【初心者向け】ITパスポート試験の勉強方法は?独学で合格するためのコツ

【初心者向け】ITパスポート試験の勉強方法は?独学で合格するためのコツ
AIやIoT技術の発展により、あらゆる産業でDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進められている昨今。IT業界で働く人だけに限らず、すべての社会人にITリテラシーが求められています。「ITパスポート」はITに関する基本的な知識を問う国家資格であり、学生時代に取得しておけば就活時のアピールにも使えるおすすめの資格です。 この記事では、ITパスポート試験の概要や合格率から、合格するための勉強方法を解説します。これから独学で合格を目指す方はぜひ参考にしてみてください。

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1.ITパスポートとは

ITパスポートとは、ITの基礎的な知識があることを証明する国家資格です。

IPA (独立行政法人 情報処理推進機構)が行う「情報処理技術者試験」の一区分であり、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験、高度情報処理技術者試験などと並んで実施されています。ITパスポート試験はITの特定スキルではなく、IT分野の総合的な知識を広範囲に問う初心者向けの試験と位置づけられ、IT業界への就職を目指す学生に最適な資格です。

ITパスポートの試験概要

ITパスポートの試験概要は以下の通りです。

試験時間    120分
受験料 7500円(税込)
受験方法 CBT(Computer Based Testing)方式
出題形式 四肢択一、小問形式の100問
合格基準 1000点満点で総合評価点として600点以上、分野別(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)でそれぞれ300点以上の得点があること
CBT(Computer Based Testing)方式とは、コンピュータを利用して実施する試験方式のことです。受験申し込み時に日時と試験会場を選択し、試験当日は会場に設置されたコンピュータでテストを受験します。

試験内容はストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の大きく3つに分かれており、各分野から幅広く出題されます。各分野の出題内容は以下の通りです。

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ストラテジ系

ストラテジ系とは、主に経営戦略やビジネスモデル、システム開発に関する分野です。ITパスポートに出題される100問中、ストラテジ系は35問程度出題されています。

大分類として「企業と法務」「経営戦略」「システム戦略」の3つがあり、知的財産権や個人情報保護法など用語に関する問題も出題されます。

マネジメント系

マネジメント系は主に開発プロジェクトに関する分野であり、100問中20問前後が出題されます。大分類としては「開発技術」「プロジェクトマネジメント」「システムマネジメント」の3つです。

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テクノロジ系

アルゴリズムやソフトウェアの仕組み、データベースに関することを問われるのがテクノロジ系です。ITパスポート試験の中心を占める分野でもあり、100問中45問前後出題されるとされています。

大分類としては「基礎理論」「コンピュータシステム」「技術要素」の3つです。

合格発表は試験から約1か月後、ITパスポート公式サイト上から結果を確認することができます。また、合格発表の翌月には合格証書が郵送されます。

基本情報技術者試験との違い

IT関連の資格として、ITパスポートとよく一緒に並べられるのが「基本情報技術者試験」です。

ITパスポート試験と基本情報技術者試験はどちらもIPAが実施している国家資格ですが、ITパスポート試験は「IT技術を利用して業務に活かす人材」を対象にしているのに対して、基本情報技術者試験は「システム開発する人材」を対象としています。つまり、システムの設計から開発、運用などを行うITエンジニアであれば基本情報技術者試験の方が適していると言えるでしょう。

関連記事:基本情報技術者試験とITパスポート試験の違いと取得するメリット

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2.ITパスポート試験の合格難易度は?

IPAはIT関連資格の資格について、「ITスキル標準(ITSS)」と呼ばれる基準を設けています。ITパスポート試験はITスキル標準のレベル1であり、IT関連の資格のなかでは難易度は低めです。

IPAが発表している「情報処理推進機構情報処理推進機構|統計資料(令和4年3月度)」によると、過去3年間のITパスポート試験の合格率は以下の通りです。

実施年度 受験者数 合格者数 合格率
令和2年(2020年度)   131,788名   77,512名   58.80%
令和3年(2021年度) 211,145名 111,241名 52.70%
令和4年(2022年度) 231,526名 119,495名 51.60%
合格率としてはおおよそ50%程度となっており、2人に1人が合格するくらいの難易度。初級レベルではありますが、当然ある程度勉強して臨まないと合格はできません。

