インフラエンジニアがJavaを習得するメリットとは？活かせる場面と効率的な学習方法

• 1.インフラエンジニアの仕事内容
• 2.インフラエンジニアの基本的な必要スキル
• 3.プログラミング言語Javaの特徴
• 4.インフラエンジニアがJavaを習得するメリット
• 5.インフラエンジニアが効率的にJavaを学習する方法
• 6.インフラエンジニアの転職を見据えたJavaの需要・将来性
• 7.まとめ

1.インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアの主な仕事内容としては、サーバー・ネットワークなどのITインフラの設計・構築・保守が挙げられます。ITサービスを開発・利用するために欠かせないITインフラに携わる、社会的意義の高い職種です。従来では企業のサーバールームに勤め、物理的なサーバー機器・ネットワーク機器を扱いながら働くことが一般的でしたが、近年ではITインフラのクラウド化が進んでおり、インフラエンジニアの仕事内容にも変化が訪れています。

主にクラウド環境でITインフラを構築するケースが増えたことで、IaC（Infrastructure as Code）と呼ばれる、プログラミングを活用してITインフラを構築する手法も確立されています。その結果、プログラミングスキルは必須ではないとされてきたインフラエンジニアも、プログラミング言語を習得する必要性が出てきたのです。

2.インフラエンジニアの基本的な必要スキル

インフラエンジニアに必要とされるスキルは、基本的にはITインフラにまつわる知識・スキルが中心です。サーバー機器・ネットワーク機器の扱いから、インフラ設計・構築のためのスキル、既存のITインフラを保守・運用するためのスキルが挙げられます。近年ではクラウドサービスを扱うスキルや、情報セキュリティについての知識も求められるようになっています。

また、インフラエンジニアは受託開発の現場で働くことが多いため、クライアント企業の希望を汲み取るヒアリングスキルや、開発チームのメンバーと円滑に連携をとるためのコミュニケーションスキルも重視されます。ここに加えて、近年ではプログラミングスキルも要求されつつあるのが現状です。

3.プログラミング言語Javaの特徴

インフラエンジニアにとってJavaを習得するメリットを理解するために、まずはJavaというプログラミング言語の特徴についてご紹介しましょう。

関連記事：学生向けjava入門｜特徴や学習方法などを徹底解説

オブジェクト指向の言語

Javaは、オブジェクト指向のプログラミング言語の一つです。オブジェクト指向とは、プログラムをオブジェクトと呼ばれる小さな単位のコードに分割して、そのオブジェクト同士が連携することにより、プログラムを実装できるように開発する手法のことを指します。オブジェクト指向を採用したことで、Javaは既存のコードを再利用しやすく、開発後の保守・運用もスムーズに実行できるメリットがあります。コードにミスやエラーがあった場合にも、オブジェクトはそれぞれ独立して開発されるため、テスト・修正作業を効率的に行える性質も持っています。

プラットフォームに依存しないプログラム

Javaは、WindowsやmacOS、iPhoneやAndroidなど、使用するプラットフォームに依存せずに動作する性質も持っています。これはJavaのプログラムが仮想マシン上で動作することが理由で、一つのコードで業務アプリもスマホアプリも開発できるのが大きな特徴です。こうした性質から、Javaは"Write Once, Run Anywhere（一度書けば、どこでも動く）"というスローガンを掲げている言語でもあります。こうしたコンセプトのおかげで、1995年に誕生したJavaは世界でも有数の人気を集めるプログラミング言語となっているのです。

ライブラリ・フレームワークが豊富

オープンソースのプログラミング言語でもあるJavaは、世界中のエンジニアによって使用されているため、豊富なライブラリやフレームワークが存在することも大きな特徴です。ライブラリ・フレームワークとは、アプリ開発に必要なコードをテンプレートのように保存したものを指し、プログラミング作業において活用することで、大幅に作業量を削減できるメリットがあります。多くのエンジニアに愛用され、豊富な実績を持つ言語だからこそ、効率的かつ品質の高いアプリ開発が可能になるのです。

4.インフラエンジニアがJavaを習得するメリット

前述した特徴を持つJavaは、インフラエンジニアの業務内容との相性が良く、インフラエンジニアが学ぶべきプログラミング言語の筆頭に挙げられることも多いです。ここではインフラエンジニアがJavaを習得するメリットについて、以下の3つの観点から解説します。
 

