ゲーム業界の倍率とは?内定が難しいと言われる理由と効果的な就活対策

ゲーム業界の倍率とは?内定が難しいと言われる理由と効果的な就活対策
ゲーム業界は就職先としての人気が高く、就職倍率が非常に高い世界です。人気の大手企業はもちろん、中堅クラスの企業の内定を獲得するのも容易ではなく、選考ではプログラミング作品の提出が求められたり、ポートフォリオの提示が必要だったりもします。

しかしゲーム業界の就職倍率が高いのは、十分な対策を行わないまま安易な気持ちでゲーム会社に応募してしまうことが一つの理由に挙げられます。学生時代にプログラミング学習に取り組み、高いクオリティの作品を提出できる方なら、ゲームプログラマーやゲームデザイナーとして内定を獲得できるチャンスがあります。

本記事では、ゲーム業界の就職倍率について、内定を取るのが難しいと言われる理由や内定獲得のコツとともに解説します。

おすすめ記事:新卒でゲーム会社に就職する方法は?選考に受かるコツも紹介

1.ゲーム業界の倍率は高く買い手市場の傾向

ゲーム業界全体の傾向として、就職倍率・採用倍率は高水準となっており、数少ない採用枠に対して多くの学生が応募する買い手市場が続いています。そのため就職する難易度が高く、内定獲得のためには高いレベルのスキル・技術や、説得力ある志望動機・自己PRを伝える必要があります。

ゲームクリエーターの有効求人倍率は0.56

ゲーム業界の高い倍率の根拠となるデータとして、ゲーム業界の職種の「有効求人倍率の低さ」が挙げられます。厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」では、「ゲームクリエーター」という職種の有効求人倍率が0.56と報告されています。

参考:ゲームクリエーター - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

有効求人倍率とは、求職者一人に対して何件の求人があるかを示す数字なので、1以上であれば売り手市場、1以下では買い手市場と判断することができます。前述のゲームクリエーターの有効求人倍率は0.56なので、求職者一人に対して0.56件の求人しか出ていない、非常に狭き門であることがわかります。

令和6年の有効求人倍率の平均は1.25倍なので、平均と比較してもかなり低い水準、つまり就職が難しい職種となっています。

参考:一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について | 厚生労働省

大手企業でも採用枠が少なく競争率が高い

他の業界と比べてゲーム業界では、大企業であっても採用枠が少なく、競争率が高まる傾向にあります。国内の大手メーカーやIT企業、金融機関では、新卒採用で数百人規模の大量募集を行うことが珍しくありません。

しかしゲーム業界の場合、国内トップの業績を誇る企業であっても100人以下の採用枠、もしくはゲーム開発事業とIT事業など複数のビジネスモデルを手掛ける企業なら、ゲーム開発部門の採用人数がさらに限られることもあります。このように業界全体で求人の数が少ないことが、就職倍率が高まる一因となっているのです。

人気の就職先では1000倍を超えるという意見も

個別企業の就職倍率を計算するためには、その企業の採用枠と応募した人の人数をもとに計算する必要がありますが、正確な応募者数を知ることは困難です。中には人気のゲーム開発会社なら1000倍を超える就職倍率になるという意見もあるほどで、一つの採用枠に対して1000人の応募者が集まっていると推測されます。

ただしゲーム業界の場合、ゲームが好きだからという理由で十分な就活対策に取り組むことなく応募する方の割合も高くなるので、しっかりと就活対策に取り組んで書類選考を通過できる方に限れば、就職倍率はもう少し下がると考えられます。十分な開発実績やプログラミングスキルを身につけた方なら、本当に競争相手となるライバルの数は多くないので、就職倍率だけで就職先業界を決める必要はありません。

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2.未経験・新卒からゲーム業界を目指すハードルは高め

なお、未経験・新卒からゲーム業界を目指す場合には、ややハードルが高いと言えます。ゲーム業界を目指す方の多くは、専門学校でゲームプログラミングを学んでいたり、個人でゲーム作品の開発に取り組んでいる方で占められており、企業側もそうしたスキル・経験を持った人物を採用する傾向にあります。

そのためプログラミング未経験で、ゲーム開発に携わったこともなく、大学でも文系を専攻してきた方の場合、ゲーム会社に就職する難易度は上昇します。ゲーム会社の営業職や事務職など、専門技術を必要としない職種に応募するとしても、非常に高い就職倍率の壁を乗り越えなければならないことに注意しましょう。

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3.ゲーム業界の倍率が高い理由とは?

