というのも、SEは「要件定義」「基本設計」と呼ばれるクライアント企業とのやりとりが必要となる立場であり、時にはプロジェクト全体のマネジメントを担当することもあるので、理系の資質よりもコミュニケーションスキルやリーダーシップが重視される傾向にあるからです。新卒・第二新卒などの若手採用では、こうした傾向がさらに強くなります。
本記事では、文系学部からでもSEになれる5つの理由と、「SEはやめとけ」と言われてしまう理由、文系学部からSEの内定を取るための必要スキルなどについてご紹介します。
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- 1.文系学部からでもSEになれる5つの理由
- 2.「文系学部からSEになるのはやめとけ」と言われるのはなぜ?
- 3.文系学部からSEになるために必要なスキル・知識
- 4.文系学部からSEになって後悔しないための注意点
- 5.まとめ
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1.文系学部からでもSEになれる5つの理由
最初に、文系学部からでもSEとして活躍できる理由について、以下の5つの観点から解説します。
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・上流工程では文系学部出身が活躍しやすいから
・女子・男子や学歴を問わず実力で評価されるから
・SEとしての技術力は研修で身につけられるから
・SEの人材不足が深刻化しているから
・人物重視のポテンシャル採用だから
上から順番にご紹介しますので、SEを目指す時の参考にしてみてください。
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上流工程では文系学部出身が活躍しやすいから
SEの仕事内容は、上流工程・下流工程の2種類に分類されますが、その中でも上流工程の仕事は文系学部出身の方が活躍しやすい性質があります。上流工程に含まれるのは、要件定義やシステム設計と呼ばれる業務で、いずれもクライアント企業との綿密な打ち合わせの上で決定するのが基本です。
その際には、IT技術やプログラミングに詳しくないクライアント企業に対して、わかりやすい表現で説明・提案することが求められます。また、クライアント企業の要望を正確に汲み取るヒアリング力、もしくは開発チームと円滑に意思疎通を図るための協調力なども必要とされる立場ですので、文系学部出身でコミュニケーションスキルが高い人ほど、活躍しやすい職種なのです。
女子・男子や学歴を問わず実力で評価されるから
SEをはじめとするIT業界のエンジニアは、女子・男子を問わず、学歴や経歴なども不問で、プログラミングスキルや開発実績などの実力で評価されやすい職種です。もちろん文理も不問としている企業が多く、文系学部出身だからといって選考や社内評価で不利になりにくい世界なのです。
SEの仕事内容や求められる役割を理解し、深く自己分析・企業研究した上で面接に臨むことで、理系学部出身のライバルに負けることなく選考に進むことができるでしょう。女子・男子の関係なく目指せる職種でもあるので、性別を問わず活躍できる職業を選びたい方にも適しています。
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SEとしての技術力は研修で身につけられるから
SEは新卒・未経験で募集されることが多い職種です。その背景としてSEの技術力は入社後の研修で身につけられるため、入社時点ではプログラミングスキルや専門知識、出身学部なども問わない企業が多いのです。その結果、文系学部出身であってもSEの内定を獲得できる方は多く、前述した高いコミュニケーションスキルをアピールできれば、理系学部出身のライバルよりも選考を有利に進められることもあります。
ただし、プログラミング研修などの専門的なカリキュラムをスムーズに理解するために、入社時点で基礎的なIT知識があるのが望ましいです。独学でプログラミング言語を学習したり、IT系資格を取得したりといった強みをアピールできると、高い志望意欲が評価され、内定を獲得しやすくなるでしょう。
SEの人材不足が深刻化しているから
SEを含めたIT業界全体では、深刻な人材不足が続いています。IT企業への需要は高く、クライアント企業からの依頼は多数寄せられるものの、開発を担当できるSEが足りていないために、案件を断らざるを得ない状況のIT企業も少なくありません。そうした状況を改善するために、プログラミング経験や出身学部などを不問として、意欲がある人を積極的に採用する企業が増えているのです。
ただし、人材不足だからといって何の対策もせずにSEとして入社できるわけではなく、十分な自己分析や企業研究は必要となります。何の対策もせずにSEの就活に臨んでしまうと、ブラック企業に入社することになったり、SEの入社後の業務にギャップを感じて、早期退職してしまったりするケースが多くなるため注意しましょう。
人物重視のポテンシャル採用だから
SEの新卒採用・第二新卒採用では、他の職種と同じように、人物重視のポテンシャル採用を行うことが多いです。選考では性格・価値観、自社とのマッチ度を調べるケースが多く、プログラミングスキルの高さや出身学部などはあまり重視されないことも多くなっています。それよりもSEの仕事に向いている人物か、自社との相性が良い学生か、新しいことを学び続けられる人材かを見ているのです。
そのためプログラミングスキルや開発実績がなかったとしても、根気強く物事に取り組めることや、論理的思考力が得意なことをアピールすることで、採用担当者から高く評価してもらうことができます。実力主義のIT業界では、選考においても文系・理系の区別がなく、フラットな視点で評価してもらえるので、企業の「求める人物像」に合わせた強みのアピールが効果的です。
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2.「文系学部からSEになるのはやめとけ」と言われるのはなぜ?
