AI生成コードの品質担保を聞かれたら、どう答えるべき?【IT就活一問一答】

AI生成コードの品質担保を聞かれたら、どう答えるべき?【IT就活一問一答】
「こうした方がいいと見た」「これは良くないと聞いた」けど、「実際どうなの?」ともやもやしていることはありませんか?
今回は面接で「AIが書いたコードの品質をどう担保していますか」と聞かれたときの良い答え方について、ITエンジニアの就活支援実績が豊富なキャリアアドバイザーが解説します!
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Q.技術面接で「AIが書いたコードの品質をどう担保していますか」と聞かれ、上手く答えられませんでした。どのように返すのが正解だったのでしょうか。

先日受けたサマーインターンの技術面接で、ポートフォリオの開発プロセスについて深掘りされた際、「生成AIが出力したコードの品質は、どうやって担保しましたか?」と質問されました。


その時は「自分でコードを読んで、問題なさそうなら取り込んでいました」と答えたのですが、面接官の反応があまり良くなく、手応えを得られませんでした。その後自分で振り返ってみても、どのように答えるのが良かったのかいまいち分かりません。


AIを使うこと自体は珍しくない時代だからこそ、エンジニアの面接官に「ちゃんと品質管理の仕組みを持って開発しているな」と納得してもらえるような、具体的な答え方を教えてください。

A.AIを過信せず「コードの最終責任者は自分である」という認識のもと、具体的な検証プロセスを論理的に伝えましょう。

生成AIを開発に組み込むことは、現在のエンジニアリングにおいて一般的な効率化の手法です。面接官もAIを使うこと自体を否定しているわけではありません。


しかし、生成AIは確率分布に従って「もっともらしいトークン(テキストを分割した最小単位)」を一つずつ選びながらコードを出力する仕組みです。必ずしも最も確率の高い一択を選ぶわけではなく、同じ指示でも出力が変わることがあります。そのため、実際には存在しない架空APIメソッドや関数を生成してしまう「ハルシネーション」のリスクが構造的に存在します。


また、思わぬエッジケースでの考慮漏れや、実務で深刻なバグに繋がるセキュリティの脆弱性が紛れ込む可能性も常にあります。


面接官が本当に見ているのは、あなたが「AIにコードを書かせるだけのオペレーター」になっていないか、端的に言えば「AIが出力したコードに対して、あなた自身がどこまで説明責任(アカウンタビリティ)を持てるか」という点です。


たとえ個人開発のレベルであっても、コードの最終責任は自分にあるという当事者意識を持ち、実務を見据えた品質担保の概念をアピールするために、まずは面接官の本当の意図を整理しましょう。

面接官が質問する本当の意図

面接官がAIコードの品質管理について尋ねる際、注目しているのはあなたの開発の堅牢性と、コードへの責任感です。ただAIを盲信して動かすのではなく、自身の基礎知識を掛け合わせてAIが生成したコードを実用に耐える水準まで引き上げられる実力を測ろうとしています。

1. AI出力への「説明責任」とコードリーディング力

不確実性を含むAIのコードを、そのまま盲信してプロジェクトに組み込んでいないかを見ています。特に、「プログラムとしてビルドはできてしまうものの、実際には存在しない架空のAPIメソッドや関数を呼び出している」といったハルシネーションを自身のコードリーディングによって見抜き、品質をコントロールできているかを確認しています。

2. 基礎力×AIの掛け合わせ(80点から100点への昇華)

実務におけるエンジニアの仕事は、AIが生成したコードを出発点として、それがプロダクトとして安全かつ最適に動作する状態まで昇華することです。 個人開発の段階から、ただ動かすだけでなく、テスト駆動的な検証手順や自動化の仕組み化など、クオリティコントロール(品質管理)の概念を持って開発できているかを見ています。

品質担保に対する答え方

面接官の意図を汲み取り、自身のスキルの高さを強く印象付けるためには、ただ「自分でコードを目視確認しました」と言うだけでは不十分です。以下の2つのアプローチから、仕組み化された検証プロセスを具体的に語りましょう。

検証プロセスの言語化

AIから出力されたコードをプロジェクトにマージするまでの明確な手順を伝えます。


「組み込む前に必ずユニットテストを実行して挙動を確認している」という点に加え、「AIのトークン生成の仕組み上避けられないハルシネーションや考慮漏れを警戒し、実インストールされているライブラリのバージョンに対応する公式ドキュメントの仕様書と厳密に照らし合わせている」といった手順をロジカルに説明します。


このとき、存在しないAPIかどうかは型チェックやエディタの補完・実行でほぼ機械的に分かります。公式ドキュメントとの照合が効果を発揮するのは、実在はするが、バージョンによって挙動や引数が変わる部分の確認です。またユニットテストが保証するのは自分が想定した範囲だけで、それ自体が品質の十分条件ではない、と理解している点も併せて語れると強いです。


このとき、AIに「なぜこの書き方をしたのか」を後から質問しても、実際の生成過程とは違うもっともらしい後付けの言い訳(事後正当化)が返ってくるリスクまで警戒できているとベストです。


AIの回答はあくまで仮説として扱い、最終的な裏取りは必ず公式ドキュメントと実行結果で行う、という「疑う視点」までセットで語ることで、面接官への説得力がぐっと高まります。