ここからはゲーム業界の就職倍率が高い理由について、下記の3つの観点から解説します。
 

  • ・ゲーム好きからの高い人気があるから

    ・準備不足のままゲーム業界を目指す人が多いから

    ・新卒でも即戦力のスキルが求められるから


一つひとつ詳しくご紹介しますので、ゲーム会社を目指すかどうかの参考にしてみてください。

ゲーム好きからの高い人気があるから

ゲーム業界は、プライベートでゲームが好きな学生からの高い人気を集めていることが、就職倍率の高さにつながっています。就活を控えて特にやりたいことがなく、明確な志望業界・職種も決まっていない方が、ゲームが好きだからという理由でゲーム業界を目指すことが多いため、一見すると就職倍率が高く、狭き門であるように見えてしまうのです。

ゲームが好きでゲーム業界を志望している方の中には、学生時代にプログラミング学習に取り組み、個人開発の経験を積んだ上で就活に臨んでいる方もいます。そうした学生は強力なライバルとなりますが、大半の学生は「ゲーム好き」以外の志望動機や自己PRがないまま応募しているのが現実なので、実質的な就職倍率はそこまで高いわけではないのです。

準備不足のままゲーム業界を目指す人が多いから

ゲーム業界の就職倍率が高いのは、準備不足のままゲーム業界を志望している人が多いことも理由の一つです。ゲーム業界の企業にエントリーするだけなら就活サイト上から気軽にできてしまうため、「もしかしたら運よく通過するかもしれない」という姿勢で応募しているケースも少なくないのです。

実際にはゲーム業界に就職しようとする強い動機はないが、せっかくだから応募しておこうと考える方が集まった結果、就職倍率が高いと言われる状況になっています。こうした状況は、学生からの人気が高い企業・業界で起こりやすいため、そのことを考慮した上で就職倍率を考える必要があります。

新卒でも即戦力のスキルが求められるから

ゲーム業界の就職倍率が高まる背景として、ゲーム会社側が即戦力の少数の人材を求める傾向にあることが挙げられます。未経験者を中心に新卒採用を行う企業では、学生の価値観・人物面を重視したポテンシャル採用を行うケースが大半ですが、ゲーム業界ではすでにゲームプログラミングの経験を持った学生を採用する企業が多いのです。

もちろん現役のゲームプログラマーやゲームデザイナーと同レベルのスキルが求められるわけではないものの、ゲーム開発に必要な言語を習得し、入社後の業務に求められる基礎的な知識が身についていることを応募条件に定めている企業は少なくありません。その結果、ゲーム業界の企業の採用枠が少なくなり、就職倍率が上がって内定のハードルが高まっているのです。

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4.就職倍率が高いゲーム業界の内定を得るコツ

ゲーム業界の就職倍率が高いのは事実ですが、大半は志望意欲が低い学生で占められており、十分な準備・対策に取り組めばゲーム会社からの内定を取るのは難しいことではないと考えられます。ここではゲーム業界の就活に役立つコツとして、下記の5つをご紹介します。
 

  • ・アルバイト・インターンで実務を経験する

    ・提出作品・ポートフォリオに力を入れる

    ・徹底した企業研究・業界研究に取り組む

    ・明確なキャリアパスを描いておく

    ・まずは未経験OKのIT企業に就職して経験を積む


一つひとつ順番にご紹介しましょう。

アルバイト・インターンで実務を経験する

高い就活倍率をクリアしてゲーム業界で就職するために、アルバイト・インターンで実務を経験しておくのが有効です。ゲーム業界未経験で新卒採用に臨むのではなく、アルバイト・インターンで実務経験を積んだ上で、経験者採用の枠を狙うと内定獲得のチャンスが高まるからです。ゲーム開発の流れを理解している学生として、パブリッシャー・デベロッパーを問わず高く評価されるでしょう。

また、ゲーム開発の現場で働く経験を通じて、企業研究・職種研究が深まり、就職先選びに失敗しにくくなるメリットもあります。ゲーム業界へ入社後、「思っていたのと違う…」とミスマッチを起こすことを防ぐためにも、アルバイト・インターンで積極的に実務を経験しておきましょう。

おすすめ記事:ゲーム会社のインターンに参加するメリットとは|未経験でも大丈夫?

提出作品・ポートフォリオに力を入れる

ゲーム業界では、ゲームプログラミングの経験がある方向けに、開発した作品やポートフォリオの提出が求められることがあります。過去に制作したゲーム作品や開発実績をまとめて企業へ提出し、その作品を評価の対象にしてもらうパターンです。応募書類や面接だけでは伝えきれないスキル面・技術面をアピールできるので、特に力を入れておきたい就活対策です。

提出作品・ポートフォリオでは、「どこに力を入れたのか」「開発で大変だったのはどの部分か」「今から改善するならどうするか」といった質問を受けることが多いです。こうした面接官の立場や頻出質問も踏まえながら、企業の目を引くような提出作品・ポートフォリオを用意してみましょう。

徹底した企業研究・業界研究に取り組む

高い就職倍率を乗り越えてゲーム業界に入社するために、徹底した企業研究・業界研究に取り組むことも重要です。ゲーム業界や応募企業について理解を深めることで、「なぜゲーム業界を選んだのか?」「競合他社ではなく当社を選んだ理由は?」といった質問に対して、説得力ある回答を伝えることができるからです。入社後にミスマッチを起こしにくく、自分に合った就職先を選べるメリットもあります。

特にゲーム業界では、パブリッシャーとデベロッパーで仕事内容は大きく異なり、ゲームプログラマーやゲームプランナーなど、よく似た名前の職種も多いという特徴があります。これらの違いや役割について十分に理解した上で就活に臨めるよう、企業研究・業界研究を徹底しておきましょう。

