学会ピークと選考が重なるも8社内定。理系院生が実践したタスク管理と生成AIを使った選考対策

学会ピークと選考が重なるも8社内定。理系院生が実践したタスク管理と生成AIを使った選考対策
日々の実験や論文執筆、学会準備に追われる理系学生にとって、就職活動との「両立」は最大の壁です。「研究の手を止められないけれど、就活も妥協したくない」「どうやってスケジュールを回せばいいのか分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

今回お話を伺ったのは、国立大学院で情報学の研究に取り組む先輩です。過密な研究生活を送りながらも、夏のインターン期から戦略的に動くことで、大手インフラ企業をはじめエントリーした15社中8社で内々定を獲得するという高い実績を残しました。

「M1の6月が忙しさのピークだった」と語る先輩は、いかにして研究と就活の両方を乗り越えたのか? Notionを活用したタスク管理術、生成AIを使った面接対策、研究内容を専門外の人へ伝えるための構造化テクニックまで、理系院生が今すぐ真似できる両立と効率化のノウハウを詳しく伺いました。
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【今回お話を伺った先輩のプロフィール】

卒年度:2027年卒

大学・専攻:国立大学院 情報学専攻(修士課程)

就職先:東京ガス株式会社

職種:DX(データサイエンス)

1. 週2登校で柔軟に。自由度の高い環境を活かした研究スタイルの工夫

Q. 大学院での研究分野や、どのような研究をされているか教えてください。

情報系の研究をしています。具体的には、スポーツ領域においてITを活用し、選手や試合の局面を評価するための新たな指標を自ら開発・研究しています。


研究テーマ自体は自分で新規に立ち上げたものですが、解析に使用するAIなどのアプローチは、研究室で代々引き継がれてきた技術を応用して取り組んでいます。

Q. 研究活動の拘束時間や、研究室への登校頻度はどのくらいでしたか?

研究室の拘束時間はほとんどない方だったと思います。コアタイムなどは無く、絶対に研究室に行かなければならないのは週2回のゼミ(1回あたり1時間半程度)のタイミングだけでした。


ゼミの曜日に合わせて週2日、1回あたり2〜3時間ほど登校するスタイルでしたね。研究作業自体も自宅のPCで進められる内容だったので、場所に縛られずに柔軟に取り組むことができました。

Q. 毎日就活の予定で埋まる夏のインターン期など、研究の手を止めないために意識していた習慣はありますか?

就活が本格化している時期も、ゼミ発表の直前は一気に作業を集中させましたが、それ以外の通常時は「1日最低15分〜1時間でもいいから、毎日少しでも研究に触って進捗を作る」という形でメリハリをつけて進めていました。


特に夏のインターン期間中は、連日1dayインターンなどの予定が詰まっていてほぼ毎日就活に時間を割いている状態でしたが、それでも「完全にゼロにする日」を作らず、毎日少しずつ研究を進める習慣を意識していましたね。


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2. 過密スケジュールを乗り越えた「2×2タスク管理術」と戦略的絞り込み

Q. 就活の全体スケジュールと内定実績を教えてください。

大学院に進学したタイミングで周りの同期が一斉に動き出したので、私も大学院1年(M1)の4月に就活を始めました。全体的なスケジュール感は以下の通りです。

本選考でエントリーしたのは全部で15社で、そのうち8社から内々定をいただくことができました。内々定のうち、6社は夏インターン経由の早期選考ルートでした。

Q. 就活の中で一番大変だった時期はいつですか?またその時期をどう乗り越えましたか?

忙しさのピークはM1の6月でしたね。この時期は夏のインターン選考の締め切りや面接が集中する時期だったのですが、4〜5月の段階では企業を知る動きしかできておらず、選考対策やエントリー作業に追われてしまいました。さらに個人的に大学祭の運営準備も重なっており、かなりハードな時期でした。


この過密期を乗り切るため、タスクを優先度ごとに振り分け、管理を徹底させました。


具体的には、発生したタスクを「期限が近いか / 遠いか」と「自分にとって優先度(志望度・重要度)が高いか / 低いか」という2×2のマトリクス軸で分類しました。 そして「締め切りが近く、優先度が高いもの」から最優先で着手するようにしていました。