文系学部からSEになることは可能であり、むしろ理系学部出身よりも高く評価されることもあるほどですが、一方で「文系学部からSEになるのはやめとけ」と言われることも多いのが現実です。では、なぜ文系学部からSEを目指すことに対して否定的な意見が寄せられるのでしょうか。
その理由としては、以下の5つの原因が考えられます。
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・IT業界やSE職種への理解不足
・客先常駐が発生するSES企業を志望している
・応募企業がブラックな可能性がある
・ワークライフバランスを最重要視している
・対人コミュニケーションが苦手
もし自分がこれらの特徴に当てはまる場合、SEは向いていない可能性が高まるので、それぞれの項目をチェックしておきましょう。
IT業界やSE職種への理解不足
文系学部からSEになるのはやめとけと言われる理由として、IT業界やSEという職種への理解不足が挙げられます。将来性が高く収入が多いというイメージだけでIT業界を志望している場合や、Web・インフラ・組み込みなどのエンジニアの種類を理解しないままSEを目指している場合などが挙げられます。
こうしたIT業界やSE職種への理解不足のまま就職してしまうと、入社後の働き方にギャップを感じて後悔する可能性が高くなるので、「SEはやめとけ」とアドバイスされることが多くなるのです。一方で、IT業界への業界研究、SEという仕事への職種研究を徹底的に行い、自己分析とともに「なぜ自分がSEを志望するのか?」を論理的に説明できる方であれば、文系学部からでもSEを目指すことを応援してもらえるでしょう。
客先常駐が発生するSES企業を志望している
文系学部からSEになるのはやめとけと言われるケースには、志望企業が「客先常駐」が多く発生するSES企業であることも考えられます。客先常駐とは、案件やプロジェクトごとにクライアント企業のオフィスに派遣されて働くことを言います。客先常駐エンジニアを派遣する企業をSES企業と呼び、さまざまな現場を経験できるメリットがある反面、収入が少なく企業への帰属意識も薄まるなど、デメリットも多い働き方とされています。
IT業界では「客先常駐は辛い」「やめとけ」と言われることも多く、SES企業や客先常駐という働き方に対して理解が不足しているままSEを目指している場合には、周囲からは「SEはやめとけ」と言われやすくなるでしょう。むしろ客先常駐の働き方にメリットを感じ、将来のキャリア形成に役立つことを踏まえて志望しているのであれば、やめとけと言われることはなくなります。
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応募企業がブラックな可能性がある
応募企業がブラックな可能性が高い場合にも、「SEはやめとけ」と言われることが多くなります。IT業界には、現在もブラック企業が存在しているのが事実であり、新入社員に対して十分な研修を行わずに現場へ配属したり、SEとして募集していたにも関わらず家電量販店やコールセンター勤務になったりと、さまざまなトラブルが報告されています。
そうしたブラック企業に多い特徴として、年間を通じて求人を出していることや、離職率が高いこと、口コミサイトやSNS上での評判が悪いことなどが挙げられます。こうした特徴に当てはまる企業に応募していた場合、「SEになるのはやめとけ」と言われやすくなるのです。
ワークライフバランスを最重要視している
ワークライフバランスを最重要視して就活へ望んでいる方に対しても、「SEはやめとけ」と言われることが多くなります。SEはクライアント企業からの要望に合わせた受託開発に携わることが多く、受託開発では明確な納期が設定されます。この納期に間に合わせるため、時には残業・休日出勤しながら開発に取り組むことも珍しくないのです。そのためワークライフバランスを最も重視したい方や、プライベートな時間を十分に確保したいと考えている方に対しては、「SEはやめとけ」と助言されることが多いのです。
なお、企業によっては社員のワークライフバランスを重視し、さまざまな福利厚生や働き方を認めていることもあります。また、自社開発企業であればクライアントワークが少なく、納期のプレッシャーが少ない職場で働ける傾向にあります。ワークライフバランスを重視しながらSEを目指したい場合には、インターンシップなどを通じて企業の職場環境・働き方をじっくりとリサーチすると良いでしょう。
