ベンダーはどんな意味?依頼するメリットや選び方について解説

ベンダーはどんな意味?依頼するメリットや選び方について解説
自社で使う機器やシステムの発注などを検討している場合、ベンダーという言葉を聞いたことがあるかもしれません。

ベンダーとは何を意味するのか、その役割も含めしっかりと理解できているか不安のある方も多いかと思います。

そこで本記事では、ベンダーの定義や役割、依頼するメリットから選び方、決めるまでの流れなどについて詳しく解説します。

1.ベンダーとは?販売者を意味する用語

まず、ベンダーの基本的な意味とIT業界における役割について解説します。

ベンダーとは販売者のこと

ベンダーとは、販売者を意味する言葉で、製品やサービスを消費者やユーザーに届ける役割を担う企業のことです。もともとは英語の「vendor」から派生しており、「売主」「販売者」「行商人」という意味を持ちます。

また、ベンダーという用語はIT業界で多く使われているものの、IT関連の専門用語ではなく、飲食業界や自動車業界などで使われるケースもあるようです。

各業界におけるベンダーの意味

ベンダーという言葉を使う業界は、IT業界をはじめいくつかあります。

そこ本章では、ベンダーという言葉を使う4つの業界ごとにおける意味についてご紹介します。

IT業界

IT業界におけるベンダーは、システムやソフトウェア、ハードウェアなどを提供する企業や事業者を指します。

例えば、クラウドサービスを提供するAWSやMicrosoft、業務システムを開発するSIer(システムインテグレーター)、パソコンやサーバーを販売するメーカーもベンダーです。

IT分野では、単に製品を販売するだけでなく、システムの導入支援や運用サポートを提供するベンダーも多く、発注時には自社の課題に合ったサービスを選定することが重要です。

食品・飲料業界

食品・飲料業界におけるベンダーは、食品メーカーや卸売業者、小売業者に商品を供給する企業を指します。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットでは、特定の食品を販売する企業を「食品ベンダー」と呼ぶことが一般的です。

また、自動販売機に商品を補充する業者も「ベンダー」と呼ばれ、飲料業界ではこの意味で使われることが多いです。

製造業界  

製造業においてベンダーは、部品や原材料を供給する企業を指します。

例えば、自動車メーカーがエンジン部品を外部企業から調達する場合、その部品供給会社は「サプライヤーベンダー」と呼ばれることが多いです。

製造業では、品質や納期の厳守が重要であり、ベンダー選定には信頼性が重視されます。

建設業界

建設業界では、資材や機材を提供する企業がベンダーと呼ばれます。

例えば、建築資材を供給する商社や、重機をレンタルする会社が該当します。

また、建築プロジェクトに必要なソフトウェア(CADツールなど)を販売するIT企業も、建設業界におけるベンダーの一種とされることがあります。

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2.ベンダーと混同しやすい言葉の意味と違い

ベンダーの理解を深めるために、「メーカー」「サプライヤー」「ユーザー」などの言葉の意味と違いを解説します。

メーカーは製造の役割を担う

メーカーとは、製品やサービスを開発・製造する業者のことです。基本的に、メーカーは製品やサービスを直接ユーザーに販売せず、ベンダーがメーカーから製品やサービスを買って、ユーザーに販売します。

なかには、同時にベンダーの役割を担うメーカーもあるため、混同しやすいといえるでしょう。

サプライヤーは供給の役割を担う

サプライヤーとは、部品や資材を供給する業者のことで、業界によって業態はさまざまです。

ベンダーがユーザーに製品やサービスを販売するのに対し、サプライヤーはメーカーの製造に必要なモノを供給したり、ベンダーにモノを引き渡したりする役割を担います。

ユーザーは製品を購入する消費者を意味する

ユーザーとは、製品やサービスを利用する個人や企業といった消費者のことです。

たとえば、スマートフォンを使用する個人は、スマートフォンメーカーにとってのユーザーにあたります。製品やサービスの流通プロセスにおいて、最後にモノを受け取る立場になるため、「エンドユーザー」とも呼ばれるようです。

