組み込みエンジニアに新卒で就職する方法や必要なスキルなどを解説!

組み込みエンジニアに新卒で就職する方法や必要なスキルなどを解説!
組み込みエンジニアは、家電などの製品にコンピューターを組み込みその動作を制御するプログラムを開発する職種です。 組み込みシステムを開発するエンジニアには、プログラミング能力だけでなく、ハードウェアへの理解も不可欠です。そのため、ハードルが高いと感じる学生もいるかもしれません。 しかし、近年では深刻なエンジニア不足を背景に、未経験や新卒を積極的に採用する企業も増えてきています。 そこで本記事では、組み込みシステムの仕事内容から、新卒で組み込みエンジニアになるための方法やスキル、さらには志望動機などについて詳しく解説しています。

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1.組み込みエンジニアとは

組み込みエンジニアとは、デジタル家電、自動車、および制御機器などの製品に組み込むソフトウェアを開発する職種です。ここでは、組み込みエンジニアの仕事内容や年収、キャリアパス(企業が想定する社員の道筋)などについて説明します。

組み込みエンジニアの仕事内容

基本的には他のITエンジニアと似ている部分が多く、ソフトウェア開発における要件定義から基本設計、詳細設計、開発、テストなどを行います。主な違いは、ハードウェアを使用する点です。ハードウェアの仕様に合わせたソフトウェアの設計・開発、ハードウェアと連結させた上での結合テストなどの業務が発生します。

新卒のうちは、仕様書に沿ったテストの実施や軽微なバグの修正など、比較的簡単な業務からスタートすることが多いと考えられます。経験を積むにつれて、要件定義や設計などの上流工程を任されるようになるでしょう。

組み込みエンジニアが活躍する業界

組み込みエンジニアの活躍分野は多岐にわたります。ここからは、組み込みエンジニアが活躍する業界を3つ見ていきましょう。

家電業界

組み込みエンジニアの仕事として特にイメージしやすい分野は、家電業界でしょう。
家電業界での組み込みエンジニアは、洗濯機や冷蔵庫、AV機器などの身近な家電や、カーナビを含む車載機器などを制御するシステムを開発します。

消費者にとって身近な製品をインターネットとつなげるIoT技術により、遠隔操作や家電同士の連携などが可能になります。また、センサーを活用して機器を自動で制御することも可能です。

情報・通信機業界

情報・通信機業界の組み込みエンジニアは、インターネットに接続する携帯電話やルーターなどの通信機器の高速化を図ります。5Gの通信規格高速化につながるシステムを開発するのも特徴です。安定した通信を実現するための信頼性が求められるでしょう。

産業機械業界

産業機械業界での組み込みエンジニアの主な仕事は、産業機器や工作機械、ロボットを制御するシステムを開発すること。

家電や自動車など身近なものからロケットまで、あらゆる製品は工作機械で作られており、近年ではスマホの需要拡大により勢いを増しています。製品の品質を保ちつつ安定化を図るため、汎用性と堅牢性の高さが求められるのがポイントです。

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2.新卒で組み込みエンジニアとして配属される方法

新卒エンジニアとして配属される方法はいくつかありますが、そのなかでも最も効率的かつ確実な方法は以下の3つです。
 

  • ・アルバイト・インターンから採用してもらう

    ・メーカーのエンジニア採用にエントリーする

    ・就活エージェントに相談してみる


それぞれ詳しく解説します。

アルバイト・インターンから採用してもらう

組み込みエンジニアとしての第一歩を踏み出すには、学生時代にアルバイトやインターンとして現場を経験することが有効です。多くのメーカーや開発会社が学生向けのインターンを実施しており、実際の開発フローや使用するツールに触れられる貴重な機会になります。

特に、C言語を使ったプログラム修正やテスト業務などに関わることで、自分の適性や興味を確認することもできるでしょう。また、インターン先で実力や意欲をアピールできれば、そのまま新卒採用に繋がる可能性もあります。