対人コミュニケーションが苦手
SEという仕事に対して、パソコンに向かって一人で黙々と作業するイメージを持つ方は少なくありません。しかし実際には、SEの仕事にはクライアント企業との打ち合わせや開発チームとの連携など、さまざまな立場の相手とのコミュニケーションが発生します。そのため対人コミュニケーションが苦手な方の場合、周囲からは「SEはやめとけ」と言われやすくなるでしょう。
人とのコミュニケーションが苦手で、一人で黙々と作業したいタイプの場合、プログラミングスキルを身につけてプログラマー(PG)の職種を目指す方が向いているかもしれません。プログラマーの場合は、開発チームとの協力は不可欠ですが、クライアント企業との打ち合わせなどに参加することは少ないため、現場でのプログラミング作業に集中しやすい立場です。SEと同時に募集しているIT企業も多いので、選考の際にはプログラマーを志望する旨を伝えることも検討してみてください。
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3.文系学部からSEになるために必要なスキル・知識
続いて、文系学部からSEになるために、必要とされるスキル・知識についてご紹介します。
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・基礎的なプログラミングスキル
・ITインフラやセキュリティの基礎知識
・ヒアリングスキル・傾聴力
就活でSEの内定を目指す場合には、まずはこれらのスキルを磨き、面接やエントリーシートで効果的にアピールする作戦を立てるのがおすすめです。それぞれ順番に解説していきましょう。
基礎的なプログラミングスキル
文系学部からSEを目指す時には、基礎的なプログラミングスキルがあることが望ましいです。個人開発の実績などもアピールできるのが理想ですが、プログラミング言語をある程度独学したレベルでも問題ありません。プログラミングの基礎的な考え方が身についていると、入社後の研修をスムーズに受けられるだろうと企業側も判断するからです。
Web系の企業に入社するのであれば、HTML・CSS・JacaScriptといった言語を用いることが多いので、これらを学習しておくのがおすすめです。アプリ開発企業に入社する際には、SwiftやKotlinなどのプログラミング言語が役立つでしょう。ほかにも入社後の研修で学ぶ言語、もしくは現場で用いている言語が採用ページで公開されている場合には、その言語を中心に学習しておくと良いでしょう。
ITインフラやセキュリティの基礎知識
文系学部からSEとして活躍するために、ITインフラやセキュリティの知識なども身につけておくと効果的です。ITインフラとは、サーバーやネットワークなど、ITサービスの土台を支える技術のことを指し、SEとしてステップアップするためには欠かせない知識を指します。AI開発に必要な機械学習・データベースについての知識や、セキュリティについての理解を深めておくことも、市場価値の高いSEを目指すことにつながります。
ITインフラやセキュリティの基礎知識を学ぶ際には、「ITパスポート試験」「基本情報技術者試験」といった国家資格を目指すのもおすすめです。これらの資格対策の教材を用いることで、ITインフラを含めた基礎的なIT知識を体系的に身につけられるので、資格のアピールで就活を有利に進めるためにも積極的に取得してみましょう。
ヒアリングスキル・傾聴力
文系学部出身のSEに求められるのは、高いヒアリングスキル・傾聴力です。企業側は高いコミュニケーションスキルを活かして、クライアント企業との打ち合わせや開発チームとのやりとりで活躍できるSEになって欲しいと考えます。そうした求める人物像にマッチした人材であるとアピールできれば、内定を獲得できるチャンスが高まります。
そのためには、日頃から上手な聞き手として相手の話を引き出すようなコミュニケーションを心がけると良いでしょう。接客業やコールセンターでのアルバイト経験は、コミュニケーションスキルを象徴する経験としてもアピールできるので、これらのアルバイトを始めてみるのも効果的です。
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4.文系学部からSEになって後悔しないための注意点