Q. 具体的にどのようなツールでタスクを管理していましたか?

タスク管理ツールはNotionを使い、2×2で分類できるテンプレートを入れていたので、そこにタスクをすべて洗い出して整理していました。また、ESなどの締切日自体はGoogleカレンダーに登録して管理していました。


片道15分ほどの通学電車に乗っている間などの隙間時間を使って、カレンダーやタスク管理画面を見ながら「今何をやるべきか」を頭の中で整理し、分類する習慣をつけていましたね。


どうしても締め切りが重複してパンクしそうな時は、自分の中で「一時的に研究の進捗づくりを後回しにする」「優先度の低いエントリーを取りやめる」といった割り切りを行って調整していました。

※先輩が実際に使用していたNotionのタスク管理画面(2×2マトリクステンプレート)のスクリーンショット。社名は伏せています。

Q. 本選考の時期で大変だった時期と、その際の対処法は?

次に忙しかったのは、M1の1〜2月です。この時期は急遽学会に参加することが決まり、原稿提出の締め切りや発表資料の作成、練習などに追われていました。一方で、就活も本選考の2次・最終面接などが重なる時期でもありました。


そのため、この時は、「エントリー企業を極限まで絞り込む」ことでリソースを調整していましたね。

夏のインターン期は少しでも興味があれば幅広く受けていましたが、冬の本選考では「本当に自分が入社したい企業」だけに受ける数を一気に絞りました。就活に割くリソースを最小限に抑えることで、学会や研究に集中できる時間を確保し、両立していたと思います。


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3. 汎用ESの作成とSPI対策は早期にやって正解。就活前半にやるべきこと・やらなくて良かったこと

Q. 就活初期(4〜5月)からのSPI・適性検査対策はどう進めていましたか?

SPI対策はかなり早い段階(M1の4〜5月頃)から着手していました。参考書は、赤本の『これが本当のSPI3だ!』と、青本の『史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集』の2冊を活用していました。


具体的な流れとしては、まず赤本を使って全体の問題構成や傾向を軽く把握した上で、実際にWebテストを受けてみました。


そこから、テストで解けなかったテーマや自分の苦手分野を赤本で確認し、追加で問題数の多い青本で対策したんです。こうして復習したうえで再びWebテストを受けるというサイクルを、満足のいく結果が出るまで2〜3回繰り返しましたね。


選考が本格化する前にひと通り対策を完遂できたことが、夏の選考通過率向上に大きく繋がったと思います。

応募に向けたESの作成はどのようにしていましたか?

夏のインターン期の序盤に、ガクチカ・志望動機・自己PR・研究概要といったよく聞かれる質問に対する、400字程度の「汎用的な基本パターン」を早々に完成させることを意識しました。


文章の「型」を最初に1つ作り込んでおけば、他社にエントリーする際もそのまま活用できたり、文字数指定に合わせて少し調整するだけで済むようになります。序盤にこの作業を終わらせておいたことで、大量のエントリーも短時間で効率よく処理できるようになりましたよ。

Q. その他に、早期からやって良かったことはありますか?

M1の6月頃から同期の紹介で就活支援団体に登録し、メンターの方に定期的に相談に乗ってもらったことです。月に1回ほどの対面相談やLINEでの質問を通じて、ガクチカのブラッシュアップや就活軸の設定、志望順位の整理などを一緒に行っていただきました。


自分1人で抱え込まず、壁打ち相手になってもらいながら進められたことで、迷いなくスムーズに就活を進めることができましたね。

Q. 逆に「ここまでやらなくても良かった」と思ったことはありますか?

サマーインターンでとにかく幅広くエントリーしたこと自体は良かったのですが、「同一業界の中で、志望順位の低い企業まで手広く出しすぎること」はやらなくても良かったなと思っています。


志望度の高い上位企業を出している場合、同じ業界内でそれより優先度の低い企業まで出すと、スケジュールがキツキツになりますし、実際にインターンに行ってみても業界が同じだと内容が重複することが多かったんです。


