ESの語尾は「だである」「ですます」のどっち?書き分けのコツも紹介

ESの語尾は「だである」「ですます」のどっち?書き分けのコツも紹介
ES(エントリーシート)を書く際に「だである調」と「ですます調」のどちらを使うべきか迷う学生は多くいます。 「だである調」は論文やレポートのように事実を端的に伝えるスタイルであるため、ビジネス文書としての説得力を高めやすい一方で硬い印象を与えすぎてしまうデメリットも存在します。 そのため、一般的なESでは「ですます調」を選ぶケースが主流です。しかし、応募する企業や書きたい内容によっては「だである調」が効果的に働くこともあります。本記事ではESで「だである調」と「ですます調」を使い分けるメリット・デメリットを比較し、どの基準で選べば良いのかを詳しく解説します。
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1. ESの語尾は「だである調」よりも「ですます調」が一般的

原則として就活で使われるESでは、「ですます調」が使われることが一般的です。だである調・ですます調のどちらを選べば良いか迷った時には、ですます調を選んで文章を書くのが無難です。正しく敬語が使われているですます調の文章であれば、文章の書き方でマイナス評価を受けることは少なくなります。ただし間違った敬語の使い方は、ビジネスマナーに欠けている学生と捉えられることがあるので注意が必要です。

「ですます調」がおすすめ

エントリーシートを書く際には「だである調」よりも「ですます調」を使うことをおすすめします。理由は大きく二つあります。
第一に、企業の採用担当者に対して丁寧で誠実な印象を与えられる点です。選考においては内容だけでなく文体から受ける印象も評価の一部となるため、礼儀を意識した語尾は安心感につながります。
第二に、多くの学生が「ですます調」で書くため、一般的なビジネスマナーに沿っていると捉えられる点です。逆に「だである調」は硬い印象や違和感を与える場合があり、意図せず評価を下げてしまう可能性もあります。そのため、ESでは無難かつ印象の良い「ですます調」が基本となります。

文体を統一するのはマスト

ESの語尾で最も注意したいのは、だである調・ですます調の混在です。ESの前半は「だである調」であるのに対して、後半になるにつれて「ですます調」が混ざってしまうなど、2種類の語尾が同時に存在する文章は、ビジネスシーンで悪印象を与えてしまいます。志望動機や自己PRなど、項目ごとに「だである調」「ですます調」を使い分けるのも避けた方が良いでしょう。どちらの文体を使うかを決めたら、ES全体で統一することを心掛けるようにしてください。

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2. 「だである調」「ですます調」それぞれに適したケース

ただ、そうはいっても「だである調」が好まれるケースや職種があることも事実です。ここでは、「だである調」「ですます調」それぞれが適したケースを紹介していきますので、参考にしてみてください。

「だである調」が適したケース

ESや志望動機を書く際、「だである調」が適しているケースは以下のような場合です。

研究職・技術職志望で、論理性を強調したい場合

研究職や技術職を志望する場合は、客観的な事実や論理的な思考を伝えることが重視されます。「だである調」を用いることで、事実を端的かつ明確に示し、説得力を高めることができます。
例えば「私は○○の研究に従事し、△△という成果を得た」といった表現は、研究内容や成果を淡々と述べることで専門性を強調できます。敬語を多用した「ですます調」よりも、論理的な一貫性を示すうえで有効です。

論文型ES・課題レポート提出型の場合

一部の企業や大学院進学の選考では、論文形式やレポート型のESが課されることがあります。このようなケースでは「だである調」が適しており、論文的な客観性や事実の正確性を強調することができます。
設問が「○○について考察せよ」といった課題型である場合、論理を積み重ねる表現に「だである調」を用いることで、学術的な信頼感や整理された思考力をアピールできます。

コンサル・企画系職種で分析力をアピールする場合

コンサルティングや企画系職種を志望する場合、課題発見力や分析力の高さを伝えることが求められます。「だである調」を用いると、論理の筋道を明快に提示できるため、思考の客観性や冷静な判断力を強調できます。
たとえば「市場分析の結果、A社の課題は○○であると考える」といった表現は、提案や仮説を理路整然と示すことが可能です。過度に丁寧な言葉よりも、要点を明確に伝えることが可能になります。

専門誌・学会発表経験をそのまま活かす場合

これまでに専門誌への寄稿や学会での発表経験がある場合、そのスタイルをESや志望動機に応用するのも有効です。学術的な成果を伝える際に「だである調」を用いることで、過去の発表や論文と一貫した形で記述でき、専門性の高さや信頼感を損なわずに表現できます。
特に「私は○○学会で□□の研究成果を発表した」といった記述では、論文的な文体の方が自然です。

