技術選定の意図もワークライフバランスの本音も、論理で語る。「なぜ」を突き詰めクレディセゾンに内定

理学部で学ぶ先輩は、就活前に開発スキルを学ぼうとスクールに通い、ポートフォリオも制作。しかし、腕試しに参加したハッカソンで、周りのレベルの高さに実力差を痛感したといいます。就活開始時点の開発スキルは、まだ初心者レベルでした。
それでも、無理な背伸びはしませんでした。コードで勝負できないなら、と、デザイン調整やメンバー間の連絡など、自分にできる役割を引き受けたのです。就活でも、イベントや1dayインターンで周囲のレベル感を把握し、SESも含めて幅広く企業を比較しました。
そして面接で貫いたのが、「なぜ」を突き詰める姿勢です。ポートフォリオの設計や技術選定の一つひとつに理由を用意。「なぜ働くのか」という問いには、自己管理の視点から本音を論理的に説明しました。
技術力で勝負できなくても、就活で戦う方法はある。クレディセゾンから内定を勝ち取った先輩に、その考え方を詳しく聞きました。

\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
【プロフィール】
卒業年度:2027年卒
大学・専攻:理学部 数学科
内定先:株式会社クレディセゾン
職種:エンジニア職(IT部門)
事業領域:自社プロダクトの開発・運用等(配属部署は研修後に決定)
初任給:年収400万円程度(家賃補助などの手当あり)
1.就活前〜就活開始時に取り組んだこと
Q. 就職予定の企業の職種と事業領域は?
職種はエンジニア職です。配属部署は入社後の研修を経て決まりますが、IT部門に配属されることはすでに決まっています。
就職先の株式会社クレディセゾンは、クレジットカードや金融サービスなどで知られている企業です。入社後は、そうした自社システムの開発や運用に関わっていく予定です。
Q. 就活前に開発関係で取り組んだものは?
大学2年の2月ごろから、レバテックが運営しているプログラミングスクールの「レバテックカレッジ」に3ヶ月ほど通いました。並行して、自作ポートフォリオとしてWebアプリを作成し、大学3年の夏休み頃にはハッカソンにも参加しています。
ポートフォリオとしては、スクール修了後の大学3年5〜6月ごろにかけて、大好きな「ニッチな香水」をテーマにしたSNSアプリを作りました。有名どころではない香水の情報を、共有できる場所がないと感じたのがきっかけです。
制作にあたっては、単に動くものを作って終わりではなく、実際に他のユーザーに使ってもらうことを見据えて取り組みました。また、実際のチーム開発や将来的な運用にも耐えられるよう、コードの可読性・拡張性を意識して制作しています。 具体的には、関数の命名規則を統一し、データベースの設計も一から行いました。
また、ハッカソンも大きな経験になっています。スクールを卒業し、ポートフォリオを作り終えたタイミングで「周りの就活生やエンジニアのレベル感を確かめたい」と思ってハッカソンに挑戦しました。しかし、いざ参加してみると周囲の参加者は皆開発に熟練した人ばかりで、自分では力が及ばないと痛感したんです。
だから、背伸びをするのはやめました。自分のレベルでもできるフロントエンドやUIを、他のメンバーに確認を取りながら担当することにしたんです。技術力がなくてもできるコミュニケーションや雑務など、自分にできることはすべて引き受けるようにしました。
制作したのは、エンジニアの就活生の利用を想定した「AI面接官Webアプリ」です。ユーザーの回答内容に応じ、AIが次の質問をしてくるアプリケーションですが、「エンジニア就活向けのAI面接サービスってあまりないよね」という会話がアイデアのもとになっています。結果として、20チームのうち数チームに贈られる努力賞(賞金1人5,000円)を獲得できました。