ポートフォリオのテストコード拡充

面接で口頭説明するだけでなく、自分のポートフォリオに主要なロジックをテストするコード(JestやPyTestなど)を実際に書いておくのがベストです。


面接の場で「この自動テストのパイプラインを通すことで、AIコードのデグレード(一度動いていた機能が後の変更で壊れる回帰バグ)を防ぎ、堅牢性を担保しています」と実物を見せられれば、コードへの責任感の強さがストレートに面接官へ伝わります。


さらに一歩踏み込んで、GitHub Actionsを用いたCI(継続的インテグレーション)環境まで構築し、プルリクエスト時に自動テストが走る仕組みを作っておくと、より説得力が増します。ただし、これは規模に見合っていれば十分で、小規模な個人開発で必須というわけではありません。


口頭の綺麗事ではなく「テストが通らなければマージできない仕組み」をリポジトリレベルで用意しておくことで、実務のチーム開発にそのまま適応できる強固な防衛策を持っている証明になります。

回答例文

実際の面接の場で、これらのポイントがどのように評価に影響するのか、具体的な例文を比較してみましょう。

NG例文:目視頼み・検証の仕組み化不足

「AIが生成したコードを取り込む際は、そのままコピペするのではなく、自分で一度コードを読んでロジックに目を通すようにしていました。自分の目で見て、問題なく動くことを確認してから取り込んでいるため、品質は担保できていると考えています。」


「AIが書いたコードを実装したあと、実際にローカル環境で画面を動かしてみて、エラーが出ずに動いていれば品質に問題ないと判断していました。」



【解説】

「自分の目で読む」「手動で動かす」という個人の感覚頼みのチェックは、エンジニア職の選考の場では不十分とみなされやすいです。人間の目視や手動テストだけでは、複雑な境界値のバグや、他のコンポーネントへのデグレードを見落とすリスクが高いためです。

これでは面接官が求めている「仕組みによるクオリティコントロール」の意識が伝わりません。目視レビューや動作確認そのものは前提として大切です。問題は「それだけ」で担保できると考えてしまう点であり、そこに「仕組み」を付け加えるだけで、伝わり方は大きく変わります。



OK例文:責任の明確化と、自動テストによる仕組み化

まずは「最終的な品質責任は自分にあると考え、テストの自動化と公式ドキュメントとの照合、の二段階で担保しています」と結論から述べ、深掘りされたら具体を足していくイメージで臨みましょう。以下は、深掘りまで含めてフルで語る場合の例です。


「AIが生成したコードであっても、最終的なコードの品質責任はすべて自分にあるという前提で開発を行っています。そのため、AIの出力をプロジェクトに組み込む際は、人間の目視によるレビューだけでなく、パスすべきテストの自動化と公式ドキュメントとの照合の二段階の仕組みで品質を担保しています。


具体的には、計算処理や状態管理を行うコアロジックとなる関数やコンポーネントを組み込む前に、想定される正常値だけでなく境界値やエラー系を網羅したユニットテストをJestで事前に作成しておきます。AIが出力したコードがそのテストをすべてパスすることを確認した上でマージしています。


また、生成AIは確率的にコードを生成するため、実在するライブラリでもバージョンによって異なる仕様や、非推奨・廃止されたメソッドを使ってしまうことがあります。そのため外部のライブラリやフレームワークを扱う際は、package-lock.jsonなどで固定した実際のバージョンの公式ドキュメントと照らし合わせ、その仕様が正しいかを裏取りしています。


実際に私のポートフォリオのGitHubリポジトリでも、これらのコアロジックに対して正常系・異常系を網羅したテストコードを実装しており、GitHub Actionsを用いたCI(継続的インテグレーション)の環境で自動テストを実行することで、AIコードの組み込みによる予期せぬデグレードを防ぐ仕組みを構築しています」


【解説】

「コードの最終責任は自分にある」というエンジニアとしての強いプロ意識がベースにあります。その上で、AI特有の弱点(ハルシネーションやエッジケースでの考慮漏れ)を理解し、それを補うためのテスト駆動的なアプローチやCIツールの活用など、実務に近い「仕組みによる品質担保」が具体的な技術名とともに語られています。面接官が求めるレベルを十分に満たした回答です。

実務レベルの事前検証こそが、面接で評価される「品質担保」になる

技術面接において、AIを使いこなして効率的に開発すること自体は大きなプラス評価の材料になります。しかし、それは「出力されたコードの品質を、自分の手でロジカルにコントロールできていること」が前提です。


「AIが書いたから大丈夫」とツールに依存するのではなく、面接前に自分の開発フローを振り返り、AIのコードをどのように検証し、どうやって安全性を保証したのかを具体的なテスト戦略とともに整理してみましょう。


主要なコアロジックに対して正常系・異常系を網羅したユニットテストを実装する、あるいは実インストール版のバージョン(lockfile)に準拠した公式ドキュメントで仕様の裏取りを行った実績をコミットメッセージやドキュメントに残しておくといった、確実な準備をしておくことで、面接官の深掘り質問に対しても、AIの「事後正当化」に惑わされることなく、自分の言葉で堂々と受け答えができるようになります。

この質問の回答者

二宮プロフィール

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