
- 1.R言語とは?
- 2.R言語の特徴やできること
- 3.R言語の現状と将来性
- 4.R言語とPythonの違い
- 5.R言語とPythonのどちらを学ぶべき?
- 6.R言語の勉強方法
- 7.R言語を始めてみよう
- 8.まとめ
1.R言語とは?
R言語は、1995年に開発された、統計解析や機械学習に適したプログラミング言語です。S言語という言語に起源を持ち、C言語やFORTRANを用いて開発されました。
PHPやJavaScriptと同じように、言語の同時通訳を行うインタプリタ言語で、複数のプラットフォームで動作することが特徴です。
統計データ解析に特化したプログラミング言語

R言語は、C#やJavaのように、どのようなプログラムにも対応できる汎用言語ではなく、統計データ解析に特化していることが強みのプログラミング言語です。
ただデータを分析するだけではなく、データをグラフ化して出力する機能にも優れています。簡単なコードで複雑な計算を行うことができる統計解析のパッケージが日々追加されており、誰でも使用できるようになっています。
パッケージとは、Pythonでいうライブラリに相当するものです。種類も豊富で、さまざまな分野で統計解析の技術が採用されています。
機械学習やAIの影響で注目を浴びているトレンドの言語
機械学習やAIで使われる言語といえばPythonが有名ですが、R言語もAI開発の分野で広く活用されている言語です。
機械学習とは、存在するデータから自動的にルールを作り出すアルゴリズムのことです。
関連記事:新卒で機械学習エンジニアに就職するには?仕事内容や必要なスキルを解説
関連記事:【厳選】AIによってなくならない仕事は? | 代替予測と活用状況も解説
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2.R言語の特徴やできること
R言語の特徴やできることについて解説します。
データの統計解析が得意
R言語は、統計解析を得意とする言語です。そもそも統計解析とは、大量のデータを収集・探索して分析し、その結果を通してデータに含まれている傾向とパターンを明確にする科学技術です。
産業や行政・医療などの分野において日常的に活用される技術でしたが、近年ではさまざまな企業の幅広いシーンで活用されています。
ビジネスインテリジェンスやビジネスアナリティクス、マーケティングにおいてもこの技術が使われており、R言語の需要もさらに高まりつつあります。
グラフ作成などのデータの可視化が可能

統計解析や機械学習を得意とするR言語は、データの分析だけではなく、分析したデータを可視化することが可能です。
通常、グラフを作成するには、専用のアプリなどで適当な値を入力して作成します。R言語はその専用アプリのように簡単にグラフを描画することができ、手軽に扱えるプログラミング言語です。豊富なグラフ描画パッケージが用意されているため、複雑なグラフも簡単に作成することができます。
ベクトル処理
R言語は、同じ長さ同士のベクトル処理を、シンプルな記述で実装することができます。
もちろん数学上のベクトル計算を行うことが可能ですが、複雑なデータを持つものも、宣言なしで変数に格納することができます。
複雑なデータ構造であっても管理ができることが特徴の一つです。
テキストマイニング
テキストマイニングとは、文章の中から役立つ情報を探し出すことです。たとえば、SNSの投稿や口コミなどを分析して、人々がどんなことを話題にしているのかを調べることができます。
R言語では、このテキストマイニングを簡単に始められるツールがいくつも用意されています。「tidytext」や「tm」といった道具を使えば、大量の文章を細かく分けたり、よく使われる言葉を調べたりできます。そのため、マーケティング業界においては、顧客の声を解析し、新商品の開発や問題点の改善に役立てるなどの実践的な応用が期待されています。
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パッケージが豊富
R言語のパッケージとは、R言語における統計解析を効率よく実装するためにまとめられた機能のことです。
統計解析に特化したアプリケーションや、関数が独自にまとめられたパッケージが揃っています。主要なパッケージには「dplyr」「curl」「ggplot2」などが挙げられます。
「dplyr」はデータフレームの操作に特化しているパッケージです。データフレームとは、数値や文字・因子などの異なる型のデータをまとめて、1つの変数として持っているリストのことです。このパッケージはC言語で実装されているので、R言語の処理速度の遅さを賄ってくれます。
「curl」はURLを使用してファイルのダウンロードや転送を実行してくれるパッケージです。
「ggplot2」はヒストグラムや折れ線グラフを作成して、データを可視化するパッケージです。R言語には「plot」が標準で搭載されていますが、「plot」よりも見やすく綺麗なグラフを合理的に作成することができます。
データの互換性が高い
分析を行いたいデータを、外部のアプリケーションやソフトウェアから簡単に読み込むことができます。csv形式のファイルを含め、さまざまなテキストファイルに対応しています。
初心者でも学習しやすい

