AIに仕事が奪われる!?悲観論に惑わされず、積極的にキャリアをつかみ取ろう2045年問題とは?AI時代に向けて学生ができること

最終更新日:2021年6月4日

近年、著しい進化を遂げているAI(人工知能)。2045年にはAIが人間の知能を超えるとの予測があり、私たちの仕事が奪われるなど社会に大きな影響をもたらすと言われています。この2045年問題は、将来のキャリアについて考える学生にとっても気になる話題でしょう。
本記事では、2045年問題・シンギュラリティとはなにか、何が引き起こされるのか、またそれを見据えて今の学生がどう行動するべきかについて考察します。

1. 2045年問題とは?

2045年問題とは、米国における人工知能研究の権威であるレイ・カーツワイル氏の未来に関する予測に由来します。同氏は、2045年にAI(人工知能)が人間の知能を超えると予測し、それに伴って生じる社会への影響や問題を指摘しました。

人工知能が人間よりも賢い知能を繰り返し生み出し、人間を凌駕する現象は「シンギュラリティ(技術的特異点)」とも呼ばれ、人間が予想できない事象が生み出されるのではないかと言われています。ロボット工学やナノテクノロジー・遺伝子科学といった分野が進歩・融合し、社会や人間のあり方が問われるようになっていきます。イーロン・マスク氏、孫正義氏など、シンギュラリティの影響を指摘する識者も多く見られるようになりました。

シンギュラリティが起きるのか否か、いつ起きるのか、起こるとすればポジティブな影響なのかネガティブな影響なのか、といった議論はいまだ続いており、技術の発展に合わせて理解を深めていくべき問題と言えるでしょう。

2. シンギュラリティが主張される根拠

シンギュラリティが主張される根拠として、近年のAIの発展が挙げられます。以下では、シンギュラリティに影響すると思われる技術について解説します。

特化型人工知能

特定の目的に特化して予測や判断が行えるAI技術を、特化型人工知能と呼びます。近年、特に注目されている技術であり、囲碁・ゲーム・画像診断などの分野では、人間を超える精度・性能をもつようになりました。この発展を支えているのは、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれる技術です。2012年頃に発表された研究が世界的に広まってきており、データの特徴を自動的に抽出できるため、従来の手法に比べ、大規模・複雑なデータでも効率よく精度の高い予測・判断が行えるようになりました。

汎用人工知能

特化型人工知能とは異なり、人間と同様に、与えられた情報から最適な方法を判断できるAI技術が汎用人工知能です。現在はまだ実現に至っておらず、前述の2045年問題で予測された通り、AIが人間と同等、あるいはそれ以上の知能を実現する2045年頃に実現するのではないかと予測されています。コンピューターの性能が加速度的に向上している点や、技術革新のスピードがより早くなっている点を根拠とし、AIの飛躍的な発展が主張されるようになりました。

IoT(Internet of Things)

近年では、自動車から工場に至るまで、あらゆるモノにコンピューターやセンサーが搭載されるようになりました。このような仕組みはIoTと呼ばれ、これまでには実現できなかった高度なシステムの協調が実現できるようになっています。さらに今は、スマートフォンの普及により、高性能なAIを誰でも気軽に活用できる時代です。今後は、完全自動運転のようなアプリケーションも実現され、人間が関与しなくても構わないプロセスが増えていくと考えられます。

ロボット

人工知能の発展を通して、それによって制御できるロボットも発展していくことが予測されています。既に生産の現場では、高度なロボットが導入され、人間は少ない管理作業だけで仕事が完結するようになりました。今後もドローンによる配送などを含め、広い意味でのロボットが社会に大きく関わっていきます。シンギュラリティによって人間の知能を上回るAIが実現されれば、アニメやSFで描かれたようなロボットが導入される可能性さえあるでしょう。

3. 2045年問題によって引き起こされること

AI技術の発展により、産業構造が変化するという予測があります。本章では、仕事や雇用といった側面から、2045年問題の影響について考察します。

AIによって奪われる仕事と残る仕事

野村総合研究所の調査(※)では、日本の労働人口の49%が人工知能やロボットで代替可能と試算されました。創造性や協調性が必要な業務は引き続き人間が担う一方、データの分析や体系的操作が求められる職業は人工知能やロボットで代替できるという見込みです。