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3.ITベンダーの種類と意味

ITベンダーは販売している製品やサービス、ユーザーとの関わり方によって種類が分かれます。以下で、ITベンダーの種類を解説するので、意味をよく理解してください。

ソフトウェアベンダー

ソフトウェアベンダーとは、OSやアプリケーションなどのパッケージソフトを販売する企業のことで、「パッケージベンダー」とも呼ばれます。

ソフトウェアは、企業が業務を円滑に進めるために欠かせないものです。ソフトウェアベンダーが販売する文書作成ソフトや会計ソフトなどは、業務を効率化するうえで重要な役割を担います。

セキュリティベンダー

セキュリティベンダーとは、ソフトウェアベンダーのなかでも、セキュリティ対策ソフトウェアを開発・販売する企業のことです。

AIやIoTなどのテクノロジーの発展に伴い、セキュリティは社内システムを守るほか、製品やサービスの提供においても重要なものだといえます。

ハードウェアベンダー

ハードウェアベンダーは、パソコンやデバイス、ネットワーク機器といったハードウェア製品を販売する企業のことです。パソコンのほか、家電製品などもハードウェアに該当するため、一般消費者にとっては最も馴染み深いITベンダーだといえるでしょう。

また、ソフトウェアベンダーとハードウェアベンダーは取り扱う製品が異なるほかに大きな違いはありません。

システムベンダー

システムベンダーとは、ユーザーが必要とするシステムを販売する企業のことです。

主に、ERPシステムや顧客管理システム、情報セキュリティシステムなど、パッケージ化したシステムを提供しています。

クラウドベンダー

クラウドベンダーとは、クラウドコンピューティングのサービスを提供する企業のことです。

クラウドサービスはインターネット環境さえ整っていれば、インストールが不要でソフトウェアを利用できるため、近年注目を集めています。クラウドサービスの利用に月額料金を設定し、ユーザーに提供するのがクラウドベンダーの主な役割です。

シングルベンダー

シングルベンダーとは、ある特定の企業の製品だけを扱うベンダーを意味します。

また、1つの企業の製品だけを組み合わせてシステムを構築することを、シングルベンダーと表現する場合もあるようです。特定の企業の製品だけを扱うメリットは、互換性を気にしなくてよい点が挙げられます。

マルチベンダー

マルチベンダーとは、複数の企業の製品を扱うベンダーのことです。

また、さまざまな企業の製品を組み合わせて1つのシステムを構築するという意味で表現される場合もあります。マルチベンダーのメリットは、性能がよい製品を部分的に組み合わせることで、柔軟にシステム構築できる点だといえるでしょう。

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4.ITベンダーの類義語と意味

ITベンダーには、いくつかの類義語があります。類義語の多くは、ニュアンスで使い分けられているケースも多いため、それぞれの意味をよく理解しておくことが大切です。

以下で、ITベンダーの類義語と意味を解説するので、ぜひ参考にしてください。

システムインテグレーター(SIer)

システムインテグレーターは、通称SIerと呼ばれ、システム開発に関するすべての業務を担う事業者のことです。具体的には、現状の業務に関する把握・分析から、ユーザーの課題を解決するシステムの企画・構築・運用サポートまで、すべてを請け負います。

「ユーザーの課題を解決する」「ユーザーの業務を効率化する」という役割は、ITベンダーと変わらないものの、システムインテグレーター(SIer)のほうが対応する業務は幅広いといえるでしょう。

関連記事:SIerとは?業務内容・将来性など就活生が知りたいポイントを解説

ITコンサルタント

ITコンサルタントとは、ユーザーの業務全般に対するアドバイスをしたり、有効なシステム導入を支援したりする事業者を意味します。一言で表すと、「ITを活用して企業の課題解決を支援する専門家」です。

ITコンサルタントは、主にユーザーの現状を把握・分析し、システムの提案・マネジメントまでを請け負います。

関連記事:新卒でITコンサルタントになるために知っておくべきこと7選

ソリューションベンダー

ソリューションベンダーとは、情報システムの構築を通してユーザーの課題解決や要望の実現を支援する企業のことです。

システムインテグレーターやITコンサルタントと同じような役割を持つものの、ソリューションベンダーは保有するソリューション製品を提供する点で異なります。

開発ベンダー

開発ベンダーとは、ソフトウェアやシステムの開発を請け負う企業のことです。

顧客の要望に応じて、新しいシステムを開発するベンダーを指します。基本的には、開発と販売の両方を扱うベンダーを意味し、開発のみを扱う開発会社とは異なると理解しておいてください。