R言語は、初心者にも比較的優しい設計になっています。たとえば、データの操作や解析が簡単なコマンドで実現できるため、初心者でもすぐに成果を実感できます。また、「RStudio」という開発環境を利用することで、初心者でも操作を直感的に進められます。さらに、R言語の学習に役立つ無料のオンライン教材や初心者向けのYouTubeチャンネルも豊富なので、プログラミング経験がない人でも無理なくスキルを習得しやすいです。
関連記事:学生におすすめのプログラミング言語とは?選び方や習得法を詳しく解説!
誰でも利用できる
R言語の大きな魅力は、完全に無料で利用できることです。ライセンス費用が不要なため、個人だけでなく企業や教育機関でも気軽に導入できます。また、オープンソースであるため、世界中の開発者が自由に改良を加え、さまざまなパッケージを提供しているため、最新のデータ分析の手法を簡単に取り入れることが可能です。たとえば、「ggplot2」というパッケージを使えば、データをきれいに視覚化でき、プレゼンテーションやレポート作成にも活用できます。
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3.R言語の現状と将来性
R言語は統計解析に特化した言語であるため、データ分析を専門とする仕事や案件が多数あります。
研究や学術の分野を中心に普及が進みましたが、AIやビッグデータの利活用が一般化し始め、今後はデータを扱うさまざまビジネスにおいても用途が広がっていくでしょう。
そのため、R言語を扱うことができるデータエンジニアやデータサイエンティストの需要はさらに高まっていくといえるでしょう。
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4.R言語とPythonの違い

R言語とPythonは、データ分析における主要なプログラミング言語ですが、それぞれ得意分野や特徴が異なります。用途に応じて適切に選択するためには、両者の違いをしっかり理解することが重要です。ここでは、R言語とPythonの違いをいくつかの観点から比較していきます。
目的や得意分野
R言語は、統計解析やデータ可視化を得意としており、特に学術研究やマーケティングのデータ分析の現場で頻繁に使われます。一方、Pythonはデータ分析に加え、機械学習やWeb開発、AIなど幅広い分野で活用されています。たとえば、R言語では複雑な統計モデルを簡単に実装できますが、Pythonは機械学習ライブラリ「scikit-learn」や「TensorFlow」を用いてAIモデルを構築できます。
特定の分析に深く取り組むならR言語、幅広い用途で活用するならPythonが適しているといえます。
汎用性
Pythonは、データ分析以外にもWebアプリやゲーム開発など多岐にわたる用途で使用できます。一方、R言語はデータ分析に特化しているため、他分野への応用が少ない点が特徴です。ただし、分析に特化している分、データに関連するタスクでは高い効率性を発揮します。
学習しやすさ
どちらの言語も初心者にとって学習しやすいですが、R言語は統計学を背景にしているため、特に統計やデータに馴染みがある人に向いています。一方で、Pythonはプログラム構造がシンプルで読みやすいため、どんな目的でプログラミングを始めるにしても、初心者にとっては学びやすいと言われています。
関連記事:Pythonと他言語の難易度比較!学ぶべき理由とおすすめ学習方法を解説
処理速度
データ処理の速さでは、Pythonのほうが優れている場面が多いです。特にたくさんのデータを一度に計算する場合や、AIに関わる作業ではPythonを使うと効率的です。ただし、R言語にも大きなデータを扱いやすくするパッケージがあるので、工夫次第では十分な処理速度を引き出すことができます。
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5.R言語とPythonのどちらを学ぶべき?

