Webアプリケーションとは？概要から就職に役立つ資格まで徹底解説

• 1. Webアプリケーションとは
• 2. Webアプリケーションのメリットとデメリット
• 3. Webアプリケーション開発を行う職種
• 4. これから就職を目指す学生に役立つ資格4選

1. Webアプリケーションとは

Webアプリケーションとは、一言で表すと「Webブラウザから利用できるアプリケーション」です。

つまり、インターネットを経由してWebブラウザから利用するアプリケーションソフトウェアのことで、Webサーバー上で動作します。
よく知られているWebアプリケーションにはWebメールサービスの「Gmail」、動画共有サービス「YouTube」などがあります。

また、Webアプリケーションとよく混同されるものに「Webサイト」「ネイティブアプリ」「ハイブリッドアプリ」があります。それぞれの特徴や違いについて確認しておきましょう。

Webサイトとの違い

Webサイトとは、企業やお店のホームページなどを指します。興味のあるページを読んで情報収集することが主な目的です。

HTMLやCSSのみを使用して作成されているものがWebサイト、PHPやPythonのフレームワークを使ってデータのやりとりまでを行うものはWebアプリ、と考えることができます。

ネイティブアプリとの違い

ネイティブアプリとは、スマートフォンやPCなどの端末にインストールして利用するアプリケーションのことを指します。

インターネットを経由するだけで利用できるWebアプリケーションとは違い、利用するには端末へのインストールが必要です。

ハイブリッドアプリとの違い

ハイブリッドアプリとは、ネイティブアプリとWebアプリの良い要素を組み合わせたアプリケーションです。

ネイティブアプリのようにアプリを端末にインストールして、カメラなどのデバイスの機能を使用できますが、コンテンツはWebから参照するという仕様になっています。アプリの見た目や外観はネイティブアプリと同等で、中身がWebアプリというイメージです。

2. Webアプリケーションのメリットとデメリット

Webアプリケーションのメリットとデメリットについて解説します。

メリット｜手軽に利用できる

Webアプリケーションは、端末とアカウントさえあれば、インターネットを経由していつからどこでもアクセスが可能な手軽さがメリットです。

Webアプリケーションは、アップデートもサーバー側で一元管理されているのでアプリの管理が簡単で、ユーザー側もプログラムをアップデートするだけですぐに最新版を利用することができます。アプリケーションを端末にインストールする必要がないため、端末の容量を気にせず利用できるのも魅力です。

一方でネイティブアプリの場合は、アプリ自体のアップデートを行う際にユーザーが操作してアップデートをする必要があります。

デメリット｜インターネット環境がなければ一切利用できない

メリットにあがった「手軽さ」がデメリットになることもあります。Webアプリケーションはインターネット接続があればいつでもどこからでも利用可能ですが、逆に言うと、インターネットに接続できなければ一切利用することができません。

利用する端末のスペックに関わらず、Webアプリが作動している環境によって動作速度が左右されるため、動作が遅くなることもあります。

また、常にインターネットを経由して利用するため、ウイルスなどの脅威に晒されやすいという面もあります。画像やドキュメントをオンラインで保存できるようなWebアプリは、保存していたデータが流出してしまうリスクがあるので注意が必要です。

3. Webアプリケーション開発を行う職種

Webアプリケーション開発を行う職種について解説します。
まず、アプリケーションの開発を行うエンジニアをアプリケーションエンジニアと呼びます。ここでは、Webアプリケーションの開発を行うアプリケーションエンジニアの仕事内容や以下の項目について解説します。
 

• ・仕事内容

  ・やりがい

  ・必要スキル

  ・平均年収

  ・Webアプリケーションの開発に向いている人

アプリケーションエンジニアの仕事内容

アプリケーションエンジニアとは、アプリケーションを開発する技術者のことで、ITソフトウェアや企業の業務のシステム化などに携わります。

具体的には、1つのプロジェクトにおいて、システム設計からプログラムの開発、開発したシステムの動作テストの一連の作業を担当します。
アプリの目的を理解し、使用するユーザーにとって使いやすく可視性が高いUIやロジック仕様を設計することが求められるでしょう。

