょう。
第三者からの客観的な意見も参考にする
インフラエンジニアのキャリアパスを考える上では、自分だけで完結させるのではなく、第三者からの客観的な意見も参考にすると良いでしょう。自分にとっての理想のキャリアパスを定めるためには、徹底した自己分析が必要になりますが、時には第三者にも意見を求めてみることにより、自分では気づけなかった強みやスキルが見つかることもあります。
たとえば、インフラエンジニアとしてスペシャリストになるキャリアパスを描いていたが、友人のエンジニアに相談したところマネージャーとしての素質があると言われ、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを歩み始めたという例も少なくありません。職場の上司、友人、同僚など、自分を客観的に評価してくれる人物からの意見も参考にしながら、独りよがりにならないキャリアパスを考えてみましょう。
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柔軟にキャリアパスを再設計する
将来のキャリアパスは、インフラエンジニアとして働く中での考え方・価値観の変化に合わせて、柔軟に再設計することが重要です。入社前はITコンサルタントを目指したいと考えていたが、インフラエンジニアとして働き始めてみると技術力を磨くのが楽しく感じ、スペシャリストになりたいという気持ちが強まることも考えられます。
特に変化の激しいIT業界においては、将来性のある職種や需要のあるスキルなども移り変わりが激しいという特徴があります。そうした環境の中で、最初に決めたキャリアパスだけに固執してしまうのはリスクが高いので、柔軟性を持たせたキャリアパスを描くことをおすすめします。
コミュニケーションスキルの向上も欠かせない
インフラエンジニアとしてキャリアアップするためには、技術力や専門性を磨くことも重要ですが、マネジメントスキル・ヒアリングスキル・提案力といったコミュニケーションスキルの向上も欠かせません。スペシャリストとして専門性を追求するキャリアパスを考える場合にも、開発チームとのやり取りやクライアント企業との打ち合わせで上手に立ち回れるエンジニアほど、評価が高まる傾向にあるからです。
そのためコミュニケーションスキルを磨くための書籍・セミナーなども積極的に活用しながら、インフラエンジニアとしてのキャリアに活かしてみましょう。
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6.まとめ
インフラエンジニアのキャリアパスには、主にスペシャリスト・ゼネラリストの2つの道があり、具体的にはプロジェクトマネージャー・ITコンサルタント・クラウドエンジニアといった職種が挙げられます。インフラエンジニアは今後も需要が高く将来性が明るい職種なので、ITインフラの監視業務やヘルプデスクといった未経験から始めやすい業務を担当しながら、技術力・専門性を磨いていくのがおすすめです。
ただしインフラエンジニアとしてのキャリアパスを考える時には、自分だけで将来を考えるのではなく第三者からの意見を参考にしたり、考え方・価値観の変化に合わせて柔軟にキャリアパスを再設計したりするのが効果的です。技術力・専門性だけではなくコミュニケーション力を向上させることも重要なので、キャリアパスを考える時にはぜひ実践してみてください。
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