「ですます調」が適したケース

一般的なESの場合は「ですます調」が適しています。

一般的な新卒・中途の応募書類は「ですます調」

そもそも、多くの企業が求める一般的なESや職務経歴書では「ですます調」を用いるのが基本です。特に新卒や中途採用の場面では応募者の人柄やマナーも評価対象となるため、礼儀を意識した文体が適しています。
逆に「だである調」はやや硬く不自然に映る場合があるため、一般的な応募書類では無難に「ですます調」を使う方が安全です。

対人関係を重視する職種の場合

また、営業職や販売職、人事など、対人関係を重視する職種に応募する場合は「ですます調」が望ましいです。こうした職種では相手への配慮や丁寧なコミュニケーションが重要視されるため、文体からもその姿勢を示すことが効果的です。
「ですます調」は柔らかく親しみやすい印象を与えることができ、採用担当者にこの人は人と接する仕事に向いていると思ってもらいやすくなります。文章を通じてコミュニケーション能力を自然にアピールできる点も強みです。

自己PR・志望動機

自己PRや志望動機を書く際には、自分の強みや経験を相手に理解してもらう必要があるため「ですます調」が適しています。丁寧な表現で自分の考えを伝えることで、誠実さや協調性を印象づけやすくなります。
たとえば「私は大学時代に〜を経験し、そこで培った力を活かしたいと考えています」といった書き方は、自然で伝わりやすいです。自己アピールの場面では、論理性よりも人柄や意欲を伝えることが重視されるため、柔らかい印象を与える「ですます調」が効果的です。

文体を書き分ける際のポイント

一つのESでは、原則として「だである調」「ですます調」は統一することが望ましいですが、企業によって文体を書き分けることが効果的になるパターンもあります。ここでは「だである調」「ですます調」を書き分ける場合のポイントについて解説します。

文字数制限に合わせて選ぶ

文字数制限が厳しい場合には、少ない文字数で情報を伝えられる「だである調」、そうでない場合には「ですます調」を選ぶなど、文字数制限に合わせて文末表現を書き分けると効果的です。一つの質問への回答が200文字以下と指定されているなど、短い分量で自己PRしなければならない場面では、だである調のメリットが最大限活かされます。

一方で、文字数制限が500文字以上と指定されているなど、できるだけ文字数を増やしたい場面では、ですます調が適しているかもしれません。ただし、文字数を埋めるために中身のないエピソードや同じ意味の文章を繰り返すことは避けるようにしてください。

応募する企業に合わせて選ぶ

人気の企業でライバルが多く、力強い表現を好む企業・職種では「だである調」を使用するなど、ESを提出する企業・職種に合わせて文末表現を書き分けるのもおすすめです。たとえば、論文やレポートを書く機会が多い研究職に応募する際には「だである調」、人とのコミュニケーションが増える営業職に応募する場合は「ですます調」を選ぶといった書き分けが考えられます。企業側が求めている人物像を分析することで、「だである調」「ですます調」のどちらがよりふさわしいかを選択してみましょう。

ただし、ESのルールとして「ですます調」を使うように記載されているなど、企業側からの指定がある場合には、その文体で統一して書くようにしてください。

ESの形式に合わせて選ぶ

ESの設問形式や記載ルールに応じて文体を選ぶことも大切です。たとえば、自由記述形式であなたの強みを教えてくださいといったオープンな設問の場合、読み手との距離感を縮めやすい「ですます調」を使うと、親しみやすさや誠実さを伝えやすくなります。一方、実績や研究内容を簡潔に述べることが求められる形式では、「だである調」を用いることで事実ベースの客観性を強調できます。

また、設問が複数に分かれている場合、1問ごとに文体を統一することを意識するようにしましょう。同じES内でも質問ごとに書き方が異なる場合は違和感を持たれる可能性があるため、回答単位で「ですます調」か「だである調」を決めることが望ましいです。ESの形式に沿って文体を使い分けることは、読みやすさだけでなく評価者に与える印象をコントロールするうえでも効果的です。