「幅広く業界を見ること」と「同じ業界内で何社も受けること」は分けて考え、同じ業界内ならある程度絞っても問題なかったなと感じています。


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4. 面接官が納得する研究内容の伝え方と、生成AIを活用した面接対策

Q. 忙しい研究生活の中で、効率よく企業・就活情報を集めるコツは?

効率化のために色々なツールを組み合わせて使っていました。

情報収集・締切管理

就活情報サイトや理系向けスカウトサービス、Xの就活締め切りアナウンスアカウントを活用しました。

選考・面接対策(生成AIを活用)

就活サイトにある過去の選考体験談から、面接で実際に聞かれた質問を集められるだけ集めてノートにコピーし、それを生成AIに投げて「質問のカテゴリー別」に自動分類させました。分類されたカテゴリーごとに回答を考えて整理していくことで、面接で予想外の質問が来ることが少なくなり、高い手応えを得られました。

業界・商流の理解

まずは業界全体のビジネス構造や商流を掴むために、YouTubeなどの分かりやすい解説動画を見て全体像を把握。その上で企業のサイトや説明会資料を見て、他社との強みの違いを比較していました。

Q. 面接やESで専門外の人にも研究内容をわかりやすく伝えるために、どのような工夫をしましたか?

ESでは専門用語を一切使わず、前提知識がない人でも読んで一目でイメージできる文章にすることを徹底しました。


また面接では、最初から技術的な細かい話をせず、「あえて全体像を抽象的・簡潔に話す」ようにしていました。具体的には、まずはざっくり全体を説明し、面接官から深掘りの質問をされた部分についてだけ具体的な内容を答える、という会話のキャッチボールを意識していましたね。

Q.ESで研究内容をわかりやすく作るための方法を教えてください。

私の場合は、以下のような文章構成で伝えていました。これまでの経験から、このような構成で伝えると、研究の専門知識がない人にも分かりやすく伝わっているようです。

研究を一言で伝える

まず最初に、何の課題を解決するための研究かという、テーマと目的を伝える

具体例とメリット

研究が達成されるとどんな良いことがあるかという、誰にメリットがあるかを、具体例とともに伝える

直面した課題

既存の方法では解けない理由や自身が直面した課題について伝える。ここで、専門分野特有の難しさなどをアピールすると、興味を持ってもらいやすい

解決のための工夫

どのような手法・独自のアプローチを提案したかを、技術の活用例などをベースに端的に分かりやすく伝える

成果・評価

最後に、この研究における学会発表や受賞歴などの定量的実績・客観的評価を伝えて締める


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5. 納得いく就活の終え方と、就活生に伝えたい2つのアドバイス

Q. 業界を絞らず幅広く「IT職種」を見たことが、納得のいく就活終了にどう繋がりましたか?

IT企業だけでなく銀行やインフラ企業など、多様な業界でITに携わる選択肢を比較検討できたことで、自分に合った企業を納得感を持って選ぶことができました。


早期選考で内定を確保しつつも本選考も全て受け終わり、第一志望の企業から内定を得たタイミングである2月末に、やりきったと思える形で就活を終えることができました。

Q. 就活を振り返って、後輩のみなさんにアドバイスしたいことは?

繰り返しになりますが、ガクチカ・志望動機・研究概要などの「汎用的な基本回答パターン(400字程度)」を就活の序盤に完成させることをおすすめします。1つ型を作っておけば、他社への展開や字数調整が格段にラクになり、研究との両立が非常にやりやすくなります。


もう1つ、今振り返ってやっておけばよかったと後悔しているのが「早い段階でのOB・OG訪問」です。


自分は本選考の直前に少ししか実施できなかったのですが、実際に社員の方と話してみると、Webサイトや説明会だけでは分からない社風やリアルな情報が得られ、企業理解の解像度が格段に上がりました。


「夏のインターンの時期や企業に興味を持った段階といった、もっと早い時期からOB・OG訪問をしておけばよかった」と強く感じたので、みなさんはぜひ早い時期から試してみてください。

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