R言語とPythonは、どちらも優れたプログラミング言語ですが、それぞれ得意な分野が異なります。そのため、自分がどんな目的でプログラミングを学びたいのかを考え、それに合った言語を選ぶことが大切です。ここでは、どちらを学ぶべきか、具体的な選び方を解説します。
関連記事:Pythonとは?特徴やできること・サービス例をわかりやすく解説
データ分析や統計学に特化するならR言語
R言語は、統計やデータ分析を中心に発展してきた言語です。数字を扱う計算や、データを使った複雑な分析を行うために、豊富な機能が用意されています。
たとえば、調査の結果をもとにしたレポート作りや、数字の傾向をグラフにして示す作業など、統計に関する作業を効率よく進められます。また、R言語はグラフや表をきれいに作るためのツールが揃っているため、分析結果を見やすく伝えることにも適しています。
もし研究やデータに関する職業を目指している場合、R言語を学ぶことでより専門的なスキルを磨くことができます。特に、大学や研究機関での統計解析にはR言語がよく使われているため、統計に関する専門職に興味がある場合はR言語を学ぶことをおすすめします。
関連記事:新卒でデータサイエンティストになるには|必要な勉強や学習方法を解説
Webやアプリ開発ならPython
Pythonは、データ分析だけでなく、ホームページやスマートフォンのアプリを作ることにも適した言語です。そのため、データ分析に加えて他の分野にも挑戦したい場合は、Pythonを選ぶことがおすすめです。たとえば、データを使ったアプリケーションを作りたい場合、Pythonを使うことでデータ分析とアプリ開発の両方をスムーズに進めることができます。また、PythonにはAIや機械学習といった最先端の技術に関連する道具がたくさん用意されています。そのため、データを活用して高度な仕組みを作りたい場合にも活躍します。
データ分析をきっかけにプログラミングの幅を広げたい、またはIT業界で働くことを目指しているなら、Pythonの学習が適切だと言えるでしょう。
関連記事:Pythonでできることとは?概要や学習方法を徹底解説
関連記事:【超入門】Python学習におすすめの本5選!本を選ぶときのポイントも解説
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6.R言語の勉強方法

R言語を勉強するのにおすすめの3つの方法を紹介します。主な勉強法には「書籍での独学」「オンライン学習サイトの利用」「プログラミングスクールの活用」があります。学習ペースやレベルに合わせて、自分に合う勉強法を選びましょう。
書籍で独学する
他の勉強方法よりも比較的安価で手軽に始められるのが、書籍での勉強です。R言語の習得に必要な基礎的な知識を、自分のペースで身につけることができるのがメリットです。
統計学を学んだことがない人でも、中学レベルの数学知識で統計学について学ぶことができるものや、サイコロやトランプゲームなどのゲームの作成を通してプログラミングの基礎とR言語の文法を学ぶことができるものなど、初心者向けの書籍も豊富にあります。しっかりと勉強を継続できる意思がある人にはおすすめです。
関連記事:初心者におすすめのプログラミング学習本|いきなり言語の本を読む前に読む本
オンライン学習サイトを利用する
書籍で学ぶのが苦手で、動画や音声で習得したいという方におすすめなのが、オンラインの学習サイトを利用した勉強法です。
R言語の学習は専門性の高い統計学の知識が絡んでくるため、初めて触れる人にとってはハードルが高く感じやすいです。動画や音声によるわかりやすい解説で、手軽に学ぶことができるサービスも数々登場していますので、ぜひ利用してみてください。
場所や時間を気にすることなく、自分の生活スタイルに合わせて学習することも大きなメリットです。
プログラミングスクールの活用
「独学での勉強は不安・続かなさそう」という方におすすめなのが、プログラミングスクールの活用です。
他の勉強法に比べると費用はかかりますが、専門の講師によるサポートで効率的かつ確実にR言語を習得することができます。
関連記事:プログラミングスクールの選び方!失敗しないための注意点とは
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7.R言語を始めてみよう
R言語に興味を持ったら、実際に使い始めてみることが一番の近道です。とはいえ、何から手をつければよいのか迷う人も多いでしょう。
R言語を始めるために必要な準備や手順はそれほど難しくありません。この章では、初めての人でもスムーズに取り組めるように、R言語の準備と使い方の基本を解説します。
必要なツールを揃える
R言語を始めるには、まず「R本体」と「RStudio」をインストールする必要があります。公式サイトから無料でダウンロード可能で、数分でセットアップが完了します。また、学習をスムーズに進めるために、よく使うパッケージとして「dplyr」や「ggplot2」を事前にインストールしておくとよいでしょう。
環境構築する
インストール後は、自分の作業に適した環境を構築します。たとえば、データ分析の効率を上げるためにカスタムショートカットを設定したり、RStudioのテーマを好みの色に変更することも可能です。また、プロジェクトごとに作業フォルダを分けることで、複数のタスクを管理しやすくなるため、必要に応じて整えましょう。
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8.まとめ
R言語は、AIや機械学習の流行で注目を浴びた、統計データ解析に特化したプログラミング言語です。そのため、データサイエンティストを目指す学生にとってR言語を学ぶメリットは非常に大きいといえます。本格的に就職活動をスタートする前にRの知識を身につけておくことで、選考においてもアピールポイントの一つとして活用できるでしょう。
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