
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
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1.ユーザー系SIer業界とは?
ユーザー系SIer業界とは、大手企業の情報システム部門が分社化・独立する形で設立されたSIerのことを指します。親会社(事業会社)のシステム開発や運用・保守を主な業務としつつ、近年では外部の企業向けにもサービスを提供するケースが増えています。企業によっては独立してSIer業務・コンサルティングサービスを提供している企業も多く、近年多くの就活生から人気を集めている業界の1つです。
ユーザー系SIerが親会社の業務プロセスや業界特有のニーズを深く理解している分、業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援する役割を担うことが多く、親会社や関連会社に関する業務を行うことが多いです。また、独立系SIerとは異なり、下請けではなく直接親会社のシステム開発を請け負うケースが多く、上流工程に携わる機会が豊富です。
ただ、親会社のシステムは長年の運用が前提となるため、レガシーシステムの維持・保守に注力することが多く、新技術導入のスピードが遅くなるためIT企業やスタートアップと比較して新技術活用のハードルは多少高めです。
他のSIer業界との違い
SIer業界には、ユーザー系SIerの他にもメーカー系SIer・独立系SIer・外資系SIerなどの種類があります。ここでは他のSIer業界とユーザー系SIer業界の違いについて解説していきます。
関連記事:SIer業界研究:SIer業界の特徴や仕事内容、平均年収、大手企業の業績や社風を紹介
メーカー系SIerとの違い
メーカー系SIerは、IT機器・ソフトウェアメーカーのグループ企業として、親会社のハードウェア・ソフトウェアを活用したシステム開発を行います。
自社製品・技術を活かした開発が強みですが、特定メーカーの技術に縛られやすいという特徴があります。一方、ユーザー系SIerはハードウェアに依存せず、業務知識を活かしてSIer技術を提供できます。
独立系SIerとの違い
独立系SIerは、特定の親会社を持たず幅広い業界の顧客向けにシステム開発を行います。自社パッケージ開発やクラウドサービス展開をしている企業も多い点が特徴的です。
独立系SIerは幅広い業界に対応し、最新技術の採用も進んでいるので顧客ごとに最適な技術を選択して提供できますが、ユーザー系SIerは親会社の業務に特化しがちなため取れる選択肢の幅に違いがあることが多くなっています。
ただし、ユーザー系SIerほど規模の大きい案件に携われる機会は多くない点は違いとして挙げられます。
関連記事:独立系SIer業界研究:独立系SIer業界の特徴や仕事内容、平均年収、大手企業の業績や社風を紹介
外資系SIerとの違い
外資系SIerはグローバルに展開し、最先端のIT技術・コンサルティングを提供しているSIer企業です。DX推進や戦略立案から開発・運用まで広範囲をカバーしています。
ユーザー系SIerは親会社のシステム開発が中心ですが、外資系SIerは戦略コンサルティングやDX支援に強みを持っています。実力主義な緩急ではありますが、給与水準も外資系が高めな点は特徴的です。
関連記事:外資系SIer業界研究:外資系SIer業界の特徴や仕事内容、平均年収、大手企業の業績や社風を紹介
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2.ユーザー系SIer業界の特徴と提供サービス
ユーザー系SIer業界の特徴や提供し値得るサービスについて紹介していきます。どういったサービスを提供しているのかイメージしつつ、志望業界として検討している方は参考にしてみてください。
業務システムの開発・運用支援
ユーザー系SIerの主な業務は、親会社の業務プロセスに即したシステム開発や運用サポートです。企業の会計、人事、物流、製造などさまざまな業務に特化したシステムを開発しています。
業務システムの開発や運用によって、企業の生産性向上や効率化に貢献することが求められます。また、親会社の業務知識にも精通した上で、より現場のニーズに合わせた柔軟なシステム対応も必要になってきます。運用後もシステムのメンテナンスや改善、アップデートを行い、安定した運営をサポートしていきます。
システムインフラの構築・運用
ユーザー系SIerは、システムインフラの設計から構築、運用管理まで広範囲にわたるサービスを提供します。これには、サーバーやネットワークの構築、クラウドサービスの導入、セキュリティ対策の実施が含まれます。
インフラ部分を確実に整備することで、業務システムが円滑に稼働する基盤を作り、ダウンタイムのリスクを最小限に抑えることができます。特に、親会社が大規模な事業を展開している場合、インフラのスケーラビリティと冗長性が重要となるため、これらに精通した技術者が活躍します。
ERP・業務パッケージの導入支援
企業向けのERPシステムや業務パッケージの導入支援は、ユーザー系SIerが提供する重要なサービスの1つです。ERPシステムや業務パッケージを通じて、企業は会計、販売、在庫管理などの業務プロセスを統合的に管理できます。
ユーザー系SIerは、ERPシステムの導入に関するコンサルティングから、要件定義、設計、導入、運用支援まで一貫して提供します。特に親会社が使用する業務システムを自社向けにカスタマイズするため、業務知識やノウハウが重要となり、導入後の運用も含めてトータルで支援します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)支援
近年、ユーザー系SIerは企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援にも力を入れています。企業の業務やサービスをデジタル技術を活用してアップデートし、効率化や新しい価値を実現します。これには、AIやIoT、ビッグデータ分析の導入、クラウド移行、モバイルアプリ開発などが含まれます。親会社が新たな事業展開やサービス改善を目指している場合、ユーザー系SIerはそのビジョンに基づいたシステム開発を行い、DXを実現するための技術と知見を提供します。