最後に、文系学部からSEになって後悔しないために、押さえておきたい注意点を3つご紹介します。
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・プログラミングに取り組み向き不向きを判断しておく
・初任給は高いわけではないことを理解する
・下流工程から上流工程へのステップアップを目指す
これらのポイントを踏まえながら、SEへの就活を目指してみましょう。
プログラミングに取り組み向き不向きを判断しておく
SEを目指す場合には、スクールや独学などを通じて、一度プログラミングに触れておくことが重要です。独学でプログラミングを学ぶことは、自分自身がSEに適性があるかどうかを見極める判断材料にもなります。プログラミングに興味を持って取り組めるのであればSEとしても活躍しやすいと判断できますし、プログラミングへの苦手意識が抜けない場合には、IT業界以外を目指した方が良いと判断できるでしょう。
事前にプログラミングを学習しておくことは、入社後にスムーズにSEの業務に取り掛かるきっかけになるほか、IT業界やSEへの志望度の高さをアピールすることにもつながります。入社後にミスマッチを感じて早期退職とならないためにも、一度プログラミング言語に触れてSEへの向き不向きを判断しておくことをおすすめします。
初任給は高いわけではないことを理解する
SEはすべての職種の中でも平均年収が高い職業ですが、初任給の段階ではほかの職種と大きく異なるわけではありません。これは新卒入社の時点では、プログラミング実績や開発経験が少ないことが多く、ポテンシャル以外で評価しにくいことが原因です。しかし専門職であるSEは、経験と実績を積むにつれて着実に年収はアップしていくので、初任給だけで将来の収入を判断しないように注意しましょう。
上場企業であれば「有価証券報告書」をチェックすることで社員の平均年収を調べられるほか、採用ページでモデル年収や先輩SEの年収を公開していることもあるので、将来どのくらいの年収を得られるのかを確認することをおすすめします。
下流工程から上流工程へのステップアップを目指す
SEの業務内容には、上流工程と下流工程の2種類が存在しており、将来性が高く年収が高くなりやすいのは上流工程に携わるSEです。新卒入社後はまずプログラミングなどの下流工程を担当するSEが多いですが、経験を積むにつれて上流工程を担当できる機会が増えていきます。その際に実績を残すことで、上流工程に強いSEとして、市場価値の高い人材になることができます。
上流工程を担当できるSEは数が少なく、システム開発で最も重要なポイントを決める作業でもあるので、好待遇が約束されているメリットがあります。プログラミングやコーディングが好きな方は、下流工程のプログラマーとして開発力を磨き続けるというキャリアパスもありますが、SEとして高年収・好待遇を狙うのであれば、若手のうちから上流工程へステップアップできるように心がけると良いでしょう。
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5.まとめ
文系学部からでもSEになれる理由として、本記事では以下の5つの理由についてご紹介してきました。
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・上流工程では文系学部出身が活躍しやすいから
・女子・男子や学歴を問わず実力で評価されるから
・SEとしての技術力は研修で身につけられるから
・SEの人材不足が深刻化しているから
・人物重視のポテンシャル採用だから
一方で、「SEになるのはやめとけ」と言われる原因として、以下の5つがあることも解説しました。
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・IT業界やSE職種への理解不足
・客先常駐が発生するSES企業を志望している
・応募企業がブラックな可能性がある
・ワークライフバランスを最重要視している
・対人コミュニケーションが苦手
文系学部からSEを目指す際には、これらの項目についても理解した上で、企業に応募することが大切です。本記事でご紹介してきたSEになるための必要スキルや、入社後に後悔しないための注意点も踏まえながら、SEへの就活に臨んでみてください。
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