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3. 「だである調」「ですます調」の例文

ここでは、「だである調」「ですます調」それぞれの例文を紹介していきます。

「だである調」の例文

「だである調」で書いた場合、文章を端的かつ論理的に伝えられる傾向があります。成果を数字で明確に表現する場合や、論理性を強調したい場合に適しています。

「だである調」の例文①

私は大学院で材料工学の研究に従事し、新素材の耐熱性を検証した。特に複数条件での実験を統計的に分析し、既存素材に比べて20%の耐久性向上を確認した。この成果を学会で発表した経験から、データに基づいて論理的に考察する力を培った。研究職においても、課題を正確に把握し解決へ導く力を発揮できると考える。

「だである調」の例文②

私はゼミ活動において企業の市場分析を行った。売上停滞の要因を多角的に調査した結果、競合との差別化不足が主要因であると結論づけた。その上で、新規顧客層の獲得に向けた施策を立案し、実際に提案を行った経験がある。この過程で培った課題発見力と分析力は、コンサルティング業務においても活かせる強みである。

「ですます調」の例文

「ですます調」で書いた場合、柔らかく丁寧な表現が相手に誠実さや安心感を与えます。人柄や意欲を自然に伝えることができるため、幅広い応募書類で無難かつ高評価につながるスタイルです。

「ですます調」の例文①

私は大学時代にゼミで地域活性化プロジェクトに取り組みました。地元企業と連携し、イベント企画や広報活動を担当した結果、参加者数を前年より30%増やすことができました。この経験から、計画力や協働する姿勢を学びました。御社でもチームの一員として成果を上げられるよう努力してまいります。

「だである調」の例文②

私はアルバイト先で新人教育を担当し、業務マニュアルを作成する取り組みを行いました。理解しやすい資料を工夫したことで定着率が向上し、店舗全体の業務効率も改善しました。この経験から、人にわかりやすく伝える力を培いました。御社に入社した際には、コミュニケーション力を活かして貢献したいと考えております。

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4. ESを「ですます調」で書くメリット・デメリット

ESを「ですます調」で書くメリットとデメリットを紹介していきます。

ESを「ですます調」で書くメリット

「ですます調」は「敬体」とも呼ばれ、ESでより多く使われやすい文末表現です。ビジネスシーンでも多用されるため、ESで使用しても企業に対して失礼にはあたりません。ですます調でESを書くことにより、以下のようなメリットが生まれます。
 

  • ・物腰が柔らかく穏やかな印象を与える

  • ・書き方に悩みにくい

  • ・敬語との相性が良い


上から順番に解説していきます。

物腰が柔らかく穏やかな印象を与える

ですます調では、断定表現が少なく丁寧語を多用するため、読み手に対して物腰が柔らかく穏やかな印象を与えるメリットがあります。真面目で礼儀正しい人物としてアピールできるので、採用担当者に不快感を与えるリスクは低くなります。採用担当者にとって読み慣れている文体なので、ESを最後まで読んでもらいやすくなるメリットも挙げられます。

書き方に悩みにくい

ですます調は、日常的な会話やメッセージでも使うことが多いため、学生にとって書きやすく表現に悩みにくいこともメリットです。文章を書く時間や労力を節約できるため、素早くESを書きたい方にも適しています。だである調で書こうとすると、失礼のない表現や悪印象を与えない表現を選ぶために時間がかかってしまう場合には、ですます調を選ぶことをおすすめします。

敬語との相性が良い

「敬体」と呼ばれる「ですます調」では、そもそも「です・ます」が丁寧語に分類される語尾であり、敬語が使いやすいメリットも存在します。敬語の使い方を間違えることなく正確に書くことができれば、ビジネスマナーが身についた学生として高く評価されるチャンスも生まれます。文脈に沿った敬語を正しく使用することにより、読み手に不快感を与えることなく、ES全体で好印象を持ってもらえることでしょう。

ESを「ですます調」で書くデメリット

一方で、ESで「ですます調」を使うデメリットに挙げられる以下の3つについてもご紹介します。
 

  • ・文章が長くなる傾向

  • ・語尾が単調になりやすい

  • ・間違った敬語で減点となることも


ですます調でESを書く時の注意点を踏まえて、文体を選ぶようにしてください。

文章が長くなる傾向

ですます調は、だである調と比較すると文字数が多くなる傾向にあります。同じ情報を伝える場合にも、「だである調」よりも「ですます調」の方が長い文章を必要とするからです。そのため文字数制限のあるESでは、伝えたいことを十分に書くことができず、あなた自身の魅力が伝わりにくくなる危険性があります。不要な表現を削ったとしてもESの文字数がオーバーしてしまう場合、文体を変更してみることも選択肢の一つです。