Q. 就活をスタートした時点での開発スキルと習得言語は?
就活スタート時点での開発スキルは、まだ初心者レベルでした。プログラミングスクールに通い、スタートラインには立てたと思います。ただ、アプリを一から開発し、広くユーザーに利用してもらうレベルには、まだ達していませんでした。 就活までに触れた言語やツールは、大きく2つに分かれます。
一つは、大学の授業で使用したJavaとPythonです。こちらは2年ほど扱いましたが、数学系のデータ解析用途がメインでした。そのため、Webアプリ開発のスキルとは大きく異なるものです。
もう一つはPHPやMySQL、JavaScript、HTML/CSSです。Web開発に活用できるような実践的な内容を、大学2年の終わりに通い始めたスクールで一から学びました。
Q. 就活のスタート時期と具体的にやったことは?
本格的に動き出したのは、大学3年の秋、10月頃です。
教員免許を取得するカリキュラムを履修していたため、授業や実習などの過密スケジュールに追われていました。というのも、中学・高校の「数学」と「情報」という2つの教員免許を同時に取ろうとしていたからです。長期インターンや就活イベントにまとまった時間を割く余裕がほとんどありませんでした。
なので、最初から就活エージェントを活用しました。実は夏頃に他社サービスを試したのですが、担当者との相性が合わなかったため、スクールでお世話になっていたレバテックに切り替えたんです。 自分の軸や希望条件に合う企業探しと、選考日程の調整はエージェントに任せました。
一方、ESの文章作成、自己分析、面接の想定質問への回答づくりは、ChatGPTなどのAIをフル活用して自力で進めましたね。
あわせて就活イベントや1dayインターンにも参加し、周りの就活生のレベル感を把握していきました。
クレディセゾンに関しては、10月中旬にエージェントから案内を受けて選考に進み、11月中には内定をいただいています。非常にスピーディーな選考だったと思います。 安定して働ける自社開発の環境が整っていたことに加え、住宅手当などの待遇面・福利厚生の良さが決め手となりました。
Q. 志望企業を絞り込むうえで重視した「軸」は?
自社開発企業の中で、「リモートワークが推奨されていること」「最先端の技術に触れられること」「大規模な案件に関われること」の3つの軸に当てはまる企業を探しました。
就活初期はSESも検討していましたが、選考が進む中で客先常駐による勤務地や環境の変動に不安を感じ、自社開発に絞りました。
中でも魅力を感じたのは、学生のうちには経験できないような大規模な案件に挑戦できる企業です。開発の規模だけでなく、プロジェクトの大きさや社会への影響まで含めて、若手のうちから大きな仕事に関わることで技術力を磨きたいと考えました。
また、大学での研究分野がネットワーク科学で、以前からクラウド領域に強い興味を持っていたんです。そのため、若手のうちからクラウドをはじめとする最先端の領域に挑戦できる点も、軸として据えていました。
Q. 企業選びでAIを使った開発環境は確認した?
AIツールが活用されているかどうかは、自分から意識的に確認していました。コードを書く際にAIを使っていたので、長い目で見て「AIを推奨していない企業は危ういかな」と考えていたからです。 クレディセゾンでは、全社員に「ChatGPT Enterprise」を提供するなど、会社全体でAI活用を積極的に推奨していました。これが、選考段階で志望度を高める大きな要因になっています。
2.株式会社クレディセゾンの選考詳細
Q. 選考のフローと問われた内容、答えたことは?
選考フローでコーディングテストは実施されませんでした。書類選考のあとは、一次面接と最終面接の2回だけという、非常にシンプルな流れです。
一次面接はエンジニア面接で、ポートフォリオの深掘りが中心でした。「なぜ作ったのか」「なぜこの技術を選んだのか」といった制作意図が確認されました。また、関数の命名規則なども質問され、「チーム開発を意識できているか」を確認されていたと思います。
