IT業界のヒエラルキーとは?ヒエラルキー上位に転職する方法

IT業界のヒエラルキーとは?ヒエラルキー上位に転職する方法
「IT業界のヒエラルキーって何?」「下位から上位に転職することは可能?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

IT業界は、元請けと呼ばれる企業が顧客からシステム開発などの案件を受託し、そこから2次請け、そして3次請け、4次請け企業へと委託されるピラミッド型(多重下請け構造)のヒエラルキーが存在します。

本記事では、IT業界の多重下請け構造について詳しく説明します。また、下位からヒエラルキー上位に転職する方法についても解説します。

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1. IT業界のヒエラルキーとは

まず、IT業界におけるヒエラルキー構造の仕組みについて解説します。

IT業界のビジネスの仕組みは、ピラミッド型のヒエラルキー構造です。ピラミッドの頂点にある元請けと呼ばれる企業が顧客からシステム開発などの案件を受託し、そこから2次請け、そして3次請け、4次請け企業へと委託されます。

一般的には、大手SIerなどの企業が元請けであり、この元請け企業から委託を受ける2次請けは、大手SIerの子会社などの中堅SIerです。そしてこれらの2次請けから、さらに委託を受ける3次請け・4次請けは、小規模SIerなどの企業群で成り立っています。

また、ITエンジニアの人口の比率はピラミッド型で、元請けから2次請け・3次請けと下位の階層にいくほど人口が多い構造となっています。

※なお、顧客から案件を最初に受けるのは元請けまたは1次請けという言い方がありますが、この記事では元請けとしています。

ヒエラルキー構造の課題

元請けSIerでは「要件定義・設計」などの上流工程や、進捗管理などのプロジェクト全体マネジメントを担当します。一方で、2次請け以降のSIerでは、元請けSIerで設計された内容を「プログラミング」してテストを行うといった、開発の実作業を担うことが多く、仕事の拡がりが元請けSIerほどはありません。

したがって、2次請け以降のSIerでは、新しい仕事にチャレンジする機会が少ないという側面があります。一方で、元請けSIerはさまざまな仕事に挑戦できる反面、作業部分を2次請け以降のSIerに委託してしまうため、現場作業の感覚が薄くなる傾向にあります。
これらはヒエラルキー構造の大きな課題と言ってよいでしょう。

ヒエラルキー下位から上位への転職は可能!

IT業界は特徴的なピラミッド型になっていますが、下位層から上位層へ抜け出す(転職)は可能です。

むしろ、新卒などIT業界未経験者の場合、元請けとなる大手slerに入社すること自体が難しいです。

そのため、まずは比較的入社しやすいといわれている下請けsler企業に入社し、経験を積んでから、大手SIerに転職するという流れが一般的になります。

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2. 元請け企業の仕事内容と種類

前述のとおり、元請け企業は、ヒエラルキーの最上部に位置する大手SIerなどで、顧客から直接仕事を依頼される企業のことです。ここでは、元請けSIerの仕事内容と種類について解説します。

元請けSIerの仕事内容

システム開発の主な仕事内容は「要件定義・設計」「プログラミング」「運用・保守」です。そしてこの中でも、システムにおける顧客の要望を聞き出す「要件定義・設計」といった上流工程が元請けSIerの主な仕事です。
顧客と直接システム開発に関する契約を結んでいるため、プロジェクト全体の責任者としてマネジメントも担います。

また、新しい案件の獲得に向けて、顧客へのシステム提案なども行います。顧客の抱える課題をITで解決するためのアプローチが必要となることもあるため、提案力やITコンサルティングに関する知識・スキルが求められます。

元請けSIerの種類

次に、元請けSIerの種類と、それぞれの特徴について説明します。

メーカー系SIer

メーカー系SIerは、パソコンなどのコンピューターハードウェアを製造するメーカーから独立した会社のことを指します。親会社がもともとIT分野の会社であるため、ITのハードウェアやソリューションなどを含めた豊富なノウハウがあり、質の高いさまざまなITサービスを提供できます。

ユーザー系SIer

ユーザー系SIerは、金融・流通・製造・商社など、さまざまな分野の事業会社の情報システム部門が独立した会社のことです。主に親会社やグループ会社向けのITサービスを提供しますが、力のある会社は所属する分野を中心に親会社以外にも営業活動を行います。

関連記事:ユーザー系SIerとは?業務内容やメリット・デメリットを解説!