語尾が単調になりやすい

ですます調では、使用できる語尾のバリエーションが少ないため、同じ語尾が連続するなど単調になりやすいデメリットも存在します。「〜ます。〜ます。〜ます。」のように3回以上同じ語尾が連続している文章は、ビジネスシーンでも好まれない傾向があります。ですます調でも体言止めを使用することは可能ですが、読み手によってはですます調で体言止めを使うことはマナー違反と受け取られることもあるので避けた方が無難です。

否定の形で「〜が少なくありません。」、疑問形の「〜ではないでしょうか。」など、です・ます以外の語尾も取り入れながら、単調にならないよう工夫してESを書きましょう。

間違った敬語で減点となることも

ですます調では敬語表現を多用することになりますが、間違った敬語は減点対象となることに注意が必要です。たとえば、面接などの話し言葉では「御社」を使う一方で、ESのように書き言葉では「貴社」と使い分けるのが正しい表現ですが、ESでも「御社」と書いてしまうのはマナー違反となります。ほかにも「行かさせていただきます」「書かさせていただきます」「送らさせていただきます」など、「させていただく」の使い過ぎによって間違った敬語表現を使ってしまうことも多いので注意しましょう。

(大見出し)

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5. ESを「だである調」で書くメリット・デメリット

続いてここでは、ESを「だである調」で書くメリットとデメリットを紹介していきます。

ESを「だである調」で書くメリット

「だである調」は、「常体」と呼ばれる文末表現です。ビジネス文書としても評価されるESで、だである調を使うメリットに挙げられるのは以下の3つです。
 

  • ・文章の説得力が高まる

  • ・少ない文字数でアピールできる

  • ・語尾のバリエーションが豊富


それぞれ順番にご紹介しましょう。

文章の説得力が高まる

だである調でESを書くことにより、まるで学術論文のような説得力の高い印象を持ってもらえます。伝えたい内容に確信を持ち、自信を持ってアピールしているというイメージにつながるため、読み手に強力なインパクトを与えられることがメリットです。だである調では、断定表現を頻繁に使用することになるため、信頼できる書き手を演出することができます。

また、だである調を使用してESを書く学生が少数派であることから、採用担当者の印象に残りやすく、選考で有利になりやすい点もメリットです。

少ない文字数でアピールできる

だである調は、ですます調と比べて、少ない文字数でESの文章をまとめられる点もメリットです。だである調では、敬語を使用する必要がないことから、シンプルな語尾で書き終えることができます。たとえば「思いました」と5文字必要な表現も、だである調なら「思った」と3文字に縮めることができます。「教えていただきました」は10文字ですが、「教わった」と4文字にまで短縮できるケースもあります。

アピールしたい情報量が多く、ですます調では文字数制限をオーバーしてしまう場合には、だである調を選択してみると良いでしょう。

語尾のバリエーションが豊富

だである調は、文末表現のバリエーションが豊富なので、文章のリズムが単調になりにくいメリットもあります。ですます調の文末表現には、「です・ます」「でした・ました」以外の書き方が少なく、同じ語尾が何度も連続してしまうことも多いです。同じ語尾の連続は、まるで感想文のように幼稚な印象を与え、マイナス評価につながることがあります。

一方、だである調であれば、「だ・である」「だった・であった」の表現のほかにも、「考える」「思った」「なのだ」など、さまざまな文末表現を使うことができます。加えて、「私が学んだのはITパスポート試験。」のような体言止めを違和感なく使えることも、だである調のメリットです。

ESを「だである調」で書くデメリット

次に、ESを「だである調」で書くデメリットに挙げられる、以下の3つを解説します。
 

  • ・堅苦しい印象を与えやすい

  • ・上から目線の人物に見られることも

  • ・敬語との相性が悪い


常体でESを書くことのマイナス面も理解して、文体を選びましょう。

堅苦しい印象を与えやすい

だである調でESを書くことにより、読み手に対して堅苦しい印象を与えがちな傾向にあります。だである調は、日常的な会話やメッセージでは使用しない表現のため、とっつきにくい人物というイメージを持たれることがあります。採用担当者によっては、人柄が理解しにくく感じるケースも考えられるでしょう。人柄や性格を重視する企業へ応募する際には、だである調を避けた方が良いかもしれません。

上から目線の人物に見られることも

だである調の表現は、上から目線で書かれたESという印象を与えることもあります。強い断定表現が増えることから、高圧的なイメージで受け取られる危険性が高まるのです。相手を見下す表現や、企業を見定めるような表現が続いてしまうと、読み手である採用担当者に不快感を与えかねません。だである調で書いたESは一度時間を置いて、不快な文章となっていないことをチェックすることをおすすめします。

