
- 1.応用情報技術者試験が就職に有利になる理由
- 2.そもそも応用情報技術者試験とは
- 3.応用情報技術者試験の試験内容と勉強方法
- 4.就職活動で応用情報技術者試験をアピールするコツ
- 5.応用情報技術者試験以外で就職に役立つ資格
- 6.まとめ
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1.応用情報技術者試験が就職に有利になる理由

大学生が応用情報技術者試験に合格すると、IT関連の企業や職種への就職が有利になる可能性があります。では、なぜ有利になるのか、その理由を確認していきましょう。
難易度が高い資格のため評価が高い
応用情報技術者試験は実務経験のある社会人の受験者が多く、比較的難易度が高い資格です。そのため、大学生のうちに取得すると企業に対してスキルをアピールしやすく、就活の際に有利になります。
知識の裏付けになる
応用情報技術者試験では、技術や管理、経営などの幅広い知識が問われるため、合格するとITの知識を備えた人材として評価されます。実務経験を通した実績がない大学生は、資格によって客観的にスキルを証明できるでしょう。
向上心を評価される
応用情報技術者試験に合格するには、長時間の勉強が必要です。そのため、資格を取得することで学習意欲が高い人材と判断され、就職後のポテンシャルに期待できると評価される場合があります。
大学生の合格者が少ない
応用情報技術者試験は大学生の合格者が少なく、合格するとほかの学生に差をつけられます。
試験を実施する独立行政法人情報処理推進機構が公表している統計資料によると、令和3年度の社会人の受験者は22,167人、合格者は5,236人である一方、学生の受験者は4,018人、合格者は1,051人でした。
就職先で仕事を覚えるのに役立つ
応用情報技術者試験の勉強を通してITエンジニアに必要な知識を身につけておけば、就職先で仕事を覚える際にも有利です。研修の内容が理解しやすかったり、上司からの指示の背景が理解できたりと、スムーズに業務に入れると考えられます。
就職先で資格手当を受け取れる場合がある
就職先によっては、応用情報技術者の資格を取得していると資格手当を受け取れる可能性があります。基本的に資格手当は毎月支給されるため、手当の対象になると実質的な給料アップを図れるでしょう。
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2.そもそも応用情報技術者試験とは

応用情報技術者試験は、「情報処理技術者試験」の一区分に属する試験です。ここでは、情報処理技術者試験の概要や、応用情報技術者試験の難易度について確認していきます。
情報処理技術者試験の概要
情報処理技術者試験は、情報処理技術者として一定の知識・技能を持つことを証明する試験です。経済産業省が認定する国家試験で、特定のソフトウェアや製品に限定した知識ではなく、情報技術の幅広い知識・スキルを問われます。
応用情報技術者試験の位置づけ
情報処理技術者試験には、応用情報技術者試験を含む以下の12区分の試験があります。
カッコ内には、共通キャリア・スキルフレームワーク(※)に照らし合わせた際のレベルを記載しました。
※経済産業省と情報処理推進機構が制定したIT人材を育成・評価するための枠組み
ITパスポート(レベル1)
情報セキュリティマネジメント試験(レベル2)
基本情報技術者試験(レベル2)
応用情報技術者試験(レベル3)
ITストラテジスト試験(レベル4)
システムアーキテクト試験(レベル4)
プロジェクトマネージャ試験(レベル4)
ネットワークスペシャリスト試験(レベル4)
データベーススペシャリスト試験(レベル4)
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(レベル4)
ITサービスマネージャ試験(レベル4)
システム監査技術者試験(レベル4)
応用情報技術者試験は、”ITエンジニアの登竜門”といわれる基本情報技術者試験のワンランク上の試験となります。
共通キャリア・スキルフレームワークでは、レベル1が「情報技術に携わるのに必要な最低限の基礎知識を有している」と定義される一方、レベル2は「基本的な知識・スキルを有して一定の難易度の作業の一部を独力で遂行できる」と定義されています。
応用情報技術者試験の難易度
レベル2の定義から分かるように、応用情報技術者試験はある程度の知識・スキルを持つITエンジニアを想定した試験で、一般的には実務経験3年以上のエンジニアが対象となります。そのため、情報系の専門学校生や大学生であれば在学中に取得することもできますが、難易度は比較的高いでしょう。
難易度が高い理由の一つは出題範囲の広さにあり、合格するにはアルゴリズムやプログラミングだけではなく、マネジメントや経営戦略についての幅広い勉強が必要です。
情報処理推進機構の統計資料によると、応用情報技術者試験の合格率は毎年20%前後を推移しており、高い数字ではありません。
ただ、同資料によると、令和3年度の社会人と学生の合格率は、社会人が23.6%、学生が24.0%と学生が社会人をわずかに上回っています。また、経験年数別の合格率を見ても、経験年数に比例して合格率が高くなるわけではないため、「実務経験がないから合格できない」と不安に思う必要はないでしょう。
もし、応用情報技術者試験が自分にとって難しすぎると感じたら、一つ下のレベルである基本情報技術者試験を受験する選択肢もあります。
関連記事:基本情報技術者は就職に有利?試験内容やおすすめの職種を紹介
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3.応用情報技術者試験の試験内容と勉強方法

