作れるだけでは不十分。課題解決の視点からデザインも学び、@cosme運営のアイスタイルに内定

作れるだけでは不十分。課題解決の視点からデザインも学び、@cosme運営のアイスタイルに内定
「ただ動くものを作るだけじゃダメだ」。内容は面白いのに操作ボタンの配置が悪くて楽しめないスマホゲームに出会い、そう痛感した先輩がいます。

その思いからデザインを専攻し、「デザインとは、問題を解決するもの」という考え方を身につけました。そして、課題の発見から携われる自社開発企業を志し、株式会社アイスタイルの開発職から内定を獲得。就活が始まってから「提出できる成果物がない」と焦るほどでしたが、面接官の心に響いたのは、デザインと開発の間に立てる協調性でした。

「なぜ裁量やフィードバックを求めるのか」など就活の軸の原体験から、面接で問われて言葉に詰まった経験まで、詳しく聞きました。
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【プロフィール】

  • 卒業年度:2027年卒

  • 大学・専攻:理系大学 システムデザイン工学専攻

  • 内定先:株式会社アイスタイル

  • 職種:開発職

  • 事業領域:@cosmeなど自社プロダクトの開発・運営(配属部署は入社後に決定)

  • 初任給:年収450万円

1.就活前〜就活開始時に取り組んだこと

Q. 就職予定の企業の職種と事業領域は?

職種はエンジニア(開発職)として採用され、@cosmeをはじめとする自社プロダクトの開発・運用を担う予定です。具体的な配属部署はこれから決まります。


自社開発を選んだのは、指示どおりに作る受託やSESとは違って、「何が課題解決になるのか」を自分たちで一から考えて形にできる環境に惹かれたからです。


この考えの原点は高校生のときにあります。内容は面白いのに、操作ボタンの配置が悪くて楽しめないスマホゲームに出会い、「プログラムを作れるだけでは意味がない。UIを含めたデザインが必要だ」と痛感しました。それがきっかけで、デザインを専攻したんです。


大学で学んだ「デザイン=問題を解決するもの」という考え方は、自社開発の姿勢と通じる部分が多いと感じています。自分たちで課題を定義して形にできるアイスタイルなら、強い熱意を持って開発に取り組めると思い、内定を承諾しました。

Q. 就活前に開発関係で取り組んだものは?

就活を始める前は、大学の授業でゲーム制作を体験した程度で、アピールできるような本格的な成果物は持っていませんでした。授業課題の制作物には自分のアイデアが入っておらず、「成果物としては弱い」と感じていたからです。


そのため、就活が始まってから「このままでは提出できる成果物がない」と焦り、構想1日・実装2日の合計3日間で「見積書作成サイト」を作りました。これをポートフォリオとして用意しました。


そもそも、プログラミングに触れ始めたのは、高校1年生のときです。「エンジニアは儲かるらしい」という噂を聞いてJavaに挑戦しましたが、難しすぎて一度挫折しました。それでも諦めきれず、高校3年のときに、初心者でも扱いやすいJavaScriptで再挑戦しました。ProgateやAIを活用しながら独学を続けた経験が、この3日間でのサイト制作に役立ちました。

Q. 就活をスタートした時点での開発スキルと習得言語は?

アプリをゼロからすらすら作れるほどではなく、基礎的な構文や文法が何となく分かる、というレベルでした。


習得した言語と経験年数は、独学とAI活用で1〜2年ほど取り組んだJavaScriptと、大学の授業で2年ほど学んだProcessingです。C#は授業で少し触れた程度でした。


ただ、プログラミングは言語が違っても、やることの本質は同じで、構文が違うだけだと捉えています。だから、基礎さえあれば実務の中で対応できると考えていました。

Q. 就活のスタート時期と具体的にやったことは?

動き出したのは、修士1年の7〜9月くらいです。まずはレバテックなどの就活エージェントに登録しました。


開始当初は「年間休日」のような数字の意味すらピンと来なくて、正直「知識ゼロ」の状態でした。でも、アドバイザーと対話を重ねる中で、業界の常識や自分なりの選考基準――いわゆる「就活の軸」を少しずつ言葉にしていくことができたと思っています。