運用・保守サービス
システム開発だけでなく、運用後の保守・運用支援もユーザー系SIerの重要なサービスです。システムの定期的な点検、問題発生時の対応、ソフトウェアのアップデート、セキュリティ対応など、運用の安定化と長期的な継続性を確保します。特に、親会社向けのシステムでは、安定性と信頼性が求められるため、ユーザー系SIerの運用支援は重要な役割を担います。
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3.ユーザー系SIer業界の動向
ユーザー系SIer業界の市場動向と今後の将来性について解説していきます。
ユーザー系SIer業界の市場動向
ユーザー系SIerに特化した市場規模の話は統計上ないため、SIer業界全体の市場動向について解説していきます。
総務省の2021年情報通信業基本調査によると、SIerが含まれる「情報サービス業」の2020年の市場規模は18兆7,928億円で、そのうち「受託開発ソフトウェア業」が8兆7,673億円と全体の約半分を占めています。 また、調査方法や対象こそ異なるものの、IDCJapanの調査によるとITサービス業の市場規模は前年比6.0%増と増加しており、市場規模自体も伸びている人気の業界です。
ユーザー系SIer業界問わず、SIer業界全体としてIT化やDX化の波を受けており、業界全体への需要は高まってきています。親会社のIT技術活用方針も今後どんどんアップデートされることが想定されますので、今後人工知能やIoTなどの技術発展も相まって、さらなる市場規模の増加は見込めるといって良いでしょう。
参考:情報通信業基本調査結果|総務省
参考:IDC Japan
ユーザー系SIer業界の将来性
続いて、ユーザー系SIer業界の将来性を左右するトピックスを複数紹介します。
2025年の崖問題
2025年の壁とは、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」で指摘された問題です。多くの企業が使用しているレガシーシステムの老朽化や複雑化によって、2025年以降それらのシステムの維持・運用コストが増大し、最大年間12兆円の経済損失が発生すると言われています。
次々開発される新しい技術に既存システムが対応しきれず、システムの移行や大規模改修に時間やコストがかかってしまったり、既存のシステムの改修を都度おこなっていたために全体像を見れる人がおらず、システムの改修・修正コストが大きく増えることだったりすることがこの2025年の崖問題として叫ばれています。
特に、大手企業で使われているシステムはレガシーなものが多いため、その支援を行うユーザー系SIer業界は今後より多くの業務を請け負うことになることが想定されます。
DX化
ビジネスモデルや業務プロセスをIT技術で改革するDX(デジタルトランスフォーメーション)は近年多くの企業で注目を集めている技術です。クラウド、AI、IoT、ビッグデータといった個々の技術の進展により、IT化を駆使してより大きな成果を出せる企業が今後生き残っていくでしょう。
まだまだ企業によっては、紙の契約書を使ったりIT化になれていなかったりなど、レガシーなシステムで仕事をしている企業は多くあり、そういった企業も昨今のDX化の流れに沿って最新のITインフラへの移行を加速させています。そういった企業に対するコンサルティングや技術支援でユーザー系SIer業界は重宝されることになりますので、今後もある程度需要は見込まれることが予想されます。
また、IT技術そのものも複雑化しており、より専門的なスキルや知見を持った人が多く求められることになっていきます。そういった意味でも、SIer業界は高いスキルを持った人材が多く集まっているため、より多くの企業からの需要を獲得できるでしょう。
IT人材の不足
経済産業省の調査によると、2030年までに約79万人のIT人材が不足すると予測されています。この背景には、IT技術の進化や発展に対して人材育成が追いついていないことや、DX化による新技術への対応力不足があります。今後IT技術を駆使して大きな成果を出していきたい一方で、そういった技術に対応できる人材が少ないため、このギャップを埋める存在としてSIer業界は鍵を握るでしょう。
SIer業界に就職してITスキルを身につけ、他の企業でそのスキルを駆使して成果を出すと言うキャリアパスも今後増えてくるようになるのではないでしょうか。
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4.ユーザー系SIer業界の仕事内容と職種
続いてユーザー系SIer業界の仕事内容や職種について解説していきます。ユーザー系SIer業界といっても様々な領域や職種がありますので、全体像を掴んだうえで業界理解を進めておくことが大切になります。
ユーザー系SIer業界の仕事内容
ユーザー系SIer業界の仕事内容は大きく分けて4つに分かれます。
ユーザー系SIerは顧客の経営課題をヒアリングし、その課題をIT技術を駆使して解決するのが主な仕事内容になります。プロジェクトの内容やクライアントの企業規模によって一つ一つの仕事内容は異なりますが、このプロセスを何人かのチームを組んで行っていくことになります。具体的には
-
・ヒアリング〜要件定義
・設計/開発
・テスト
・保守/運用
の4つに分かれます。全工程を数人で対応する場合もあれば、工程ごとにチームが結成されて各工程だけを担当するといった場合もあります。
業務システムの要件定義・設計
ユーザー系SIer業界で最も重要な仕事の一つは、業務システムの要件定義と設計です。企業のニーズや業務フローをヒアリングし、それをシステム化するための要件を明確にします。
要件定義では、どのような機能を実装するのか、どのように業務効率を向上させるかという目的の部分をまず整理し、その後システム設計を行います。この仕事は、開発後の運用に直結するため、精密かつ柔軟な対応が求められます。
システム開発・プログラミング
