- 1. フレームワークとは?分かりやすく解説
- 2. フレームワークを活用するメリット・デメリットとは
- 3. フレームワークが提供する機能とは
- 4. エンジニアに必要なフレームワークの知識とは
- 5. フレームワークを学習する際の選び方
- 6. 言語別に使えるフレームワークとは?例を紹介
- 7. まとめ
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1. フレームワークとは?分かりやすく解説
IT業界で用いられるフレームワークとは、アプリケーション開発においてよく利用される機能をあらかじめパーツとして備えた枠組みのことです。
フレームワークは共通する処理部分のプログラムを自動的に作成してくれるため、システムに必要な部分を追記するだけでアプリケーションを構築できる効率的なツールとして活用されています。
フレームワークには、一般的なアプリケーション開発に活用される「アプリケーションフレームワーク」や、Webシステムの開発に用いられる「Webアプリケーションフレームワーク」などの種類があり、開発用途に合わせて選択が可能です。
なお、フレームワークという用語はビジネスの場でも用いられ、経営の意思決定や事業の課題を解決するための分析や思考整理を行う枠組みを指します。IT業界で用いるフレームワークとは異なるため注意してください。
フレームワークとライブラリの違いとは
フレームワークとよく似た言葉に「ライブラリ」があります。どちらもプログラミングを助けてくれるツールですが、位置づけが異なるため留意してください。
ライブラリはあくまで「部品」であり、自身の作成したプログラムの中で部分的に活用するものです。具体的には、よく使う機能をパッケージ化した部品として、構築したアプリケーションに読み込んで利用します。
一方、フレームワークはアプリケーションの「枠組み」を提供するツールです。開発者はフレームワークで用意されたコードを修正したり、新たにコードを追加したりして利用します。
関連記事:ライブラリとは?利用するメリットや注意点をわかりやすく解説
フレームワークとプログラミング言語の違いとは
プログラミング言語は、システムに指示する言葉そのものです。一方、フレームワークは枠組みを指し、プログラミング言語の使い方をあらかじめ設定する目的で使用されます。
フレームワークはプログラム制作にかかる型が決まっており、構造に沿ってプログラミングを行うため作業量や時間を削減できます。ただし、「決まった型があるからプログラミング言語の知識は不要」と誤認しないよう注意しましょう。
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2. フレームワークを活用するメリット・デメリットとは
ここでは、フレームワークを活用するメリットとデメリットをそれぞれ3つ紹介するので参考にしてください。
フレームワークを活用する3つのメリット
まずは、フレームワークを活用するメリットを3つ解説します。
開発に必要な時間や機能を作り直す手間を減らせる
フレームワークを活用すると、開発にかかる時間と労力を削減できるのがメリットの1つです。
アプリケーション開発において、共通する機能を毎回作り直すのは時間や手間がかかります。
フレームワークを活用すれば、設計図に沿って必要な部分を追加すれば足り、新たにアプリケーションを開発する際も共通する部分を再利用できるので、開発コストや工数の削減につながるでしょう。
開発ミスを減らせる
フレームワークを活用すれば、開発ミスが減り品質向上が期待できます。
フレームワークを利用せず機能を1から開発するのは手間がかかり、プログラムミスが発生しやすくなりバグの温床となりかねません。そこで、あらかじめ用意された型を用いることでミスを減らせるため、品質も一定の水準を保てます。
共通的なルールに沿ってコードが書ける
フレームワークは、構造に沿った共通的な形式でのコーディングが可能になる点もメリットです。
共通の枠を使用することでエンジニアがコードを書く際の差異が減少し、ソースコードの可読性や保守性が向上します。
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フレームワークを活用する3つのデメリット
フレームワークを活用するメリットだけでなく、デメリットも把握しておきましょう。ここでは、フレームワークのデメリットを3つ解説します。
プログラム作成の自由度が下がる
フレームワークは構成に沿って開発を進めるため、最初から自分でコーディングする場合と比べて開発に制限が生じ、自由度が下がる点がデメリットです。
また、フレームワークには使用方法のルールがあり、プログラミングを行う中でフレームワークを使用したことがなかったり、今まで活用していたフレームワークと違うものを使用したりする場合、困惑する可能性があります。
フレームワークの使い方の習得に時間がかかる
フレームワークを初めて利用する場合、プログラミング言語とは別にフレームワークの知識が必要となるため、ある程度の学習コストがかかる点もデメリットといえるでしょう。