独立系SIer

独立系SIerは、メーカー系SIer・ユーザー系SIerとは異なり、親会社などを持たずに独立してITビジネスを行います。親会社の意向などに縛られることがなく、独自のサービスを提供できるのが強みです。一方で、親会社からの安定した案件などはないため、常に新しい案件を探す必要があり、経営面や資金面では他の種類のSIerに比べると厳しい場合もあります。

関連記事:独立系SIerとは?メリット・デメリットや優良企業の選び方を紹介

コンサル系SIer

コンサル系SIerは、ITコンサルティング会社のことです。顧客の経営課題に対して、ITによる解決の提案などを行い、その後システム開発も行います。特に、顧客の課題解決にフォーカスした上流のITコンサルティング部分を得意とします。

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3. 2次請け以降の企業と仕事内容

2次請け以降の企業は中小のSIerであることが多いです。ここでは、中小SIerの仕事内容について解説します。

 2次請け以降のSIer

2次請けSIerは、場合によっては元請けである大手SIerや、その子会社であることもありますが、基本的には中規模のSIerのことが多いです。さらに、3次請け・4次請けSIerとしては、小規模のSIerやソフトウェアハウスなどの会社が挙げられます。

 2次請け以降のSIerの仕事内容

2次請け以降のSIerの仕事内容は、元請け企業から委託されたプログラミングや、テストなどの開発業務が中心です。2次請けSIerは、元請けから委託されたこれらの業務をさらに切り出し、3次請け・4次請けSIerへと再委託する場合もあります。どの階層の仕事も、これらの開発業務がメインとなるでしょう。

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4.ヒエラルキー下位から上位へ転職する方法

ここではヒエラルキー下位から上位へ転職する方法について解説します。

実績をアピールする

元請けslerは、実作業を下請けslerに依頼することが多いため、現場作業の経験が薄くなるといったヒエラルキー構造独特の課題を抱えています。

そのため、実務経験豊富な人材需要が高い傾向にあります。元請けslerでは、実際に現場作業を経験した者だからこそ任せられる仕事も多いです。

したがって、ヒエラルキー下位から上位へ転職する際は実務経験や実績を採用担当者に積極的にアピールすると良いでしょう。

自分の強みを生かせる企業を選ぶ

元請けslerが求める人材はどこも同じとは限りません。元請けslerの種類によって求める人材が異なります。

例えば、メーカー系SIerは、コンピューターハードウェアを製造するメーカーから独立した会社のことを指し、親会社がもともとIT分野の会社であるため、ITのハードウェアやソリューションなどを含めたノウハウが最低限必要になります。

元請けslerに転職を考える際は、今までの経験を生かせるような企業を選ぶようにしましょう。そのためには、企業分析は必須になります。

 資格を取得する

元請けslerに転職を考える際、資格を取得していたほうが有利になる場合もあります。

転職に役立つ資格には「ITパスポート」「基本情報技術者試験(FE)」などがあります。

ITパスポートとは、ITに関する基本的な知識を証明できる国家資格で、未経験者でも受験できます。

基本情報技術者試験とは、IT業界で働くために必要な基礎的な知識と技能を証明する国家資格です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施しており、「ITエンジニアの登竜門」とも呼ばれています。

資格を所有していることで自身の知識やスキルを第三者へ証明することができます。

IT業界専用の就職サイトへの登録

転職を考える際、まず転職サイトに登録するのが一般的ですが、転職サイトも種類は様々です。IT業界へ転職を考える際はIT業界専用の転職サイトに登録することをおすすめします。

業界専用の転職サイトに登録することで、自分のニーズにあった転職先を見つけやすくなります。

求人の数も多く、転職したい業種が決まっているのであればIT業界専用の転職サイトに登録するようにしましょう。

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