
- 1. ITにおけるコンテナとは?関連用語の意味をわかりやすく解説
- 2. IT業界志望の就活生必見!コンテナが注目を集める背景
- 3. ITにおけるコンテナのおもな利用シーン
- 4. ITのコンテナを利用するメリット3選
- 5. ITのコンテナを利用するデメリット3選
- 6. 「Docker」「Kubernetes」とは?コンテナ関連のITサービス4選
- 7. まとめ
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1. ITにおけるコンテナとは?関連用語の意味をわかりやすく解説
ITにおけるコンテナの意味を解説します。あわせて、コンテナ技術に関連する用語の意味もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
コンテナとは簡易的な仮想化を実現する技術
ITにおけるコンテナ(コンテナ型仮想化)とは、簡易的な仮想化を実現する技術のことです。アプリケーションと実行環境をまとめたものであり、具体的には以下のような構成要素が含まれます。
-
・アプリケーション
・ミドルウェア
・ライブラリ など
ミドルウェアとは、OSとアプリケーションの中間に位置し、両方の機能をサポートする役割のソフトウェアです。
ライブラリは、プログラムにおいてよく利用される機能を切り出して、再利用しやすいようにまとめたものです。
上記のようなアプリケーションを動かすために必要なソフトウェアや、ファイルを独立した仮想空間にまとめたものをコンテナといいます。
仮想化とは
まずは仮想化について、普段使っているパソコンを例に考えてみましょう。
パソコンには物理的な筐体があり、内部に以下のようなパソコンを構成するために必要なハードウェアが含まれています。
-
・CPU
・メモリ
・ハードディスク など
物理的な筐体の中にWindowsなどのOSがあり、OS上でアプリケーションが動いています。
一方で、仮想化されたマシンには、物理的なハードウェアがありません。専用のソフトウェアを使って、あたかも1台のハードウェアが存在しているかのような状態を作り出します。そして、その仮想的なマシンの上でOSやアプリを動かす仕組みが仮想化です。
通常の環境ではハードウェアとOSが1対1の関係であるのに対し、仮想化環境では1台の物理的なマシンで、複数の仮想的なマシンを動かせます。
仮想化の技術はさまざまなシーンで使われており、以下のような複数のプログラム実行環境を構築する場合でも、仮想化を使用することで物理的なサーバーを1台にまとめられます。
-
・WEBサーバー
・メールサーバー
・ファイルサーバー など
あるいは、Windowsパソコンの中で仮想的なMacを動かすことも可能です。アプリの開発現場などで多く使われており、Windowsマシン1台でMac環境における挙動も確認できます。
なお、さまざまな使い道がある仮想化ですが、便利な点ばかりではありません。
デメリットとして、実行速度が遅くなる可能性が挙げられます。例えば、Windows環境でMacを仮想的に動かした場合、OSの上でOSが動いているため、プログラムの処理に時間がかかりやすく、動作が重くなります。
また、起動が大変な点も仮想化のデメリットです。アプリケーションのテストなど、軽微な動作を実行する場合でも、その都度OSを立ち上げなくてはなりません。
さらに、管理が大変な側面もあります。仮想的な環境とはいえ、OSのアップデートなどがあると、それぞれ個別に対応する必要があります。
仮想化とコンテナの違い
コンテナと一般的な仮想化のおもな違いは「独立したOSを使用しているか否か」という点です。
一般的な仮想化の場合、仮想環境の中に「ゲストOS」と呼ばれる個別のOSが含まれています。環境構築時に各ゲストOSの設定を個別に行う必要があるため、手間や時間、システム資源の無駄が生じやすいです。
一方、コンテナによる仮想化の場合、カーネル(ホストOS)を共有して使います。
カーネルとは、OSの中核部分として動作し、アプリケーションとハードウェアの架け橋となるソフトウェアです。
仮想化の場合、カーネルの上にそれぞれのアプリケーションを動かすためのゲストOSを個別に構築しますが、コンテナ型仮想化の場合は、WindowsやLinuxといったハードウェア側に存在するOSを共有して使用します。
一つのOSを共有できるため、コンテナ型仮想化は一般的な仮想化と比較して、環境構築にかかる手間やシステム資源など、無駄なリソースを削減できるのが特徴です。
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2. IT業界志望の就活生必見!コンテナが注目を集める背景
従来までの仮想化の課題を解決できるコンテナ技術は、現在、世界的に注目を集めています。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した「DX白書2023(29p)」によると、日本国内でコンテナ技術をすでに活用しているまたは、導入を検討している企業は「25.3%」でした。
一方、米国では「73.3%」の企業が導入済み、または検討中と回答しており、コンテナ技術はDXの推進手段として世界的に活用されていることがわかります。
したがって、今後需要の高いIT人材を目指すなら、世界的に注目度が高まっているコンテナ技術について学習し、理解を深めておく必要があるでしょう。
