SIerとWeb系の違いとは?働き方・将来性をわかりやすく解説

本記事では、SIerとWeb系の特徴を基礎からわかりやすく整理し、新卒が押さえておくべきポイントを丁寧に解説します。自分に合ったキャリアを選ぶための判断材料として、ぜひ参考にしてください。

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1. SIerとWeb系企業とは?違いを理解する前に知っておきたい基礎
SIerとWeb系企業の違いを理解するためには、まずそれぞれがどのようなビジネスモデルで成り立ち、誰のためにサービスを提供しているのかを押さえる必要があります。同じ「IT企業」という括りではありますが、役割や目的は大きく異なっています。ここでは、SIerとWeb系の基本的な特徴に加えて、SIerの種類や顧客との関係性についても解説します。
SIerとはシステムを作る企業
SIer(エスアイヤー/システムインテグレーター)とは、企業の業務を支えるシステムを作る会社のことです。顧客となるのは一般ユーザーではなく、銀行・商社・メーカーといった企業(BtoB)です。企業が抱える課題をヒアリングし、「こういうシステムが欲しい」という要望に合わせて設計・開発・運用を行います。
SIerの仕事は、システム開発の工程を最初から最後まで担当する点が特徴です。要件定義、設計、開発、テスト、納品と段階を踏んで進められるため、事前に決められたスケジュールや仕様に沿って確実にプロジェクトを進めていく必要があります。
また、プロジェクトの規模が大きいほど、開発内容を他社に委託するケースもあります。そのため、元請け・下請けといった階層構造が存在していることもSIerの特徴の1つです。
Web系とはサービスを生み出す企業
Web系企業は、一般ユーザー向けのWebサービスを自社で企画・開発・運用する企業のことです。SNS、ECサイト、マッチングアプリなど、日常生活で直接触れるサービスの多くはWeb系企業が作っています。
最大の特徴は、開発から運用までを自社内で一貫して行うことです。ユーザーの反応を受けて改善を重ねていくスピードの速さが求められるため、日々技術トレンドをキャッチアップしながら開発を続ける文化があります。
また、ユーザーの行動データをもとに新しい機能を追加したり、新規サービスを立ち上げるなど、自社のビジネス価値を高めるためにサービスを成長させることに重きが置かれています。
SIerの種類:ユーザー系・メーカー系・独立系
SIerと一口にいっても、会社の成り立ちや担当するシステムの特徴は大きく異なります。ここでは、SIerを理解するうえで代表的な「ユーザー系」「メーカー系」「独立系」の3種類を紹介します。それぞれの特徴を知ることで、自分に合った働き方をイメージしやすくなります。
ユーザー系SIerは、金融・通信・メーカーなどの親会社を持つグループ企業で、親会社の業務システムを中心に開発を行います。親会社と密に関わるため、業務知識が身につきやすく、比較的安定した環境で働ける点が特徴です。
メーカー系SIerは、NECや富士通といったハードウェアメーカーのグループに属しており、自社製品と連携したシステムを開発するケースが多いです。特定の領域に強みがあり、技術の専門性を高めやすい傾向があります。
独立系SIerは親会社を持たず、さまざまな業界から受託開発を行います。金融・医療・小売など幅広い分野のシステムに関わるため、多様な案件を経験したい方に向いています。一方で、企業によって請け負う案件の多さや業界が大きく異なる点も特徴です。
このように、同じSIerでも属性や案件領域によって働き方が変わるため、志向に合った種類を理解しておくことが重要です。
SIerとWeb系の「目的」と「顧客」の違い
SIerとWeb系の最も大きな違いは、サービスを提供する相手(顧客)と、ビジネスの目的が異なる点にあります。
SIerの顧客は企業であり、目的はその企業の課題解決です。プロジェクトに応じて要件が固定されているため、納期を守りながら計画的にシステムを作ることが求められます。言い換えると、「決まった仕様を安全に実現すること」がSIerの役割です。
一方Web系企業は、一般ユーザーを顧客とし、自社の価値を高めることを目的としています。新機能を追加したりサービスを改善したりと、ユーザーの声をもとにサービスを成長させることが最も重要な使命です。
このように、誰のためにサービスを作るのか(企業/一般ユーザー)、何を目的に開発するのか(課題解決/価値創造)が異なるため、働き方や求められるスキルにも大きな違いが生まれます。
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2. SIerとWeb系の違いを5つの観点で比較