また、プログラミング言語のフレームワークの需要によっては、使い方を習得しても求人が少ない場合もあるため、学習前に確認しておくのが大切です。
プログラミングスキルが伸びにくくなる
人によってはフレームワークを使うことで、プログラミング言語のスキルが伸びにくくなる可能性もあるでしょう。
フレームワークを使うと、プログラミング言語が分からなくてもプログラムを作成できます。そのため、フレームワークの使い方によっては、プログラミング言語のスキルが伸び悩む原因となりかねません。
また、基本的なプログラミング言語のスキルがなければ、イレギュラーなエラーに対応できない恐れがあります。フレームワークを学習する前に、まずは一定レベルのプログラミング言語の習得を目指しましょう。
学生がフレームワークを習得するメリットとは
現代のシステム開発現場では、フレームワークの活用が一般的です。そのため、フレームワークを習得すればエンジニアとして即戦力になれる可能性が高まります。
また、プログラミングに加えてフレームワークを扱えるスキルを持っていれば、就職活動でも大きなアピールポイントになるでしょう。
これらのメリット・デメリットを参考に、自分がプログラミング学習においてどの位置にいるのか把握し、必要な学習を進めてください。
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3. フレームワークが提供する機能とは
ここでは、フレームワークが提供する具体的な機能を3つ紹介します。
MVCモデルによるシステム開発
多くのフレームワークは、MVCモデルに沿ってシステム開発が行えるように設計されているのが特徴です。MVCモデルとは、アプリケーションを以下の3つに分けることで、プログラムの生産性や保守性を向上させる考え方を指します。
-
・データを扱うモデル(Model)
・画面描画を扱うビュー(View)
・モデルとビューをつなぐコントローラ(Controller)
フレームワークでは、自動的にMVCモデルに沿った形でアプリケーションの骨組みを作成するため、自然とMVCモデルに従ったソースコードを記述することが可能です。その結果、アプリケーションの生産性と保守性を向上させられます。
データベースとの接続
多くのフレームワークは、データベースとの接続や操作を容易に行う機能を備えているのも特徴の1つです。
具体的には、以下のような仕組みが用意されています。
-
・データベースに自動的にテーブルを作成する
・開発に必要となるテストデータを作成してデータベースに登録する
・プログラム中から簡単にSQL文を発行できる
データベースとの接続から、利用者の端末に表示させるまでの工程を自分で調べてプログラムを組み立てる必要がなくなるため、エラーや手間の削減につながるのです。
セキュリティ
アプリケーションのセキュリティレベルを上げるために、フレームワークにはセキュリティ対策のための仕組みが用意されています。
特に、不特定多数の端末からアクセスされる可能性があるWebアプリケーションの構築では、プログラムの脆弱性を狙ったサイバー攻撃を受けるリスクへの対策が欠かせません。
多くのフレームワークにはユーザー認証機能が備わっており、安全な認証機能を提供しています。また、SQLインジェクションなどのサイバー攻撃を防止するための機能を有し、エンジニアによるプログラムミスを最小化させるのも、フレームワークが持つ役割です。
フレームワークが備える機能をある程度把握しておけば、学習する際も使用する場面を理解しやすくなるでしょう。
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4. エンジニアに必要なフレームワークの知識とは
ここでは、エンジニアとして活躍する際に知っておくべきフレームワークの知識を2つ紹介します。
プログラミング言語のおもなフレームワークの知識
エンジニアとして業務を行う際は、使用するプログラミング言語に関連するおもなフレームワークを知っておくことが大切です。
変化の激しいITビジネスでは特に、スピード感を持ったインプット・アウトプットが欠かせません。おもなフレームワークを把握しておけば、プログラミング言語の知識との相乗効果で、より効率的に品質を保った開発が可能になるでしょう。
プロジェクトに必要なフレームワークを選ぶ知識
エンジニアは、関わるプロジェクトに合わせて活用すべきフレームワークを選ぶための知識も欠かせません。
たとえば、サイトデザインを制作する、アプリケーションを開発するなど、用途によって使用する言語が異なります。そのため、開発の目的を明確にし、最適なフレームワークを選ぶための知識を習得するのが大切です。
フレームワークの種類や選ぶための知識は、フレームワークを活用するうえで欠かせないため、できる限り学習しておきましょう。
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5. フレームワークを学習する際の選び方