ここからは、応用情報技術者試験の試験内容と勉強方法を紹介します。
応用情報技術者試験の試験内容
応用情報技術者試験は、午前(150分) と午後(150分)に分けて行われます。
午前の問題
マークシートによる計80問の多肢選択式(四肢択一)です。
テクノロジ系
基礎理論、アルゴリズムとプログラミング、コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、ヒューマンインターフェイス、マルチメディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術
マネジメント系
プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査
ストラテジ系
システム戦略、システム企画、経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ、企業活動、法務
午後の問題
試験は記述式で、11問中5問を選択して解答します。
-
1.経営戦略
2.情報戦略
3.戦略立案・コンサルティングの技法
4.システムアーキテクチャ
5.サービスマネジメント
6.プロジェクトマネジメント
7.ネットワーク
8.データベース
9.組込みシステム開発
10.情報システム開発
11.プログラミング
12.情報セキュリティ
13.システム監査
午前中のマーク式の設問では知識を中心に問われるため、暗記を中心とした勉強が必要です。
午後は記述式で、知識を前提とした思考力を問う問題となるため、文章の読解力、記述力の勉強が必要となります。
応用情報技術者試験合格を目指す勉強方法
応用情報技術者試験の勉強方法には、参考書や勉強サイト、アプリ、資格スクールを活用する方法があります。それぞれのメリットを解説します。
参考書
参考書の活用は最も基本的な勉強方法です。メリットとしては、価格が安いこと、選ぶ際に書店で簡単に見比べて自分の好みにあったものを選べること、勉強量や試験内容などの全体像を俯瞰しやすいことが挙げられます。
アプリ
アプリでは、応用情報技術者試験で出題される項目の解説や過去問の対策、模擬試験などが提供されています。スマートフォンやタブレットで利用でき、通学や移動時など場所を選ばないため、時間を見つけて気軽に勉強できる点がメリットです。
代表的なアプリとして「応用情報技術者暗記カード+過去問徹底対策」や「応用情報技術者 午前 一問一答問題集」があります。
資格スクール
資格スクールでは、試験範囲をカリキュラムに沿って体系的に学べ、講師から合格に向けた支援を受けられるのがメリットです。
また、模擬試験が提供されている点も独学より優れているといえるでしょう。一方で、独学に比べると費用が高額であるため、まずは参考書やアプリで勉強してから活用を検討すると良いでしょう。
応用情報技術者試験合格に必要な勉強時間
応用情報技術者試験合格に必要な勉強時間は、およそ500時間が目安です。毎日2時間する場合は、3~4カ月の学習期間が必要でしょう。ただ、基本情報技術者試験に合格していてすでに基礎知識がある場合は、勉強時間を減らせる可能性があります。
応用情報技術者試験は毎年4月(春期)と10月(秋期)に実施されるため、受験するタイミングから逆算して勉強のスケジュールを立ててください。
応用情報技術者試験に合格するポイント
応用情報技術者試験には過去問と似た問題が出るため、必ず過去問を解きましょう。過去問を解くことで、自分の実力がどの程度か把握できます。
過去問は市販の参考書にまとめられているほか、情報処理推進機構のWebサイトでも閲覧できます。情報処理推進機構のサイトでは解答例や講評も確認できるので、ぜひ活用してください。
大学の授業やアルバイトが忙しく時間がとれない場合や、就活までに余裕がない場合は、隙間時間を活用して勉強を進めると良いでしょう。アプリや過去が掲載されたWebサイトを使えば、ちょっとした待ち時間や移動中に勉強できます。
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4.就職活動で応用情報技術者試験をアピールするコツ

