「エンジニアの一日って何してるの?」職種別に仕事や魅力を解説

「エンジニアの一日って何してるの?」職種別に仕事や魅力を解説
「エンジニアって、毎日ずっとコードを書くの?」
そんなふうに思っている人は、多いのではないでしょうか。

実は、エンジニアの仕事はコードを書くことだけではありません。会議や設計、調べもの、ほかの人のコードを確認する作業など、いろいろな活動の組み合わせでできています。しかも、その時間の使い方は、職種によって大きく変わります。

この記事では、前回 #5 で見た「フロントエンド」「バックエンド」「インフラ」の3つの世界について、エンジニアの一日のスケジュールを並べて比べます。読み終わるころには、「自分はどの働き方が合いそうか」のイメージが、少し湧いているはずです。
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1. 「コードを書く時間」だけがエンジニアの仕事ではない

エンジニアの仕事は、大きく6つの活動でできています。コードを書く「実装」だけではありません。
 

  • ・①実装:コードを書いたり、直したりする作業

  • ・②会議:チームで方針を決めたり、進み具合を共有したりする集まり

  • ・③設計:どう作るかを考え、図やメモに整理する作業

  • ・④調査:説明書(ドキュメント)を読んだり、仕様を確認したりする作業

  • ・⑤レビュー:ほかの人が書いたコードを見て、改善点を伝え合う作業(コードレビュー)

  • ・⑥動作確認:書いたコードが正しく動くかを確かめるテスト


 

エンジニアの6つの活動


「エンジニア=コードを書く人」というイメージは、この6つのうち①実装だけを切り取ったものです。実際には、会議や設計、調査、レビューにも多くの時間を使います。そして、この6つの時間の配分は、職種によって大きく変わります。ここからは、3つの職種の一日を順に見ていきましょう。

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2. フロントエンドエンジニアの一日

まずは、フロントエンドエンジニアの一日です。フロントエンドは、ユーザーが直接目にする画面を作る職種です。
 

フロントエンドエンジニアの1日のタイムテーブル(例)

時間 おもな活動
9:30 出社・Slack(仕事用のチャット)の確認
10:00〜10:15 朝会(毎朝、開発の進み具合を短く共有する集まり)
10:15〜11:00 デザイナーとの打合せ(新しい画面の見た目を確認)
11:00〜12:30 画面づくり(コードを書いて動きを確認)
12:30〜13:30 昼休み
13:30〜15:30 画面づくり(部品=コンポーネントの実装)
15:30〜16:30 コードレビュー(ほかの人のコードを確認)
16:30〜18:00 ブラウザやスマホ実機での表示確認

業務時間の配分(目安)

※ あくまで目安で、会社やチームによって変わります。

活動 割合の目安
実装(コードを書く) 50%
会議 20%
デザイン確認・動作確認 15%
レビュー 10%
調査 5%

■ 仕事の特徴

  • ・デザイナーとの打合せが多く、見た目の細かいところを相談しながら作る

  • ・ブラウザ(インターネットを見るアプリ)やスマホで、表示を何度も確認する

  • ・余白や色、動きなど、見た目の調整に時間をかける

  • ・押しやすさやエラーの伝わりやすさなど、使う人の目線でチェックする

■ 楽しさと大変さ

楽しさは、作ったものがすぐ目に見えることです。書いたコードがそのまま画面に表れるので、毎日手応えを感じられます。使った人から「見やすい」と直接言ってもらえる機会も多く、使いやすさへのこだわりを形にできます。


大変さは、細かい調整に終わりが見えにくいことです。「ここの余白をもう少し」「この色を少し明るく」といった作業が続きます。機種や画面ごとの違いへの対応も、悩みどころのひとつです。たとえば、パソコンでは問題ないのにスマホで表示が崩れることもあります。新しい道具や手法が次々に出てくるため、学び続ける必要もあります。

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3. バックエンドエンジニアの一日

次に、バックエンドエンジニアの一日です。バックエンドは、画面の裏側でデータの処理を担う職種です。
 

バックエンドエンジニアの1日のタイムテーブル(例)

時間 おもな活動
9:30 出社・Slackの確認
10:00〜10:15 朝会
10:15〜11:30 設計の確認会(新しい機能の設計をみんなで話し合う)
11:30〜12:30 データベース(データの保管庫)とAPI(データのやりとりの窓口)の設計
12:30〜13:30 昼休み
13:30〜16:00 コードを書く作業(処理を作り、動作を確認する)
16:00〜17:00 コードレビュー
17:00〜18:00 説明書(ドキュメント)の整備・設計書の更新

業務時間の配分(目安)

※ あくまで目安で、会社やチームによって変わります。

活動 割合の目安
実装(コードを書く) 35%
設計・データベース設計 25%
会議・設計の話し合い 20%
レビュー 10%
調査・ドキュメント整備 10%

仕事の特徴

  • ・コードを書く前に、紙やメモで設計を整理する時間が長い

  • ・複雑な処理を組み立てるときは、まとまった集中時間をとる

  • ・ほかのエンジニアが後で読めるよう、設計書やドキュメントを書く

  • ・「このデータはどこから来て、どこへ行くか」を常に意識する

楽しさと大変さ

楽しさは、仕組みを設計する面白さです。複雑な条件を、すっきりした形に整理できたときの達成感があります。アプリ全体を支える土台を作っている実感や、パズルを解くような問題解決の楽しさも味わえます。


