
その業務は、サーバーやネットワークの構築・運用から、セキュリティ対策、クラウドシステムの管理まで多岐にわたり、テクノロジーが進歩するにつれ、インフラエンジニアの需要はますます高まっています。
そんなインフラエンジニアの年収は一体どのくらいか、他の職種と比較してどれくらいの差があるのかといった疑問に対して、厚生労働省のデータを用いたファクトに基づく解説を行います。
年収をアップさせるための具体的な方法までを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
おすすめ記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・必要スキルと就活のポイントを紹介
- 1.インフラエンジニアの平均年収は660万!他の職種と比較して高い
- 2.【年齢別】インフラエンジニアの平均年収比較
- 3.インフラエンジニアなのに年収が低くなる2つの理由
- 4.インフラエンジニアとして年収500万円を稼ぐためのキャリアプラン
- 5.インフラエンジニアとして年収1,000万円稼ぐためのキャリアプラン
- 6.インフラエンジニアとして年収1,500万円以上稼ぐためにはフリーランスか大企業への転職を!
- 7.インフラエンジニアとして年収を上げるために必要なスキル
- 8.まとめ
1.インフラエンジニアの平均年収は660万!他の職種と比較して高い
インフラエンジニアは、企業のIT基盤を支える重要な専門職です。その平均年収は660万(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」)と、全産業の平均年収496万と比べても、その高さが際立っています。
ただし、インフラエンジニアにも細かい種類があり、職種次第で給料にも細かな違いがあります。ここからはインフラエンジニアの主要な職種別の年収を紹介します。
出典:e-Stat「賃金構造基本統計調査/令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類」
出典:職業情報提供サイトjobtag(厚生労働省)「システムエンジニア(基盤システム)」
【職種別】インフラエンジニアの平均年収比較
職種 | 平均年収 |
ネットワークエンジニア | 約500万円 |
サーバーエンジニア | 約550万円 |
クラウドエンジニア | 600万円~700万円 |
セキュリティエンジニア | 650万円以上 |
出典:職業情報提供サイトjobtag(厚生労働省)「システムエンジニア(基盤システム)」
インフラエンジニアの年収は上記のように職種ごとに異なり、専門性や役割によって大きな差があります。
たとえば、企業のネットワーク設計や運用を担当するネットワークエンジニアの平均年収は約500万円ですが、クラウドエンジニアは、平均年収が600万~700万円と高めです。
セキュリティエンジニアに関しては、平均年収が650万円以上とさらに高い水準。サーバーエンジニアの平均年収は約550万円と、ネットワークエンジニアの平均年収よりやや高くなっています。
インフラエンジニアの年収が高い理由は需要にあり
インフラエンジニアの平均年収が他のIT職種と比較して高い理由の一つは、社会的な需要の高さにあります。
現代の企業活動はITインフラに大きく依存しており、ネットワークやサーバー、クラウド環境などの安定した運用が、ビジネスの成否を左右すると言っても過言ではありません。そのため、これらを支えるインフラエンジニアは不可欠な存在となっています。
特にクラウド技術の普及や、リモートワークの定着、サイバー攻撃の増加に伴い、安全で効率的なネットワーク構築や運用管理が求められており、高度なスキルを持つエンジニアの需要は高まってきています。
このような背景から、インフラエンジニアの年収は他の職種より高めに設定される傾向があるのです。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
2.【年齢別】インフラエンジニアの平均年収比較
以下に20代・30代・40代の各年代におけるインフラエンジニアの平均年収とその特徴を掲載します。基本的には、インフラエンジニアとしての経験が増えるにつれてスキルと知識も向上し、年齢が上がるとともに平均年収が高くなる傾向が見られます。
20代の平均年収
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、20代のインフラエンジニアと全職種の平均年収は次の通りです。
年代 | インフラエンジニア | 全職種 |
20代前半 | 377万円 | 273万円 |
20代後半 | 514万円 | 389万円 |
出典:e-Stat「賃金構造基本統計調査/令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類」
出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
20代の年収は、新卒でインフラエンジニアになった人も多く含まれるため、他の年代と比較して低い金額となるのが特徴です。一方で、全職種と比較したときは依然としてインフラエンジニアの方が高年収となり、20代後半になれば、その差額はより大きくなります。
インフラエンジニアはスキルが高まるほど報酬も向上する一方で、未経験でスタートする人が比較的多いエンジニア職でもあります。20代での経験は、後の年代の年収向上につながるため、この時期にスキルを磨くことが重要です。
30代の平均年収
30代では、20代と比較して年収が100万円から200万円程度アップします。10年程度のエンジニア経験を積んだことでスキルが向上するためです。具体的な数値は以下の通りです。
年代 | インフラエンジニア | 全職種 |
30代前半 | 647万円 | 425万円 |
30代後半 | 730万円 | 462万円 |
出典:e-Stat「賃金構造基本統計調査/令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類」
出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
30代になると、多くのエンジニアがキャリアの中核となる役割を担い、プロジェクトマネジメントや高度な設計業務を任されるようになります。これにより、収入が急増する傾向があります。
また、クラウド技術やセキュリティ分野の知識を持つことで、さらなる高収入が期待できる点も特徴的です。
一方で、全職種では年代が上がるにつれて年収も増加しますが、その上昇幅はインフラエンジニアほど顕著ではありません。インフラエンジニアは一般的な職種に比べてスキルや経験が収入に直結しやすいことがお分かりになるかと思います。
40代の平均年収
40代のインフラエンジニアは、引き続き、チームリーダーやプロジェクトマネージャーとして活躍する人が中心となるため、平均年収はやや上昇しますが、30代との差はそこまで大きくはありません。具体的には以下のようになります。
年代 | インフラエンジニア | 全職種 |
40代前半 | 739万円 | 491万円 |
40代後半 | 760万円 | 521万円 |
出典:e-Stat「賃金構造基本統計調査/令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類」
出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
30代と比べた収入の伸びが限定的となっている理由のひとつは、技術職からマネジメント職への移行が進む中で、技術的専門性が直接評価される機会が減少するためです。
また、年代的に業界全体の給与水準が一定の天井を迎える年頃という年齢による要因も挙げられます。
しかしながら、全職種と比較すると、40代におけるインフラエンジニアの年収は依然として高水準にあり、同年代の全職種平均よりも200万円以上高くなっております。インフラエンジニアは、40代になっても専門性と需要の高さによって高年収を維持できているものと考えられます。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
3.インフラエンジニアなのに年収が低くなる2つの理由