Q. 志望企業を絞り込むうえで重視した「軸」は?

「裁量があるか」「フィードバックがあるか」「成長・挑戦の機会があるか」の3つを軸にしていました。


ここには過去の原体験が深く関わっています。中学1年のバスケ部時代、試合後に改善のための具体策もなく、ただ感情的に怒られたことがありました。「どこを直せばいいのか分からない」と、悔しい思いをしたことが引き金になって退部しました。このときのモヤモヤから、「どう改善すべきか理由が明確で、納得感のあるフィードバックを得ること」が成長に欠かせないと痛感したんです。


その後始めた砲丸投げでは、「決められた練習だけじゃ意味がない」と考えました。そこで、自分なりに体幹バランスに着目した改善案を提案し、練習に取り入れてもらったんです。結果として記録がどんどん伸びて、都大会9位になることができました。この経験から、「やはり自分で考えて行動した方が面白いし、成長できる」と思うようになりました。この体験が、「裁量を持って自分で考えて提案したい」という軸の根っこになっています。

Q. 企業選びでAIを使った開発環境は確認した?

就活を開始した当初は、「AIを活用した最新の開発環境があるか」を企業選びの基準にしようと考えていました。だから、面接を受けるたびに「現場でAIをどのように活用していますか?」と質問していたんです。


ただ、どの企業も「手でコードを書かないレベルで導入している」という回答でした。そこで「AIの開発環境があることはもはや当たり前。企業選びの決め手にはならない」と気づいたんです。それからは特定の技術要素にこだわるのをやめ、企業独自の文化や働く人たちの人柄を見極めることへ意識を向けました。

2.株式会社アイスタイルの選考詳細

Q. 選考のフローと問われた内容、答えたこと は?

選考フローは、書類選考、1次面接、コーディングテスト、2次面接、最終面接の順でした。


面接で「周囲からどんな人と言われるか」と聞かれ、「『変わっている』と言われます」と答えました。その例として、「名古屋から東京まで徒歩で行こうとして、50kmで断念した」という失敗談を話しました。


思い立ったらすぐ動く行動力や、飾り気のない素直さをそのまま伝えたところ、面接官にも笑ってもらえて場が和んだのを覚えています。親しみやすさなど、人柄の部分を評価してもらえたように感じました。


また、自社開発で活かせる強みとして「デザイナーの意図を汲んで実装できる協調性」をアピールしました。この点も、個人としての大きな評価ポイントになったと思います。

Q. コーディングテストのレベル感や対策方法は?

選考でコーディングテストがあると知り、12月頃、テスト本番の約2週間前から対策を始めました。企業レビューサイトで事前に出題傾向を調べたところ、競技プログラミングサイトのAtCoderで、基礎レベルにあたるD問題程度が出題されると分かったんです。そこで、該当する練習問題をひたすら解きました。


普段取り組んでいたWeb開発は、UIのボタン配置や画面遷移などが中心です。それとは違って、「1〜100の中から奇数だけを取り出す」ような数学的・パズル的な処理が求められました。だから、最初は慣れるまでに時間がかかりました。ですが、1日1問ペースで解いていくうちに、問題のパターンが掴めるようになっていったんです。おかげで、本番もスムーズに対応できました。

Q. 面接でAIの利用はどう聞かれてどう答えた?

「成果物をAIで作ったのか」「どこまでAIに頼ったのか」といった利用状況について、直接深掘りされることはありませんでした。


選考にはWebコーディングテストが組み込まれており、自力でコードを書く基礎的な技術力はその時点で証明できていたのだと思います。そのため、特にAI使用のことは聞かなかったのではないでしょうか。