• ・システム管理画面の開発を担当できる

  ・アプリ開発向けITインフラ構築に強みを発揮できる

  ・キャリアアップ・キャリアチェンジに活かせる

それぞれ順番にご紹介しましょう。

システム管理画面の開発を担当できる

インフラエンジニアがJavaを習得することで、ITインフラの運用業務で用いる管理画面の作成を担当できるようになるメリットがあります。こうした管理画面はJavaを使って開発されていることが多いため、インフラエンジニアがJavaを扱えると、運用業務を効率的に進めることが可能になります。

プログラミングスキルを活用しながらインフラエンジニアとしての運用業務の効率化を図ることにより、周囲からの評価が高まり、より責任ある仕事を任されるチャンスも増えるでしょう。インフラエンジニアとして次のステップを目指したい方は、まずはJavaのプログラミングスキルを磨くのがおすすめです。

アプリ開発向けITインフラ構築に強みを発揮できる

Javaを用いたアプリ開発の知見が豊富なインフラエンジニアは、アプリ開発に必要なITインフラ構築の現場では大きな強みを発揮できるのもメリットです。サーバー上でアプリケーションがどのように動作するかがイメージしやすくなり、クライアント企業に対してより深い提案を行えるようになるでしょう。

また、開発したアプリケーションで不具合があった場合にも、アプリケーション側で対処が必要なのか、ITインフラ側でのトラブルなのかを切り分けやすくなるメリットもあります。アプリ開発にも詳しいインフラエンジニアは、業務アプリ・スマホアプリ・Webアプリの、いずれの開発現場でも重宝される存在となるでしょう。

キャリアアップ・キャリアチェンジに活かせる

インフラエンジニアがJavaを習得することは、今後のキャリアアップ・キャリアチェンジでも有利に働きます。Javaを活用してクラウドエンジニアへキャリアアップしたり、ITインフラの知見を活かしつつアプリケーションエンジニアへ転身したりすることも可能です。Webエンジニアや業務アプリ開発を担当するシステムエンジニアを目指すこともできるでしょう。

インフラエンジニアとしてキャリアパスの選択肢を広げたい方はもちろん、インフラエンジニア以外のIT系職種への転職を考えている方にとっても、Javaを習得しておくことはプラスに働きます。将来のキャリアプランの中で、Javaを使った開発業務に携わりたい方や、Javaを活用できる職種を目指す方は、積極的に習得しておくことをおすすめします。

5.インフラエンジニアが効率的にJavaを学習する方法

インフラエンジニアが就活と並行してJavaを学ぶ、もしくは日々の業務をこなしながらJavaを習得するためには、短時間で効率的にプログラミングスキルを身につけられる学習方法を実践する必要があります。ここでは効率的にJavaを習得したいインフラエンジニア向けに、おすすめの学習方法を3つ解説します。
 

• ・学習サイト・動画サイトや書籍で独学する

  ・プログラミングスクールを通じて学ぶ

  ・Javaを用いる現場に就職する

これらの方法を実践しながら、Javaの習得を目指してみてください。

学習サイト・動画サイトや書籍で独学する

プログラミング未経験のインフラエンジニアがJavaを学ぶ際には、オンラインで利用できる学習サイトや動画サイト、もしくは書籍を使って独学するのがおすすめです。手を動かしながらプログラミング言語を学べる「Progate」や、買い切り型のオンラインコースを受講できる「Udemy」などは、Javaを学ぶ定番の学習サイトとして有名です。

Java初心者向けの書籍を使って学ぶのも効果的ですが、古い書籍では最新のJavaのバージョンに対応していないことがあるため注意が必要です。学習サイトや動画サイトを活用する時にも、対象としているJavaのバージョンを確認しておくことを忘れないようにしましょう。

プログラミングスクールを通じて学ぶ

プログラミング未経験で、プログラミング言語に苦手意識がある方であれば、プログラミングスクールを通じて学ぶのがおすすめです。現役のエンジニアとして働く講師のもとでJavaを学ぶことで、わからないことが出てきた際にはすぐに質問し、つまずきやすいポイントをわかりやすく説明してもらえるなどのメリットがあるからです。

また、講師がJavaの学習に並走してくれるおかげで、一人きりの独学では挫折しやすいタイプの方にとってもプログラミング言語をマスターしやすいメリットがあります。学習サイト・動画サイトを使って独学する場合と比べると費用はかかりますが、着実にJavaのプログラミングスキルを身につけたい方におすすめです。