インフラエンジニアはIT業界の中でも重要な役割を担う職種ですが、すべてのエンジニアが高収入を得られるわけではありません。むしろ、経験やスキルに応じて大きな年収の差が生じるといったケースがよくみられます。
ここからは、年収が低くなる主な理由を2つ取り上げ、それぞれについて詳しく解説します。
スキルや経験が不足しているから
インフラエンジニアの年収が低くなる一因として、スキルや経験の不足が挙げられます。
特に設計や構築などの上流工程を経験していない場合、評価の対象となる実績が限られてしまいます。
例えば、運用や保守の業務にのみ従事している場合、それらは業界内で比較的価値が低く見積もられることが多いため、年収の伸び悩みに繋がります。
また、新しい技術やツールへの対応力が不足していると、クラウド環境やセキュリティなどの分野での高需要な案件に携わることが難しくなり、キャリアの幅が狭まり、年収が低くなる原因となります。
会社の業績が悪いから
年収が低いもう一つの理由として、所属する会社の業績が影響します。
小規模な企業や、インフラ分野への投資が限定的な企業では、エンジニアに対する報酬が抑えられることが一般的です。
特に、中小企業や経営が安定していない企業では、利益を確保するために社員への報酬を抑えるケースも少なくありません。
この場合、スキルがあっても市場価値に見合った給与を得られない可能性が高まります。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
4.インフラエンジニアとして年収500万円を稼ぐためのキャリアプラン

インフラエンジニアが年収500万円に到達するためには、基礎力を徹底的に高め、業界内で価値の高い人材になることが重要です。
ここからは500万円を目指す具体的なキャリアプランとして、業務全体の経験と資格取得の重要性について詳しく解説します。
設計から運用まで一連の流れを経験して一通りのスキルをつける
年収500万円を目指すファーストステップとして、インフラエンジニアとしての基本スキルを網羅的に習得することが重要です。
具体的には、ネットワーク設計やサーバー構築といった設計工程から、監視や障害対応などの運用工程まで、業務全体を経験することが求められます。
このような経験を積むことで、エンジニアとしての基礎力が向上し、より責任のあるポジションを任される可能性が高まります。
難易度の高い資格を取得できるレベルまで基礎知識をつける
資格取得は、スキルを客観的に証明する手段として有効です。特に、年収500万円を目指す場合、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験といった国家資格、またはAWS認定資格やCCNAなどのクラウドやネットワーク分野の資格習得が効果的です。
これらの資格は難易度が高く、需要のある分野でもあるため、取得することで市場価値を高めることができます。
資格の取得ができればベストですが、専門知識が伴っており、そのスキルを客観的に証明することができるのであれば、資格を持っていない人でもしっかりと評価をしてもらうことができるでしょう。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
5.インフラエンジニアとして年収1,000万円稼ぐためのキャリアプラン

年収1,000万円を目指すインフラエンジニアは、より高度なスキルと経験を積む必要があります。この段階では、上流工程に携わることや、特定分野の専門性を深めることが重要です。
具体的なキャリアプランについて、同様に解説します。
プロジェクトマネージャーとして大規模プロジェクトを完遂する
年収1,000万円を目指すためには、技術力だけでなく、プロジェクト全体を管理する能力も必要です。
そのため、プロジェクトマネージャーとしての経験を積むことが重要になります。大規模なインフラ構築やシステム運用のプロジェクトを管理し、チームを指導しながら成功に導けるプロジェクトマネジメント力が求められます。
このような上流工程で成果を創出できる能力を身につけることで、年収1,000万円以上を目指すポジションに進むことが可能になります。
特定分野の専門性を磨く
年収1,000万円を達成するためには、特定の分野において深い専門性を持つことも非常に大切です。
例えば、クラウドインフラ、セキュリティ、ネットワーク、仮想化技術などの領域は需要が高く年収アップに大きな効果があります。
高度な技術を習得し、市場で評価を得ることができれば、年収1,000万円以上のポジションも決して難しくはありません。
ただし、特定の分野で専門性を磨くためには、継続的な学習と実践が欠かせませんので、相当の覚悟も必要になります。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
6.インフラエンジニアとして年収1,500万円以上稼ぐためにはフリーランスか大企業への転職を!