必要な勉強時間の目安

ITについての知識がない初心者の場合、およそ100時間の勉強が必要といわれています。1日に1~2時間程度勉強すると仮定して、大体2~3か月くらいかけて勉強するイメージですね。

ある程度IT関連の前提知識があるのであれば、テキストを一通り読み込み、過去問題を解いていけば1か月程度で合格を目指すことも不可能ではありません。

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3.ITパスポート試験に合格するための勉強方法

ここからは、ITパスポートの具体的な勉強方法を紹介します。それぞれの勉強方法とメリット・デメリットを挙げていくので、自分にどの方法が合っているか考えるヒントにしてください。

ITパスポート公式サイトの情報を活用して勉強をする

ITパスポートを初めて受験する方は、まず公式サイトにどのような情報があるかチェックすると良いでしょう。

ITパスポート公式サイトで公開されている過去問題や回答例を活用して勉強しましょう。また、公式サイトではCBT擬似体験ソフトウェアのダウンロードが可能なため、本番受験の疑似体験ができ非常に役に立ちます。

メリット

すでにある程度のIT知識のベースがある人にとっては、過去問題や回答例を反復してITパスポートの内容を把握し、疑似体験ソフトウェアで試験に慣れていくという活用が可能です。

デメリット

全くのIT初心者にとっては過去問題だけで知識を習得するのは難しいため、書籍や動画サイトなどと合わせて勉強するのが良いでしょう。

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参考書や問題集などの書籍で勉強をする

書店やネットで参考書や問題集を購入して勉強する方法です。

独学で勉強する場合、まずは自分に合った参考書や問題集を選ぶのがポイントです。特にIT初心者の人は、イラストや図入りで分かりやすい書籍を選びましょう。

参考書を読み込むときは、最初からすべてを覚えようとする必要はありません。まずは全体を読み流して必要な知識のイメージをつかみ、その後何回も読み返して知識を定着させていきます。学習の工夫として、専門用語をまとめた単語帳をつくると知識が定着しやすくなります。

メリット

ITパスポート関連の書籍は多くの種類があるため、自分に合ったものを選びやすいのがメリットです。基礎的な知識を得る段階では参考書、過去問を多く解きたい人は問題集を選ぶと良いでしょう。

デメリット

全くのIT初心者の場合は、自分に合った参考書や問題集の選び方が分からず戸惑う可能性があります。また、書籍は最後まで読み切るのに苦労する可能性がありますので、目標をしっかりと立てて進めましょう。

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動画学習サービスを活用して勉強をする

インターネット上には、ITパスポート向けの各種動画学習サイトが複数あります。無料の学習サイトも存在し、自身のレベルや好みに合わせて学習することが可能です。

動画サイトで講義動画を探して視聴しましょう。必要があれば、学校の授業を受けるときのようにノートをとりながら講義を聞くのもおすすめ。分からない箇所はくり返し視聴し、理解を深めるようにしてください。

メリット

講師が丁寧に説明するため、初心者や文字を読むのが苦手な人にとっては書籍と比べて学習のハードルが低いといえます。無料の動画を利用すれば費用を抑えて学習できる点もメリットです。

デメリット

動画は書籍と比べて誰でも自由に情報を発信できるため、なかには間違った情報や質の悪い情報が混ざっていることがあります。また、無料の動画は途中で広告が流れて集中力が切れてしまうのもデメリットです。
動画で学習する際は、ほかの勉強方法も組み合わせて試験対策を行うと良いでしょう。

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スクールの対策講座などを活用して勉強をする

ITパスポートの学習スクールは多数存在します。多くのスクールで試験の範囲ごとの講座や模擬試験が用意されており、IT初心者でも安心して学習できます。

インターネットを使ってITパスポートの対策講座を行っているスクールを探しましょう。スクールによって通学や通信といった学び方の種類があるので、自分に合った方法で勉強できる講座を探すのがポイント。費用もスクールごとに違うので、勉強方法や費用、通いやすさなどを考慮して無理なく学べるスクールを見つけてください。