具体的には、代替可能性が高い仕事として、一般事務員・会計監査係員・データ入力係・CADオペレーターといった職種が挙げられました。また、代替可能性が低い仕事には、グラフィックデザイナー・教員・経営コンサルタントなどが含まれます。

※参考:野村総合研究所「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」p.1より

雇用の変化

2045年問題の特徴は、これまで知能労働と考えられていた仕事さえも人工知能に代替されうるという点です。機械化やロボット化は重労働を軽減するものですが、AIの場合、いわゆるデスクワークと呼ばれる仕事にも影響を与えます。

また、AIの発展により効率化が極度に進み、少ない人員で同じ仕事が完遂できるようになるとの予測もあります。そのため、代替可能性の低い仕事以外では、人員が余ってしまい、雇用率が下がるおそれがあります。実際、AI化が進んだスマートファクトリーでは、既にロボットがほとんどの作業を行っており、わずかな人員しか必要としていないのが現状です。

労働に対する意識の変化

シンギュラリティによって、人間と同じ程度かそれ以上の知能を持ったAIが実現できれば、社会を動かすのに必要な仕事は人間が行う必要がなくなるかもしれません。つまり、人類は生活費を稼ぐための労働をする必要がなくなってしまいます。無条件に最低限度の所得を支給するベーシックインカムの実現可能性が議論され始めたのもシンギュラリティが背景にあり、「なぜ働くか」が問われるようになってきたのです。

労働に対する意識が変化するにつれ、人間が行う意義のあるアート・スポーツ・パフォーマンスなどの分野が拡大していく可能性があると言えるでしょう。若い世代からYouTuberやeスポーツで活躍する人が注目を浴びるようになったのも、仕事観に対する変化の現れなのかもしれません。

4. シンギュラリティを踏まえ学生ができること

現在の学生は、現役世代として2045年を迎えるため、2045年問題の当事者となり得ます。大きな変化が見込まれる社会を前に、学生はキャリアに対してどう考え、どのように行動すれば良いのでしょうか。

産業の歴史について学ぶ

思えば18~19世紀に起きた産業革命でも、機械化の推進によって手工業に属する労働者の職は奪われましたが、機械工業の職は新しく生まれていきました。AIの時代でも同様であり、長期的な視点に立てば、技術の発展によって求められる仕事に増減があるのは当然のことです。そのため、多くの人は需要が高まる産業へ適応する態度が求められるのではないでしょうか。仕事が奪われるといった悲観的な言説も叫ばれていますが、ひとつの側面に偏った見方に惑わされず、大局的な視点を身につけるよう心がけましょう。

AIを活用できるIT知識を身に付ける

AIと人間を比較する話題や、AIが人間の精度を上回ったというニュースは、頻繁にメディアで取り上げられています。しかし、ビジネスの現場では、AIと人間は比較する対象ではなく、人間がAIを上手に活用して高い成果を上げる方法が望まれます。具体的には、データ分析やプログラミングに関する知識を得て、積極的にAIを活用できるようにすると良いでしょう。

AIやデジタル化にかかわる事業に取り組む

短期的に見ると、ビジネスの現場はシンギュラリティからほど遠いのが現状であり、仕事を効率化するためデジタル化・IT化を進める余地がまだまだ残っています。コロナ禍でも明らかになったように、紙のプロセスは多く、AIが活用できていない状況にあるのです。

コロナ禍を体験してきた現在の学生は、オンラインで勉強も遊びもこなしてきた特別な世代です。その経験を活かし、これからの社会でデジタル化による新たなアイデアを生み出す人材が現れてくることが期待されます。IT業界を目指す学生は、AIの開発やデジタル化の推進を通し、シンギュラリティを人類に役立つものに出来る可能性があります。

5. まとめ

AIが進歩することによって、一部の仕事がAIに代替されるなど産業構造が変化する可能性があると言われています。これから社会人になる学生は、将来の社会の変化に対して、AIを使って新たな価値が提供できるような柔軟なキャリア選択をしていくことが必要ですが。仕事が奪われるといった悲観的な言説に惑わされすぎず、仕事や産業に対する大局観を磨くことが将来の活躍にもつながるでしょう。

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