年収1,500万円以上を目指す場合、フリーランスとして独立するか、大企業に転職することが有効な選択肢となります。
フリーランスとしての独立
フリーランスのインフラエンジニアとして働くことで、年収1,500万円以上を稼ぐことも可能になります。
会社員では成果を上げても全てが収入に直結しないのに対し、フリーランスではスキルや仕事量に収入が反映されやすく、また案件単価や案件数を増やすことで収入を上げやすくなるため、フリーランスになることで、年収を大きく伸ばすことができます。
また、フリーランスとしての経験を積んでクライアントとの関係構築力を培うことができれば、より高い価値を提供しながら高い報酬を得られるようにもなります。
専門的な分野で活躍し、高額な案件を手掛けることができれば、年収1,500万円以上も現実的な目標になります。
大企業への転職
大企業に転職することも、年収1,500万円を目指すための有効な方法です。
大企業では、インフラエンジニアに対して高額な報酬を提供することが多く、特にマネジメント職や高度な専門知識を求めるポジションに就けば、年収が大きく跳ね上がります。
特にグローバルな企業や、テクノロジー関連の大手企業では、インフラエンジニアに対する報酬が高く設定されていることが多いため、転職の際には企業の規模や業界をしっかりとリサーチすることが重要です。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
7.インフラエンジニアとして年収を上げるために必要なスキル

インフラエンジニアとして年収を上げるためには、単に経験や資格を積むだけではなく、実際に現場で求められるスキルを身につけることが重要です。ここでは、年収アップに繋がる具体的なスキルについて解説します。
クラウド・セキュリティ・仮想メモリに関する知識
インフラエンジニアとして年収を上げるために、クラウド、セキュリティ、仮想メモリに関する知識は非常に重要です。
特に、クラウド技術は現在のインフラエンジニアにとって欠かせないスキルとなっており、AWSやAzure、Google Cloudなどのクラウドプラットフォームに精通することが求められます。クラウド環境を設計・運用するスキルを持つことができれば、企業のインフラ戦略に直接関わることもできます。
セキュリティの分野でも、サイバー攻撃からシステムを守るための知識や技術に需要があり、高度なインフラ設計や運用をできるエンジニアの年収は高く設定されています。
仮想メモリに関する知識も、特にサーバーやデータセンターの運用においては重要です。仮想化技術を理解し、効率的にリソースを管理する能力が高ければ、高い報酬を得ることができます。
コミュニケーション能力
インフラエンジニアにとって、技術的なスキルだけではなく、コミュニケーション能力も重要な要素です。特にプロジェクトマネージャーやリーダーを目指す場合、チーム内でのコミュニケーションを円滑に行える対人能力が大切になります。
実務面においても、エンジニアとして技術的な提案をする際には、分かりやすく、相手の立場に立って説明できる能力が求められ、クライアントや他部署との調整を行う際はスムーズにやり取りができるようなコミュニケーション能力を持った人材の市場価値が高くなっています。
チームをまとめるリーダーシップや、関係性を築くための対話力は、年収を上げるためには欠かせないスキルです。
上流工程でのプロジェクトマネジメント力
インフラエンジニアとして年収を上げるためには、上流工程、つまりシステム設計や要件定義、プロジェクトマネジメントを担当する能力も重要です。
特に、大規模なシステムの設計やプロジェクトの進行管理を行うことができれば、エンジニアとしての市場価値は大きく上がります。
大規模プロジェクトのリーダーやマネージャーは、高収入のポジションに就ける可能性がかなり高まります。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
8.まとめ
インフラエンジニアは他職種と比較して年収を伸ばしやすい職業です。
年収を上げてインフラエンジニアとしてのキャリアを成功させるには、まずはセキュリティやネットワーク、クラウド技術に関する専門知識を深めることが重要です。インフラエンジニアは知識やスキルが年収アップに直結しやすい職業ですので、需要の高い分野の専門性をまずは獲得しにいきましょう。
また、上流工程に携わり、プロジェクトマネジメント力を磨くことも年収アップには欠かすことができません。
キャリアの計画を立てながらしっかりとその時々に見合ったスキルの開発に努めてみてください。
ITエンジニアを目指す新卒学生向け就活エージェントならレバテックルーキー
レバテックルーキーは、レバテックが運営するITエンジニア専門の就活エージェントです。多数のITエンジニアのキャリア支援経験のあるアドバイザーが、あなたのスキルと希望に合わせた企業の紹介から、人事目線での面接対策など、就職までを一貫してサポートします。ES添削、面接対策、ポートフォリオ作成サポートなども実施していますので、まずは一度カウンセリングにお越しください。
就活アドバイザーに相談してみる