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1. 動画選考とは
動画選考とは、就活生が撮影した動画を企業の担当者が見て、採用可否を判断する方法です。そのような意味では書類選考と一次面接を足し合わせたような意味合いを持ちます。まず、動画選考の概要と近年この形式を採用する企業が増えている理由について紹介します。
動画選考とは
動画選考とは、企業が設定した質問の回答や自己PRの動画をスマートフォンやパソコンなどで撮影し、投稿フォームにアップする形式で行われる選考です。それに対してWeb面談は、SkypeやZoomといったアプリでリモートかつリアルタイムに面接が行われます。
動画選考のメリットとしては「自分の好きな時間に撮影できる」「質問に対する準備ができる」「うまく撮れなければ、撮り直せる」などが挙げられるでしょう。逆にデメリットとしては、リアルタイムのWeb面談とは異なって双方向のコミュニケーションができないため、「応募者が質問する機会がない」といった難点を持っています。
動画選考導入企業が増えている
近年、動画選考を導入する企業が増えています。2020年からは大手航空会社のANAも客室乗務職の募集に動画選考を採用しました。業種としては、特にコミュニケーションが重要視される企業における利用が多くなっています。
動画選考が増えている一番の理由として、採用面接の効率化が挙げられるでしょう。大きな企業であればあるほど、応募する就活生も増えると考えられます。しかしもちろん、面接する就活生が多いとそれだけ経費もかかります。
こうした状況で、書類選考だけで一次選考を行ったところで「応募者がどのような人物なのか」を正確に判断するのは難しいという実情があるのです。そこで、相手の姿が見える動画選考を一次面接の代わりに実施することで、二次面接に進む人数を効率的に絞り込むことが可能になります。
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2. 企業担当者が見ているポイント
それではここからは、就活生の視点にも立ちつつ、動画選考に臨む際のポイントを解説しましょう。まず、動画選考において、企業担当者が見ているポイントは何でしょうか?大きく分けると2つあります。それは「書類選考だけではわからない人柄」と「企業に対する熱意」です。
書類で確認できない人柄
動画選考において企業担当者が見るポイントの一つは就活生の人柄や話し方、雰囲気です。対面で会うことがあれば、相手がどのような人物かはすぐにわかるでしょう。しかし書類だけからでは、雰囲気まで判断できません。もしかしたら、これまでの書類選考では通りづらかった就活生の中にも、その企業に合う人材がいるかもしれません。
採用担当者は、動画を通して就活生が話している姿を見ることで、求めている人材とのズレがないかということを確認します。職種や社風によっても求める雰囲気や人物像は変わるでしょう。動画選考は、企業が一緒に働きたいと思える人材を発掘しやすくするための有効な方法と言えます。
企業への熱意
企業担当者が注目するもう一つのポイントは、その企業への熱意です。やる気に満ちあふれている人を積極的に採用したいと思うのは自然な感情でしょう。動画選考の内容には、その差がはっきり表れることがあります。
動画を作るときは、撮影時の工夫やアピール方法、自己PRの内容を含めた動画全体の完成度など、細かな点まで準備しましょう。それらによって、「その企業でぜひ働きたい」という熱意を担当者に伝えるようにするのです。
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3. よく聞かれる質問
次に動画選考でよく聞かれる質問を4つ紹介します。これらは通常の面接でも聞かれることがほとんどですが、動画選考ならではの注意点も少しだけあります。
自己紹介
自己紹介は初めの質問として聞かれることが多くあります。自己紹介に割く時間は、30~60秒ほどです。卒業予定の大学名や氏名などをいう際は、相手に聞きやすいように大きめの声でハキハキと話しましょう。また自己紹介の時点で自己PRを入れる必要はありません。
志望動機
志望動機についても30~60秒という指定で聞かれることが多いようです。回答のポイントとしては、抽象的なものではなく具体的に回答するようにしましょう。面接で志望動機を答えたら、面接官に「それは弊社じゃなくてもできますよね?」と切り返された話をよく聞いたことはないでしょうか。志望動機とは「なぜこの会社を選んだのか」という理由なので、企業担当者が納得できる、具体的なものでなければなりません。
そのためには、志望する企業の強みや独自性をよく調べたうえで、自分の経験や価値観がマッチしていることをわかりやすく伝えるのがよいでしょう。その企業に入って「何を得たいのか」また「将来的に何をしたいのか」という主体的な動機を明確にすることが大切です。
自己PR