SIerとWeb系企業は、同じIT業界であっても、仕事の進め方や求められるスキル、キャリアの描き方まで大きく異なります。自分に合った働き方を判断するためにも、両者の特徴を体系的に理解することが重要です。ここでは、特に新卒が気になる5つの観点をもとに、SIerとWeb系の違いをわかりやすく整理していきます。
仕事の流れ(開発工程)の違い
SIerとWeb系企業では、サービスを作るまでのプロセスが大きく異なります。
SIerでは、要件定義→設計→開発→テスト→納品といったウォーターフォール型の開発手法が採用されることが多いです。最初の段階で詳細な仕様を固め、計画に沿って開発を進めるため、大規模プロジェクトでも品質を保ちながら進めやすいのが特徴です。一方で、一度決めた仕様を後から変更しにくいという側面もあります。
一方Web系企業は、アジャイル開発を採用するケースが多いです。短いサイクルで実装と改善を繰り返し、ユーザーの声やデータに基づいてサービスを柔軟にアップデートしていきます。スピード感があり、変化に強い反面、計画よりも状況に応じた判断力や実装力が求められます。
年収・待遇の違い
年収については、企業規模や業界によって差はあるものの、Web系企業のほうが成果主義が強く、高年収に到達しやすい傾向があります。一方で、成果が出なければ年齢が上がっても給与が伸びにくいという側面もあります。
SIerは、年功序列や安定した評価制度が残っている企業が多いため、給与は堅実に伸びやすい傾向があります。また、ユーザー系SIerを中心に、福利厚生が充実していたり、残業管理が徹底されている企業も多く、働きやすいという評価を得やすい点も特徴です。
ただしSIerは、元請けか下請けかで待遇が変わるケースもあります。下請けに近い企業ほど単価が下がりやすく、その影響が年収に表れることもあります。
求められるスキル・採用傾向の違い
求められる能力にも大きな違いがあります。
SIerは、顧客企業と直接やり取りを行う機会が多いため、コミュニケーション能力や調整力といったヒューマンスキルが重視されます。プログラミング経験がない新卒でも入社できる企業が多く、研修制度が整っている点も特徴です。未経験からエンジニアとして成長したい方にとって入りやすい環境が整っています。
一方Web系企業は、少人数でスピード感のある開発を行うため、入社段階から一定の技術力を求められる傾向があります。実務レベルのコードが書けることを前提に選考が進む場合もあり、ポートフォリオの提出が必須となる企業もあります。変化が激しい業界のため、新しい技術を積極的に学ぶ姿勢も重要です。
キャリアパス・成長の方向性
SIerでは、経験を積むにつれてプログラマーからSE、PM(プロジェクトマネージャー)へと、上流工程やマネジメントへ進むキャリアパスが一般的です。大規模案件に携わる中で、プロジェクト全体を動かすスキルを身につけられるため、将来的にはコンサルタントやプロジェクト統括などを目指す道もあります。
Web系企業では、エンジニアとしての技術力を磨き続け、スペシャリストとして生涯現役で開発に携わるケースが多いです。また、サービス開発に深く関わるため、プロダクトマネージャーや技術リードとして活躍する道もあります。自社サービスを成長させる経験は、スタートアップ企業やフリーランスとして独立するときにも大きな強みになります。
働き方・労働環境の違い
働き方にも違いがあります。
SIerは、顧客企業との打ち合わせや要件定義の場に出る機会が多く、スーツ着用や対面のコミュニケーションが求められる場面が多い傾向があります。また、プロジェクトの規模や下請け構造によっては、納期前に残業が増えるケースもありますが、元請け企業やユーザー系SIerでは残業管理が徹底されている企業もあります。
Web系企業は、服装が自由でリモートワークが浸透しやすいなど、働き方の自由度が高い傾向があります。個人の裁量が大きい反面、自主的に学び続ける姿勢や成果を出すための自己管理能力が求められます。
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3. どちらを目指すべき?新卒が迷いやすいポイント
SIerとWeb系企業のどちらを選ぶべきかは、新卒が最も迷いやすいポイントです。どちらにもメリットとデメリットがあるため、「正解」が一つに決まっているわけではありません。この章では、就活生が抱きやすい悩みを整理しながら、自分にとって最適な選択ができるようにポイントを解説します。
「どっちがいい?」の答えは“自分の志向”による
結論として、SIerとWeb系のどちらが良いかは、自分がどのような働き方を望むのかによって変わります。
