プログラミング初心者は何から始めるべき?学習のステップとおすすめの言語

プログラミング初心者は何から始めるべき?学習のステップとおすすめの言語
「プログラミング初心者だけど、何から勉強を始めれば良いか分からない」という方に向けて、勉強の手順や代表的な方法を紹介します。 独学で学習を進めるときのポイントや、プログラミングを学べるインターンの探し方など、これからプログラミングを学ぶ人が知っておきたい情報をまとめました。 プログラミングを身につけることで就職できる職種も解説するので、就職を見据えてプログラミングを学ぼうと考えている方はぜひご覧ください。

1. プログラミングとは

プログラミングとは、コンピューターに特定の動作をさせるために指示を出す作業を指します。その指示をまとめたものを「プログラム」と呼び、プログラムは「プログラミング言語」と呼ばれるコンピューターが理解できる特別な言語で記述されています。
 
・プログラミング:コンピューターに指示を出す行為
・プログラム:コンピューターへの指示をまとめた指示書のようなもの
・プログラミング言語:コンピューターに指示を出すための専用の言語

プログラミングで実現できること

プログラミングを通して、Webサイトやサービス、スマートフォンアプリケーション、ゲーム、業務システムなどの開発が可能です。

プログラミングは初心者でも独学できる?

最近では、書籍やオンライン学習サイトをはじめとするさまざまな学習方法があるため、初心者からプログラミングを独学できます。
プログラミングの習得にかかる時間は個人差がありますが、基礎を理解し実用的なアプリをつくれるレベルに達するのには、約300時間かかるといわれています。

関連記事:プログラミングを独学して就職することは可能?初心者向けの言語や学習方法

2. プログラミングを学習するメリット3つ

では、初心者がプログラミングを学習するとどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なものを3つ紹介します。

就職・転職活動が有利になる

経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査」によると、今後日本のIT人材不足はますます深刻化し、2030年には最大で約79万人が不足すると予想されています。
したがって、プログラミングスキルを身に付けている人材は就職・転職が有利になりやすいでしょう。

自由な働き方がしやすい

IT系の職種に対して、リモートワークやフレックスタイムなどの制度を導入する企業は多く、プログラミングスキルを活かす職種は比較的自由度の高い働き方ができます。
「リモートワーク」とは、オフィスではなく自宅やカフェなどで仕事ができる働き方で、「フレックスタイム」は、始業・就業時間を従業員が自由に選べる制度です。

また、IT人材としてのスキルや経験値を上げれば、将来は独立してフリーランスになることも視野に入るでしょう。

論理的思考力が身につく

コンピューターは人間のように抽象的な概念を理解できないため、プログラミングを通じて指示された通りに動作します。そのため、プログラムに少しでもミスやロジックが通らない部分がある場合、バグが発生してしまいます。
したがって、プログラミングスキルを磨くことで、論理的思考力を身につけられます。論理的思考力は、問題を解決したり、人に分かりやすく説明したりする際など、プログラミング以外の場面でも役立つスキルです。

3. プログラミングを学ぶことで目指せる主な職業

次に、プログラミングを学ぶことで目指せる主な職業について解説します。それぞれの平均年収はレバテックキャリアに掲載されている募集情報を参考にしています。なお、新卒の場合は、いずれも約250~300万円です。

システムエンジニア

システムエンジニアとは、システム開発において「上流工程」を担当する仕事です。上流工程には、クライアントへのヒアリングや要望の整理、システム設計書の作成などが含まれます。システムエンジニアが作成した設計書を元に、「プログラマー」が実際のプログラミングを行いますが、企業によってはシステムエンジニアが担当することもあります

システムエンジニアには、クライアントから要望を正確に聞き出すためのコミュニケーション能力や、設計書を作成するためのプログラミングスキル、論理的思考力などが必要になります。
平均年収は、約400~500万円です。

関連記事:新卒がSEを目指す上で知っておくべきことは?

サーバーサイドエンジニア

サーバーサイドエンジニアとは、サーバー側で動作するプログラムの設計・開発とデータの管理を行う仕事で、「バックエンドエンジニア」と呼ばれることもあります。
後述するフロントエンドエンジニアやWebデザイナーと協力しながら、Webサービス・アプリケーションにおけるユーザーには見えない部分の開発・管理を担当します。
サーバーサイドエンジニアは業務上、PHPやRuby、Javaなどのプログラミングスキルに加え、フロントエンド開発やデータベースに関する知識も必要です。

このように多岐にわたるスキル・知識が求められるため、平均年収は約500~600万円とやや高くなっています。

データベースエンジニア

データベースエンジニアとは、データベースの設計や開発・保守・運用を行う仕事です。データベースも上述したサーバー同様、ITサービスを提供する土台となるITインフラの一種で、多くの人が検索・共有しやすい形態にすることを目的に、整理されたデータの集まりを指します。データベースエンジニアの平均年収は、約450~550万円です。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアとは、Webサービスやアプリケーションにおいて、ユーザーが実際に操作する部分(フロントエンド)を設計・開発する仕事です。
Webデザイナーが行ったデザイン設計の通りに、HTMLやCSS、JavaScriptなどを用いて実装のみを担当する場合もあれば、Webデザイナーの業務を兼任する形で、デザイン設計から実装まですべて担当する場合もあります。
フロントエンドエンジニアの平均年収は、約400~500万円です。