募集要項には「インターン経由での採用あり」と記載されている企業もあるため、積極的にチェックしておくことをおすすめします。

関連記事:インターンシップに参加するメリットは?就活で有利にするための方法まで解説

メーカーのエンジニア採用にエントリーする

組み込みエンジニアとしてのキャリアを目指すなら、自動車や家電、産業機器などを製造するメーカー企業のエンジニア職を狙うのが王道です。

メーカーの募集要項には「組み込み開発」「ファームウェア設計」といったキーワードが記載されていることが多く、自分のスキルや志向にマッチする職種かを見極める必要があります。エントリー時には、C言語やアセンブリの学習経験、マイコンを使った電子工作など、関連する経験を明確に伝えると良いでしょう。

就活エージェントに相談してみる

組み込みエンジニア職を目指したいものの、自分に合った企業を見つけるのが難しい場合は、就活エージェントを活用するのも一つの手段です。

特に、ものづくりや技術職に強い就活エージェントでは、エンジニア職の非公開求人や、職種ごとの適性を踏まえたキャリアアドバイスを受けられます。自分では見落としていた企業を紹介してもらえる場合もあり、視野を広げる意味でもおすすめな方法です。

また、応募書類の添削や面接対策の支援も受けられるため、準備に不安を抱える学生にとっては大きな安心材料になります。エージェントは複数併用も可能なので、自分に合うサービスを見つけましょう。

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3.新卒で組み込みエンジニアになるために必要なスキル・知識

新卒で組み込みエンジニアになるために必要なスキル・知識は多くありますが、そのなかでも重要なのは下記の5つです。
 

  • ・プログラミングスキル

    ・コミュニケーションスキル

    ・アセンブリ言語についての理解

    ・リアルタイムOSについての知識

    ・ハードウェア知識


それぞれ詳しくご紹介します。

プログラミングスキル

組み込みエンジニアを目指す上で、プログラミングスキルは必須です。特にC言語は、組み込み開発現場で今なお主流であり、多くの製品で使用されています。

C言語を使っての基本的な制御構文やポインタの扱い、ハードウェアとのインターフェースを意識したコードの書き方に慣れておくことをおすすめします。

また、C++やPythonなど他の言語に触れることで、柔軟な考え方や設計力も身に付けられるでしょう。大学の授業だけでなく、個人開発や競技プログラミングなどを通じて、実際に動作するプログラムを書く練習を積んでおくと面接時のアピールにも繋がります。

関連記事:プログラミングは就活に有利?理由とスキルを活かせる就職先も紹介

コミュニケーションスキル

組み込みエンジニアは黙々とコードを書く仕事と思われがちですが、実際にはコミュニケーション力も非常に重要です。

開発現場では、ソフトウェアだけでなく、ハードウェア担当者や品質管理、製造チームと連携しながら製品を完成させていきます。そのため、自分の意図を分かりやすく伝える力や、相手の専門知識に配慮した説明力が求められます。

学生時代のグループワークや研究活動、アルバイトなどで、チームで協力しながら成果を上げた経験があれば、アピール材料になるでしょう。技術力とあわせて「協調性」や「伝える力」は、エンジニアでも大切なスキルです。

関連記事:エンジニアはどのくらいコミュニケーションが必要?高いコミュ力はなくても良い理由

アセンブリ言語についての理解

組み込みエンジニアとして活躍するには、アセンブリ言語についての基本的な理解があると有利です。現代ではC言語での開発が中心ですが、マイコンの動作やレジスタ操作を正確に把握するには、アセンブリの知識が欠かせません。

アセンブリは処理の仕組みをより低レイヤーで理解するための入り口であり、最適化やトラブルシューティングの際にも役立ちます。大学の授業や参考書で基礎を学びつつ、簡単なプログラムを実装してみると理解が深まるでしょう。アセンブリが苦手でも、「理解しようとしている姿勢」や「Cとの関係性を意識している点」などを伝えることが評価につながる場合もあります。

リアルタイムOSについての知識

近年の組み込みシステムでは、複数のタスクを同時に制御する必要があり、リアルタイムOS(RTOS)に関する知識も重要になっています。RTOSの基本概念であるスケジューリング、割り込み処理、タスク間通信(メッセージキューやセマフォなど)を理解しておくことで、複雑な組み込みソフトウェア設計にも対応できる素養が身に付けられるでしょう。

大学で学ぶ機会が少ない分、自主学習や書籍、RTOSを使ったマイコンボードでの実験などを通じて習得する学生も増えています。

ハードウェア知識

組み込みエンジニアは、ソフトウェアとハードウェアの橋渡しをする存在でもあります。そのため、ハードウェアに関する基礎知識を持っていると、製品開発の現場で非常に重宝されます。

