新卒がデータサイエンティストとして就職するには?方法や必要な準備を解説
- 1. データサイエンティストとは
- 2. 未経験でもデータサイエンティストへの就職を目指せる
- 3. データサイエンティストとして就職するための適性
- 4. データサイエンティストへの就職活動前にするべき準備
- 5. データサイエンティストとして就職する方法
- 6. まとめ
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1. データサイエンティストとは
まずは、データサイエンティストの仕事内容や求められる知識・スキル、年収、将来性について解説します。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストは、ビッグデータを分析し、そこから得られた情報をもとに企業の事業戦略策定のサポートをする職種です。
多くの場合、企業が保持しているデータは、分類にばらつきがあるなど不完全な状態で保管されており、そのままでは意味をなしません。データサイエンティストは、そういった膨大なデータを、統計学やITスキルを駆使して構造化しながら整理し、企業にとって有益なものへと変化させる業務を担います。
データサイエンティストに求められるスキル・知識
データサイエンティストには、統計学、機械学習、プログラミングなどの専門性の高い技術的なスキル・知識に加え、ビジネススキルやコミュニケーション能力も求められます。それぞれについて、以下で詳しく見ていきましょう。
統計学や機械学習の知識
データを分析するには、統計学と機械学習についての知識を持っている必要があります。
統計学とは、統計データをもとに現状を正しく把握し、そこから未来を予測するための技術を学ぶ学問です。また、機械学習とは、コンピュータに読み込まれたデータをアルゴリズムに基づいて分析することを指します。
統計学や機械学習を理解するためには、確率や統計、行列、微分積分といった高校卒業レベルの数学の能力が必要不可欠です。データサイエンティストとして就職したいけれど、数学の知識に不安があるという学生は、ひと通り復習しておきましょう。
プログラミングスキル
膨大なデータを扱うデータサイエンティストには、PythonやR言語などのプログラミングスキルが要求されます。
Pythonは、シンプルながら高度な技術を扱うことができ、データサイエンスの分野で最も使われているプログラミング言語です。これからプログラミングの学習を始める未経験者は、まずはPythonの習得を目指すと良いでしょう。また、R言語は統計解析用の言語で、Pythonと並び、データサイエンティストの業務でよく使用される言語です。習得難易度はやや高いとされていますが、Pythonを習得していれば比較的学びやすくなります。
データサイエンティストへの就職を目指す新卒は、これらのプログラミング言語を習得しておきましょう。採用選考で大きなアピールになるだけでなく、就職後もスムーズに業務に入ることができます。
ビジネススキル
企業の課題解決や成長のために「どのようなデータが必要なのか」「データをどう活用できるのか」までを考え、有用なデータを分析・提供するには、ビジネススキルも必要です。具体的には、ビジネスモデルやマーケティングなどの知識、論理的思考力、問題解決力などが求められます。
ビジネススキルは、経験からだけでなく、書籍やWebサイトからも自分で学ぶことができます。データサイエンティストとして就職し、活躍したいと考える方は、基本的な知識をインプットしてビジネススキルを磨いておきましょう。
コミュニケーション能力
データサイエンティストは、ただ黙々とデータと向き合うことだけが仕事ではありません。分析結果をもとにクライアントに提案を行うのも大切な仕事の一つ。そのため、専門的な知識を持たない人にも、技術的なことも含め、分かりやすく説明できる高いコミュニケーション能力が求められます。
データサイエンティストの採用選考で、コミュニケーション能力をチェックポイントの一つとして重視する企業は少なくありません。新卒でデータサイエンティストを目指す学生は、日ごろから、端的で伝わりやすい話し方を意識してコミュニケーションを取るよう心掛けると良いでしょう。
データサイエンティストの年収
レバテックキャリアの募集を確認すると、新卒のデータサイエンティストの年収は約300〜400万円です。また、即戦力レベルのデータサイエンティスト(30代・40代)の平均年収は500〜1,000万円程度となっています。