システム開発業務では、要件定義に基づいて実際にシステムを構築します。プログラミング言語やフレームワークを使用して、システムのコーディングやデータベース設計、インターフェースの開発を行います。ユーザー系SIerは、親会社の業務に合わせてカスタマイズしたシステムを開発することが多く、特に業務に特化したアプリケーション開発やシステム統合が求められます。ここでは、システムの安定性やセキュリティに配慮した開発が重要です。
システムテストと品質管理
ある程度システム開発とプログラミングが終わったら、実際に指示通り作動するかのテストを行います。単体テスト、結合テスト、システムテストなどさまざまなテストフェーズを通じて、バグや不具合を発見・修正します。また、品質管理の業務では、システムが安定稼働するように性能や可用性の評価を行い、改善策を講じます。
システム運用・保守
システム運用・保守業務は、開発後のシステムが安定して稼働し続けるために重要な役割を果たします。システムの監視、障害対応、バージョンアップ、セキュリティ対策などが該当します。ユーザー系SIerは、親会社が使用するシステムの運用・保守を担当し、問題発生時に迅速に対応できる体制を整える必要があります。また、システムのパフォーマンスを維持するための定期的なメンテナンスやデータバックアップ作業も行います。
クラウドサービス導入支援
近年、クラウドサービスの導入が増えており、ユーザー系SIerの仕事の一部としてクラウド環境の導入支援を行うこともあります。クラウドインフラの設計、移行計画の策定、データの移行作業、クラウドサービスの構築・運用支援などが含まれます。ユーザー系SIerは、親会社の業務システムをクラウドに最適化して移行させるため、技術的なサポートを提供します。クラウド移行は、コスト削減やスケーラビリティの向上、柔軟性を高めるための重要な手段として位置づけられています。
セキュリティ対策
システム開発・運用においてセキュリティ対策は欠かせません。ユーザー系SIerは、企業のシステムに対してサイバー攻撃や情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策を実施します。これには、アクセス制御、暗号化、監査ログの管理、セキュリティパッチの適用などが含まれます。また、セキュリティ監査を実施し、システムが脆弱性を持っていないかを確認し、必要な対策を講じます。
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ユーザー系SIer業界の職種
続いて、ユーザー系SIer業界の職種について紹介します。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアは、一つのシステムを完成させる上で中心的な役割を担う職種です。まずシステムエンジニアは、企業の業務要求に基づいてシステムの設計・開発を担当します。具体的には、要件定義から設計、開発、テストまでの一連の工程に関与します。
ユーザー系SIerでは、親会社の業務フローや特定の業界に精通したSEが多く、業務システムのカスタマイズや効率化が求められるため専門的な知識と技術力が重要です。技術面だけでなく、業務の流れを理解し、最適なシステムを提案する力も必要です。
プログラマー
プログラマーは、システム開発の中で実際にコードを書く役割を担う職種です。ユーザー系SIerにおいて、プログラマーはシステムエンジニアが作成した設計書に基づき、プログラムの実装を行います。開発言語(Java、C#、Pythonなど)やフレームワークを使用して、機能を実装するのが主な仕事です。
ユーザー系SIerでは、親会社の業務フローやニーズに基づき業務に特化したシステムを開発するため、プログラマーも業務理解が重要です。プログラミングだけでなく、データベース設計やAPI連携、外部システムとの連携など、技術的に多岐にわたる作業を行います。また、コードの品質やパフォーマンスを重視し、効率的で保守性の高いコードを書くことが求められます。
プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャーは、システム開発プロジェクトをリードする役割です。
ユーザー系SIerのPMは、親会社とも連携をとりながらプロジェクトの進行状況を監視し、スケジュール、予算、リソースの調整を行います。また、顧客との折衝や報告を担当しチームをまとめるリーダーシップも求められます。
プロジェクトを進めていく上で都度発生する問題や課題を解決し、プロジェクトが順調に進むためにリスク管理や問題解決のスキルが必要になってきます。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、企業のITインフラ(サーバー、ネットワーク、データベースなど)の設計、構築、運用を担当する職種です。特にユーザー系SIerでは、親会社の業務に合わせたインフラ環境を提供し、安定稼働を維持することが求められます。
インフラエンジニアは、システムの可用性やセキュリティを確保するために、定期的な監視やメンテナンスを行います。クラウド環境への移行支援や、データセンターの管理などが求められる場合もあります。最新の技術を取り入れ、システムのパフォーマンス向上やコスト削減に貢献する重要な役割を担っています。
テストエンジニア
テストエンジニアは、システム開発後のテストフェーズを担当します。システムが正確に動作し、ユーザーの要求を満たすことを確認するために多くのテストが実施されますので、そのテストを設計し、実際にうまく作動するかをチェックすることが求められます。
テストエンジニアは、単体テスト、結合テスト、システムテスト、受け入れテストなどの各種テストを計画・実施し、バグや不具合を発見・修正します。品質の高いシステムを提供するために、細かい部分まで確認を行い、品質を担保する重要な役割を果たします。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、システムやネットワークのセキュリティ対策を専門に担当する職種です。ユーザー系SIerでは、企業のシステムやインフラが外部からの脅威に晒されることを防ぐため、セキュリティの設計、実装、監視を行います。セキュリティエンジニアは、ファイアウォールや侵入検知システム、暗号化技術などを用いて、システムの防御を強化します。また、セキュリティインシデントが発生した場合には、迅速に対応し、被害を最小限に抑える役割も果たします。情報漏洩やサイバー攻撃のリスクが高まる中で、セキュリティエンジニアの役割はますます重要になっています。