Javaを用いる現場に就職する

インフラエンジニアに必要なJavaの実践的なスキルを身につけたい場合には、業務を通じてJavaを用いる現場に就職するのがおすすめです。業務の中でJavaを使用する現場なら、インプットしたプログラミングスキルをそのまま仕事でも活かせるので、アウトプット学習につながり記憶に定着しやすくなるメリットがあるからです。

また、インフラエンジニアの業務の幅が広がり、昇給・昇格のチャンスも増えることから、プログラミング学習へのモチベーションが高まるのもメリットです。インフラエンジニアとして実績を積みながら、Javaの習得も目指したい場合には、業務内容の中でJavaを用いることが明記された求人に応募するのがおすすめです。

6.インフラエンジニアの転職を見据えたJavaの需要・将来性

インフラエンジニアがJavaを習得する理由として、将来はクラウドエンジニアへステップアップすること、もしくはアプリケーションエンジニアなどに転職することを考えている方は多いです。そこで最後に、インフラエンジニアの転職を見据えて、Javaに今後どのような需要・将来性が見込まれるのかについてご紹介します。
 

• ・世界各国で用いられる人気の言語である

  ・大規模開発で用いられるため需要が高い

  ・Webアプリ・スマホアプリ・業務アプリを問わず開発可能

それぞれ順番に解説するので、Javaというプログラミング言語自体の将来性が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

世界各国で用いられる人気の言語である

Javaは数あるプログラミング言語の中でも、世界中のエンジニアからの支持を集めるグローバルな言語の一つです。長い歴史を持った実績豊富な言語なので、Javaを扱ったことがある企業やエンジニアも多く、IT業界においても高い人気を誇ります。Javaは今後も安定的に用いられると見込まれるため、将来性の高い言語として注目を集めています。

国内でもJavaを使った開発案件は豊富で、業務アプリ開発やWeb開発、組み込みシステム開発など、さまざまな現場で用いられています。今後はインフラエンジニアの業務でも使用されることが期待されるので、さらに人気の高い言語となるでしょう。

大規模開発で用いられるため需要が高い

JavaはIT業界において長く使われてきた実績を持つプログラミング言語であり、Javaのオブジェクト指向や豊富なライブラリ・フレームワークのおかげで、大規模開発で使用されやすい言語となっています。安定性が重視される官公庁・大手企業が関わるプロジェクトでも頻繁に使用されており、安定した需要が見込まれるのが魅力です。

Javaはプログラミング言語の中では比較的難易度が高く、プログラミング初心者の場合には習得までに時間がかかる傾向にあります。それでもスキルアップのために学習するエンジニアが多いのは、大規模開発に用いられるほどの高い需要・将来性が期待できるからなのです。

Webアプリ・スマホアプリ・業務アプリを問わず開発可能

Javaはプラットフォームを問わずアプリ開発が可能なことが大きな特徴であり、実際に開発の現場でもJavaは重宝されています。パソコン向けの業務アプリ・デスクトップアプリから、Android向けのスマホアプリ、そしてブラウザ上で動作するWebアプリの開発においても、Javaが活躍します。

近年ではビッグデータの処理やクラウドサービスにおいてもJavaが活用されており、非常に幅広い用途で用いられる言語となっています。使用できる場面が豊富なJavaは、アプリケーションエンジニアやインフラエンジニアだけに限らず、エンジニアなら習得しておく価値が非常に高い言語と言えるでしょう。

7.まとめ

本記事ではインフラエンジニアがJavaを習得するメリットとして、以下の3つの観点からご紹介してきました。
 

• ・システム管理画面の開発を担当できる

  ・アプリ開発向けITインフラ構築に強みを発揮できる

  ・キャリアアップ・キャリアチェンジに活かせる

就活や日々の業務に取り組みながらJavaを効率的に学ぶ方法として、学習サイト・動画サイトなどを活用して独学する方法があるほか、プログラミングスクールに通って学ぶのも効果的です。業務の中でJavaを用いる企業に入社すると、効率的にアウトプット学習に取り組みつつ、高いモチベーションでプログラミング学習に取り組めるでしょう。

本記事で解説してきたJavaの言語自体の需要・将来性も参考にしながら、インフラエンジニアとしてのキャリアアップの手段として、Javaの習得を目指してみてください。

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