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5.ベンダーに依頼するメリット・デメリット

ここでは、ベンダーに依頼するメリットとデメリットについて詳しくご紹介します。

メリット

ベンダーに依頼する最大のメリットは、専門知識を持つ企業から高品質な製品やサービスを提供してもらえることです。

特に、ITシステムや製造業の部品調達では、自社で開発や生産を行うよりも、実績のあるベンダーに任せた方がコストや時間の削減につながります。

また、最新技術やトレンドに対応した提案を受けられるため、自社の競争力を向上させることができるでしょう。

さらに、ベンダーとの長期的な関係を築くことで、カスタマイズ対応や優先的な納品といったメリットを享受できる場合もあります。

デメリット

ベンダーへの依頼はメリットがある一方で、ベンダー依存が強くなると、コストの増加や柔軟な対応が難しくなるリスクがあります。

特にITシステムなどでは、特定のベンダーの技術に依存すると、他社へ乗り換えが難しくなる「ベンダーロックイン」の問題が発生することがあります。

また、ベンダーとのコミュニケーション不足や認識のズレにより、期待通りの成果が得られないケースもあるでしょう。

ベンダー選定や依頼時には、契約前に要件を明確にし、リスクを管理することが重要です。

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6.失敗しない発注するベンダーの選び方

ベンダーを選ぶ際には、下記の3つを押さえておくと失敗しません。
 

  • ・担当者の提案力を確認する

    ・担当のディレクターを確認する

    ・複数のベンダーを比較検討する


それぞれ詳しく解説します。

担当者の提案力を確認する

優れたベンダーは、単に製品を販売するだけでなく、発注者の課題を理解し、適切な解決策を提案できます。

そのため、商談の際には「こちらの要望を的確に理解しているか」「新たな視点を加えた提案ができるか」を確認することが重要です。

提案の内容が曖昧だったり、単なるカタログ説明に終始する場合、そのベンダーは課題解決力が不足している可能性があります。

担当のディレクターを確認する

発注後、実際の進行管理を担当するディレクターのスキルも重要な判断基準です。

商談では優秀な営業担当が対応していたとしても、実際のプロジェクト進行時にディレクターの対応力が不足していると、スケジュール遅延や品質低下につながるリスクがあります。

可能であれば、契約前に担当ディレクターと直接話し、過去の実績や対応能力を確認すると良いでしょう。

複数のベンダーを比較検討する

一社のみに絞らず、複数のベンダーから提案を受けることで、コストや提案内容を比較し、最適な選択ができます。

特に大規模なプロジェクトでは、複数のベンダーから見積もりを取り、価格だけでなく対応力やサポート体制なども総合的に評価することが大切です。

競争原理が働くことで、より良い条件で契約できる可能性も高まります。

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7.ベンダーを決めるまでの流れ

ベンダーを決めるまでの流れは、大きく分けると下記の3ステップです。
 

  • ①:プロジェクトの目的から条件を詰める

    ②:提案依頼書(RFP)を作成し送る

    ③:提案を比較検討する

①:プロジェクトの目的から条件を詰める

まずは、プロジェクトの目的や達成したい成果を明確にし、それに基づいて発注条件を整理します。

「どのような機能が必要か」「予算や納期の制約は何か」など、具体的な要件を洗い出すことで、適切なベンダー選定につなげることができます。

②:提案依頼書(RFP)を作成し送る

複数のベンダーに提案を依頼する際は、RFP(提案依頼書)を作成し、同じ条件で比較できるようにします。

RFPには、プロジェクトの概要、要件、予算、納期などを明記し、ベンダーが適切な提案を行えるようにすることが重要です。

③:提案を比較検討する

提出された提案を比較し、価格だけでなく、提案の具体性や実現可能性を評価します。

単に安価な提案を選ぶのではなく、自社の課題を解決できるかどうかを重視し、必要に応じてベンダーとの打ち合わせを重ねながら最適な選択を行いましょう。

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8.まとめ

ITベンダーとは、IT業界におけるベンダーの総称で、ソフトウェアやハードウェアなどのIT製品やサービスを販売する事業者を意味します。自社で製品を開発している企業もあれば、他メーカーの製品を販売している企業もあり、ITベンダーの種類はさまざまです。

ITベンダーへの就職を目指す場合、ITに関する基本的な知識やスキルを身につけておく必要があります。関連するベンダー資格を取得しておくと、客観的なスキルの証明として重宝されるでしょう。

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