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5.ユーザー系SIer業界の大手5社の特徴と強み
ここからは、具体的にユーザー系SIer業界の企業を5社挙げてそれぞれの企業の特徴や強みについて解説していきます。企業ごとに特色や得意な分野が異なりますので、業界理解を進めていく上で必須な知識となります。ここで詳しくみていきましょう。
NTTデータ
NTTデータは、日本最大級のシステムインテグレーターであり、NTTグループに属する企業です。「情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する」を企業理念として掲げている会社です。
SIer業界の中でも国内最大級であり、金融、官公庁、医療、製造業など多岐にわたる業界でのシステム構築や運用を担当した実績を誇ります。NTTデータの強みは、大規模プロジェクトに対応できるスケールの大きさと、高い技術力にあります。国内外でのデジタルソリューション展開やクラウドサービスの提供の実績は多分にあり、大小問わずさまざまな案件に携わることが可能です。また、海外展開にも積極的で、世界50カ国以上に拠点を持ち、グローバルプロジェクトにも強みを発揮しています。
金融機関向けシステムや官公庁など自治体向けソリューションにおいて豊富な実績を持っているため、信頼感がある点も特徴的です。
参考:NTTデータ
野村総合研究所
野村総合研究所(NRI)は、ITコンサルティングやソリューションを提供する、就活生からも人気を集めているSIer系企業です。「Dream up the future.」「未来創発」を企業理念としてかかがており、未来に対して新しいビジネスモデルを次々とうち出そうという思いが込められています。
野村総合研究所は、戦略策定や業務改革を支援するコンサルティングサービスとITソリューションを提供しており、上流から下流まで一気通貫してフォローすることに強みを持った企業です。
IT支援をする業界業種に縛りはありませんが、金融会社向けのITソリューションの提供事業では高いシェアを誇り、野村総合研究所の中でも花形事業となっています。具体例には、証券会社向けのシステム開発や、資産運用管理プラットフォームの提供といった実績が挙げられます。
参考:野村総合研究所
伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズは、伊藤忠商事の完全子会社として、企業向けITソリューションを提供するユーザー系SIer企業です。
1972年に設立され、システムインテグレーション(SI)、ITコンサルティング、クラウドサービス、データセンター運営など、幅広いITサービスを提供しています。伊藤忠テクノソリューションズは特に企業向けの業務システムやインフラ構築に強みを持ち、製造業、流通業、金融業などさまざまな業界に対して、最適なITソリューションを提案・実行しています。
また、最新技術を活用したサービスにも注力しており、AI、IoT、ブロックチェーン、データ分析などの分野で革新的なソリューションを提供しています。特に、伊藤忠商事グループとの強力な連携を活かし、グローバルなプロジェクトや大規模なシステム開発に対応しています。
参考:伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズの企業・募集詳細はコチラ
株式会社電通総研
株式会社電通総研は、電通グループに属するITサービス企業で、主に企業向けのITソリューションを提供しています。金融ソリューション・ビジネスソリューション・製造ソリューション・コミュニケーションIT部門の4つに分かれておりユーザー系SIer企業ながら独立系SIer企業のように幅広いソリューション提供を行っている点が特徴的です。
また、データ分析、AI、IoTなどの先端技術を活用し、企業のデジタル化を推進しています。特に電通グループの広告・マーケティング力と連携することでITとビジネス戦略を結びつけ、顧客の成長をサポートしています。親会社である電通と提携して「Dentsu DX Ground」というデジタルマーケティングによるビジネス拡大の座組も展開しており、SIerだけでなくビジネス課題にアプローチできるコンサルティングとしての側面も兼ね備えた会社となっています。
参考:株式会社電通総研
株式会社電通総研の企業・募集詳細はコチラ
三菱総合研究所
三菱総合研究所(MRI)は、三菱グループの一員として、経済・産業・技術に関する研究、コンサルティング、ITサービスを提供するユーザー系SIer業界です。
幅広い分野での調査研究や政策提言を行い、政府機関や企業に対して、戦略的なアドバイスを提供しています。特に、官公庁や金融業界に対するSIerサービスの提供に強く、データ分析やシステム開発、IT戦略の立案支援を行いながら、クライアントの課題解決に貢献しています。
官公庁や金融業界といった、比較的高度なセキュリティが求められる業界に対するSIerとして強く、高度な専門性と広範なネットワークを活かして、社会的課題に対する提案を行っています。
参考:三菱総合研究所
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6.ユーザー系SIer業界大手5社の業績比較
続いて、大手ユーザー系SIer業界5社の業績を紹介していきます。
NTTデータ
NTTデータの売上、利益推移は以下の通りになっています。
年度・年 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2020/3 | 2,266,808 | 130,937 |
2021/3 | 平均年収 | 139,173 |
2022/3 | 2,551,906 | 212,590 |
2023/3 | 3,490,182 | 259,110 |
2024/3 | 4,367,387 | 309,551 |
NTTデータ社は国内SIer業界で最大の売上規模を誇る会社となっております。