Q. 選考で見られていると感じたことは?

企業全体として重視されていたのは、高度な技術力ではなく、「人柄・ポテンシャル・他職種と円滑に意思疎通できるか」という点だったと思います。


コーディングテストも、AtCoderの基礎レベルが解ければ通過できる内容でした。技術面で過度に選別するというよりは、チームで働くうえでの協調性や人間性を見極めている印象を受けました。

Q. 選考で「難しい」と感じたことは?

最終面接で、「意見が噛み合わず、分かり合えないときはどうするか?」という、予期せぬ質問を投げかけられたことです。


とっさに「高級なiPhoneを使う人とコスパの良いAndroidを使う人の対立」を例に挙げました。個人の好みや価値観の違いは、いくら説明しても分かり合えないことがある。でも仕事の場なら、「ユーザーの利用データ」や「数字」といった個人の好みに左右されない事実から判断できます。そのため、チームとして合理的に正しい判断を下せる」と回答したんです。身近なたとえ話で場の雰囲気を和ませつつ、納得感のあるロジックを提示して乗り切りました。

Q. 面接で自社開発企業に特有の着眼点はあったか?

着眼点は、企業ごとにはっきり分かれていると感じました。技術力を最優先で見極める企業もあれば、基礎スキルに加えて人柄や協調性、思考力を重視する企業もあります。アイスタイルは後者でした。


他社の面接では、AI利用について「ChatGPTを使っている程度では使い込んでいるとは言えない」と指摘されました。技術レベルを厳しく確認される場面もあり、「企業ごとに評価の軸がこんなにも違うんだ」と感じたことを覚えています。

Q. 内定者に共通する「必要最低限のスキルライン」は?

AtCoderの基礎レベルが解けるプログラミングのスキルと、コミュニケーション力だと思います。


実際の内定者には非常に高い技術力を持つ人もいましたが、必ずしも全員がハイレベルな実績を持っているわけではありませんでした。 最低限の基礎を押さえた上で、他職種やチームメンバーとスムーズに意思疎通できる協調性を示すこと。そうすれば、十分に通用するのではないでしょうか。

3.就活を振り返って「やるべきだ」と思うこと

Q. 就活で「やっておいてよかったこと」は?

レバテックなどの就活エージェントへの早期登録です。就活の知識や判断基準がまだ手探りだった初期段階で、プロのアドバイザーと対話できたのが良かったです。


当時は求人票の「年間休日◯日」といった数字を見ても、それが自分にとってどんな意味を持つのか実感を持てずにいました。アドバイザーと会話を重ねる中で、世の中の相場感や「自分が会社選びで重視したいこと」が整理され、就活の軸を早い段階で言語化できたと感じます。


自分一人で調べ込んで判断しようとしていたら、迷う時間が長かったと思います。希望に合いそうな企業を提案してもらえたことで、効率よく情報収集を進められました。

Q. 就活で「やっておけばよかったこと」は?

「就活の軸」や「将来像」といった頻出質問に対して、回答の骨組みを事前に整理しておくことです。


当初は「棒読みになることや、想定外の質問に答えられなくなること」を恐れ、あえて原稿を作らずに面接に臨んでいました。ですが、準備がない状態では「就活の軸」といった基本的な質問にすら答えに詰まってしまったんです。回答を丸暗記する必要はありません。ただ、「今後のキャリア」「どんなエンジニアになりたいか」といった基本質問については、要点を整理して頭に入れたうえで、臨機応変に話せる状態にしておくべきでした。あわせて、実際の面接で場数を重ね、「どう話せば相手に伝わるか」をつかんでおくことも大切だと痛感しました。

Q. 就活で「やらなくてもよかったこと」は?

アピール目的の資格取得といった、見せかけを繕うための行動です。


選考用に過剰な背伸びをして内定をもらったとしても、入社後にミスマッチが生まれて苦しくなるだけだからです。自社開発企業と一口に言っても、求める人物像は企業によって様々です。


むやみに自分を飾るために時間を使うのではなく、「自分が目指す企業が本当に求めているもの」を知った上で、アピールに使えそうな自分の魅力やエピソードを探すのが合理的だと感じています。

