ITコンサルタントとSIerの違いとは?仕事内容・スキル・キャリアパスの違いを徹底比較

ITコンサルタントとSIerの違いとは?仕事内容・スキル・キャリアパスの違いを徹底比較
ITコンサルタントとSIerは、どちらも就活生にとって人気の就職先であり、キャリア選択で迷うことが多い2択でもあります。新卒採用ではシステムエンジニアやプログラマーとして就職するとしても、将来的には大手SIerでのキャリアか、それとも大手コンサルティングファームでのキャリアか、どちらを選んだら良いか迷っている方も多いでしょう。

そこで本記事では、ITコンサルタントとSIerの違いについて、仕事内容や必要スキル、キャリアパスなどの観点から比較しながら解説します。ITコンサルタントとSIerで迷った時の選び方や、SIerからITコンサルタントへのキャリアアップを成功させるコツについても取り上げているので、ぜひ最後までご覧ください。

▼おすすめ記事
新卒でITコンサルタントになるために知っておくべきこと7選
新卒でSIerに就職するには?メリット・デメリットや必要な知識を解説

1.ITコンサルタントとSIerの意味・定義

まずはITコンサルタントとSIerについて、それぞれの基本情報や言葉の意味について確認しておきましょう。

ITコンサルタントは職種の一つ

ITコンサルタントとは、クライアント企業のIT戦略や課題解決を支援する「職種」のことを指します。企業のDX推進や業務効率化、システム導入の提案などを通じて、経営課題の解決をサポートする役割を担います。

注意したいのは、ITコンサルタントは「何をする人か」という職種を表す言葉であり、特定の業界・業種を指すものではないという点です。ITコンサルタントが勤務する業界・業種としては、「ITコンサルティング企業」「コンサルティングファーム」などと表現するのが正しいです。

SIerは業種を意味する

SIer(システムインテグレーター)とは、システムの設計・開発・構築・運用までを一貫して請け負う「企業」のことを指します。SIerは「どのような企業か」という業種を表す言葉であり、その中で働く人々の職種としては、システムエンジニア(SE)やプログラマー(PG)、プロジェクトマネージャーなどが挙げられます。

SIerの主な仕事は、クライアント企業の要望に応じたシステムを設計・開発し、実際に導入・運用するところまでをトータルでサポートすることです。ITコンサルタントが提案した内容を実際に形にするプロセスを担うことも多く、両者は互いに補完関係にあると言えるでしょう。SIerの中でも上流工程に特化した企業や、特定業界向けのシステム開発に強みを持つ企業など、さまざまな特色があります。

以上をまとめると、業種で比較するなら「ITコンサルティング業界かSIer(SI業界)か」、職種で比較するなら「ITコンサルタントかシステムエンジニアか」といった比較対象になることを理解しておきましょう。

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

2.ITコンサルタントとSIerの仕事内容の違い

ITコンサルタントとSIerでは、担当する仕事内容に大きな違いがあります。それぞれの特徴を詳しくご紹介しましょう。

ITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルタントの主な仕事は、クライアント企業の経営課題をIT技術で解決するための戦略立案や提案です。具体的には、クライアント企業が置かれている現状分析から始まり、課題の洗い出し、解決策の提案、費用対効果の見積もりなどを行います。クライアント企業の経営層と直接対話し、経営者視点からITの活用方法を提案します。

また、提案したシステムやソリューションの導入後も、効果測定や改善提案を行うことが多く、クライアント企業とは長期的な関係を構築することになります。ITコンサルタントの業務は、システム開発・システム導入における「上流工程」と呼ばれる企画・設計段階に集中しており、実際のシステム開発はSIerに委託するケースが一般的です。

SIerの仕事内容

SIerの仕事は、クライアント企業の要望にもとづいたシステムの設計・開発・構築・運用までを一貫して行うことです。ITコンサルタントが提案した内容を実際に形にする役割を担うことも多く、要件定義から基本設計・詳細設計、プログラミング・コーディング、納品後の保守・運用までの工程も担当します。

SIer内でも、上流工程を担当するシステムエンジニアと、実際にコードを書くプログラマーでは、担当する業務内容が異なります。システムエンジニアはクライアントとの折衝や要件定義を行い、プログラマーは設計書にもとづいたコーディング作業を担当します。チームメンバーが多くなる大規模プロジェクトでは、プロジェクトマネージャーが全体の進行管理や品質管理を行うこともあります。

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

3.ITコンサルタントとSIerの必要スキルの違い

ITコンサルタントとSIerでは、現場で求められるスキルにも大きな違いがあります。それぞれで必要とされるスキルについて、以下でご紹介します。

ITコンサルタントの必要スキル

ITコンサルタントに求められる最も重要なスキルは、クライアント企業が抱える経営課題を見極め、それをIT技術で解決する「課題解決能力」です。クライアント企業の業界知識や業務フローを理解した上で、最適なIT戦略を提案するため、幅広い分野の知識と分析力が必要となります。