たとえば、マイコンやセンサ、LEDなどの基本的な電子部品の役割や、GPIOやI2Cといったインターフェースの仕組みを理解しておくと、ソフトウェア設計の際に配慮が行き届くようになります。電子回路の実験やArduinoなどのボードを使った個人制作を通じて、楽しく学ぶことも可能です。

ハードウェアに関心を持っている姿勢は、組み込み分野における「適性」として企業側にも好印象を与えるポイントになります。

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4.新卒で組み込みエンジニアになるのに有利な資格

新卒で組み込みエンジニアを目指すのであれば、取っておきたい資格として「応用情報技術者試験」「ETEC(組み込み技術者試験制度)」「JSTQB認定テスト技術者資格」などがあります

本章では、その資格についてそれぞれ詳しく解説します。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎力に加え、設計や管理、セキュリティなどの応用的な知識が求められる国家試験です。

組み込み分野に特化した内容ではありませんが、アルゴリズムやネットワーク、システム開発手法など、組み込みエンジニアとして必要な幅広い知識を証明できるため、企業から評価されます。

試験勉強を通じて「技術の背景まで理解できているか」を問われるため、学習の過程そのものが実務への応用力につながるでしょう。

関連記事:応用情報技術者試験は就職に有利になる?取得のメリットや難易度について

ETEC(組み込み技術者試験制度)

ETEC(Embedded Technology Engineer Certification)は、組み込み技術に特化した資格制度で、実務に即した知識を評価する点が特徴です。初級・中級に分かれており、CPU構造、リアルタイムOS、開発プロセスなど、組み込みエンジニアに不可欠な基礎知識を網羅できます。

ETECの資格を取得していることで、「組み込み分野に対する本気度」や「実務に即したスキルの理解」が企業に伝わりやすく、未経験でも即戦力の可能性を感じてもらいやすくなります。教材も充実しており、独学でも十分挑戦可能な点も魅力です。

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQBはソフトウェアテストの国際資格で、品質保証や不具合の予防・検出に必要な知識を体系的に学べる点が強みです。

組み込みシステムでは、完成品の信頼性が何より重視されるため、テスト工程のスキルは非常に重要となります。JSTQBの取得により、仕様書の読み取りやテスト設計の基礎ができていると判断され、採用時の評価が高まるでしょう。新卒でも取得可能なFoundation Levelから始めることで、就職活動に向けた「品質への意識」や「チーム開発への貢献姿勢」を示すことができます。

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5.組み込みエンジニアになるための勉強法

組み込みエンジニアになるためには、ハードウェアやソフトウェアの知識だけではなく、習得が難しいと言われるC言語の知識が必要です。ここからは、組み込みエンジニアになるための勉強法を4つ紹介します。

書籍を活用する

書籍を利用することは、独学でプログラミングを学ぶ最も手軽な方法です。

プログラミング関連の書籍には、体系的に情報がまとめられているため、プログラミングに関する知識を網羅的に理解することができます。本に掲載されている情報はインターネット上の情報よりも信頼度が高いため、より確実な情報に基づいて学習できます。

また、書籍ごとにテーマが絞られているため、特定の分野に特化した知識を得ることが可能です。読者のプログラミングスキルに応じてレベル分けされた書籍もあるため、自分のペースに合わせて初心者向けから徐々にステップアップすることもできます。

ただし、デメリットとして、書籍を読んで理解できないことがあった場合に、誰にも相談できず挫折しやすいことが挙げられます。一緒に勉強できる仲間を見つけたり、teratailなどのWebの質問サイトを活用したりして、疑問を解消できるようにしておくことがおすすめです。

関連記事:初心者におすすめのプログラミング学習本|いきなり言語の本を読む前に読む本

プログラミング学習サイトを活用する

プログラミングのスキルが身につくまでには時間がかかったり、思った通りの成果が出なかったりします。スクールに通う時間や予算がない場合は、プログラミング学習サイトの利用がおすすめです。

学習サイトのメリットは、組み込みエンジニアに必要なC言語やPython、Javaなどのプログラミング言語をコードを書きながら学べること。無料で利用できるサイトもあるので、チェックしてみることをおすすめします。

