IT業界特有の適性検査5種類とは?特徴と対策・適性が高い人の特徴を解説

IT業界特有の適性検査5種類とは?特徴と対策・適性が高い人の特徴を解説
IT業界に限らず、就職活動では適性検査の受検が最初のハードルとして立ちはだかることが大半です。適性検査を通過できないと選考に進めないため、志望する企業に合わせた対策が欠かせません。 この記事では、IT業界特有の適性検査5つについて、特徴と対策をまとめました。IT業界への適性が高い人・低い人に共通する特徴も解説しているので、IT業界への就職を希望する人はぜひ参考にしてください。

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1.IT業界の適性検査はエンジニアの適性を図るもの

IT業界に限らず、就職活動の選考初期には適性検査が行われます。IT業界における適性検査は、おもにエンジニアとして活躍できる素養があるか見極めるものです。
ITエンジニアという職種に対してはもちろん、自社の雰囲気・社風にマッチしているかを適性検査で判断しています。エンジニアに向いている人の特徴や人柄・性格には一定の傾向があり、客観的な視点から応募者の特徴を判断するためのツールが適性検査なのです。
関連記事:エンジニアとは?26種類の仕事内容を年収・適性とあわせて解説

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2.IT業界の適性検査は能力検査と性格検査の2つ

IT業界を志望する学生にとって、避けて通れないものが「適性検査」です。多くの企業がエンジニア採用の初期段階で実施しており、応募者の基本的な能力や性格の傾向を見極める目的で活用しています。
この適性検査は、大きく分けて「能力検査」と「性格検査」の2つに分類されます。たとえば、「SPI」「玉手箱」「CAB・GAB」などのテスト形式は、いずれもこの2種類を組み合わせて実施されることが一般的です。どちらの検査も、IT業界で活躍するうえで重要な視点を含んでおり、企業側は点数だけでなく、バランスよく総合的に評価しています。
また、特に人気の高いIT企業やベンチャー企業などでは、選考の絞り込みに適性検査の結果を重視しているケースもあります。そのため、「適性検査では何を見られているのか」を理解し、それに合わせた対策をしておくことが、選考通過の第一歩となるでしょう。
関連記事:SEの適性検査はどんな問題が出る?対策方法を解説

能力検査は「論理的思考力・計算力・基礎学力」を測る

能力検査では、論理的に物事を考える力や、数値をもとに正しく処理する力などが問われます。これらは、エンジニアとして業務に取り組む際に必要な、問題解決能力や正確な処理能力を評価するためです。
たとえば、「次の条件を満たす数字の組み合わせを選びなさい」といった論理パズルのような問題や、「A社とB社の売上推移をグラフで比較し、正しいものを選べ」といったデータ読解問題が出題されます。いずれも、単なる知識よりも「考える力」や「読み取る力」が求められる内容です。
また、非言語分野では素早く正確に計算できる力も試されます。プログラミングではコードを書くときに数値や処理の流れを考える場面が多いため、数に対する苦手意識が強いと、実務でも苦労しやすい傾向があります。
対策としては、SPIや玉手箱の問題集に取り組んでおき、問題形式に慣れておくことが効果的です。また、時間制限があるテストが多いため、正確に、かつスピーディに解く練習も重要となります。
関連記事:ロジカルシンキングとは?鍛え方や手法・フレームワークを紹介

性格検査は「仕事への価値観・考え方の傾向」を見る

性格検査では、あなたの考え方の傾向や行動パターンが評価されます。これは、「どんな働き方をしたい人なのか?」「チームでの役割は?」「安定を重視するタイプ?挑戦志向?」といった価値観や仕事への向き合い方を可視化するためのものです。
たとえば、「物事は慎重に進めるほうだ」「困難な状況でも冷静に対処できる」といった設問に対して、「とても当てはまる」「まったく当てはまらない」などの選択肢から回答していきます。回答結果から、「この人はチームで協調性を持って働けそうか?」「マルチタスクに強そうか?」などが分かる仕組みです。
企業側は、結果の良し悪しではなく、自社の職場環境やチームの雰囲気と合うかどうかを判断する材料として使っています。そのため、「こう答えたほうが評価されそう」と嘘をつくのではなく、ありのままの自分の価値観で答えることが最も大切です。むしろ無理に取り繕っても、配属後のミスマッチや早期離職につながる恐れもあります。
このように、適性検査は「この人と一緒に働いていけるか?」という視点で判断される大切なものです。次の章では、適性検査の種類や具体的な内容と対策について詳しく解説していきます。