また、経営層を説得するためのプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力も不可欠です。複雑な技術的内容を、非エンジニアの人にもわかりやすく説明する「翻訳力」も欠かせません。最新のIT技術や業界トレンドにアンテナを張り、先端技術を取り入れた提案ができると市場価値が高まります。

SIerの必要スキル

SIerに求められるスキルは、実際にシステムを設計・構築するための「技術力」が中心となります。特に現場でコーディング業務を担当するプログラマーには、Java、C#、Pythonなどのプログラミング言語と各種フレームワークを扱うスキルが求められます。SIerの社内でキャリアアップするにつれて、システム全体の設計ができるシステムアーキテクトとしての能力や、大規模プロジェクトを管理するためのプロジェクトマネジメントスキルも必要になります。

SIerでは知識の幅広さが重視されるITコンサルタントとは異なり、技術の深さと実装力が重視され、特定の技術領域でのスペシャリストとしてのスキルが高く評価されます。チーム単位での開発が基本となるため、コミュニケーション能力や協調性も欠かせません。

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

4.ITコンサルタントとSIerのキャリアパスの違い

次に、ITコンサルタントとSIerで、選択できる将来のキャリアパスについての違いをご紹介しましょう。

ITコンサルタントのキャリアパス

ITコンサルタントのキャリアパスは、一般的にエンジニア・プログラマーを経てから、現場経験や座学を通じてコンサルタントとしての素養を磨き、コンサルティングファームへ転職する流れが基本です。新卒でコンサルティングファームへ入社し、若手のうちからITコンサルタントとしてのキャリアを積むケースもあります。その場合には、まず先輩コンサルタントの下でデータ収集や分析といった業務を担当し、経験を積むにつれて徐々にクライアント企業との打ち合わせやプロジェクトマネジメントの業務に携わるようになります。

ITコンサルタントとしてのキャリアを積んだ後は、特定の業界や技術領域に特化したスペシャリストとして活躍する道があります。起業・独立と相性が良いので、新たにITコンサルティング会社を立ち上げて、フリーランスとして活躍するキャリアパスも選択できます。

ITコンサルタントとしての実績が認められれば、クライアント企業からのスカウトが届くことも珍しくありません。CIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)としてのポストが用意され、経営層の一員として会社経営に携わるケースもあります。

SIerのキャリアパス

SIerのキャリアパスは、プログラマー・システムエンジニアからプロジェクトリーダーを経て、プロジェクトマネージャーへとキャリアアップする流れが一般的です。入社後は主にプログラミング・コーディングやテスト作業などの下流工程を担当し、経験を積むにつれて要件定義・設計などの上流工程へとシフトしていきます。

そのためSIerでは、若手のうちは技術力、ベテランになるにつれてマネジメントスキルが評価されやすい傾向にあります。大規模プロジェクトを成功に導いた実績があると、社内でも一気に評価を高めることができるでしょう。また、特定の業界や技術に特化したスペシャリストとしての道を選択することも可能で、金融系や製造業界に強いエンジニアを目指すこともできます。

SIerからのキャリアパスとしては、独立してフリーランスエンジニアになる道もあれば、ITコンサルタントとしてステップアップする道も考えられます。

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

5.ITコンサルタントとSIerで迷った時の選び方

ここまでITコンサルタントとSIerの違いについて詳しく解説してきましたが、自分にはどちらの道が合っているのか、決めきれないことも多いでしょう。そこで下記では、ITコンサルタントとSIerで迷った時の選び方について、3つの判断基準をご紹介します。
 

  • ・経営層に近い働き方を好むならITコンサルタント

    ・現場での開発を追求したいならSIer

    ・SIerとITコンサルタントを両方経験するのも手


それぞれの内容を順番に解説します。

経営層に近い働き方を好むならITコンサルタント

ITコンサルタントは、クライアント企業の経営層と直接やり取りする機会が多い職種です。経営課題の解決策を提案し、企業のIT戦略全体に関わる仕事なので、ビジネス視点での思考や経営者目線での判断が求められます。経営層とのヒアリングを通じて、企業の意思決定に影響を与えられることにやりがいを感じる方に向いています。

また、多様な業界・企業の課題に触れることができるため、IT・ビジネス・経営に関する幅広い知見を身につけたい方にも適しています。プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を活かしたい方、数字やデータを分析して戦略を立てる仕事に興味がある方は、ITコンサルタントの道を選んでみると良いでしょう。

現場での開発を追求したいならSIer

技術力を磨き、現場でシステムの設計・構築する仕事にやりがいを感じる方は、SIer勤務の働き方が向いています。SIerでは、要件定義から設計、実装、テスト、運用・保守まで、システム開発の全工程に携わることができます。特定の分野でのスペシャリストを目指したい方や、ものづくりに携わる仕事にやりがいを感じる方に適しています。

また、大規模なシステム開発プロジェクトに参画できるチャンスも多いので、自分の限界に挑戦しながら成長したいエンジニアにとって魅力的な環境です。プログラミングやシステム設計のスキルを磨きたい方、技術力・開発力の向上を追求したい方は、SIerでのキャリアを選択することをおすすめします。

