飛び込んだ先で世界が変わった。NTTドコモ内定者が語る「ベンチャーインターン」で培ったキャリア観

今回お話を伺ったのは、学部2年の冬からベンチャー企業での長期インターンに挑戦し、株式会社NTTドコモと楽天グループから内定を獲得した先輩です。
優秀な現役エンジニアたちに囲まれる環境に飛び込んだことで、コードを書くだけにとどまらない「上流工程の思考力」や「AIを駆使した最新の開発フロー」を体得。実務経験を通して技術力を引き上げるとともに、自分だけの「就活の軸」を確立しました。スキルアップのきっかけを掴みたいエンジニア志望者必見のインタビューです。

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【今回お話を伺った先輩のプロフィール】
・卒年度: 2027年卒
・大学・専攻: 修士課程・情報通信工学専攻
・就職先: 株式会社NTTドコモ
・職種: プロダクト・サービスエンジニア
・配属事業: スマートライフ事業・通信事業など(配属部署は未定)
・その他内定先: 楽天グループ
・初任給: 年収500万~600万円程度(想定)
1.就活前~就活開始時に取り組んだこと
Q. 就職予定の企業の職種と事業領域は?
配属部署はまだ決まっていませんが、プロダクト・サービスエンジニアという職種での採用が決定しています。NTTドコモが提供する各種サービスのシステム開発や運用を担当するポジションです。
NTTドコモの事業領域は、よく知られている通信事業のほかにも、金融・決済(d払いなど)や映像配信・エンタメ(Leminoなど)といったスマートライフ事業、さらには法人向けのDXソリューションまで多角的に展開しています。
参考:プロダクト・サービスエンジニア|DOCOMO RECRUIT
Q. 就活前に開発関係で取り組んだものは?
学部1年から始めた開発系サークルでの活動に力を入れていました。ここではWebアプリやゲームの開発をはじめ、新入生向けハッカソンの主催などを経験しています。また、ベンチャー企業での長期インターンシップも私にとって大きかったです。
サークル活動で特に印象に残っているのは、学部3年時に約40名の新入生が集まったハッカソンを主催したことです。当時、新入生には「開発経験がなく、何から手をつけるべきか分からない」という課題があったため、webアプリケーションの作成を体験できるハッカソンを主催したんです。
ところが、指導を行う上級生には「自身の開発と両立が難しい」という課題がありました。
そこで、手が空いた都合の良いタイミングで指導ができるよう、「メンター制度」を企画したんです。具体的には、ハッカソンの前に基礎レクチャーや環境構築などの支援を先輩たちに担当してもらいました。当日は参加できない上級生も、都合の合う日に後輩をサポートできたことで、新入生の定着率向上にも貢献できました。
一方、学部2年の11月から続けているITベンチャー企業での長期インターンシップでは、バックエンドの実務開発を担当しています。コードを書くだけでなく、要件定義や技術選定の検討など、上流工程にも関わっています。
優秀な現役エンジニアたちに囲まれながら、現場における最先端の技術ノウハウやAIを活用した効率的な開発フローを、身をもって体感できました。
Q. 就活をスタートした時点での開発スキルと習得言語は?
就活を始めた修士1年の春頃には、実務レベルのバックエンド開発が一人でできる状態になっていました。
サークル活動では、ぷよぷよ風のパズルゲーム制作や、好きなボードゲームをWebアプリ化して遊べるシステムの構築などにも挑戦しています。NTTドコモではポートフォリオの提出枠はありませんでしたが、開発成果物やコードを蓄積していたGitHubのURLを自主的に提出し、アピール材料として活用しました。
習得言語としては、ゲーム開発で用いたC#、Webアプリ開発で用いたJavaScript、TypeScript、PHPなどで、それぞれ約1年ほど経験しています。
Q. 就活のスタート時期と具体的にやったことは?
修士1年の4月頃には、Webテストやコーディングテスト対策を始めました。具体的にはAtCoderに挑戦し、初心者向けのABC(AtCoder Beginner Contest)を中心に解いて茶色レベルのスキルを身につけています。
情報収集においては、エンジニア就活の情報が集まる有志の共有シート『魔法のスプレッドシート』を活用し、自社開発企業や大手企業のサマーインターン締め切り・選考情報を網羅的にキャッチアップしました。
サマーインターン期には自身の視野を広げるため、エンジニア職だけでなく、銀行員や生命保険会社の営業職など他職種のインターンにも幅広く参加しました。こうしたさまざまな体験を経て、「やはり自分にはエンジニア職が一番合っている」と確信できたんです。エンジニアとして就職する決意を固めたのは、サマーインターンが終わった修士1年の9~10月頃でした。