また、役職によっては、クライアントと直接やりとりを行って要件定義をすることがあるため、技術力や知識に加えて、クライアントの要望を引き出すコミュニケーション能力も必要です。

アプリケーションエンジニアのやりがい

アプリケーションエンジニアのやりがいとして、以下の3つが挙げられます。

①社会に大きな影響を与えられるアプリ開発に携われる可能性がある

「これまで世の中になかったもの」「利用することによって生活が見違えるように変わるもの」など、社会に大きな影響を与えられるアプリケーション開発に携わることができる可能性があります。

②新しいものや進化したものに直接的に関わることができる

経験を重ねていく上で、さまざまなカテゴリやジャンルのアプリ開発に携わることになるでしょう。エンジニアとしての成長を実感できることに加え、Webの業界は特にトレンドの移り変わりが激しいため、新しいものや進化したものに直接的に関わることができます。

③将来性がある

AIが組み込まれている家電など、IoT化した製品の普及が進んでいます。それに伴い、Webアプリ開発の広がりも加速すると予想されるため、アプリケーションエンジニアは社会的ニーズの高い職種となるでしょう。

アプリケーションエンジニアに必要なスキル

Webアプリ開発には、顧客要件を理解して、再現できるような仕組みをアプリに取り込むスキルが求められます。ただし、大前提として言語を扱う技術的スキルを身に付けておくことが必要です。

Webアプリ開発に用いられるプログラミング言語は多数ありますが、なかでも特に用いられている言語をいくつか紹介します。

・HTML/CSS

Webブラウザから利用できるWebアプリケーション開発するには、Webサイト作成に使用する言語を学習する必要があります。その言語がHTML/CSSです。

HTMLは、Webページを構成するために開発された言語です。ホームページを作成する際には、コンピュータに対してHTMLを使用して、文章の構成の指示を出します。
Webページを作成する、またはWebアプリを開発する際には必須の言語です。

CSSは、HTMLで記載した文章構成の装飾を施すことが役割となる言語です。文章の色や大きさなど、文章の見栄えを形成するために使用され、こちらもWeb系の開発では必須です。

・JavaScript

Webページを作るためにはHTMLとCSSが最低限必要ですが、最近のWebページは文章とデザインだけではなく、ページに動きがあるものが多いです。そのWebページに動きをつけることができる言語がJavaScriptです。
また、サーバーサイドの開発言語としても採用されており、JavaScriptのみでWebアプリやゲームの開発も可能です。

・Ruby

Rubyは、ECサイトやSNSなどのWebアプリケーションを開発するために適している言語です。
Webアプリケーションを開発するために必要なログイン認証・メール送信・ファイルのアップロード機能などをインストールすることで使用でき、スピーディなWebアプリケーション開発が可能です。

・PHP

「WordPress」というブログやサイトの作成ができるコンテンツ管理システム（CMS）をご存知でしょうか。
世界のWebサイトのうち40%以上（※）がこのWordPressを使用して作成されています。
PHPはWebアプリケーション開発を行うための機能が豊富に盛り込まれている言語で、WordPressはこのPHPによって構成されています。

※参考：Q-Success「コンテンツ管理システムの使用統計」

Python

Pythonは、機械学習などのAI分野のシステム開発や統計データ解析などで活躍している最先端技術を扱う言語です。
AI分野だけではなく、PythonはWebアプリケーションを開発することも可能です。Pythonで開発された代表的なWebアプリケーションには、「YouTube」やSNSアプリの「Instagram」などがあります。

Linuxの知識やデータベースの知識

Linuxのスキルは、開発で使用する言語によっては必要となるスキルです。Webアプリ開発にRubyを使う場合は、PC上に仮想環境を作成してLinuxをインストールし、開発環境を構築します。

また、データベースの知識も重要です。現在普及しているほとんどのWebアプリケーションは、データベースとの連携で成り立っています。データベースからユーザーが登録した情報を抽出したり、更新したりといった処理が発生します。
データベースを扱うには、SQLというデータベース操作言語スキルが必須です。