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3. ITにおけるコンテナのおもな利用シーン
コンテナ型仮想化は、以下のような幅広いシーンで利用されています。
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・アプリケーション開発
・システム開発
・インフラ整備 など
コンテナは利便性の高さから、今後もさまざまな分野で活用されるようになると予想されます。クラウドやAIなどと同じく、いま最も注目されている技術の1つであり、IT業界への就職を目指すなら、コンテナについて理解しておいて損はないでしょう。
専門的な要素が強い技術なので、理解するのに時間はかかるかもしれませんが、その分、就活時のアピールポイントとしても役立つはずです。採用担当者に「コンテナを自力で習得しました」と伝えられれば、ITの知識はもちろん、仕事に対する意欲や学ぶ姿勢をアピールできるでしょう。
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4. ITのコンテナを利用するメリット3選
ITのコンテナを利用するメリットを紹介します。コンテナ技術への理解を深めるためにも、3つのメリットを把握しておきましょう。
システム資源を節約できる
コンテナを利用するメリットとして、システム資源を節約できる点が挙げられます。
コンテナ型仮想化の場合、一般的な仮想化のようにゲストOSを構築する必要がないため、サーバーやメモリなどのシステム資源を削減できます。
また、複数のゲストOSを構築するために必要な手間や工数も減らせるため、システム開発にかかるコストの削減にもつながるでしょう。
処理スピードを高速化できる
コンテナを利用する大きなメリットの1つが、一般的な仮想化よりも処理スピードを高速化できる点です。
一般的な仮想化の場合、カーネル(ホストOS)とゲストOSで二重の処理が発生し、アプリケーションの起動に時間がかかりやすい傾向にあります。
一方、コンテナ型仮想化の場合はゲストOSを使用しないため、アプリケーションの起動はもちろん、コピーやバックアップなどの動作速度を高速化できます。
アプリ開発の過程で、複数回繰り返し実行される起動やバックアップなどの動作を高速化できれば、作業効率や生産性の向上を期待できるでしょう。
リリースまでにかかる時間を短縮できる
コンテナ技術は、アプリケーションのリリースまでにかかる時間を短縮するのに役立ちます。
コンテナは移植性が高く、以下のような動作環境への反映が容易です。
-
・開発環境
・テスト環境
・本番環境
環境に合わせて設定を調整する必要がなく、別のサーバーに移動しても同じように動作するため、アプリやシステムをリリースするまでの時間を短縮するのに役立ちます。
また、移植性が高いことから、本番に近い環境でテストも実施しやすいため、未然にトラブルを防止できる可能性も高まるでしょう。
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5. ITのコンテナを利用するデメリット3選
非常に便利な技術であるコンテナですが、利用することのデメリットもあります。コンテナ技術への理解を深めるためにも、メリットだけでなくデメリットも確認しておきましょう。
カーネル(ホストOS)に依存しやすい
コンテナのデメリットとして、カーネル(ホストOS)に依存しやすい点が挙げられます。
コンテナはカーネルを共有するため、複数のOSを使った運用はできません。一般的な仮想化のように、WindowsのホストOS上でMac用のコンテナは実行できないため、OS間の互換性は低いといえます。
OSを変えてアプリケーションの動作テストを実施したい場合でも、コンテナ型仮想環境では実行できないため、作業に手間がかかってしまいます。
また、完成後のアプリも開発環境と異なる環境で動作しようとすると不具合が発生しやすい点も大きなデメリットです。
したがって、複数のOSで使用できるアプリケーションを開発する場合は、コンテナ型仮想化よりも一般的な仮想化のほうが適しているといえるでしょう。
専門的な知識を学習する必要がある
コンテナを利用するデメリットとして、学習難易度の高さが挙げられます。
コンテナについて本格的に理解するためには、OSやカーネルといったより深い部分でITを理解しなくてはなりません。OSもできればLinuxを使用するべきであり、各種コマンドを覚える必要もあるため、コンテナ技術の学習はそれなりに労力がかかる大変な作業です。
また、比較的新しい技術なので、ネット上に情報が少ない点もデメリットといえるでしょう。何か問題があっても解決策がなかなか見つからず、疑問を解消するまでに時間がかかってしまう傾向にあります。
セキュリティリスクが高い
コンテナ型仮想化は、一般的な仮想化よりもセキュリティリスクが高いという一面もあります。
コンテナは共通のカーネルによって動作します。したがって、土台となるカーネルに不具合が発生した場合、すべてのコンテナが大きな影響を受けてしまう可能性があるのです。
セキュリティ面でもホストOSに依存しやすい点は、コンテナのデメリットの一つといえるでしょう。
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6. 「Docker」「Kubernetes」とは?コンテナ関連のITサービス4選