なお、SI事業を含む事業は日本セグメントの公共・社会基盤部門、金融部門が該当します。それぞれSIer事業以外の他の事業も含みますが、2024年3月期の売上高が公共・社会基盤部門で692,258百万円、金融部門で696,197百万円、営業利益が公共・社会基盤部門で89,319百万円、金融部門で71,409百万円となっており、売上高/利益の中でも大きなウエイトを占める事業となっています。
(※1)参考:財務データ集(経年推移)|NTTデータ
野村総合研究所
野村総合研究所の売上、利益推移は以下の通りになっています。
年度・年 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2020/3 | 528,721 | 130,937 |
2021/3 | 550,337 | 139,173 |
2022/3 | 611,634 | 212,590 |
2023/3 | 692,165 | 259,110 |
2024/3 | 736,556 | 309,551 |
金融業界への安定したIT支援と、DX化の需要が高まっていることから、増収増益を続けていることが伺えます。なお、セグメント別の売上高は以下の通りになっています。
コンサルティング | 金融ITソリューション | 産業ITソリューション | IT基盤サービス | |
2020年3月期 | 39,612 | 276,937 | 181,438 | 138,680 |
2021年3月期 | 38,155 | 292,038 | 189,55 | 142,686 |
2022年3月期 | 44,414 | 308,376 | 229,921 | 157,598 |
2023年3月期 | 47,821 | 334,141 | 276,031 | 169,840 |
2024年3月期 | 53,690 | 355,206 | 282,062 | 185,549 |
野村総合研究所は金融業界に対するITソリューション支援が最も売上を誇る事業となっています。そのため、NRIは金融系SEとも呼ばれることもあり、多くの金融系企業の業務支援を推進しています。
(※1)参考:業績ハイライト[IFRS]|野村総合研究所
(※2)参考:セグメント情報[IFRS]|野村総合研究所
伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズの売上、利益推移は以下の通りになっています。
年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2019 | 487,000 | 41,700 |
2020 | 479,900 | 43,600 |
2021 | 522,400 | 50,500 |
2022 | 570,900 | 46,500 |
2023 | 647,500 | 57,300 |
伊藤忠テクノソリューションズは着実に増収を遂げており、直近1年は大幅増益も果たしています。2025年の崖問題も相まって今後SIer業界への需要は高くなることが予想されますので、この増収増益はある程度高く推移するのではないでしょうか。
(※1)参考:業績ハイライト|伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズの企業・募集詳細はコチラ
株式会社電通総研
株式会社電通総研の売上、利益推移は以下の通りになっています。
年度・年 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2020/12 | 108,679 | 12,189 |
2021/12 | 112,085 | 13,736 |
2022/12 | 129,054 | 18,590 |
2023/12 | 142,608 | 21,028 |
2024/12 | 152,642 | 21,039 |
株式会社電通総研は5年連続増収増益を実現させています。SIer業界全体として需要が高まっていますので、その需要を超えて売上高を創出できているかどうかが企業分析の肝となります。
(※1)参考:業績ハイライト|電通総研
株式会社電通総研の企業・募集詳細はコチラ
三菱総合研究所
三菱総合研究所の売上、利益推移は以下の通りになっています。
年度・年 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2020/3 | 992,020 | 6,231 |
2021/3 | 103,030 | 6,853 |
2022/3 | 116,620 | 9,165 |
2023/3 | 122,126 | 8,688 |
2024/3 | 115,362 | 7,060 |
三菱総合研究所は、2024年3月期は当初想定していた計画通りの成長はしきれず、昨年対比減収となっています。ただ、各部門ごとに新たなサービス提供を進めており、今後数年で売上寄与が見込まれるサービスが仕込まれていますので、今後の増収増益に期待ができます。
(※1)参考:業績ハイライト|三菱総合研究所
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7.ユーザー系SIer業界大手5社の社風の違い・制度
続いて、ユーザー系SIer業界の社風の違いや制度について解説していきます。企業研究をする際の参考にしてみてください。
NTTデータ
NTTデータ社の企業理念、社風について紹介します。NTTデータは企業理念を中心として、社員信条、Group Vision、Values、行動規範が定められています。
企業理念
NTT DATAの 使命、存在価値を示すものであり、経営における最終的な拠りどころ
NTT DATAは、情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する。
社員信条
社員一人ひとりが心掛けなければならない信条、行動方針
-
1.わたしたちは、「お客様のため」最善を尽くします
2.わたしたちは、「行動」し、「挑戦」します
3.わたしたちは、「活き活き」とした「明るい会社」をつくります