メリット

講師に自由に質問できる点が大きなメリットです。特に初心者は自身の弱点がわからないこともあるため、プロに質問できる環境は勉強の助けになります。また、スクール側で試験に合わせたスケジューリングを行なってくれるので、学習計画を立てる手間も省けるでしょう。

デメリット

書籍などに比べるとどうしても学費が高額になります。

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4.ITパスポート試験に独学で合格するコツ

ITパスポートは独学でも合格を目指せる試験です。ただし、スクールに通うのとは違い自分でモチベーションを維持しながら計画的に勉強する必要があります。

ここではITパスポート試験に独学で合格するコツをご紹介します。

隙間時間を活用する

大学の勉強やアルバイトで忙しい人は、ITパスポートの試験対策にまとまった時間をとるのが難しいかもしれません。
その場合は、通学や学校の休み時間などのちょっとした時間を使って勉強を進めるのがおすすめ。隙間時間に読みやすい参考書を持ち歩くなど、いつでも勉強できる準備をしておきましょう。

事前に学習スケジュールを立てる

勉強を開始する前に、試験日から逆算して学習スケジュールを立てましょう。試験日までの期間を把握したうえで、1日何時間勉強するか計画を立てます。学習スケジュールは勉強時間だけではなく、「1日参考書を5ページ進める」といった勉強量で決める方法もあります。

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苦手分野に勉強時間を費やさない

苦手分野を完璧に克服しようとすると、より多くの勉強時間がかかってしまいます。ITパスポートは全体で60%、各分野で30%以上得点すれば合格基準に達するので、「合格点がとれれば試験範囲を完全にマスターしなくて良い」と考えても問題ありません。

インプットとアウトプットのバランスをとる

参考書などを使って知識を勉強する「インプット」と、過去問を解いて知識を試す「アウトプット」のバランスに気をつけましょう。

IT初心者はまずはインプットに重点をおいて勉強を進め、ある程度力がついたらアウトプットに進みます。反対に、ITの知識がある人は早い段階からアウトプットを行い、知識が足りないと感じた分野のインプットに集中する勉強方法が効率的です。

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5.ITパスポートを学生のうちに取得するメリット

ITパスポート試験を合格するための勉強方法や時間について、なんとなくイメージはついたでしょうか? 最後に、学生がITパスポートを勉強するメリットを改めて解説します。

IT知識が身につく

ITパスポートの試験勉強を通して、ITに関する基礎知識を習得できます。これからIT系のスキルを身につけていきたい場合、ITパスポートで勉強した内容が今後の知識・スキルのベースとなり、より高度な内容へのレベルアップが可能となるでしょう。

経営などの知識が身につく

ITパスポートでは、ITの基礎知識はもちろん、経営戦略やマーケティング、財務、法務といった経営全般に関わる知識が身につきます。
社会人に必要な総合的な知識が得られるので、どのような仕事に就く場合もITパスポートで学んだ内容を活かせるでしょう。

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就職活動が有利になる

IT業界やIT系企業への就職を目指す場合、ITパスポートの取得で仕事への前向きな姿勢をアピールできます。

ITパスポートは比較的難易度の低い資格なので、即戦力となるスキルのアピールとして使うのは難しいです。ただ、新卒採用ではスキルよりも意欲を重視する企業が多く、主体的に学ぶ姿勢が評価される可能性は高いといえます。

関連記事:ITパスポートは就活に有利?組み合わせてアピールできる関連資格4選

基本情報技術者試験に役立つ

ITパスポートの勉強を通してITのスキルを身につけると、ITエンジニアの登竜門といわれる「基本情報技術者試験」を目指すときに役立ちます。より高度な内容が問われる基本情報技術者試験では、ITパスポートで学んだ基礎知識が活かせるでしょう。

関連記事:基本情報技術者は就職に有利?試験内容やおすすめの職種を紹介

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6.まとめ

ITパスポートはIT分野の初心者が目指すのに最適な資格です。IT業界やIT系企業を目指す新卒が取得すると意欲をアピールできるので、就活が本格化する前に試験合格を目指すと良いでしょう。
独学で学習を進めるなら、市販の参考書や問題集、公式サイトの過去問、無料の学習動画を使う勉強方法があります。勉強方法が決まったら、試験日から逆算した学習スケジュールを立て、より効率的に勉強を進めましょう。

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