敬語との相性が悪い

敬体と呼ばれる「ですます調」に対して、常体の「だである調」は、原則として敬語を使用しないため書きにくさを感じることがあります。企業に対して敬語を使うことなくESを書くことに対して抵抗感を抱く場合には、不自然な敬語表現が増えてしまったり、ですます調との混在が発生したりすることも考えられます。「先輩に教えていただいた」「お客様が召し上がった」のような表現も可能ですが、敬語を多用する場合には、ですます調に統一した方が良いでしょう。

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6. ESで「だである調」「ですます調」よりも注意すべきポイント

ESを書く時には、「だである調」「ですます調」のどちらかに文末表現を統一することも重要ですが、あくまでもマイナス評価を避けるためのポイントであり、ですます調を選んだことがプラス評価につながることは少ないです。ESの評価を高めるためには、文末表現だけではなく以下のようなポイントに注意する必要があります。
 

  • ・敬語や書き言葉の間違いに注意

  • ・空白や「特になし」のまま提出しない

  • ・ESの説得力が高まる内容を重視する


一つずつ解説していきます。

敬語や書き言葉の間違いに注意

ESで「だである調」「ですます調」を統一することに加えて、敬語や書き言葉の間違いに注意してください。「御社・貴社」の使い分けや「させていただく」の多用のほか、アルバイトを「バイト」と略したり、コンビニエンスストアを「コンビニ」と略すなど、正式名称ではなく略語を使うことも避けた方が良いでしょう。

「でも」「なので」「だから」のような接続詞は話し言葉であり、書き言葉を使うESではふさわしくありません。「見れました」「出れました」のように、ら抜き言葉をESで使ってしまうことも減点対象となりえます。文体だけではなく、こうした間違った表現に注意しながらESを作成しましょう。

空白や「特になし」のまま提出しない

ESでは、答えにくい質問や難しい質問、自由記入欄のような必須ではない項目が設けられていることがありますが、空白や「特になし」と書くだけで提出することは避けるようにしましょう。ESの質問項目は、企業が任意で決めているものなので、必ず質問を通じて知りたい「意図」があります。たとえば長所・短所を尋ねる質問では、あなたの性格や個性、価値観が企業とマッチするかどうかを確かめたいのかもしれません。

にもかかわらず、質問に対して空欄や「特になし」で回答してしまうと、あなたの「人となり」が伝わらず、選考に通過できなくなるリスクが上昇します。ライバルの就活生がすべての質問を埋めている中で、あなたのESだけ空白が目立つようでは、採用担当者の第一印象も悪化してしまうため、回答を空欄のままESを提出しないように注意しましょう。

ESの説得力が高まる内容を重視する

ESで企業が見ている評価ポイントはさまざまですが、いずれの企業にも共通するのは「学生の人となりを知りたい」という狙いです。社会経験が少ない新卒採用では、どれだけスキル・経験が豊富かという点よりも、企業の価値観や求める人物像とどれだけマッチしているかが重視されます。

そのためESを評価する際にも、自社にマッチする強みや個性を持っているか、それがES対策のために書いた建前ではなく本来の学生自身を書いたものなのかを重視します。建前で書いた強みは根拠が薄く説得力が低い一方で、本来の強みはそれを裏付けるエピソードや体験談があるものです。

あなた自身の強みの説得力を高める内容を心がけることにより、選考を有利に進めることができるので、文末表現だけではなくESの中身を充実させることを重視しましょう。

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7. まとめ

ESの語尾は「だである調」「ですます調」のどちらを選んでも問題ありませんが、一般的に使われているのは「ですます調」です。だである調は、少ない文字数でアピールできるほか語尾のバリエーションが豊富なメリットがある一方で、堅苦しい印象を与えやすく上から目線のESに受け取られるデメリットもあります。

ですます調では、柔らかく丁寧な印象を与え書き方に悩みにくいメリットがありますが、文章が長くなる傾向があるほか語尾が単調になりやすくなるデメリットが存在します。基本的には「ですます調」でESを書き、文字数制限がある企業や、研究職など「だである調」が評価されやすい場合に「だである調」を使う書き分けができると、なお良いでしょう。

ただし、ESの文末表現を統一することはマイナス評価を避けるためのポイントであり、プラス評価を受けるためには説得力のあるESを書く工夫が求められる点に注意してください。

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