アプリケーションエンジニアの平均年収

レバテックキャリアに掲載されている求人情報によると、アプリケーションエンジニアの平均年収は約450万円（※）です。
初任給は22万程度が相場で、大学卒の初任給の平均額と同等です。

Webアプリケーションの開発に向いている人

設計から開発、テストなどのWebアプリ開発の一連の工程では、一人でパソコンに向かって作業する時間が圧倒的に多いです。そして、正確で細やかな作業が求められます。
そのような作業に対してストレスを感じず、むしろ楽しいと感じられる人が向いているでしょう。

また、Webアプリケーション開発では、基本的にはプロジェクトごとにチームを組んで作業を行います。チームのメンバーと積極的にコミュニケーションをはかり、連携をとる必要があるため、協調性のある人が必要です。具体的には、自分だけでなく、チームのメンバーが作業しやすいように配慮したコーディングをするなどの気遣いができる人が適しています。

技術面では、トレンドの移り変わりが早く、画期的で先進的なサービスが続々と登場する中で、常に新しい技術やスキルを習得し続ける意欲のある人が向いているでしょう。

4. これから就職を目指す学生に役立つ資格4選

Webアプリケーションエンジニアになるために役立つ資格について解説します。

プログラミング能力検定

プログラミング能力検定とは、プログラミング能力検定協会が運営する検定資格です。プログラミングの基礎となる知識を測るための試験で、出題範囲には、順次処理、条件分岐、繰り返し、変数などのプログラミングの概念を理解できているかを体系的に検定します。

レベル5: 6,500円（税込）
レベル6: 8,700円（税込）

試験時期期	1.2021年11月15日(月)〜21日(日) 2.2022年2月14日(月)〜20日(日)
受験料	レベル1: 2,100円（税込） レベル2: 3,200円（税込） レベル3: 4,300円（税込） レベル4: 5,400円（税込） レベル5: 6,500円（税込） レベル6: 8,700円（税込）

Webクリエイター能力検定試験

Webクリエイター能力検定試験とは、Webサイト構築に必要なHTMLプログラミングスキル、ページデザインスキルを検定する試験です。

HTML5版とXHTML1.0版があり、それぞれスタンダードコースとエキスパートコースに分類されます。

スタンダードコースでは、HTMLやCSSの言語に関わるマークアップの基礎的スキルの認定を行います。
エキスパートコースでは、スタンダードコースよりもさらに実践的なスキルが判定されます。レイアウトや色彩設計などのデザイン力も試されると考えておいた方がよいでしょう。 

試験時期	試験会場により異なる
受験料	エキスパート：5,800円（税込） スタンダード：7,500円（税込）
受験資格	制限なし

基本情報処理技術者試験

基本情報処理技術者試験は、「ITエンジニアとしての基礎」と言われている国家試験です。
基本情報技術者試験に合格することができれば、エンジニアとしての基礎教養があることを証明することができます。
試験範囲は、以下の通りです。
 

• ・統計、数学

  ・アルゴリズムとデータ構造

  ・コンピュータ

  ・OS

  ・メディア表現

  ・データベース

  ・ネットワーク

  ・セキュリティ

  ・Web

  ・アーキテクチャ

  ・開発手法

  ・プロジェクトマネジメント

  ・経営戦略

  ・プログラミング

試験時期	1. 春季：4月 2. 秋季：10月
受験料	5,700円（税込） ※2022年4月より7,500円（税込）
受験資格	制限なし

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は、業務分析や要件定義など開発の上流工程に関する高度なスキルを認定する資格。
システムアーキテクト試験の出題範囲は以下の通りです。
 

• ・契約・合意に関すること

  ・企画に関すること

  ・要件定義に関すること

  ・開発に関すること

  ・運用・保守に関すること

試験時期	4月（年1回）
受験料	5,700円（税込） ※2022年4月より7,500円（税込）
受験資格	制限なし

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