ほかにはネットワークの基礎知識に関する質問や、志望理由、「なぜ働くのか」といった人物面・価値観についての質問もありました。
最終面接は役員面接で、「AI時代において、そもそも人間がプログラミングを学ぶ意味はあるのか」という本質的な問いを投げかけられた記憶があります。
Q. 面接でAIの利用はどう聞かれてどう答えた?
最終面接で問われた「AI時代にプログラミングを学ぶ意味」に対しては、「意味がある」と答えました。AIは「それっぽい回答」を寄せ集めているだけで、論理的に思考しているわけではありません。そのため、0から1を生み出したり、実装の実現可能性を判断したりするには限界があると考えています。
加えて、AIにコードを書かせ続けると、本来数行で済む処理を何百行もかけて実装してしまい、「技術的負債」になりやすいと感じています。後から人間が修正できるコードになっているかを見極めるためにも、人間が構造やプログラミングを学ぶ意味は十分にある。そう、論理的に自分の考えを伝えました。
結果、トレンドに流されず、技術の「本質」と「人間の介在価値」を自分の言葉で語った姿勢が、高く評価されたと感じています。
Q. 選考で見られていると感じたことは?
一番の評価ポイントは、「人柄」と「コミュニケーション力」だったと思います。しっかり応対できるかどうかですね。面接官からも「論理的に話せない人は厳しい」という話があり、質問に対してごまかさず適切に応対できるかが重要視されていたと思います。
たとえば、面接で「なぜ働くのか」と聞かれたときも、取り繕わずに「まずは自分の生活のため」「心身の健康を守りながら働くことを大切にしたい」と本音を答えました。
一見ネガティブに聞こえる本音ですが、「長くパフォーマンスを出し続けるために、自分の状態をどうコントロールするか」という自己管理の視点から論理的に説明したんです。
これが、面接官に「安心して仕事を任せられる、誤魔化しのない人物」として、好印象を与えたと受け止めています。
Q. 選考で「難しい」と感じたことは?
難しかったのは、ポートフォリオに関して「なぜそうしたのか」という理由を、筋道立ててすべて説明できるように準備することです。 単に「動くものを作った」というレベルでは、通用しません。「なぜこの言語や技術を選んだのか」「なぜこの画面遷移にしたのか」など、設計の細部に至るまでプロの視点で深掘りされました。
「なんとなく」「AIが出したから」ではなく、すべての選択に明確な意図を持ち、他人が見ても納得できる状態まで、思考を深めておく必要がありました。ここが、一番骨が折れたところですね。
Q. 面接で自社開発企業に特有の着眼点はあったか?
自社開発企業で見られていたのは、チーム開発を意識して「他人が読んでも理解・運用できるものになっているか」、そして「設計や技術選定の意思決定に筋が通っているか」という点だと思います。プロダクトと向き合う姿勢や、論理的思考力を深く見られていた印象です。
Q. 内定者に共通する「必要最低限のスキルライン」は?
内定者像としては、情報系出身者が多い傾向があります。ただ、真面目なエンジニアタイプにとどまらず、「趣味を持っている人」や「自己表現が得意な人」が多いように感じました。 選考時点での高い技術力は、必須ではないと思います。自分の考えをハッキリと持ち、それを言葉にして周囲と円滑にコミュニケーションが取れる。そういった「人柄の魅力」が共通していると感じます。
3.就活を振り返って「やるべきだ」と思うこと
Q. 就活で「やっておいてよかったこと」は?
早期からエージェントを活用したことと、ChatGPTなどのAIツールを使ってES作成や思考整理を徹底的に効率化したことです。教職課程の履修などで時間が限られていたので、自分に合った手段を選んで最短ルートで進めました。その選択が、早期内定に直結したと思っています。
Q. 就活で「やっておけばよかったこと」は?
大きく分けて2つあります。
1つは、各企業の事業構造や今後の注力分野について、事前にもっと深くリサーチしておくことです。単に「IT企業」「自社開発」という大枠で捉えるのではなく、その会社がどのようなビジネスモデルで価値を生み出しているのかまで踏み込んで理解すること。それにより、志望動機やキャリアプランについて話すときの説得力を、もっと高められたと感じています。
もう1つは、内定をもらってもすぐに就活を終えず、あえて視野を広げてじっくり考える時間を取ることです。クレディセゾンで提示していただいた条件や環境には、とても満足しています。ただ、他の選択肢も含めてフラットに比較する期間をきちんと挟んでいれば、「自分はこういう理由でここを選ぶんだ」という納得感をもう一段深められたと思うんです。そのほうが、確信を持って入社できるのではないかと感じています。
