プロジェクトマネージャーとは？仕事内容・必要スキルと未経験から目指す方法

• 1.プロジェクトマネージャーとは

• 2.プロジェクトマネージャーに必要なスキル・知識

• 3.プロジェクトマネージャーにおすすめな資格

• 4.プロジェクトマネージャーから目指せるキャリアパス

• 5.未経験からプロジェクトマネージャーを目指す方法

• 6.まとめ

1.プロジェクトマネージャーとは

プロジェクトマネージャー（PM）とは、システム開発プロジェクトのマネジメント業務を担当する上流工程の職種です。Web開発やアプリ開発、インフラ構築などさまざまな分野で活躍する職種であり、プロジェクトの進行や納期についての責任を負う立場でもあります。

プロジェクト全体の開発効率はプロジェクトマネージャーのマネジメント能力に左右され、プロジェクトマネジメントに対するスキル・経験が不足していると、どれだけ優秀なエンジニアやプログラマーが集まった開発チームだったとしても、スケジュールに遅れが出てしまうなどの悪影響が発生します。

プロジェクト全体の責任者を務めるため大きな責任が伴いますが、その分だけ業界でもトップクラスの収入面・待遇面が期待できます。

プロジェクトマネージャーの仕事内容

プロジェクトマネージャーの仕事内容には、開発プロジェクトのコスト管理・スケジュール管理・品質管理などが挙げられます。受託開発の現場では、クライアント企業のニーズを汲み取りながら開発プロジェクトをまとめ、必要な人員を集めてチームを構成した上で開発業務に取り組みます。

開発プロジェクトがスタートした後には、クライアント企業の要望や仕様変更などがあれば素早くチーム全体に共有しながら、開発スケジュールに遅れがないかをモニタリングするのが仕事です。チーム内でプログラマー同士のトラブルなどが発生した場合にも、トラブル解決と円滑な人間関係をサポートする役割を担います。

プロジェクトリーダーとの違い

プロジェクトマネージャーとよく似た職種として、「プロジェクトリーダー」というポジションを置いている現場もあります。プロジェクトリーダーは、プロジェクトマネージャーのもとで小さなプロジェクト単位のリーダーを務める職種であり、プロジェクトマネージャーをサポートする役割を果たします。

たとえば、インフラチームのプロジェクトリーダー、品質管理チームのプロジェクトリーダーなど、各分野を代表する責任者がプロジェクトリーダーであり、それぞれのプロジェクトリーダーへ指示を出し、プロジェクト全体のマネジメントを担当するのがプロジェクトマネージャーです。

一般的なキャリアパスとしては、プログラマーやシステムエンジニアといった職種で現場の仕事を経験した後、プロジェクトリーダーとしてマネジメント経験を積みながら、プロジェクトマネージャーへとステップアップする流れとなっています。

プロジェクトマネージャーの平均年収

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」によると、「プロジェクトマネージャ（IT）」の平均年収は684.9万円とされています。平均年収の数字で700万円近い金額となっており、大規模開発にも携わる大手企業のプロジェクトマネージャーであれば1000万円以上の収入を得ていることも珍しくありません。

プロジェクト全体の責任を負うプレッシャーの大きな立場ではありますが、業界でもトップクラスの収入を狙えるため、収入面・待遇面を重視してキャリアを歩みたい方にとってはキャリアパスの筆頭に挙げられるでしょう。

2.プロジェクトマネージャーに必要なスキル・知識

続いて、プロジェクトマネージャーとして活躍するために必要となるスキル・知識についてご紹介しましょう。
 

• ・プロジェクトに関連する業界知識

  ・マネジメントスキル

  ・コミュニケーションスキル

将来はプロジェクトマネージャーを目指してステップアップしたいと考えている方は、スキルアップの参考にしてみてください。

プロジェクトに関連する業界知識

プロジェクトマネージャーになるためには、手掛けるプロジェクトに関連した業界知識を備えておく必要があります。たとえばWeb開発において、クライアント企業の要望のうち予算内で実装できること・できないことを判断して提案するために、フロントエンド開発・バックエンド開発の知見が要求されます。

プロジェクトマネージャーとして携わる開発プロジェクトについて深く理解していなければ、各チームに的確な指示を出すことも難しく、プロジェクト進行を妨げてしまう結果になります。そのためプロジェクトマネージャーの仕事を任されるためには、プログラマーやシステムエンジニアとして現場で身につけた豊富な経験・実績が重視されるのです。