マイコンを活用する

実際にプログラムを書き、マイコンを動作させるのも良い勉強方法です。マイコンとは、マイクロコントローラ(Microcontroller)の略語で、1つのICチップにコンピュータの基本的な機能を搭載した電子部品のことです。

マイコンメーカーは、初心者向けのマイコン入門セットも販売しています。ただし、そうした製品の活用にあたっては、プログラム言語の知識やツールが揃っていることが前提となるでしょう。

プログラミングスクールに通う

具体的にどのような勉強をしたら良いか分からない、独学で学んでみたけど挫折してしまったという方には、プログラミングスクールでの学習がおすすめです。プログラミングスクールでは、サポート体制が充実しているだけでなく、同じ目標をもつ仲間がいるため、挫折しにくくなります。
通学が難しい方は、通信制コースがあるスクールを選ぶと良いでしょう。

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6.【業界別】新卒で組み込みエンジニアになる志望動機の例文

本書章では、新卒から組み込みエンジニアを目指す方に向けて、業界別で志望動機の例文を6つご紹介します。

自動車業界

私は、日々進化する車載システムの中で、自動運転や安全支援システムといった高度な技術を支える組み込み開発に携わりたいと考え、自動車業界を志望いたしました。

大学ではC言語を用いたマイコン制御の演習や、自律走行ロボットの製作に取り組み、センサーとソフトウェアが連携することの面白さを体感しました。自動車は「走る制御のかたまり」であり、ソフトとハードの高度な融合が不可欠です。

私は御社の高い技術力の中で、より安全で快適な車づくりに貢献していきたいと考えております。

家電業界

私は、日常に寄り添う製品である家電を通じて、ユーザーに快適さや便利さを届けたいと考え、家電業界の組み込みエンジニア職を志望いたしました。

大学では、Arduinoを使った温度センサー付き扇風機の制御プログラムを開発し、環境の変化に応じて動作を自動調整する仕組みを実装し、この体験からユーザー目線に立った設計や制御の重要性を学びました。

御社の製品開発においても、使いやすさと技術を両立する設計に貢献できるエンジニアを目指してまいります。

IT業界

私は、幅広い分野に対応するソフトウェア開発力と、組み込みからクラウド連携までを見据えた統合的な視点を持つ企業で働きたいと考え、IT業界の組み込みエンジニア職を志望いたしました。

大学では、IoTデバイスのプロトタイプ開発に取り組み、センサーとネットワークを組み合わせたアプリケーション開発を行いました。IT業界では多様なプロジェクトに携わる機会が多く、自らの技術を幅広く活かせる環境に魅力を感じています。

御社のプロジェクトで、価値ある組み込みシステムの実現に貢献したいと考えております。

産業機械業界

私は、工場の自動化や生産性向上に寄与する産業機械の制御技術に強い関心があり、組み込みエンジニアとしてこの分野に貢献したいと考えています。

大学では、モーター制御を行う実験や、センサー情報を用いたフィードバック制御のシステム構築を経験しました。産業機械は高精度な制御が求められる分野であり、組み込みソフトの役割は非常に大きいと感じています。

御社の持つ制御技術や品質基準を学びながら、現場の声に応えるシステム開発に携わっていきたいと考えております。

医療機器業界

私は、人々の健康と命を支える医療機器に関わることで、社会に貢献できる仕事がしたいと考え、医療機器業界を志望いたしました。

大学では、心拍センサーを用いた簡易なモニタリングシステムを製作し、データの取得から処理、表示までの一連の流れを経験しました。医療分野では、高い精度と信頼性が求められるため、ソフトとハードが密接に連携する組み込み技術の重要性を強く感じております。

御社の医療機器開発に携わり、より安全で高性能な製品づくりに貢献したいと考えております。

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7.まとめ

組み込みエンジニアは専門性が高いことから、「理系学生にしかなれない」というイメージを持つ方もいるでしょう。

しかし、IoTの普及で組み込みシステムの需要が高まっている今、文系や未経験の学生も組み込みエンジニアになれる可能性はあると考えられます。

組み込みエンジニアとしての就職を検討中の学生は、仕事内容やキャリアパスを正しく理解し、本当に自分がなりたい職種なのか判断することが重要です。

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