Q. 就活で「やらなくてもよかったこと」は?
学生時代の貴重な時間や活動をすべて犠牲にしてまで、高度な技術の勉強や資格取得にのめり込む必要はないと思います。
自社開発企業への就活を進めるうえで、基礎を固めることやポートフォリオ制作はもちろん必要です。ただ、学生時代にしかできないサークル活動や友人との関係、多様な課外活動をゼロにしてまで、技術を突き詰める必要はなかったと感じています。
実務に直結するような高度な技術や専門スキルは、基礎さえあれば、就職してからでも十分に伸ばしていけるのではないでしょうか。企業側も、新卒の学生に対してそこまでの即戦力レベルだけを求めているわけではないように思います。学習の必要性を理解したうえで、学生生活の学びや思い出とのバランスを大切にすることをおすすめしたいです。
Q. 同様の状況にある後輩が自社開発を目指すならまず何をやるべき?
おすすめのアクションは2つあります。
1つは、早い段階でイベントなどに参加して自分のレベル感を正しく掴むことです。周りに圧倒される経験を通して冷静に自分の立ち位置を把握でき、視野を広げるきっかけになります。
もう1つは、「自社開発」という言葉やイメージだけにこだわりすぎないことです。SESなども含めて幅広く比較・選考を受けてみたからこそ、「なぜ自分は自社開発で働きたいのか」という軸に本当の納得感を持つことができました。表面的な区分にとらわれず、納得して企業を見極めることが大切です。
4.エンジニアの就活やキャリアの今後について
Q. AIがエンジニアの就活市場に与えている影響の実感は?
定型的なコードを書く作業はAIに置き換わっていくので、今後はエンジニアの採用人数を減らす流れに偏るのではないかと感じています。 だからこそ、指示通り動くだけではない「思考力」や「マネジメント力」が、より求められるのではないでしょうか。
Q. AI時代のエンジニアキャリアに不安はある?今後の見通しは?
大きな不安はありません。なぜなら、私自身は新しい技術やAIが出てきたときに、「それを追うことが楽しいと思えるタイプ」だからです。 これからは、単に技術を身につけて満足する感覚でいると、苦しくなる時代だと思います。 でも、変化を楽しめる人であれば、十分に生き残っていけるのではないでしょうか。
Q. 今後、エンジニアとしてどのようなキャリアを築いていきたい?
コードをひたすら書くプログラマーにとどまらず、チームやAIを統括する「マネージャー・管理職」のキャリアを目指しています。 AIを部下のように扱いながら、人とのコミュニケーションや管理を行えるマネージャー職の需要は、今後より高まっていくと考えているからです。
5.事例から学ぶ!就活のポイント(編集部コメント)
今回の事例でぜひ参考にしたいのが、個人開発への向き合い方です。
自社開発企業を目指すと聞くと、「アプリを一から何でも作れる高い技術力が必要だ」と身構えるかもしれません。ですが、今回の先輩は、就活開始時点では開発スキルが初心者レベルでした。それでもクレディセゾンの内定を勝ち取れたのは、自分が作ったアプリについて「なぜそうしたのか」を、一つひとつ論理的に説明できたからです。使う技術や画面の設計に明確な意図があり、その理由を自分の言葉で語れることが、高く評価されました。
さらに参考にしたいのが、個人開発の「つくり方」です。先輩は、ただ動くものを作って終わりにせず、ほかのユーザーに使ってもらうことや、チームでの運用を見据えて制作しました。こうした意識は、自分の練習になるだけでなく、「チーム開発を意識できているか」を見る企業からも評価されやすくなります。
大切なのは、技術力の高さそのものよりも、意図を持って作ることです。「何となく」ではなく、「なぜこうするのか」を考えながら、まずは一つ、自分の手でアプリを作ってみましょう。
ITエンジニアを目指す新卒学生向け就活エージェントならレバテックルーキー
レバテックルーキーは、レバテックが運営するITエンジニア専門の就活エージェントです。多数のITエンジニアのキャリア支援経験のあるアドバイザーが、あなたのスキルと希望に合わせた企業の紹介から、人事目線での面接対策など、就職までを一貫してサポートします。ES添削、面接対策、ポートフォリオ作成サポートなども実施していますので、まずは一度カウンセリングにお越しください。
就活アドバイザーに相談してみる
関連記事