マネジメントスキル

プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を俯瞰しながらマネジメントするスキルも求められます。コストマネジメント・スケジュールマネジメント・チームマネジメントなど、プロジェクト進行に必要な幅広い分野のマネジメントスキルが要求されるので、「PMBOK」と呼ばれるプロジェクトマネージャー向けのガイドブックを参考に、一つひとつの分野について丁寧に知識を身につける必要があります。

プロジェクトマネージャーのマネジメントスキルによって、プログラマーやシステムエンジニアの働きやすさが左右され、プロジェクトの進捗にも影響します。プロジェクトマネジメントに関する体系的なマニュアルをもとに知識を学びながら、実務を通じてマネジメントスキルを磨くのが一般的です。

コミュニケーションスキル

プロジェクトマネージャーという立場上、プログラマーやシステムエンジニア、プロジェクトリーダーやクライアント企業など、さまざまな立場の相手に接する職種です。相手の立場になって要望・希望を汲み取り、プロジェクト全体でうまく調整するためにも、高いコミュニケーションスキルが求められます。

また、担当するプロジェクトで何かトラブルがあった際には、クライアント企業に対して納期の調整を依頼するなど、関係各所への調整業務が発生することもあるので、きめ細やかな配慮ができるコミュニケーションスキルも必要です。

3.プロジェクトマネージャーにおすすめな資格

次に、プロジェクトマネージャーの仕事に直結するおすすめ資格についてもご紹介しましょう。
 

• ・応用情報技術者試験

  ・プロジェクトマネージャ試験

  ・PMP

一つひとつ順番に解説するので、プロジェクトマネージャーに向けて資格取得に取り組みたい方はぜひ参考にしてください。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、IT系の国家資格の中でも高い難易度が設定されている資格で、現役のエンジニアでも一発合格は容易ではない試験です。応用情報技術者試験では、システム開発に関するスキルに加えて、予算管理・品質管理についてのスキルも問われます。プロジェクトマネージャーへとステップアップするためには必要な知識ばかりなので、長期的な視点でコツコツと資格対策に取り組むと良いでしょう。

応用情報技術者試験は、CBT方式ではなく筆記方式を採用しており、春・秋の年2回開催が予定されている資格です。合格のためには入念な学習計画を組む必要があることにもご注意ください。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、名称の通りプロジェクトマネージャーについての専門的な知識が問われる国家資格です。本記事で解説してきたプロジェクトマネージャーとしての仕事内容を完遂するために欠かせない知見を習得できるため、プロジェクトマネージャーを目指すなら早めに取得しておいて損はありません。

プロジェクトマネージャー自体がIT業界では専門性の高い職種であることから、プロジェクトマネージャ試験の合格率は非常に低く、一発合格を果たすのは至難の業です。試験の実施方式は筆記試験、秋の時期に年1回試験が実施されるのみとなっているので、次の試験日程を見据えて学習スケジュールを立てると良いでしょう。

PMP

PMP（Project Management Professional）とは、プロジェクトマネジメントの分野における専門知識が問われる資格です。アメリカに本部を置くPMIと呼ばれる団体によって実施されている資格で、プロジェクトマネージャー向けの体系的なガイドブック「PMBOK」の内容にもとづいて出題されます。

なお、PMPの受験資格として、一定のプロジェクトマネジメント経験があることが条件となっている点にご注意ください。PMIが実施しているプロジェクトマネージャー向けのプログラムを受講・終了することも必須なので、試験を受ける際には出題範囲や受験資格を含めて十分に確認しておきましょう。

4.プロジェクトマネージャーから目指せるキャリアパス

プロジェクトマネージャーとして活躍する方の将来のキャリアパスには、ITコンサルタントとして活躍する、もしくはCIO・CTOとして経営層に加わる選択肢が挙げられます。もしくはプロジェクトマネジメントの経験を活かして現場へと回帰し、プログラマーやシステムエンジニアとしての現場作業に戻るケースもあります。

ここではITコンサルタントとCIO・CTOのそれぞれのキャリアパスについてご紹介します。

ITコンサルタント

プロジェクトマネージャーとしての経験は、ITコンサルタントとしてクライアント企業の経営活動に関わる際にも役立ちます。ITコンサルタントは、ITシステムを通じてクライアント企業が抱える経営課題を解決し、売上アップや生産性向上を叶える職種です。クライアント企業からの信頼を獲得できるようなコミュニケーションが重要となる職種なので、プロジェクトマネージャーとしての専門知識や経験を活かしやすいのです。