一方、厚生労働省により公表された「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」をもとに算出した、ITエンジニアの平均年収は約569万円(従業員10名以上の企業/平均年齢:38.2歳/平均勤続年数:11.4年)です。ITエンジニア職の中でも、より高い専門性が求められるデータサイエンティストの年収は高水準であることがわかります。
データサイエンティストの将来性
データサイエンティストは将来性の高い職種と言えるでしょう。その理由として、幅広い業界でビッグデータの活用が進んでいることが挙げられます。ビッグデータには多様な種類があり、データの組み合わせ方次第で、これまで思いもよらなかった新たなビジネスやサービスを生み出すことが可能です。したがって、ビッグデータを扱える高い技術を持ったデータサイエンティストの需要は今後も高まり続けると見込まれます。
また、将来的な人材不足を見越して、政府が人材育成の強化策を打ち出していることも、データサイエンティストの将来性の高さを裏付ける理由の一つとして挙げられるでしょう。
文部科学省の「AI戦略などを踏まえたAI人材の育成について」では、すべての国民に向けて数理・データサイエンス・AIの教育を強化することが記載されています。具体的には、小学校から基礎的な知識を学ぶ環境を整備するほか、大学の数理・データサイエンス教育の全国展開には12億円、博士人材などへのデータサイエンス教育には6億円もの予算を概算要求。国内のみならず海外でも活躍できるグローバルなデータサイエンティストの人材育成を目指すとしています。
こうした施策により、将来的にはデータサイエンティストが増加すると推測されます。しかし、技術が進化しビッグデータの活用が進むスピードと、施策効果が出て十分な人材が育つスピードとは必ずしも一致しません。そのため、データサイエンティスト人材は、今後もしばらく売り手市場の状況が継続するでしょう。現段階でデータサイエンティストとして就職すれば、十分な人材が確保できるようになった後も、豊富な経験を持つスペシャリストになり活躍することできます。
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2. 未経験でもデータサイエンティストへの就職を目指せる
データサイエンティストは非常に幅広い知識とスキルが要求される職業ですが、新卒の未経験でも採用の間口は開いてきています。実際に就職サイトなどで検索すると、応募資格を理系に限定せず、専門知識を学んでいない文系・未経験の新卒の採用も多く行われていることが分かります。
新卒採用においては、就職試験の時点ではあくまでもデータサイエンティストとしての素養を見られており、そこまで幅広い知識やスキルは求められていません。ただし、大学で統計学やデータサイエンスなどを学んでいる人の方が有利なのは事実です。特に、就職先ランキングで上位に挙がるような大手企業のデータサイエンティストは競争率が高く、まったく知識もスキルもなく採用されるのは難しいでしょう。未経験の新卒は、データサイエンティストに求められる知識・スキルを可能な限り事前に自ら習得しておく努力が必要です。
なお、文系でも心理学や社会学といった分野では統計学が用いられることがあり、そこから得た知識はデータサイエンティストの仕事で役立てることができます。選考でアピールすると、ほかの学生と差別化を図ることができ、高評価を得やすくなるでしょう。
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3. データサイエンティストとして就職するための適性
ここでは、データサイエンティストに向いている人、向いていない人について解説します。
データサイエンティストに向いている人
データサイエンティストとして活躍するには、以下のような資質・特性が必要です。自分に足りない部分がある場合は、就職活動をスタートさせる前に求められる資質・特性を磨く努力をしましょう。
データドリブンな意思決定を重んじる
数値やデータなどの客観的な根拠を元にした意思決定を重んじる人は、データサイエンティストに向いていると言えるでしょう。データサイエンティストは、感覚や感情に流されず、客観的な事実に基づいて第三者的目線から冷静に企業の意思決定をサポートする必要があるからです。
データ分析に関わる情報・技術への学習意欲が高い