明確なキャリアパスを描いておく

ゲーム業界への就職を目指すなら、将来の明確なキャリアパスを描いておくことも有効です。ゲーム会社に入社することがゴールではなく、ゲーム会社でどのような経験を積み、最終的にどのような働き方を目指したいのかを明確にしておくことで、長期的な視点を持った人材であることを企業へアピールできるからです。明確なキャリアパスを描いておくことは、そのキャリアに必要なスキル・経験を効率的に身につけられるメリットもあります。

ただし、ゲーム業界で起業・独立するキャリアプランは、就活では好まれない傾向にあるためご注意ください。あくまでも応募企業でキャリアアップした先で達成できる、理想の働き方をイメージすると良いでしょう。

まずは未経験OKのIT企業に就職して経験を積む

ゲーム開発のスキル・経験が少なく、ゲーム業界への就職が難しいと感じる場合には、まずは未経験OKのIT企業に就職し、プログラミングやデザインについての経験を積むのも一つの選択肢です。IT業界では高まり続ける需要に対して人手不足が深刻化しており、ゲーム業界と比べても未経験から就職しやすい傾向にあります。プログラミングやソフトウェアの企画・設計など、ゲーム業界と共通する仕事内容も多いので、ゲーム業界にキャリアチェンジする際にも経験を活かしやすいのがメリットです。

ただし、IT業界への就活でも十分な準備・対策が必要であることは変わりません。十分な企業研究・業界研究や自己分析を重ねて、企業にとって採用するメリットがある人物であることをアピールしましょう。

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5.ゲーム業界の就活で求められるスキルとは?

最後に、ゲーム業界の就活に向けて磨いておきたい、入社後に求められるスキルについてもご紹介しましょう。
 

  • ・プログラミングスキル

    ・コミュニケーションスキル

    ・企画力・提案力


これらのスキルを順番に解説しますので、就活のためのスキルアップに取り組もうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

プログラミングスキル

ゲームプログラマーやゲームエンジニアとしてゲーム業界に入る場合には、プログラミングスキルが必須となります。ゲームデザイナーやゲームプランナーなど、技術職以外を志望する場合にも、基本的なプログラミングの知識があると業務に活かせるので、職種を問わず高く評価されやすいスキルとなっています。

開発するゲームの種類によって必要なプログラミング言語は異なり、コンシューマー向けであればC++やC#、スマホ向けならSwiftやKotlinなどが使われます。Webサービスの開発にも携わる現場ならJavaScript、ゲームのデータを管理するサーバー側の開発を担当するならPHP・Ruby・Pythonなどが役立ちます。

応募企業で求められるスキルに応じて、これらのプログラミング言語を扱うスキルを習得しておきましょう。

コミュニケーションスキル

ゲーム業界ではコミュニケーションスキルも高く評価される傾向にあります。ゲームプログラマーのような職種では、一人で黙々とパソコンに向かって作業するイメージがありますが、実際には開発チームと協力してプロジェクトを進めたり、ユーザーと交流して意見を参考にしながらゲーム開発に反映したりする機会が多くあります。そのためコミュニケーションスキルの高い人材はゲーム業界では重宝される傾向にあり、就活でも有利なスキルとして評価されます。

なお、ゲーム業界で評価されるコミュニケーションスキルとは、誰とでも楽しくお喋りできるスキルというよりは、相手の立場になって考え、行動できるスキルのことを意味します。そのため人と話すことに苦手意識があったとしても、相手のニーズや要望を敏感に察知できる方なら、ゲーム業界で評価されるチャンスがあります。

企画力・提案力

ゲームプランナーやゲームディレクターといった職種でゲーム業界で活躍したいと考えているなら、企画力・提案力をアピールするのが有効です。ユーザーに評価されるゲームを開発するためには独創的なアイデアが求められ、限られた予算・時間・人員の中で開発するための計画性も必要とされます。企業として使えるリソースや、過去のユーザー情報、業界トレンドなどのデータを踏まえて新たなゲームタイトルの企画・提案ができるスキルがある方は、どの企業からも高く評価されるのです。

ただし、単に新しいゲームのアイデアを思いつくだけでは意味がなく、実現可能性を高めるための客観的なデータや根拠を揃え、企業の経営層を納得させるような提案力が重視されることに注意しましょう。

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6.まとめ

ゲーム業界の就職倍率は非常に高く、少ない採用枠に大量の応募者が集まることで、時には1000倍を超える倍率になることも考えられます。ゲームクリエーターの有効求人倍率は0.56と、買い手市場であることもわかっているため、ゲーム業界への就職は簡単ではありません。

しかしゲーム業界の倍率が高まっている背景には、ゲーム好きからの応募が集中していることや、準備不足のままゲーム業界を目指す方が多いこと、そして企業側も高いスキルを持った人材を求める傾向にあることが挙げられます。決して強力なライバルばかりが集まっているわけではないので、本記事で解説してきた就活のコツや求められるスキルを参考に対策に取り組めば、第一志望のゲーム会社から内定を獲得することができるでしょう。

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