大変さは、成果が表から見えにくいことです。画面のように見せられないため、自分の働きが伝わりづらいこともあるでしょう。また、データが壊れる、処理が止まるといった、目立たないものの影響の大きいトラブルもあります。個人情報やお金に関わるデータを扱う場合、慎重さを求められ続けます。

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4. インフラエンジニアの一日

最後に、インフラエンジニアの一日です。インフラは、アプリが動き続けるための土台を支える職種です。サーバーなどの土台を整える仕事に加えて、その土台が止まらず安定して動き続けることに特に責任を持つ専門職(SRE)もいます。
 

インフラエンジニアの1日のタイムテーブル(例)

時間 おもな活動
9:30 出社・Slackの確認
9:45〜10:00 監視画面の確認(夜の間に異常がなかったかをチェック)
10:00〜10:15 朝会
10:15〜12:30 自動化の改修(手作業を、自動で行う仕組みに置き換える)
12:30〜13:30 昼休み
13:30〜15:30 インフラの設定変更(クラウド=ネット越しに借りるサーバーなどの調整)
15:30〜17:00 トラブルの対応・調査(過去の記録を分析)
17:00〜18:00 運用手順書(操作マニュアル)の整備
18:00 退社(オンコール=勤務時間外にトラブルが発生した際に対応する当番がある場合も)

※ 監視や小さな運用対応は、上の作業の合間に、一日を通して行います。

業務時間の配分(目安)

※ あくまで目安で、会社やチームによって変わります。

活動 割合の目安
運用・監視 25%
実装・自動化 25%
トラブル対応・調査 ※発生時 20%
会議 15%
ドキュメント整備 15%

仕事の特徴

  • ・毎朝、夜の間に異常が出ていないかを確認するのが日課

  • ・手作業で繰り返している作業を、自動で行う仕組みに置き換える(最近は、サーバーの設定もコードで行うことが主流で、インフラエンジニアもプログラミングを書きます)

  • ・トラブルはいつ起きるか分からず、起きたら最優先で対応する

  • ・ほかの人が同じ対応をできるよう、手順書を残す

楽しさと大変さ

楽しさは、縁の下の力持ちとしての達成感です。「自分が支えているから、システムが止まらない」という自負を持てます。毎週かかっていた作業がワンクリックで終わるなど、自動化の成果を実感できるのも魅力です。トラブルのときに頼られる存在にもなれます。


大変さは、トラブル対応のプレッシャーです。サービスが止まっている間は、多くの人の視線が自分たちに集まる中で対応します。現場によっては、夜間や休日に待機する当番(オンコール)があり、生活リズムに影響する場合もあるでしょう。問題が起きていないときは気づかれにくく、貢献が見えづらい面もあります。


(3)配分表の「運用・監視25%」に対し、タイムテーブル上の監視は9:45〜10:00(15分)のみで、見比べると不整合。監視枠を増やすか割合を調整したい。

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5. 3つの仕事を比べると? どんな人に向いている?

ここまで見てきた3つの仕事を、表で並べて比べてみましょう。そのうえで、それぞれどんな人に向いているかを整理します。

観点 フロントエンド バックエンド インフラ
主な仕事 ユーザーが見る画面づくり 画面の裏側のデータ処理 動き続ける土台の運用
コードを書く時間 多い 中くらい 中くらい(自動化・設定のためのコード)
大切にすること 見た目・使いやすさ 仕組みの設計・正確さ 安定して動かし続けること
成果の見えやすさ 目に見える 表からは見えにくい 普段は気づかれにくい
楽しさの源 形になる手ごたえ 仕組みを設計する面白さ システムやアプリを支えている自負

フロントエンドが向いている人

フロントエンドは、作ったものがすぐ形になる手応えを大事にしたい人に向いています。見た目や使いやすさにこだわり、細かい違いに気づくのが得意な人にも合うでしょう。使う人の反応を、すぐに受け取りたい人にもおすすめです。

バックエンドが向いている人

バックエンドは、目に見えない仕組みを、じっくり考えて組み立てるのが好きな人に向いています。パズルを解くように物事を整理するのが楽しい人にも合うでしょう。表に出なくても、土台を支える役割にやりがいを感じられる人にもおすすめです。

インフラが向いている人

インフラは、大きな仕組みが止まらず動き続けることに価値を感じる人に向いています。コツコツと環境を整えるのが好きで、トラブルのときも落ち着いて対応できる人に合うでしょう。縁の下の力持ちの立場が性に合う人にもおすすめです。


もちろん、入社してから別の職種に移ることもできます。今の段階では、「どれが一番面白そうか」という直感を大事にすれば十分です。実際には、フロントとバックの両方を担当するエンジニア(フルスタックエンジニア)も多く、3つをきっちり分けて一生どれか1つ、というわけではありません。

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6. まとめ

エンジニアの仕事は、実装・会議・設計・調査・レビュー・動作確認という6つの活動でできています。同じエンジニアでも、どの活動にどれくらい時間を使うかは、職種によって大きく変わるのが特徴です。フロントエンドは、作ったものがすぐ見える楽しさがある一方で、細かい調整に終わりが見えにくい大変さもあります。バックエンドの魅力は、仕組みを設計する面白さです。ただ、成果が表から見えにくい点には大変さもあります。インフラは、自動化や安定運用の達成感が魅力で、その裏にはトラブル対応のプレッシャーもあります。楽しさと大変さの両方を知ったうえで、自分はどんな働き方が心地よさそうかを考えるきっかけにしてみてください。