Q. 同様の状況にある後輩が自社開発を目指すならまず何をやるべき?

日常の中にある「小さな不満」を解消するプロダクトを、まずは1つ作ってみることがおすすめです。


ゼロからすごいサービスを作る必要はありません。「筋トレメモアプリの広告が邪魔だから、自分用に広告なしで作る」くらいの動機で十分です。


Progateなどの基礎学習サイトで文法を理解したら、AIに「どんな処理が必要か」を相談しながら形にしていくのが良いと思います。


また、完璧を目指して何ヶ月もかけて作る必要はないと思います。既存サービスの不満解消に特化して、数日から1週間程度でサクッと作り切るだけでもいいです。自分で調べて解決していく自走力と、基礎的な実装力を身につけるきっかけになるはずです。

4.エンジニアの就活やキャリアの今後について

Q. AIがエンジニアの就活市場に与えている影響の実感は?

新卒であっても、「コードが書けること」以上の価値や採用理由が問われるようになったと感じています。


他社の社長面接では、「AIの方が賢くコードを書ける時代に、なぜAIではなくあなたを雇う必要があるのか?」と直接問われました。「開発ができます」というアピールだけでは通用しません。AIの存在を前提に、「人間である自分を採用する意味」を言語化して答える必要があると痛感した瞬間でした。


この面接を通じて、「人の悩みを深く汲み取り、プロダクトに落とし込む力」こそがAI時代に人間に残された役割なのだと気づかされました。エンジニアとしての自分の価値や、今後のキャリアをより深く考える大きなきっかけになったと思います。

Q. AI時代のエンジニアキャリアに不安はある?今後の見通しは?

コードを書く技術だけではAIに勝てません。だから、仕事が減っていく不安は常にあります。これからは単なる実装担当ではなく、AIをいかに使いこなすかが勝負になると感じています。


たとえば、AIへの指示出しが格段に上手い人。あるいは、トークンの消費量を抑えながら最適なコードを出力させられる、プロンプト技術を持った人。そういう人たちが生き残るはずです。AIをライバル視するのではなく、「AIの扱い手」としてのスキルを磨くことが不可欠だと思います。

Q. 今後、エンジニアとしてどのようなキャリアを築いていきたい?

仕様書どおりに作るだけでなく、「企画や課題解決の上流工程から関われるエンジニア」を目指しています。


特にアイスタイルのような自社開発の現場では、デザイナーなど他職種と対等に議論しながらプロダクトを作り上げていきます。だからこそ活かしたいのが、自分の強みである「他職種の意図を汲み取る協調性」と、「自分で考えて改善する視点」です。この2つを生かして、ユーザーの悩みを解決できる存在になりたいと思っています。

5.事例から学ぶ!就活のポイント(編集部コメント)

今回の事例でとりわけ光っていたのが、「課題解決」という一貫した視点です。そして、その視点が実体験に裏打ちされているからこそ、語られる言葉に強い説得力が生まれていました。記事を読んで、納得感を覚えた人も多いのではないでしょうか。


先輩の原点は、身の回りの小さな違和感でした。「内容は面白いのに、ボタンの配置が悪くて楽しめないゲーム」に出会い、「作れるだけでは意味がない」と感じてデザインを学び始めます。中学の部活で「頭ごなしに怒られて、改善点が分からなかった」経験からは、「納得できるフィードバックのある環境で働きたい」という軸が生まれました。砲丸投げでは、決められた練習にとらわれず、自分で改善案を試して記録を伸ばしています。


どれも、課題に気づき、自分で考えて行動した経験です。だからこそ、「裁量がほしい」「フィードバックを重視したい」という軸が、実体験に根ざした希望として強い説得力を持っています。


就活の軸は、言葉だけを立派に整えても、面接で「なぜ?」と掘り下げられると崩れてしまいがちです。まずは、過去に自分が向き合った課題と、そこで取った行動を振り返ってみましょう。そこから導いた軸であれば、どんな質問にも自分の言葉で、説得力を持って答えられるはずです。

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