自己PRはもっとも聞かれる質問で、指定時間は30~60秒です。自己PRを話す際にやりがちな間違いは、PRしたいがために時間をオーバーしてしまうことです。そうならないためには内容をコンパクトにまとめることと、何度も話す練習をすることが重要です。動画選考は、準備や練習をすればするほどよい動画を撮影できるようになり、熱意も伝わります。
また、具体的に自分の長所や強みをアピールすることも大切です。時間が限られているのでいくつかある中でもっともアピールしたい点に絞りましょう。その強みがどのように相手企業に貢献できるのかということをわかりやすく表現し、担当者がメリットを感じられるようにします。
学生時代に努力したこと
「学生時代に努力したこと」については、比較的長めの1~2分で聞かれることが多くあります。とはいえ、頑張ったことを伝えるのに1~2分では短いので、わかりやすさが肝要です。そのためには「真っ先に結論を伝え、その後にエピソードを端的に話す」というスタイルにするのが効果的でしょう。
エピソードとしては、「全体に対して自分が担った役割」や「途中で生じた障害や困難」、「それをどのように乗り越えたか」、また努力したことを通して「成し遂げたこと」や「学んだこと」などを入れられます。
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4. 動画選考で好印象を与えるコツ
次に紹介するのは話す内容ではなくて動画を見た企業担当者の印象を良くする工夫です。どれも聞いてみれば当たり前のことですが、就活においてはわずかな差が命取りになります。真面目に取り組めば誰でもできることなので、次のことはしっかりと実践することをお勧めします。
服装
好印象を与えるためには動画であっても服装や身だしなみは大切です。服装は面接と大きな違いはありませんので、基本的にはスーツやジャケットで臨みましょう。職種、企業風土、要項などを考慮して、プラス評価につながりそうなら選択肢として検討できるでしょう。
髪型やひげなど、基本的な身だしなみは必ず整えて撮影するようにしてください。採用担当者は就活生に常識があるかどうかという点も見ているからです。
撮影環境
動画の撮影環境も整えて撮影しましょう。好印象のポイントは「照明」「雑音」「背景」の3つです。
まず照明についてですが、自分で撮影すると画面が想像以上に暗くなりがちです。少しでも表情が明るく見えるように、照明を工夫しましょう。例えばカメラの後ろから顔に照明が当たるように、パソコンや机に固定できるクリップライトやスタンドライトを使用するのがおすすめです。自然光が顔に当たるような向きで撮影するのもいいでしょう。ただし、光が強すぎて顔が白くとんでしまわない程度にしてください。
また雑音が入らない環境にするよう配慮しましょう。具体的には、電車や自動車の走る音、人の話し声、洗濯機の音など余計な音が入らないかを確認します。スマートフォンの音も鳴らないように設定しておいてください。
そして背景については、見る人が目移りしないように白などの単色にするのが無難です。白い壁やカーテンを背景にするとよいでしょう。
カメラへの目線
次に好印象を与えるポイントは「カメラへの視線」です。机に置いたスマートフォンなどで撮影するとカメラの撮影位置が下がり、面接官が就活生を見上げるような角度になることがあります。それを避けるためには、使用するカメラは顔と同じ高さ、またはやや高い位置に置くのが理想的です。三脚やスタンドを利用するか、なければ机に箱などを置いて高さを出してください。
また視線は下向きにならないように注意し、常にカメラに向けて話すようにします。そこに面接官がいるということを意識して自然な笑顔で話すと、好印象になりやすいでしょう。
話し方
最後に紹介するのは、好印象を与える話し方についてです。選考する人数が多くなると、すべての動画が最後まで再生されるかどうかはわかりません。逆にいうと、それだけつかみが大事になります。そこでつかみをよくするために「結論から話す」ということを意識しましょう。最初に採用担当者を惹きつけることができれば、最後まで注意して聞いてくれる可能性が上がります。
また、声が小さくて聞き取りづらいと印象が悪くなるので、通常より少しテンションを上げながら、ハキハキと大きめの声で話しましょう。
加えて、緊張するとどうしても早口になりがちです。落ち着いて堂々と話すほうが好印象を与えられるので、リハーサルを繰り返し、適度な速度で話せるよう練習しましょう。対面面接に臨むのと同様に、「話す内容はきちんと覚えておき、余裕を持って話せる」まで、きちんと準備しておくと安心です。
動画選考は、企業側と就活生の双方にとって多くのメリットがあります。就活生はしっかりと下調べや撮影環境の確認、話す練習を行うことで、誰でもクオリティの高いPR動画をとることができるでしょう。自分の希望する企業が動画選考を取り入れているのであれば、ぜひ今回紹介したことを実践するよう心がけてください。
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