また、Valuesとして「Clients First」「Foresight」「Teamwork」が定められており、Values、社員信条を通じて日々の仕事を良いものにしつつ、企業理念の実現に向かって日々業務に取り組むことが求められています。
参考:Our Way|NTTデータ
野村総合研究所
野村総合研究所は、「使命」「創発する社会」「私たちの価値観」を軸とした企業理念を掲げています。
使命
社会に対して、新しい社会のパラダイムを洞察し、その実現を担う
お客様に対して、お客様の信頼を得て、お客様とともに栄える
創発する社会
夢と可能性に満ち、豊かさを実現する、活力ある社会
人々の英知がつながり、環境にやさしい持続可能な社会
強くてしなやかな、安全で安心に満ちた社会
私たちの価値観
先見性と緻密さで、期待を超える
多彩な個が互いに尊重し、志をひとつにする
情熱と誇りを胸に、あくなき挑戦を続ける
野村総合研究所は企業理念として「未来創発」を掲げており、未来は自分たちで作るもの、そのためにチーム一丸で難題に対してもあくなき挑戦を続けるような価値観が求められています。
参考:企業理念|NRI
伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズは、Challenging Tomorrow's Changesは企業理念として掲げています。変化を起こす会社を是としており、コーポレートメッセージには以下の文章が定められています。
私たちは、世界の変化とともにある。
技を磨き、どんな困難にも挑戦していく。
地球と社会とすべての人々の良い未来に、
テクノロジーで貢献するために。
各社員生産性高く、社会に大きな変化を起こすための働き方改革も推進されており、
-
・朝型勤務制度
・時間単位有給制度
・スライドワーク(始業時間をずらせる制度)
・テレワーク制度
などなど、個々のスタイルに合わせて働きやすくするための制度が整っている点が特徴的です。
参考:企業理念|伊藤忠テクノロジーソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズの企業・募集詳細はコチラ
株式会社電通総研
株式会社電通総研は、以下の通りミッションやビジョンを掲げている会社です。
⚪︎ミッション
誠実を旨とし、テクノロジーの可能性を切り拓く挑戦者として、
顧客、生活者、社会の進化と共存に寄与する。
⚪︎ビジョン
HUMANOLOGY for the future 人とテクノロジーで、その先をつくる。
働き方や生産性向上に関する取り組みもさかんに行われており、テレワーク制度やフレックスタイム制度など、自由に働いて成果を出すための働き方制度が整っています。
2022年11月にGreat Place to Work® Institute Japanより「働きがい認定企業」に認定、「第6回日経スマートワーク経営調査」においても4星に認定されており、働き方に関しても高い評価を受けている会社です。
参考:企業理念|電通総研
参考:福利厚生・制度・手当|電通総研
株式会社電通総研の企業・募集詳細はコチラ
三菱総合研究所
三菱総合研究所は、以下にミッションやビジョンを定めている会社です。
⚪︎ミッション(果たすべき使命)
社会課題を解決し、豊かで持続可能な未来を共創する
⚪︎ビジョン(目指す企業像)
未来を問い続け、変革を先駆ける
また、福利厚生制度や人材育成制度も豊富です。フレックスタイム制やリモートワーク制度など働き方に対するインフラは一通り整っていると言えます。
また、社内勉強会やキャリア形成支援制度などキャリア形成に関する制度も豊富となっており、今後のキャリアを形成する上で使える制度が豊富です。
参考:経営理念|三菱総合研究所
参考:福利厚生|三菱総合研究所
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
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8.ユーザー系SIer業界の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
続いて、ユーザー系SIer業界の平均年収や平均年齢、平均勤続年数を紹介します。大手企業を例に平均年収・平均年齢・平均勤続年数を見ていきましょう。
企業 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
NTTデータ | 906万円 | 39.9 | 14.5年 |
野村総合研究所 | 1271万円 | 40.2 | 14.3年 |
伊藤忠テクノソリューションズ | 1028万円 | 40.7 | 13.4年 |
株式会社電通総研 | 1133万円 | 40.6 | 11.6年 |
三菱総合研究所 | 1080万円 | 41.1 | 12.1年 |
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9.ユーザー系SIer業界で働く魅力ややりがい
ユーザー系SIer業界で働く魅力ややりがいについて解説していきます。
親会社の業務に深く関わり、専門性を高められる
ユーザー系SIerの大きな魅力の一つは、親会社の業務を深く理解し、特定の業界に特化した専門性を高められる点です。システム開発を通じて親会社の業務プロセスや課題を直接把握し、その課題に合わせた最適なソリューションを提供することが求められます。
そのため一般的なSIerと比べて、業務知識や業界知識を活かした開発ができることが特徴です。例えば、親会社が金融系であれば金融業務の知識が、製造・流通系企業であれば生産管理や物流の知識が身につきます。こうした知識は、システムの上流工程に関与する際やITコンサルティング業務に携わる際に大きな武器となり、キャリアの選択肢を広げることにもつながります。
長期的な視点でシステム開発・運用に携われる
ユーザー系SIerでは、一度開発したシステムの運用・保守を長期的に担当することが多く、システムの成長や改善に継続的に関与できるのが魅力です。