Q. 志望企業を絞り込むうえで重視した「軸」は?
エンジニア職であることに加え、AIに対する感度の高さや積極的な活用姿勢を重視しました。
これには、長期インターン先のベンチャー企業での経験が影響しています。技術力の高い現役エンジニアたちとともに働くなかで、AIによって開発スピードや効率が劇的に変わることを実感しました。たとえば、AIペアコーディングなどを取り入れることで実装やデバッグの手間が大幅に削減され、1人でこなせる開発の限界値が格段に広がります。そのような経験から、就活では「どれだけ技術的に風通しが良いか、最新技術を積極的に取り入れているか」を企業選びの重要な軸として持つようになりました。
Q. 企業選びでAIを使った開発環境はどのように確認した?
面接における逆質問の場で、「開発現場におけるAIの導入状況や活用法」について毎回ストレートに質問しました。たとえば、他社では「何かしら使っており、推奨もされている」という少しぼかした回答にとどまったのに対し、NTTドコモは「社内向けAIプラットフォームの提供」といった具体的な取り組みを提示してくれたのです。私が参加したNTTドコモのサマーインターンでもAIペアコーディングを取り入れていたことから、新しい技術を積極的に導入する風土を感じました。
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2.株式会社NTTドコモ・楽天グループの選考詳細
Q. 選考(テスト・面接)で問われた内容と評価ポイントは?
NTTドコモの選考は、エントリーから内定まで約1ヶ月と非常にスムーズでした。サマーインターン参加後、10月に早期選考の案内があり、ESの提出と面接2回を経て11月に内定をいただきました。大手企業でありながらAIをはじめとした最新技術を積極的に取り入れる姿勢と、大規模ユーザーを抱える環境に惹かれて入社を決めています。 面接やテストの詳細は以下のとおりです。
NTTドコモの選考
コーディングテスト
本選考・インターン選考ともにコーディングテストはなく、かわりにSPIと技術力に関する選択式の独自Webテストが実施されました。
1次面接(エンジニア)
「人生でチャレンジしたエピソード」を聞かれたため、サークルでのハッカソン主催経験を伝えています。新入生と上級生、双方の課題に対して「メンター制度」を導入して成果を出したプロセスを論理的に説明し、高く評価していただけました。技術力自体はサマーインターンで確認済みという前提があったため、主にコミュニケーション能力や「一緒に働けそうか」という人柄が見られていた印象です。
最終面接(人事)
「高校時代の部活」といったオーソドックスな質問から「人生で大変だったことベスト3」といった変化球の質問まで淡々と飛んできました。焦らずに即答できる臨機応変さや受け答えの柔軟性を試されていたと感じます。
楽天グループの選考
コーディングテスト
インターン選考時にコーディングテストが出題されました。内容はAtCoderレベルのアルゴリズム問題で、茶色レベルの知識があれば十分対応できる難易度という印象です。
面接内容
本選考は面接2回でした。1次面接で「趣味はカラオケ」と答えた際、「カラオケ機器のUIを、自身の技術力でどう改善できるか」といった技術的思考を問う変化球の質問がありました。
Q. 面接でAIの利用はどう聞かれ、どう答えた?
面接で企業側からAI活用について問われることはなかったため、逆質問の場でAI導入状況について質問していました。最新技術に対する感度の高さを自分なりに見極めるためです。
Q. 選考で難しいと感じたことは?
NTTドコモの早期選考ルートにおいては、サマーインターンシップでのパフォーマンスを踏まえた選考であったため、企業側も終始採用に前向きだった印象です。選考そのものより夏のインターン期からの選考プロセスの中でモチベーションを維持し続けることが、一番大変でした。
就活中は「とにかく早く内定を得て安心したい」という焦りと、「これまでサークルやインターンで頑張ってきた経験を絶対に無駄にしたくない」という意地がありました。その2つの思いがあったからこそ、最後まで妥協せずに乗り切れたのだと思います。
Q. 面接で自社開発企業に特有の着眼点はあったか?
面接では、日常の何気ない出来事にも「エンジニアとしての問題意識」を持って生活しているかや、意図せぬ質問に対する柔軟さが見られているように感じました。
実際に楽天グループの面接で、趣味のカラオケについて「自分の技術力でどう改善できるか」と深掘りされたときのことです。私は普段から感じていたデンモク(端末)の使いづらさに着目し、「利用頻度に応じたボタン配置や強調方法の工夫」というUI改善案を回答しました。単なる技術アピールにとどまらず、日常のあらゆる場面でエンジニアとしての思考を巡らせているかを見られていたと感じます。