コンテナ関連の主要ITサービスを4つ紹介します。
なお、コンテナ技術に興味がある・使ってみたい就活生は、圧倒的なシェアを誇る「Docker」と「Kubernetes」を試してみるのがおすすめです。「Docker」と「Kubernetes」を含めた4つのサービスの概要や特性を解説するので、ぜひ参考にしてください。
コンテナエンジン
コンテナエンジンとは、コンテナを制御・実行するためのソフトウェアです。基本的には、カーネルを共有して、仮想化した各コンテナを稼働させる仕組みになっています。
以下では、代表的なコンテナエンジンの種類を2つ紹介します。
Docker
Dockerとは、コンテナ型仮想化技術を使うためのプラットフォームです。Dockerがリリースされたからこそ、今日のコンテナブームがあるといっても過言ではありません。
Dockerが初めて世に出たのは2013年です。以降、さまざまなIT大手企業で利用され、瞬く間に世に広まっていきました。現在でも、コンテナ技術のデファクトスタンダード(事実上の標準)として圧倒的な存在感を放っています。
つまり、「コンテナ技術を学ぶ」ということは「Dockerを使えるようになる」とほぼ同義です。
Dockerは、個人利用であれば無料で、Windows・Macのいずれからもインストールできます。学生でも気軽に試せるので、コンテナに興味がある人はインストールすることをおすすめします。実際に触ってみることで、コンテナ技術についてより理解を深められるでしょう。
Podman
Podmanとは、Linuxのシステム上でコンテナを開発、管理、実行するためのオープンソースツールです。
RedHat社が開発したコンテナエンジンの「Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 」では、バージョン8から標準のコンテナエンジンとして採用されています。
使用感はDockerに近いのが特徴です。一般的には、RHEL上ではPodman、それ以外の環境ではDockerの使用が推奨されています。
オーケストレータ
オーケストレータは、コンテナの管理をするためのソフトウェアです。
なお、オーケストレータは大量のコンテナを立ち上げる環境で使用します。個人のマシンにDockerを入れて、コンテナ型仮想環境を構築するというレベルでは、特に必要ありません。
例えば、クラウドサービスを提供しているような大規模なサーバーで、数えきれないほどのコンテナを立てた場合、人力で管理することはできません。
そのような状況下で、大量のコンテナをまとめて管理するのに役立つのがオーケストレータです。
つまり、コンテナ船が着く港に行くと、巨大なクレーンがコンテナを積み下ろし、分類していきますが、同じような役割をオーケストレータは担っています。
以下では、代表的なオーケストレータの種類を2つ紹介します。
Kubernetes
Dockerと共にコンテナ技術を支えているのが「Kubernetes」です。読みは「クバネティス」や「クーバネティス」で「K8s」と略されることもあります。
オーケストレータの代表的なサービスであり、Googleが開発したものをベースに、現在はCNCF(Cloud Native Computing Foundation)というクラウドネイティブコンピューティング技術を推進する非営利団体が開発を進めているオープンソースツールです。
コンテナを効率的に配置したり、状況を監視したりなど、幅広い機能を標準的に使用できるのが特徴です。
これからコンテナ技術に触れてみる人は、まだ使う必要はありませんが、オーケストレータというソフトウェアが存在することは、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。
Docker Swarm
Dockerが開発したオーケストレータが「Docker Swarm」です。
現在のオーケストレータのデファクトスタンダードである「Kubernetes」は、多機能な分、構造が複雑であり、使いこなすのが難しい傾向にあります。
その点、Docker Swarmは機能を絞った分、構造がシンプルで使いやすく、Kubernetesよりも短時間で習得できるのが特徴です。
また、Dockerに付随するサービスなので、1つのソフトウェアでコンテナ環境の管理を実行できます。軽量でインストールもしやすいため、手軽にオーケストレータの使用感を試してみたいコンテナ初心者の人におすすめのサービスです。
関連記事:新卒向け|システム運用の仕事を分かりやすく解説!
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7. まとめ
コンテナはアプリケーションやシステム開発の場において、簡易的な仮想化を実現する便利な技術です。
一般的な仮想化の問題点を解決し、アプリケーションの開発にかかる時間やリソースを削減するのに役立ちます。
ただし、構造上OS間の互換性が低い点や、使いこなすには専門的な知識を身につけなければならないといったデメリットもあります。
なお、コンテナは世界的にDX化が推進されている昨今のビジネス環境において、多くの企業が注目している技術です。
IT業界に就職するにあたって、将来的に活用できる可能性が高いだけでなく、就活でのアピールにも使えるため、学生のうちから知識を深めておきましょう。
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