データの収集と分析には数学、統計学、ITスキルなど複雑な情報と技術が関わってきます。したがって、数値計算と繰り返し向き合うことに苦手意識がなく、高い学習意欲を維持できる人がデータサイエンティストに向いていると言えます。
新しい情報や技術への好奇心が強い
データサイエンティストの仕事内容は、分析したデータをもとに企業の意思決定に貢献するというものです。したがって、どれほどデータ分析に優れていても、そこから得られた情報を最新のビジネスモデルや技術に応用することができなければ意味がありません。データサイエンティストは、常に新しい情報や技術に好奇心を持ち、自ら積極的に学び続ける姿勢を維持できる人が向いていると言えます。
データサイエンティストに向いていない人
イメージや年収の高さだけでデータサイエンティストとして就職したいと考える人は、あまり向いていないと言えるでしょう。
データサイエンティストは、アメリカのビジネス雑誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』において、「21世紀で最もセクシーな職業」と紹介されました。さらに年収が比較的高いということもあり、データサイエンティストになることに憧れる人は年々増加していると言われています。
しかし、上述した通り、データサイエンティストには幅広い知識と専門性の高いスキルが必須。新しい技術や情報も常に意欲的に学習し続けなければなりません。したがって、ハードルは決して低くなく、かなりの努力を求められます。なんとなくの憧れだけで活躍するのは難しい職種です。
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4. データサイエンティストへの就職活動前にするべき準備
ここでは、データサイエンティストへの就職活動前にするべき準備について解説します。
統計学やデータ分析に関する知識・スキルを習得する
統計学とデータ分析の知識は、データサイエンティストにとって必須です。上述の通り、新卒の場合は基本的にポテンシャル採用のため、そこまでの知識・スキルを要求されることは多くありません。しかし、少しでも就職の可能性を高めるためには、統計学やデータ分析の基盤となる高校卒業レベルの数学と併せて、書籍などを使って最低限のレベルまでは学習しておく必要があります。
また、データサイエンティストの仕事に役立つ知識・スキルがあることを証明できる資格を取得するのもおすすめです。未経験の新卒は、まずはITエンジニアの登竜門と言われる国家試験「基本情報技術者試験」の取得を目指すと良いでしょう。情報基礎理論や開発技術などの基礎を身に付けることができます。そのほか、「統計検定」や「ORACLE MASTER」、「Python3エンジニア認定基礎試験」なども大きなアピールになり、データサイエンティストへの就職を有利に進めることができます。
プログラミングスキルを身に付ける
PythonやR言語などのプログラミングスキルは、データサイエンティストの仕事に欠かせないことは前述したとおり。就職を目指す方はこれらの言語を身に付けておきましょう。
プログラミングスキルは、参考書・Webサイトを使って独学で習得することも可能ですが、プログラミングスクールやオンライン学習講座を受講する方法がおすすめです。プロの講師が作成した学習プログラムで効率よく学びを進めることができ、わからないこともすぐに質問して解決できます。スクールによっては、マンツーマンで自分に合った学習方法を選択できるうえ、その後の就職支援なども行っているので、特に未経験の方には安心でしょう。
データサイエンス系企業のインターンに参加する
データサイエンティストとして就職したいと考える方には、データサイエンス系企業の長期インターンへの参加をおすすめします。長期インターンとは、学生が興味のある企業で一定期間、就業経験できる制度です。企業で実務を経験することで、より具体的にデータサイエンティストについて理解でき、自分の適性や就職後に即戦力として活躍するために習得しておくべき知識・スキルも知ることができます。
長期インターンで企業の人に仕事ぶりや人柄などを認めてもらえれば、その企業の就職選考での採用の可能性を上げることができます。また、多くはありませんが、長期インターン後、そのまま内定のオファーをもらえることもあるようです。長期インターンの参加先企業以外の選考でも、実務の経験があることでプラス評価を得やすくなります。
関連記事:インターン経験をフル活用してPythonエンジニアを目指す方法
コンペティションに参加して実績をつくる