ここでは、どのフレームワークを学習するか迷った際の選び方を紹介します。
なお、「.NET Framework」のようなサポート終了が決定しているフレームワークを新たに使用する際は、移行の手続きなどが発生するため注意してください。
たとえば、「.NET Framework」は「.NET」が後続のフレームワークとなります。しかし、ライブラリが異なるため、場合によってはコードの大幅な書き換えが発生する可能性があります。
そのため、フレームワークを学ぶ際は、できる限りサポートが継続するものを選ぶのがおすすめです。
開発したいプログラムで選ぶ
自分が開発したいアプリケーションや、就職した後に携わりたいプロジェクトで使用するプログラミング言語に対応するフレームワークを学習する選択肢があります。
フレームワークの中には機能が限定されているものもあるため、何に用いたいか、どのようなプログラムを構築したいかを事前に明確にしておくのがおすすめです。
開発したいプログラムから学習するフレームワークを選ぶ方法は、目的意識を持って取り組めるため、モチベーションも維持しやすいでしょう。
学習の難易度や費用で選ぶ
フレームワークは、学習の難易度やかかる費用から選択するのもおすすめです。
フレームワークを学ぶ際は、まずパソコンにフレームワークの使用環境を作ることから始まります。環境構築や維持が複雑な場合は、フレームワーク学習の難易度が高いと感じてしまうかもしれません。
また、フレームワークの中には無料・有料のものがあります。さらに、プログラミング言語の中には複数のフレームワーク機能がリリースされているものもあるため、学習範囲やコストも高くなりやすいでしょう。
そのため、自分の可能な範囲で取り組めるフレームワークを選ぶことが大切です。
利用者が多いフレームワークを選ぶ
フレームワークを利用している人が多いかも、選ぶ際のポイントになります。
利用者が多く実績の豊富なフレームワークなら、学習する中で出てきた疑問や問題を解決することが容易になるでしょう。疑問を解決しやすい環境は、挫折するリスクを下げられるため重視すべきです。
これらを参考にして、自分の目的や希望に合ったフレームワークを選びましょう。
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6. 言語別に使えるフレームワークとは?例を紹介
フレームワークは、プログラミング言語ごとに使える種類が異なります。ここでは、プログラミング言語別で用いられることが多いフレームワーク例を紹介するので、参考にしてください。
Rubyのフレームワーク3選
まずは、Rubyの主要なフレームワークを3つ紹介します。
Ruby on Rails
Ruby on Railsは、Rubyでシステム開発を行う際にはほぼ必須のフレームワークです。多くの開発現場で採用されている実績があります。
Ruby on RailsはDRYと呼ばれる考え方で設計されており、エンジニアが同じコードを繰り返し書く必要がないのが特徴です。この機能によって、プログラムの生産性と保守性を向上させられます。
Sinatra
Sinatraは、Ruby on Railsに比べて簡単にコードが書けるフレームワークです。少ないコードで記述できるため、初心者でも活用しやすいのが特徴といえるでしょう。
大規模な開発には向きませんが、小規模なアプリケーションを開発する際に便利なフレームワークとして活用されています。
Padrino
Padrinoは、Sinatraをベースに作られたフレームワークです。Sinatraより機能が充実し、かつRuby on Railsに比べて少ないコードで開発を行える点が特徴として挙げられます。
JavaScriptのフレームワーク3選
次に、JavaScriptのおもなフレームワークを3つ紹介します。
Backbone.js
Backbone.jsは、基本的な学習を終えた初心者が学習しやすいフレームワークです。シンプルな構造でアプリケーションを構築でき、サイズが軽いのも特徴の1つです。
Backbone.jsでは、アプリケーションによってライブラリを併用し構築します。なお、Backbone.jsを書き換えた際はHTMLも別途修正しなければならないため、注意してください。
Vue.js
Vue.jsは、UI構築のために用いられるフレームワークです。ほかのフレームワークの長所を取り込んでいるのが特徴といえます。
独自のルールが少なく比較的自由にコードを書けるため、フレームワーク初心者が個人で開発を行うのにおすすめです。
Ember.js
Ember.jsは、Web開発における複数の機能を備えたフレームワークとして活用されています。そのため、学習範囲が広く学習コストは高くなりがちです。
しかし、Ember.jsを書き換えればコードも自動的に変わるため、効率的かつ生産性の高いシステム構築が可能になるメリットがあります。
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Javaのフレームワーク3選
ここでは、Javaのおもなフレームワークを3つ解説します。