SIerは、計画的に進めるプロジェクトが多く、企業の要望をもとに堅実にシステムを構築します。大規模な案件にも携わりやすいため、着実に経験を積みたい方に向いています。
一方Web系は、サービスの企画から改善までスピード感を持って取り組む必要があります。自分のアイデアを反映させたり、新しい技術に触れたりしたい人にとっては、大きなやりがいを感じられる環境です。
このように、どちらが優れているかではなく、「自分がどう成長したいのか」「どんな働き方をしたいのか」という軸で選ぶことが大切です。
新卒が入りやすいのはSIer
採用という観点で見ると、新卒が最も入りやすいのはSIerです。
SIerは未経験者を前提とした研修制度を整えている企業が多く、プログラミング経験が少ない学生でも挑戦しやすい環境があります。入社後の教育に力を入れている企業も多く、基礎からじっくり学びながら成長できる点が魅力です。
一方Web系企業は、少人数のチームで開発を行うことが多いため、入社段階から即戦力として活躍できる技術力を求められる傾向があります。ポートフォリオや実務レベルのコードが見られることも珍しくなく、採用基準はSIerよりも高くなる傾向があります。
そのため、まずはSIerで基礎を身につけ、その後Web系に挑戦するというキャリアパスを取る人も多いです。新卒でのハードルの低さだけでなく、キャリアの幅を広げやすい点でも、SIerは魅力のある選択肢といえます。
「Web系はやめとけ」と言われる理由を整理
インターネット上では「Web系はやめとけ」という声を見ることがありますが、これはWeb系企業の特徴が誤解されている場合や、一部の企業の働き方が強調されてしまっているケースが多いです。
Web系は、スピード感のある開発や自主性の高い働き方が求められます。そのため、成果主義・成長圧力・技術のキャッチアップといった側面が、人によっては厳しく感じられることがあります。また、スタートアップ企業では業務量が多くなりやすく、「大変そう」というイメージが独り歩きしてしまう場合もあります。
ただし、これらは「向いている人にとっては強みになる」という側面も持っています。新しい技術を学ぶことが好きな人や、自分のアイデアをサービスに反映したい人にとっては、Web系は非常に魅力的な環境です。
重要なのは、「やめとけ」という言葉を鵜呑みにするのではなく、自分の適性・志向に合っているかどうかを軸に判断することです。
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4. SIer・Web系それぞれに向いている人の特徴
SIerとWeb系企業は働き方や求められるスキルが異なるため、向いているタイプにも違いがあります。ここでは、それぞれの企業に向いている人の特徴を整理し、自分がどちらに適性があるのか判断しやすいように解説します。
SIerに向いている人の特徴
SIerは企業向けのシステムを計画的に構築する仕事が多いため、着実に成長していきたいタイプや、安定した環境で経験を積みたい方に向いています。ここでは、特にSIerとの相性が良いとされる特徴を紹介します。
システム開発について着実に学びたい
SIerでは研修制度が整っている企業が多く、入社後に基礎から丁寧に学べる環境が用意されています。未経験から段階的にスキルを身につけたい方にとって、SIerは非常に適した環境と言えます。特に新卒の場合、経験ゼロでも参加できる教育プランが多いため、安心してスタートできる点が魅力です。
中〜大規模案件に携わりたい
SIerは企業の基幹システムやインフラ構築など、大規模プロジェクトを担当することが多い傾向があります。多くの人が関わるプロジェクトで役割を果たしたり、長期間にわたる開発を経験したい方には、SIerの働き方が向いています。規模が大きいほど責任は増えますが、その分プロジェクト全体を理解する力も身につきやすいです。
マネージャー職やコンサルタントを目指している
SIerには、プログラマーからSE、PMとステップアップするキャリアパスが明確に用意されています。将来的にプロジェクトをリードしたい、顧客企業に提案する立場に立ちたいと考えている方には適した環境です。業務を通じてコミュニケーション力や調整能力が磨かれるため、コンサルタント志向の方とも相性が良いと言えます。
Web系企業に向いている人の特徴
Web系企業はスピード感のある環境で、新しい技術やサービスに積極的に挑戦していきたい人に向いています。ユーザーの反応をもとに改善を続ける文化があるため、変化を楽しめるタイプには大きなやりがいがあります。
変化が激しい環境で仕事がしたい
Web系企業では、技術トレンドやユーザーのニーズが日々変化します。そのため、柔軟に対応したり、新しい技術を試すことに抵抗がない人が活躍しやすいです。固定された作業よりも、変化の多い環境で成長したい方に向いています。