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3.IT業界の適性検査の種類はおもに5つ

ここでは、IT業界の就職活動で使用されるおもな適性検査を5つ解説します。
各適性検査によって特徴や試験方法が異なるため、IT業界を志望する人は一つずつ確認しておきましょう。

CAB

CABは「Computer Aptitude Battery」の略で、「コンピューター職適性診断テスト」を指します。日本エス・エイチ・エル社が提供しており、SEやプログラマー職の選考を受ける際に課されることが多い適性検査です。
CABの目的は、コンピューターを扱う専門職の適性があるかにプラスして、バイタリティやチームワークといった特性について測ることです。
試験方式は、筆記(マークシート方式)とWebの2種類で、近年はオンラインで手軽に受検できる「WebCAB」が主流となりつつあります。
CABの問題構成と出題数、回答時間は以下の通りです。

問題種別 出題数 回答時間
暗算 50問 10分
法則性 40問 15分
命令表 50問 20分
暗号 39問 20分
パーソナリティ診断 68問 30分
CABの特徴

問題構成を見てもわかるように、出題数に対する回答時間が非常に短くなっています。暗算の場合は1問10秒程度で回答する必要があり、問題慣れが欠かせません。
法則性は表示されている図形の中から法則を見つけ出す問題で、このほかにも、命令表に記された命令を実行し、そこから導き出される図形がどれかを解くものや、図形から暗号を解読する問題などがあります。
CABの場合は電卓の使用ができないため、素早く要領よく問題を解けるかが高評価の鍵を握るでしょう。

CABの例題・対策

CABは、計算力や論理的思考力などを見ています。対策としては、CAB専用の問題集や過去問、アプリなどを活用して問題形式に慣れることが何よりも大切です。初見では難しくても、パターンを掴めば得点アップしやすいため、ひたすら問題を解いて対策しましょう。
ここでは、暗算と法則性の例題を紹介します。
例題①
69×81=?
A.2,390 B.8,746 C.5,589 D.27,809 E.4,521
答えはCです。
例題②
20×30×58÷2×4÷3=?
A.23,200 B.48,950 C.53,230 D.6,700 E.130,000
答えはAです。
例題③
?に当てはまる選択肢はどれか。

四角の中の記号は時計回りに進んでいるため、答えはCです。

GAB

GABは「Graduate Aptitude Battery」のことで、「総合適性診断テスト」を指します。GABも日本エス・エイチ・エル社が提供しており、主に新卒や総合職採用の際に総合的なパーソナリティを計測するのに活用されています。
試験方式は、筆記形式のGABとオンライン受検のWebGAB、テストセンターで受検するC-GABがあります。さらに、より難易度の高いGAB Compactや新卒者用に科目が追加されたWebGAB Plus Oneもあります。
GABの問題構成と出題数、回答時間は以下の通りです。 

問題種別 出題数(公表なし) 回答時間
言語理解 25分
計数理解 35分
パーソナリティ診断 30分
なお、WebGABに関しては、言語理解が出題数は52問・制限時間は25分で、計数理解は40問・35分の内訳になっています。パーソナリティ診断では68問が出題されるため、通常のGAB試験も同様の出題数と推測されます。
GABの特徴

言語理解では、長文を読んだ上で設問の正否を回答する、いわゆる国語・現代文の問題をイメージすれば相違はないでしょう。計数理解では、示された表やグラフから、質問されている答えを導きます。
GABでは、長文読解や図形の読み取りなど、より高い対応力が求められる点が特徴の一つです。

GABの例題・対策

GABでは、短時間で文章や表を正確に読み解く力が問われます。SPIや玉手箱よりもやや難易度が高く、じっくり読解する力が求められるため、参考書で問題を解くコツを掴むことが重要です。ここでは計数問題と性格検査の例題を紹介します。
例題①
式中の▢に入る数値として正しいものを、A〜Eの中から1つ選びなさい。
250の▢%は75。
▢に入る数値はどれか?
A.30 B.25 C.15 D.35 E.22
答えはAです。
例題②
各問のYes/Noを選択しましょう。
A. 決められた手順に沿って動くのが得意だ
B. 周囲の空気を読むことを大切にしている
C. ミスを防ぐために何度も確認する
D. 自分の考えを論理的に説明するのが得意だ
性格検査には正解がありません。嘘をついて良く見せるよりも、ありのまま答えることが大切なので、あまり深く考えずに直感的に答えていくようにしましょう。