また、プロジェクトマネージャー自体は会社という組織でこそ成果を発揮できる職種ですが、ITコンサルタントはフリーランスとして独立しても活躍し続けることができます。そのため自由度の高い働き方を目指したい方には、プロジェクトマネージャーからITコンサルタントへのキャリアアップを目指すのがおすすめです。

CIO・CTO

CIOとは最高情報責任者、CTOは最高技術責任者を意味しており、いずれも経営層における技術部門のトップを担う立場です。プロジェクトマネージャーとして現場で経験してきた知見を活かし、企業経営や戦略立案のノウハウを組み合わせながら、自社の売上向上・利益拡大を目指します。

CIO・CTOといった役員としてのポジションを目指すためには、業界に関する深い知識だけではなく、自社のビジネスモデルに対する理解も求められます。そのため転職先として選ぶ職種というよりも、内部昇格で目指せるトップの位置にある職種となっています。

5.未経験からプロジェクトマネージャーを目指す方法

最後に、未経験からプロジェクトマネージャーを目指すためのロードマップとして、下記の3つのポイントをご紹介しましょう。
 

• ・プログラミングスキル・IT資格を身につける

  ・システムエンジニア・プログラマーとして現場を経験する

  ・リーダー・マネージャーとしての経験を積む

豊富な経験と専門的なスキルを必要とすることから、未経験からプロジェクトマネージャーに就職することは不可能ですが、上記のようなポイントにコツコツと取り組むことで、理想のキャリアパスを歩むことができるでしょう。

プログラミングスキル・IT資格を身につける

プロジェクトマネージャーを目指してIT業界に飛び込むのであれば、まずはプログラミングスキルや基礎的なIT知識を身につけることが先決です。プログラミングスキル・IT知識は、書籍やプログラミングスクールなどを通じて学ぶことも可能ですが、それぞれの分野の知識が問われるIT資格を取得しながら学習するのもおすすめです。

たとえばHTML/CSSなら「HTML5プロフェッショナル認定試験」、基礎的なIT知識を学ぶなら「ITパスポート試験」「基本情報技術者試験」などが挙げられます。これらの資格の合格を目指し、保有資格を増やしつつプロジェクトマネージャーを目指すための土台を固めましょう。

システムエンジニア・プログラマーとして現場を経験する

プロジェクトマネージャーを目指すための基本的なキャリアパスとして、まずはシステムエンジニア・プログラマーとして現場を経験することが挙げられます。システム開発の現場でプログラミング作業に従事したことがないプロジェクトマネージャーは、プログラマーチームと連携する際に、的確な指示を出すことが難しくなってしまうでしょう。

システムエンジニア・プログラマーといった職種は、多くのIT企業で未経験OKのポテンシャル採用を実施しているので、十分な就活対策に取り組めば就職先に困ることは少ないでしょう。将来はプロジェクトマネージャーを目指している旨を選考時にアピールすると、面接官に好印象を与えられたり、入社後のキャリア支援を受けられたりする可能性もあります。

リーダー・マネージャーとしての経験を積む

システムエンジニア・プログラマーとしてのキャリアを積みながら、チーム内でのリーダー・マネージャーとしての経験を積むことが、プロジェクトマネージャーになるための最短ルートです。開発プロジェクトにおいてリーダーやマネージャーの仕事が発生した際には積極的に手を挙げ、経験を積むと良いでしょう。

リーダー・マネージャーの仕事を経験し、大変に感じた点やスキル不足を実感した点などを振り返りながら、プロジェクトマネージャー向けの資格取得に取り組むと、企業側からもプロジェクトマネージャーとしてのポストを用意されやすくなるでしょう。

6.まとめ

IT業界におけるプロジェクトマネージャーは、システム開発プロジェクト全体の責任者として、コスト管理・スケジュール管理などの仕事に携わる職種です。約700万円ほどの平均年収を得られる高収入・好待遇な職種の代表例であり、大きな責任やプレッシャーを伴いますが、収入面・待遇面を重視する方には最適な仕事です。

未経験からプロジェクトマネージャーを目指すのであれば、まずはプログラミングスキルや基礎的なIT知識を身につけた上で現場の経験を積み、リーダー・マネージャーの仕事を任される機会があれば積極的に手を挙げるのがコツです。本記事で解説してきたプロジェクトマネージャー向けのおすすめ資格も参考にしながら、理想のキャリアパスへの第一歩を踏み出してみてください。

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