Q. NTTドコモの内定者に共通する必要最低限のスキルラインは?
自力で開発できるレベルの人が多いという印象です。特に大学院生が多く、実際に私が参加したサマーインターンでも30名中、学部生はわずか1名という環境でした。
専攻にもよりますが、大学院生は研究を通じてプログラミングのスキルを磨く機会が多いため、内定者に多いのではないかと考えています。
そのため、研究や開発の場数を踏んだ学生たちの中で評価されるには、知識だけでなく「自力でアプリを開発し、デプロイした経験」が不可欠なのではないでしょうか。
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3.就活を振り返って「やるべきだ」と思うこと
Q. 就活で「やっておいてよかったこと」は?
就活前に取り組んでよかったのは、開発系サークルでの活動とベンチャー企業での長期インターンシップの2つです。
サークル活動では、仲間とともにハッカソンに挑戦したことで、面接で自信を持って話せる実践的なエピソードや実績を作ることができました。
一方、長期インターンではバックエンドの実務開発に携わったことで、現場の技術レベルや開発フローへの理解が深まり、選考を優位に進める大きな強みになったと感じています。
Q. 就活で「やっておけばよかったこと」は?
大学院進学を予定している場合であっても、学部3年時点で一度就活に挑戦しておけばよかったと感じています。早期に就活の進め方や雰囲気を知っておくアドバンテージは大きく、万が一研究が自分に合わなかった際に「学部卒で就職する」という選択肢も作れるためです。
Q. 就活で「やらなくてもよかったこと」は?
「やらなくてもよかった」と感じる勉強や経験は、特にありません。最初はコードのエラーやバグに何時間も悩まされるなど、遠回りに思えることも多くありました。けれど、思い通りにいかない体験も含めて地道にプログラミングに触れ続けてきたことすべてが、エンジニア職への深い理解や面接での説得力につながったと感じています。
Q. 同様の状況にある後輩が自社開発を目指すなら、まず何をやるべき?
新しい環境や技術レベルの高い集団に怯まず飛び込んでみることです。私の場合は、長期インターンで優秀なエンジニアたちの中に飛び込んだことで、圧倒的な開発スピードや最先端のAI活用手法を身をもって体感できました。
また、AIツールを駆使してでも構わないので、「インプット → 実装→ リリース(デプロイ)」までの一連の開発プロセスを一人でやり切る体験を早めにしておくことを強くおすすめします。
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4.エンジニアの就活やキャリアの今後について
Q. 採用人数の減少や初任給の上昇など、AIがエンジニアの就活市場に与えている影響の実感は?
生成AIの登場によって、新卒であってもエンジニアに求められる基準が高くなっていると感じます。
ベンチャー企業でインターンをする中で強く感じるのが、AIによる開発現場の激変ぶりです。実際、コードを書くのではなく、技術選定やシステム設計など「決め事」が増えたなという印象があります。
正直、単純な実装やコーディングといった下流工程に関しては、AIの方が人間より速くてきれいなコードを書ける時代になっています。だからこそ、これからのエンジニアに求められるのは、要件定義やアーキテクチャ設計、マネジメントといった「より上流の思考力」なのではないでしょうか。新卒の就活であっても、コーディングだけではない、高い視座が求められるようになったと思います。
Q. AI時代、エンジニアとしてのキャリアに不安はある?今後の見通しは?
「AIの進化でエンジニアは危ない」という世間の声もありますが、AIの影響を受けるのはどの職種も同じ。過度に不安視はしていません。
むしろ、AIが簡単にコードを書いてくれる時代になったからこそ、「自分ではコードが書けないエンジニア」が増えていくのではないかと思っています。だからこそ、時間がある学生のうちに泥臭くコーディングの知見を深めておくことが大切です。裏側の仕組みやコードの本質を理解しているからこそ、AIへの指示出しの質に圧倒的な差が生まれ、将来的な強みや差別化につながるのではないでしょうか。
Q. 今後、エンジニアとしてどのようなキャリアを築いていきたい?
短期的には、ドコモの大規模なサービス開発・運用の現場で実務ノウハウを学び、技術者としての基礎と現場対応力を磨いていきたいです。
そして中長期的には、サービス全体の設計や要件定義といった上流工程からプロジェクトを引っ張れる存在を目指します。数千万人規模のインフラやサービスを通じて、社会に大きな影響を与えるプロダクトを生み出していきたいと考えています。
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5.事例から学ぶ!就活のポイント(編集部コメント)
今回の事例からは、インターンに参加する意義とタイミングについて学べる点があります。編集部の視点で3点補足します。
1つ目は、長期インターンで得られるものが技術力に限らない点です。よく挙がる参加目的は「技術力を高めたい」「チーム開発を経験したい」といった内容ですが、今回の先輩は学部2年から続けたインターンで、キャリア観を形成し、就活の軸を固めていました。AIで開発スピードが変わる現場を知り、「技術的に風通しが良いか」という企業選びの基準が生まれています。
2つ目は、技術力を早めに固める意義も大きい点です。上位の自社開発企業では、サマーインターンの選考で技術力を確認したうえで早期選考を案内し、本選考では志向性や価値観を見て内定を出すパターンが多く見られます。今回の先輩も、本選考ではコーディングテストがなく、人柄や柔軟性を問われていました。
3つ目は、飛び込むタイミングです。サマーの選考を突破できる技術力が必要になるからこそ、早く現場に入る価値があります。「自分のスキルで通用するのか」と迷う気持ちは自然ですが、1・2年生向けのインターンでは、そこまで高い技術力を求められない場合もあります。恐れずに飛び込んでみるのがおすすめです。
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