ATPP

ATPPは、IBM社が提供している適性検査で、エンジニアの適性を測ることを目的としています。
算数や数学、数列を軸にしたロジカルな問題によってプログラミング能力を測ります。
それほど難易度の高い問題こそないものの、出題数が多いため注意が必要です。また、時間制限もあるため、スピーディーに解答する能力も求められます。

ATPPの特徴

ATPPは過去問が公開されておらず、専門の参考書も市販されていません。そのため、事前にATPPの問題を解けない点には注意が必要です。
ただし、出題内容はCABに似ていると言われているため、CABの過去問を解いて対策するとよいでしょう。

ATPPの例題・対策

先ほど解説したように、ATPPは公表されている過去問や公式な問題例がほとんど存在しないため、対策としてはCABの問題に慣れておくことが有効です。CABの参考書やWeb模試を活用して、繰り返し練習することをおすすめします。
例題①
1個250円のりんごを3個買って、1,000円札を出した。おつりはいくらか?
A. 150円 B. 250円 C. 200円 D. 300円
以下のような計算式となるため、答えはBです。
250円×3=750円
1000円−750円=250円
例題②
DさんはEさんより背が高く、FさんはEさんよりも低い。では、最も背が高いのは誰か?
A.Dさん B.Eさん C.Fさん D.分からない
D>E>F の関係が成り立つため、答えはAです。

玉手箱

玉手箱は日本エス・エイチ・エル社が提供する適性検査で、暗算や計数理解といった数学のような問題だけでなく、より広範囲な問題が出題されます。
玉手箱はIT業界に限らず、各業界でも広く使用される傾向にある適性検査で、自宅で受検する形式です。
玉手箱の問題構成や出題数、回答時間は以下の通りです。

問題種別 出題数 回答時間
言語
 論理的読解

32問

15分
 趣旨判定
 趣旨把握
32問
10問
10分
12分
計数
 四則逆算
 図表の読み取り
 表の空欄の推測

39問
29問
20問

20分
15分
20分
英語
 論理的読解
 長文読解

24問
24問

10分
10分
玉手箱の特徴

玉手箱の出題内容は多岐にわたるように見えますが、実際は企業によって上記のなかから選別して適性検査を構成しています。そのため、実際にどの問題が出題されるかはわかりません。
いずれの問題で適性検査が構成されたとしても、総じて制限時間は短く、いかに早く問題を解くかが鍵を握ります。

玉手箱の例題・対策

玉手箱は、SPIと並んで多くの企業が導入しているWebテストであり、時間が非常に短く、スピード勝負の検査です。設問形式に慣れていないと最後まで解けません。問題集を使って出題パターンを覚えることと、計算スピードを上げる練習が有効です。ここでは、論理的読解から例題を紹介します。
例題①
以下の文を読んで適切なものを選びなさい。
「自動運転技術の普及には、安全性と法整備の両面からの対応が必要である。」
A. 自動運転はすでに完全に安全である
B. 自動運転には社会全体での準備が必要である
C. 技術者だけで解決できる問題である
答えはBです。

SPI

SPIは「Synthetic Personality Inventory」の略で、「総合適性検査」と言います。リクルートキャリアが提供している検査で、多くの企業が選考時に導入していることでも有名です。
検査は「基礎能力検査」「性格検査」の2つを軸に実施されます。
受検形式は、専用の会場で受検するテストセンター方式のほか、自宅などからオンラインで受けられるWebテスティングがあります。また、企業が用意したパソコンを使って訪問先で検査を受けるインハウスCBT、筆記のペーパーテスティングがあります。
SPIの問題構成や出題数、回答時間は以下の通りです。

問題種別 出題数(ペーパーテスト) 回答時間
言語問題 40問 30分
非言語問題 30問 40分
性格検査 300問 40分
なお、上記はペーパーテストにおける出題数と回答時間で、受検方式によって出題数と制限時間は異なります。
SPIの特徴

基礎能力検査では、文章の読解力や理解力といった言語問題と、論理的な思考力や処理能力の有無を診断するための非言語問題が出題されます。
性格検査は、どのような性格の持ち主なのかを診断し、自社に適した人材かどうかを判断するための検査です。
基礎能力検査は1問1分前後、性格検査は1問あたり8秒で回答しなければなりません。SPIはIT業界に限らず採用されるケースが多いため、対策は必須といえるでしょう。