通常の受託開発SIerではプロジェクト単位でシステムを納品したら終了することが多いですが、ユーザー系SIerの場合は、開発後の運用フェーズにも深く関わります。そのため、システムの安定性向上や新機能の追加、業務の変化に合わせた改修など、長期的な視点でシステムを育てることができます。また、システムの運用を通じて得た知見を次の開発に活かせるため、技術者としてのスキルアップにもつながり、やりがいを感じやすい環境です。
親会社との関係性が安定しており、働きやすい環境
ユーザー系SIerは、基本的に親会社のIT戦略を担う企業であるため、安定した経営基盤を持っています。そのため、他のSIerに比べて労働環境が整備されていることが多く、長期的に働きやすい環境が整っています。例えば、親会社の影響で福利厚生が充実していたり、給与水準も比較的安定していたりする点が特徴です。
また、親会社の業務改善を目的としたシステム開発が中心であるため、納期が極端に厳しくなることは少なく、ワークライフバランスを保ちやすい点も魅力です。特に、長期間のプロジェクトに関わることで、じっくりと技術を磨きながらキャリアを積むことができるため、安心して働き続けられる環境が整っています。
直接ユーザーの声を聞き、システムの価値を実感できる
ユーザー系SIerでは、親会社の従業員が主なシステムの利用者であるため、システム開発の成果を実感しやすい環境にあります。一般的な独立系SIerでは、クライアント企業に納品してしまうと実際にどのように活用されているかが見えにくいことがありますが、
ユーザー系SIerでは、自社のシステムがどのように業務を改善しているのかを間近で見ることができます。ユーザーから直接フィードバックを受けながら改善を重ねることで、自分の仕事が会社の成長に貢献していることを実感できる点は大きなやりがいにつながります。また、利用者の意見をダイレクトに反映しやすいため、より実用的で価値のあるシステムを作り上げることができるのも魅力の一つです。
最先端技術の導入やDX推進に関与できる
近年、多くの企業がデジタルトランスフォーメーションを推進しており、ユーザー系SIerもその重要な役割を担っています。クラウドやAI、ビッグデータ、IoTなどの最先端技術を活用しながら、親会社の業務変革を支援する機会が増えています。
特に、既存のシステムを大規模改修するプロジェクトや、新たなデジタルサービスの開発に携わることで、最新技術の導入を経験できる点が魅力です。また、ユーザー系SIerは親会社やその業界に特化した深い業務理解が求められるため、単なる技術導入にとどまらず、業務プロセス全体を見直しながら最適なIT活用を考えることができます。この経験は、より戦略的な視点で仕事をする上で役立ち、エンジニアとしての成長にも大きく貢献します。
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10.ユーザー系SIer業界で求められる人物像
ユーザー系SIer業界で勤務する上で求められる人柄や人物像について解説していきます。
業務理解力が高く、論理的思考ができる人
ユーザー系SIerでは、システム開発を行うだけでなく親会社の業務を深く理解し、最適なITソリューションを提供することが求められます。そのため、単なるプログラミングスキル以上に業務フローや業界特有の課題を把握する力が重要です。
例えば、金融業界向けのシステムを開発する場合、金融商品の仕組みや規制を理解していないと、適切なシステム設計ができません。また、業務の課題を論理的に整理し、最適な解決策を提案する力も不可欠です。単に言われたことをシステム化するのではなく、業務プロセス全体を見渡しどのようにシステムを最適化すればよいのかを考えられる人が求められます。こうしたスキルを持つことで、上流工程での要件定義やコンサルティング業務にも活躍の幅を広げることができます。
コミュニケーション能力が高く、調整力のある人
ユーザー系SIerの仕事では、親会社の社員や他のITベンダー、システム利用者など、多くの関係者と連携する機会があります。そのため、単に技術的なスキルがあるだけではなく、相手の要望を正確にヒアリングし、適切に伝えられるコミュニケーション能力が必要です。
特に、実際に要件定義をしていくタイミングでは、業務部門の要望と本当に必要なシステムが異なることがよくあります。業務部門と技術者の間に立ち、双方の意図を正しくくみ取りながら調整するスキルが重要です。また、プロジェクトマネジメントでは、スケジュール調整やリスク管理も求められるため、関係者間の調整役として活躍できる人材は非常に重宝されます。
継続的に学び、新しい技術や知識を吸収できる人
IT業界は技術の進歩が非常に速く、新しい技術やトレンドが次々と登場します。特に、ユーザー系SIerでは、DXやクラウド、AI、ビッグデータなどの最新技術を活用した業務改革が求められています。
そのため、常に新しい技術や知識を学び業務に活かせる人が重宝されます。また、ユーザー系SIerでは長期的にシステム運用に関わることが多いため、既存のシステムを維持しつつ、新しい技術と組み合わせて改善を行うケースもあります。
そのため、単に新しい技術に興味があるだけでなく現場の業務にどう適用できるかを考えながら学び続ける姿勢が重要です。技術の変化に柔軟に対応し、継続的にスキルアップできる人は、企業から高く評価されます。
チームワークを大切にし、協力して仕事ができる人
システム開発は一人で完結するものではなく、多くのチームメンバーと協力しながら進める必要があります。
ユーザー系SIerでは、開発チーム内だけでなく業務部門や外部ベンダーとも連携しながらシステムを構築・運用していくため、チームワークを大切にできる人が求められます。例えば、大規模なシステム開発では、プログラマー、インフラエンジニア、プロジェクトマネージャーなど、多くの専門職が関与します。それぞれの役割を理解し、円滑にコミュニケーションを取りながら協力することが成功の鍵となります。
また、トラブルが発生した際には、関係者と連携して迅速に問題を解決する力も重要です。個人の成果だけでなく、チーム全体の成功を意識できる人は、ユーザー系SIerで活躍しやすいでしょう。
問題解決能力が高く、主体的に行動できる人
システム開発や運用の現場では、日々さまざまな課題やトラブルが発生します。その際、指示を待つだけではなく、自ら問題を分析し、最適な解決策を考えられる人が求められます。