Spring Framework
Spring Frameworkは機能の拡張性の高さから、大規模な開発に導入されることが多いフレームワークです。幅広い開発に対応できますが、ほかのフレームワークに比べると習得の難易度は高いといわれています。
Play Framework
フレームワークは1つのプログラム言語に対応するのが基本です。しかし、Play FrameworkはJavaとScalaの2つの言語で使用できます。
Play FrameworkはRuby on Railsの影響を受けているため、似ている点が多いのが特徴です。また、動作の速さも特徴的で、スピード感を求められるWebアプリケーション開発で用いられます。
JSF(JavaServer Faces)
JSF(JavaServer Faces)は、WebアプリケーションのUIを構築する際に用いるフレームワークです。文字入力を行うテキストフィールドや、セレクトボックスを作る際に役立ちます。
PHPのフレームワーク3選
PHPのおもなフレームワークについて3つ説明するので、参考にしてください。
CakePHP
CakePHPは、ケーキを焼くように誰でも早く簡単に開発を行えるように作られたフレームワークです。Ruby on Railsの影響を受けており、Webアプリケーションを高速で開発できます。
Laravel
Laravelは、近年人気が高まっているフレームワークです。人気の理由は、規約が少なく自由度が高い点や、機能が充実していること、比較的簡単に理解でき学習コストが低い点などが挙げられます。
世界中に使用者が多く教材も充実しているため、初めてフレームワークに触れる人にもおすすめです。
関連記事:人気のLaravel入門方法!学生が学ぶメリットも紹介
FuelPHP
FuelPHPは、ほかのPHPフレームワークの長所を取り入れているのが特徴といえます。
Laravelと同様に規約が少なく自由にコードを書けますが、自由度が高い分コードに統一性を持たせにくく、大規模な開発には向いていない点には注意が必要です。
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Pythonのフレームワーク3選
次に、Pythonのおもなフレームワークについて3つ紹介します。
Django
Djangoはシンプルに記述できるため、生産性の高さが特徴のフレームワークです。Pythonの人気と合わせて注目されており、Pythonを学習する際にはDjangoもセットで習得するとよいでしょう。
Flask
Flaskは最低限の機能を備えた「マイクロフレームワーク」に分類され、小規模なアプリケーション開発に用いられます。機能がシンプルなため動作が早く、学習の難易度が低いのも特徴です。
あらかじめ搭載されている機能は最低限であるものの、拡張機能を使って利便性を高められます。
Bottle
BottleもFlaskと同様のマイクロフレームワークで、小規模なアプリケーション開発に向いているのが特徴です。
「bottle.py」という1つのファイルのみで構成されており、構造が把握しやすく初心者が学習するのにも最適といえます。Flaskよりもさらに少ない時間で習得できるのでおすすめです。
CSSフレームワーク3選
最後に、CSSのフレームワークを3つ紹介します。
Bootstrap
BootstrapはTwitter社(現:X社)が開発したフレームワークで、誕生当時は「Twitter Bootstrap」と呼ばれていました。
Webサイトの基本的な機能である「ボタン」や「フォーム」といったパーツのテンプレートがあり、簡単に見た目のよいWebアプリケーションを構築できます。
Foundation
FoundationはBootstrapに比べてカスタマイズ性が高く、より独創的なデザインを構築できるフレームワークです。
デザインに対してこだわりがある開発者に人気ですが、カスタマイズ性が高い分覚えるルールが多くなります。
UIkit
UIkitはデザイン性の高いテンプレートが特徴のフレームワークです。UIの美しさに定評があり、おしゃれな印象のWebサイトを構築できます。
これらを参考に、自分が携わりたい開発プロジェクトや、学んでみたいプログラミング言語から、習得するフレームワークを見つけましょう。
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7. まとめ
フレームワークとは、アプリケーション開発においてよく利用される機能をあらかじめ備えた骨組みを意味します。フレームワークを使用すれば効率的にシステム開発できるため、プログラミングを行う現場での活用は必須です。
そのため、IT系職種を目指す就活生は、プログラミング言語だけでなくフレームワークにも触れておくことをおすすめします。就活の選考でフレームワークを活用した開発経験を示せれば、より効果的なアピールにつながるでしょう。
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