SPIの例題・対策

SPIは最も一般的な検査で、参考書や対策アプリが豊富です。特に苦手分野を重点的に押さえ、本番同様の制限時間で繰り返し練習することが得点アップにつながります。性格検査も含まれるため、落ち着いて等身大で答える意識も忘れないようにしましょう。
例題①
「堅実」の意味に最も近いものを選びなさい。
A. 着実 B. 軽快 C. 奇抜 D. 突発
答えはAです。
例題②
全体の20%が女性で、女性は60人である。全体の人数は何人か?
答えは60÷0.2=300人です。

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4.IT業界の適性検査ではどんなスキルや能力が評価される?

IT業界の適性検査では、単に「点数が高ければ良い」というわけではありません。企業が重視しているのは、エンジニアとして業務をこなすうえで欠かせないスキルや資質を備えているかどうかです。
ここでは、特に評価されやすいスキルや能力を5つ紹介します。
関連記事:エンジニアに必要なスキル一覧!7つの必須スキルと職種別の身につけたいスキルまとめ

論理的思考力

IT業界で最も重視されるスキルの1つが、論理的に物事を考える力です。エンジニアの仕事は、システム開発やアプリの設計、バグの修正など、常に「なぜそうなるのか?」を筋道立てて考えることが求められます。
たとえば「このコードがエラーを起こしている理由は何か?」といった問題に対して、原因を切り分けて1つずつ検証していく力はまさに論理的思考です。
適性検査では、「順序立てて説明できるか」「条件から正しい答えを導けるか」といった問題でこの力が評価されます。

スピード感や正確性

IT業界はスピードが命、と言っても過言ではありません。
システムトラブルの対応や納期に追われる開発現場では、限られた時間の中でミスなく処理をこなす能力が非常に大切です。適性検査でも、限られた時間でどれだけ正確に解答できるかが見られており、単純な正答率だけでなく、処理スピードそのものも評価対象となります。

協調性やチームワーク力

エンジニアは個人で黙々と作業するイメージを持たれがちですが、実際はチームでの協力が非常に重要です。設計担当・開発担当・テスト担当など複数人が関わるため、コミュニケーション力や連携のしやすさが求められます。
性格検査では、「自分の意見を押し通すタイプか」「周囲との調和を大切にするか」といった設問から、協調性があるかどうかが見られます。
企業は、「この人はチームに馴染めそうか?」「相手の立場を理解しながら動けるか?」といった視点でチェックしています。技術力だけでなく、人との関係を大切にできる姿勢も大きな評価ポイントとなります。

主体性や責任感

ITの現場では、言われたことだけをこなすのではなく、自ら考えて行動する姿勢が求められます。とくにベンチャー企業や少数精鋭の開発チームでは、自分の担当領域を超えて動くこともあります。
適性検査では、「問題があったときにすぐに誰かに頼るか、自分で考えて動こうとするか」など、主体性の度合いや責任感の強さがチェックされます。

ストレス耐性

IT業界では、仕様変更や納期に対するプレッシャー、トラブル対応など、想定外のことが日常的に起こります。そうした場面でも焦らず対応できるかどうか、ストレスへの耐性も重視されるポイントです。
性格検査では、「環境の変化にすぐに対応できる」「予想外のトラブルが起きても冷静に対処できる」といった質問から、ストレスへの耐性傾向を判断しています。
企業は、プレッシャーのかかる場面でも冷静に物事を処理できる人を求めており、落ち着いて問題に向き合えるかどうかを見ています。もちろん、高い耐性がなければNGというわけではなく、気持ちの切り替えができるかどうかも1つの指標となります。

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5.まとめ

IT業界の適性を測る検査には、CAB・GAB・玉手箱・ATPP・SPIなどがあり、それぞれ出題形式や内容が異なります。
IT業界に必要な数学的な処理能力や一般知識、パーソナリティの特性が可視化されるため、志望する企業に合わせて対策を進めましょう。
IT業界に適性があるか確認するなら、実際にプログラミングを学んでみることをおすすめします。文系出身者でもIT業界で活躍している人は数多くいるため、固定観念に縛られず、広い視野で適性を判断してみてください。

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