企業向けよりも一般ユーザー向けの開発がしたい
Web系はSNSやアプリなど、一般ユーザーが日常的に使うサービスを開発します。自分が手がけた機能に対してユーザーから直接反応を得られるため、サービス作りの面白さを感じたい方にはぴったりです。ユーザーの声を聞きながら改善する経験は大きなやりがいにつながります。
フリーランスやスペシャリストを目指している
Web系は技術的な専門性を磨きやすく、高いスキルを身につけることでフリーランスとして独立する道も開けます。技術を深掘りして自分自身の市場価値を高めたい場合や、スペシャリストとしてのキャリアを目指す方に向いている環境です。
既に一定のプログラミングスキルがある
Web系企業は即戦力を求める傾向が強いため、入社時点である程度のプログラミングスキルがあると活躍しやすくなります。ポートフォリオを作った経験がある、個人開発に取り組んでいる、最新の技術に興味があるなど、能動的に学んできた方はWeb系との相性が良いと言えるでしょう。
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5. SIerとWeb系、将来どう変わっていくのか?
IT業界は変化のスピードが非常に速く、SIerとWeb系企業の役割も年々進化しています。「将来性はどちらがあるのか?」という疑問を持つ就活生も多いですが、実はどちらの業界にも継続して需要があります。ただし、今後求められる役割や働き方は変化していくため、トレンドを理解しておくことが大切です。
DX化・クラウド普及でSIerの役割が変化中
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進むなかで、SIerの役割は従来の「システムを作る会社」から、企業のIT戦略を支えるパートナーへと進化しています。
近年、多くの企業がクラウドサービスやAIツールを活用し、業務効率化やビジネス変革を進めています。そのため、SIerには単にシステムを構築するだけでなく、「どの技術を使えば企業の課題を解決できるか」を提案できる存在が求められるようになりました。
特にユーザー系SIerでは、親会社のビジネスを深く理解したうえで、クラウド導入や業務改善を推進するケースが増えており、業務コンサルティングに近い役割を担う場面もあります。
つまり、SIerは今後ますますクラウド活用やセキュリティ強化、DX推進支援といった領域で重要性が高まっていくといえます。
単純に「SIerはなくなる」という考えではなく、役割が高度化していく業界と捉えるのが正確です。
Web系はAI・SaaSなど新領域へ拡大
Web系企業は、今後さらに成長が見込まれている領域へ積極的に参入しています。特に注目されているのが、AI・SaaS・データ活用領域です。
生成AIや機械学習を活用したサービスが増えており、Web系企業ではユーザーの行動データをもとに新しい価値を提供する仕組みづくりが進んでいます。また、企業向けに提供するSaaSプロダクトも成長しており、Web系の技術やサービス開発力がより広い領域で求められるようになってきました。
さらに、Web系は自社サービスを改善し続ける文化が根付いているため、新しい技術トレンドへの適応力が高く、「市場の変化に強い」点が大きな強みです。
今後は以下を中心に、Web系エンジニアの需要はますます高まっていくと予想されます。
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・AIやデータ技術を使った新サービスの開発
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・SaaSプロダクトの拡大
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・モバイルアプリ、Webサービスの高品質化
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6. まとめ
SIerとWeb系企業は、同じIT業界の中でも目的・開発スタイル・求められるスキルなどが大きく異なります。どちらが優れているというわけではなく、自分の志向や働き方のイメージによって最適な選択は変わります。安定した環境で着実に経験を積みたい方はSIer、スピード感のある環境でサービス成長に関わりたい方はWeb系が向いています。
両業界とも今後も需要が高まる見込みがあるため、まずは自分に合った環境を選び、長期的に成長できるキャリアを描いていくことが大切です。
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