SIerとITコンサルタントを両方経験するのも手

SIerとITコンサルタントは完全に別々のキャリアパスというわけではなく、SIer勤務のシステムエンジニアからITコンサルタントを目指すなど、地続きのキャリアパスでもあります。SIerでの実務経験を積んだ後、ビジネススキルを習得してITコンサルタントへキャリアチェンジする方は少なくありません。

SIerで培った技術的な知見や開発現場の理解があれば、ITコンサルタントとしての提案にも説得力が増します。両方の経験を持つことで、上流から下流まで一貫した視点を持ち、より高い市場価値を持つIT人材になれるでしょう。未経験から就職するハードルが低いのもSIerなので、まずはSIerでのキャリアを積むところからスタートしてみることをおすすめします。

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

6.SIerからITコンサルタントへのキャリアアップを成功させるコツ

最後に、SIerからITコンサルタントへのキャリアアップを成功させるために実践したい、3つのコツをご紹介します。
 

  • ・マネジメントスキル・ビジネススキルの習得に努める

    ・ITコンサルタントとの協働を通じて理解を深める

    ・特定の業界での経験を増やす


これらの方法を取り入れながら、理想のキャリアパスを目指してみてください。

マネジメントスキル・ビジネススキルの習得に努める

SIerからITコンサルタントへのキャリアアップを目指すなら、技術スキルだけでなくマネジメントスキルやビジネススキルの習得が不可欠です。プロジェクトマネジメントの経験は積極的に積み上げ、予算管理や人員配置、スケジュール調整などの実践的なスキルを磨いておきましょう。

また、MBAを取得したり、企業経営についての書籍を読み込んだりするのも効果的です。クライアント企業との打ち合わせには積極的に参加し、提案書・報告書を作成する経験を増やしておくと良いでしょう。将来ITコンサルタントとして活躍するためには何のスキルが必要になるのか、逆算しながら日々の業務に取り組むのがポイントです。

ITコンサルタントとの協働を通じて理解を深める

SIerとして働きながらITコンサルタントを目指すなら、実際のITコンサルタントと協働するプロジェクトに参加することも有効です。プロジェクトの上流工程で、ITコンサルタントが関わる場面に同席させてもらい、その仕事ぶりを間近で見ておくと、その後のキャリア形成に役立ちます。

また、入社したSIerの社内でITコンサルティング部門がある場合には、一部の業務を経験させてもらう、もしくは社内異動を上司に打診してみるのも一つの方法です。現役のITコンサルタントとのつながりを増やし、メンターとなってくれる先輩を見つけることができれば、業界で明文化されていない知識・スキルや、キャリア形成のコツを直接学ぶことができるかもしれません。

特定の業界での経験を増やす

ITコンサルタントとしての市場価値を高めるために、特定の業界に関する深い知見を磨いておくことも大きなアドバンテージとなります。SIerとして働く中で、金融・製造・医療など、特定の業界に特化したプロジェクトを意識的に選び、その業界特有の専門用語や業務フロー、共通する経営課題などを理解しておくのがコツです。

業界特有の法規制や業界構造など理解しておくと、コンサルティングを提供する場面でも説得力のある提案ができるようになります。一つの業界に対する専門性を磨いておけば、「〇〇業界に強いITコンサルタント」としてのブランディングを図り、キャリアアップの大きな武器とすることもできるでしょう。

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

\15年超の実績を持つレバテックが運営/

ITエンジニア就活支援サービスに登録する

7.まとめ

本記事では、ITコンサルタントとSIerの違いについて、仕事内容や必要となるスキル、キャリアパスなどの観点から詳しく解説してきました。ITコンサルタントは職種名であり、SIerはIT企業の業種名であることは、混同しないように注意しましょう。

両者の主な違いは、ITコンサルタントがクライアント企業の経営課題の解決策を提案する上流工程を担当するのに対し、SIerはシステムの設計・開発・運用までの実装面を担当する点にあります。

どちらのキャリアを歩むべきか迷った時には、経営層との関わりやビジネススキルを活かした働き方を好む方はITコンサルタント、技術力を磨きシステム開発に携わり続けたい方にはSIerを選ぶのがおすすめです。SIerでの実務経験を積んだ後、ITコンサルタントへキャリアアップを図る道もあります。

ITコンサルタントとSIerの違いを踏まえた上で、自分の適性や理想に合わせた最適なキャリアパスを選択しましょう。

ITエンジニアを目指す新卒学生向け就活エージェントならレバテックルーキー

レバテックルーキーは、レバテックが運営するITエンジニア専門の就活エージェントです。多数のITエンジニアのキャリア支援経験のあるアドバイザーが、あなたのスキルと希望に合わせた企業の紹介から、人事目線での面接対策など、就職までを一貫してサポートします。ES添削、面接対策、ポートフォリオ作成サポートなども実施していますので、まずは一度カウンセリングにお越しください。

就活アドバイザーに相談してみる

レバテックカレッジ 就活まで支援するエンジニア志望学生のためのプログラミングスクール