例えばシステム障害が発生した場合、単に復旧作業をするだけでなく「なぜ問題が起きたのか」「再発防止策は何か」を考え、関係者と調整しながら改善策を実施することが重要です。
また、業務部門からの要求に対しても単純にシステム化するのではなく、業務全体を見直してより効率的な解決策を提案できると評価が高まります。常に主体的に動き、課題解決に向けて積極的に取り組める人は、ユーザー系SIerで大いに活躍できるでしょう。
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11.ユーザー系SIer業界の選考対策
最後に、ユーザー系SIer業界を志望する学生に向けて、ユーザー系SIer業界の選考対策を紹介していきます。
ユーザー系SIer業界の選考で有利になるためのポイント
ここでは、ユーザー系SIer業界の選考で有利に働くためのポイントを紹介していきます。
ITスキルと業務知識をバランスよくアピールする
ユーザー系SIerでは、ITスキルだけでなく親会社の業務に対する理解や関心が重要視されます。
選考では、プログラミングやシステム開発の経験を示すとともに、「どのようにITを活用して業務を改善できるか」を具体的に説明できると有利です。
特に、応募する企業の親会社の業界(金融、商社、製造業など)について調べ、その業務とITの関わりを考えた上で志望動機を作ると説得力が増します。また、システム開発の流れや基本的なIT知識を身につけ、技術面でも一定の理解があることを示すと、面接官からの評価が高まるでしょう。
コミュニケーション能力と調整力をアピールする
ユーザー系SIerでは、社内の業務部門や外部ベンダーと連携しながらプロジェクトを進めるため、コミュニケーション能力や調整力が重要視されます。
面接では、チームでの課題解決経験や、複数の関係者と協力して成果を出したエピソードを話すと効果的です。例えば、大学の研究プロジェクトやアルバイト、サークル活動で意見をまとめたり、トラブルを解決したりした経験を具体的に伝えると良いでしょう。
SIerの仕事は技術だけではなく対人スキルも大きく関わるため、円滑なコミュニケーションが取れることをアピールすることが重要です。
長期的な視点でキャリアを考えていることを伝える
ユーザー系SIerは親会社の業務改善を長期的に支える立場であり、安定したキャリア形成を求める企業が多いです。そのため、単なるITスキルへの関心だけでなく「この業界でどのように成長していきたいか」を明確にすることが重要です。
例えば、「業務知識を深めて、将来的にはITコンサルタントとして企業のDX推進を支援したい」など、具体的なキャリアビジョンを持っていると好印象を与えられます。また、「親会社の業務をITで支えることに魅力を感じている」ことを伝えると、企業とのマッチ度を高めることができます。
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主体性と問題解決能力を示すエピソードを用意する
システム開発の現場では、指示を待つだけではなく自ら課題を見つけて解決策を提案する力が求められます。そのため、選考では自分で考え、行動した経験を強調することが大切です。
例えば、大学の授業やアルバイトで、改善策を提案して実行した経験、プログラミングの学習で自主的に取り組んだプロジェクトなどを話すと主体性が伝わります。
その際、どのような課題に直面し、どう解決したかというストーリーを明確にすると、論理的思考力もアピールできます。SIerの仕事では問題解決の機会が多いため、積極的に行動できる姿勢を示すことが有利になります。
ユーザー系SIer業界の志望動機の書き方のポイント
ユーザー系SIer業界の志望動機を書く際は、以下の3つのポイントを押さえておくようにしましょう。
-
・なぜユーザー系SIer業界を志望しているのか
・なぜその企業を志望したのか
・ユーザー系SIer業界、その企業で何をしたいのか
上記3つのポイントをそれぞれ順番に、具体的なエピソードを添えて書く必要があります。
まずはなぜユーザー系SIer業界を志望しているのかを書くようにしましょう。ユーザー系SIer業界の魅力や働いてからやりたいことを、具体的な経験・エピソードとセットで伝えることが大切です。その際、他の業界ではなくユーザー系SIer業界でないとできない理由まで添えられるとなお良い志望動機になります。
続いて、ユーザー系SIer業界の中から選考を受けた企業を選んだ理由を記載します。どうしてその企業を選んだのか、ほかのユーザー系SIer業界ではなくその企業でないといけない理由を書くようにします。特に、ユーザー系SIer業界は各社高いレベルでの技術開発が盛んですので、企業ごとの技術の違いや企業文化、風土の違いを細かく理解して志望動機を書き上げる必要があります。
そのためには自己分析や企業理解が必要になりますので、過去の自分の経験を振り返ること、企業のホームページやブログ、決算からどういう特徴を持った企業なのかを掴むこと、の2点が必要になります。
ユーザー系SIer業界の面接対策
最後に、ユーザー系SIer業界での面接対策について解説していきます。
志望動機は流暢に話せるようしておく
面接では、なぜユーザー系SIer業界を志望するのか、なぜその企業を志望しているのか、は必ず聞かれます。その際、具体的なエピソードとともにその理由を述べることが重要です。
企業研究を踏まえ、その企業だからこそ実現できる目標や、自身のスキルをどのように活かせるかを語りましょう。なお、面接で話す際は論理的に話すコミュニケーション能力も見られているケースがほとんどですので、事前に文章を用意して、スムーズに話せるように用意しておくことも大切になります。
技術面の質問対策も用意しておく
基本的なIT知識に関する質問や、プログラミング経験がある方はこれまでの開発経験を問われることもあります。IT知識については日頃からインプットしておくと同時に、プログラミングの開発経験がある方は、その際の開発の流れや難所、その難所をどう突破したのかなどを語れるようにしておきましょう。
最新技術や業界動向についても情報収集を怠らず、意欲的に学んでいる姿勢を示すことが大切です。
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