データサイエンティストとしての就職活動を有利に行うために、コンペティションに参加するのもおすすめです。データサイエンティスト向けのコンペティションは数多くあり、大手企業が協賛しているものも少なくありません。機械学習のコンペティションプラットフォームとして有名なのは、KaggleとSIGNATEです。
Kaggleは、世界中の機械学習・データサイエンスに携わる人が集まるプラットフォーム。企業や政府が課題を提示し、精度の高い分析モデルを買い取るという形式でコンペを開催しています。
SIGNATEは日本企業が運営しており、課題が日本語で表記されている点が大きな特徴です。学生限定のコンペも開催されているので、比較的挑戦しやすいでしょう。
こうしたコンペティションへの参加実績は、知識やスキル、意欲があることのアピールになります。さらに受賞歴もあれば、高い評価を得られ、データサイエンティストとして採用される可能性を高めることができるでしょう。
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5. データサイエンティストとして就職する方法
最後に、データサイエンティストとして就職する方法を紹介します。
一般採用を受ける
データサイエンティストとして就職する方法としては、新卒向けの採用試験を受けるのが一般的です。先述のとおり、新卒採用では、高い専門性を問われることは少なく、ポテンシャル重視が基本です。とはいえ、知識・スキルが全くない状態で採用されるのは難しいでしょう。データサイエンティストへの適性があることを企業に納得してもらえるように、スキルを磨いたり、基礎的な知識を身に付けたりするなど、しっかりと準備を行う必要があります。
職種別採用に応募する
新卒でデータサイエンティストの就職を目指す場合、職種別採用を受けるのもおすすめです。職種別採用であれば、就職後に職種が変更になる可能性は低く、確実にデータサイエンティストとしてキャリアを積むことができます。また、多くの企業では、入社後に専門的な育成プログラムを受けられるので、未経験の新卒でも、活躍できるデータサイエンティストへといち早く成長することが可能です。
求人サイトを利用する
求人サイトを利用してデータサイエンティストへの就職を目指す方法もあります。求人情報を掲載するWebサイトは数多くありますが、効率的にデータサイエンティストの求人を探したい方は、「一般社団法人データサイエンティスト協会」をチェックすると良いでしょう。データサイエンティスト協会の法人会員に登録している企業のデータサイエンティスト人材の求人情報のみが公開されているので、通常の求人サイトで情報を検索するよりもスムーズに就職活動を進められます。
別の職種に就職してデータサイエンティストを目指す
初めからデータサイエンティストに就職するのが難しい場合は、ほかの職種からキャリアアップして、データサイエンティストに転職するのも一つの手です。たとえば、システムエンジニアやITコンサルタントなどの職種で経験を積めば、より広い視野を持つデータサイエンティストを目指すことができます。
大学院に進学し専門性を高める
大学院に進学し、専門的な知識を身に付けてからデータサイエンティストとして就職するという選択肢もあります。実際に、データサイエンティストとして活躍している人の中には、大学院出身者が少なくありません。研究室での実績や院卒の学歴は、データサイエンティストの就活においては有利になり、就職後の年収も大卒に比べて高くなりやすい傾向があります。学費は掛かりますが、より専門性の高いデータサイエンティストとして活躍したい学生は、大学院への進学を検討するのもおすすめです。
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6. まとめ
データサイエンティストは、ビッグデータを分析し、事業戦略の立案などをサポートする職種です。高度な技術と専門知識が必要なため、かつては未経験者の就職は困難でしたが、近年はポテンシャル重視での新卒の採用も多く行われるようになりました。
データサイエンティストとして就職するには、学生のうちから統計学の知識やPython・R言語などのプログラミングスキルなどを学んでおくと積極性のアピールに繋がります。また、ビジネスに関する知識の習得やコミュニケーション能力を高めておくことも大切です。データサイエンティストに求められる特性・資質をしっかりと理解して、必要な準備を十分に行い、就職活動に臨みましょう。
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