応用情報技術者試験に合格しただけでは、就職活動において評価されるとは限りません。大切なのは、資格をどのように自己PRにつなげるかです。この章では、面接やエントリーシートで資格をアピールする際の具体的な方法について紹介します。
取得までの努力や学びを伝える
応用情報技術者試験は一定の専門知識と学習時間が求められるため、合格に向けて取り組んだ努力は高く評価されます。就職活動では、単に資格名を伝えるだけでなく、「どのように計画を立てて勉強したか」「どの分野に苦労したか」「どのように乗り越えたか」といった具体的なエピソードを交えることで、自己管理能力や課題解決力をアピールできます。成績証明書や勉強に使用した資料を活用することも効果的です。
志望する職種との関連性を伝える
資格を持っているだけではなく、それを志望職種とどう結びつけるかが重要です。たとえば、システムエンジニア志望なら「ネットワークやデータベース分野の知識が実務にも直結している」と伝えることで、業務への理解度の高さをアピールできます。資格で得た知識が、どのように志望企業や職種の業務に活かせるのかを説明できると、説得力のある自己PRにつながります。
ポートフォリオを作成する
資格だけでは実務能力の証明にはならない場合もあります。応用情報技術者試験で学んだ知識を活かして、簡単なWebアプリや自己紹介ページなどのポートフォリオを作成しておくと、技術力の裏付けとなります。GitHubやGoogleドライブなどを活用して、採用担当者が実際に見られる形にしておくことがおすすめです。自分の成長を可視化できる手段として、就活でも非常に役立ちます。
関連記事:就活に役立つポートフォリオの作り方とは?基本構成と職種別の例文を紹介
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5.応用情報技術者試験以外で就職に役立つ資格

IT業界を目指すうえで、応用情報技術者試験だけが評価されるわけではありません。実務に役立つ資格や、ITの基礎力を証明できる資格も、企業によっては高く評価されます。
この章では、就職活動を有利に進めるために役立つ資格をレベル別に紹介します。
ITパスポート
ITパスポートは、情報処理や経営、セキュリティなど、幅広いIT知識の基礎が問われる国家試験です。応用情報技術者よりも難易度は低めですが、IT業界に限らず、一般企業の情報システム部門や営業職などにも評価されることがあります。まだ専門的な学習に自信がない人や、これからIT分野への理解を深めたい大学生にとって、入り口として最適な資格です。
関連記事:ITパスポートは就活に有利?組み合わせてアピールできる関連資格4選
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、応用情報の前段階に位置づけられる国家資格です。就活においても高く評価されており、プログラミングやシステム開発の基礎を学んだ証明にもなります。難易度は中程度で、大学生のうちに取得しておくと、IT職志望の際に「実務に必要な基本的知識を習得済み」と判断されやすくなります。応用情報と合わせてアピールすれば、より強力な武器となるでしょう。
関連記事:基本情報技術者試験は大学生の就職に有利!取得するメリットと活かせる職種
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOSは、WordやExcel、PowerPointといったOffice製品の操作スキルを証明する資格です。IT系に限らず、事務職や営業職などでも評価されやすい実用的な資格です。とくにExcelのスキルは業務で必須になることも多く、関数やマクロなど高度な機能まで扱えると、他の学生と差をつけられます。業務でどう活かせるかを伝えられると、より効果的なアピールになります。
上級者向けの資格
応用情報技術者試験に合格したあと、さらに専門性を高めたい人には「高度情報処理技術者試験」などの上級資格がおすすめです。具体的には、ネットワークスペシャリスト試験やデータベーススペシャリスト試験、情報処理安全確保支援士試験などがあり、専門分野に特化したスキルを証明できます。このような資格を持っていると、企業からは即戦力としての評価が高まり、難関企業の技術職やITコンサルタント職などの選考でも有利に働く可能性があります。
関連記事:IT系資格を取る順番のおすすめ解説!ITパスポートの次に目指したい就活向け資格
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6.まとめ
国家試験である応用情報技術者試験に合格すると、スキルや向上心を評価され就職で有利になる可能性があります。
試験は比較的難易度が高く、実務経験のあるエンジニアが受験することが多いですが、情報系の専門学校・大学の学生であれば在学中に取得することも可能です。
応用情報技術者試験は、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系と試験範囲が広いため、自分に必要な勉強時間を見積もった上で計画的に学習を進めましょう。
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