関連記事:フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの違いとは?それぞれの適性や将来性を解説

セールスエンジニア

セールスエンジニアとは、技術面の専門家として営業活動を行う職種です。一般の営業職の社員に同行し、クライアントに対して技術的な内容に関する説明や提案を行います。
セールスエンジニアには、どのような人に対しても分かりやすく説明するコミュニケーション能力と、顧客の状況に応じて最適な提案をするためのITの専門知識が必要です。
そのため、企業によりますがほかのエンジニア職よりもやや得られる収入が多く、平均年収は約500~600万円です。

4. 初心者がプログラミングを学習する方法

ここからは、初心者がプログラミングを学習する方法について解説します。独学と人から教わる学び方があるので、どちらが自分に合っているか考えてみましょう。

書籍やオンライン学習サイトによる独学

まず、書籍やオンライン学習サイトを使ってプログラミングを独学する方法があります。この方法は、低予算で場所・時間に関係なく勉強できのがメリット。「プログラミングがどのようなものなのか一度体験してみたい」「まずは自身の適性を確かめてみたい」という人におすすめです。
オンライン学習サイトは、ProgateドットインストールSchooなどを試してみましょう。

一方、独学のデメリットは、分からないことを誰かに質問できない点と、モチベーションの維持が難しい点です。独学は途中で挫折する人も多く、独学でプログラミングスキルを身につけるには計画的な学習や目標設定が求められます。

勉強会に参加する

独学での学習に行き詰まったら、勉強会を活用すると良いでしょう。勉強会でプログラマーからアドバイスをもらうことで、早いペースでスキルアップできるかもしれません。勉強会にはプログラミングを学ぶ人が集まるため、周囲から刺激を受けてモチベーションが上がる効果もあります。

勉強会はイベントやセミナーを専門とする検索サイトで探せます。自分の興味やレベルに合った勉強会に参加し、学んだ内容をその後の学習に活かしましょう。

長期インターンシップに参加

ほかにも、長期インターンシップに参加してプログラミングスキルを身につける方法があります。インターンシップとは、学生が職場体験を目的に企業を訪問し、一定期間実際の業務を担当する制度です。
インターンシップに参加することで、「現場で使われる実践的なスキルを学べる」「職場の雰囲気を体験できる」「人脈を広げられる」などのメリットがあります。また、インターンでの経験は就活の際にアピールすることも可能です。

ただし、インターンシップには短期と長期の2種類がある点にご注意ください。
短期インターンシップは、主に企業説明を受けたり、決められたプログラムに1〜3日ほど参加したり、時間をかけて業務を体験する内容ではありません。一方、長期インターンシップは数ヶ月〜半年ほど企業に所属し、実際の仕事内容を体験できます。
短期インターンシップは企業への理解を深めるのに役立ちますが、プログラミングスキルを磨くには長期インターンがおすすめです。

インターンシップの探し方

インターンシップの募集情報は、新卒向けの就活サイトで見つけられます。
また、大学のキャリアセンター(就職課)を活用するのもおすすめです。キャリアセンターは、大学が学生の就職支援をするための機関で、場合によっては就活サイトに掲載されていない独自の募集情報もあります。インターンを探す場合、一度は訪れて職員に相談すると良いでしょう。

関連記事:メリット多数! ITエンジニアを目指すならインターンを活用しよう

プログラミングスクールに通う

これまでに紹介した勉強方法に比べると費用面での負担が増えますが、プログラミングスクールでは効率的にプログラミングスキルを身につけられます。スクールのメリットは、「カリキュラムに沿って一定期間内に確実にスキルを習得できること」「分からない点を講師に質問してその都度解消できること」です。
一人で勉強するのが苦手な人にとっては、ほかの生徒と授業を受けながらモチベーションを維持できる点も利点でしょう。

大学生・大学院生向けプログラミングスクールのレバテックカレッジでは、一般的なスクールに比べて安価な受講料でプログラミングを学べます。3ヶ月でプログラミング初心者が一定のスキルを身につけられるカリキュラムを提供しているので、これからプログラミングを学びたい方はぜひご利用ください。

5. 初心者がプログラミングを学習する手順

独学で学習を進める場合、何から始めるべきか迷う方もいるでしょう。初心者の方は、以下の手順で学習するのがおすすめです。

つくりたいものと学ぶ言語を決める

独学でモチベーションを保つには、学習のゴールを決めておくことが大切です。まずは、プログラミング言語を使って自分が何を実現したいのかを定め、目的に合った言語を選びましょう。

開発環境を整える

学ぶ言語が決まったら、プログラミングに必要な環境を整えます。プログラミングの学習には、パソコンやインターネット環境のほかに、総合開発環境(IDE)が必要です。総合開発環境は開発に必要なツールを一つにまとめたもので、使用するとより快適にプログラミングを行えるようになります。
代表的なものとしては、「Eclipse」や「IntelliJ IDEA」などがあります。

基本の文法やフレームワークを学ぶ

プログラミング言語には、言語ごとの文法が存在します。まずは、書籍などを使って基本の文法を身につけ、学んでいる言語への理解を深めましょう。

ある程度の基礎が身についたら、フレームワークにも触れておくのもおすすめです。フレームワークとは、アプリなどの開発に用いるプログラムの雛形のことで、よく使う機能があらかじめ用意されています。たとえば、プログラミング言語のPHPに対応する代表的なフレームワークが「Laravel」であるように、言語ごとに対応するフレームワークの種類は異なります。

オリジナルの作品をつくってみる

プログラミング言語の学習をある程度進めたら、フレームワークも活用してオリジナルのアプリやWebサイトを開発してみましょう。初心者の場合、ゼロから開発を行うのは難しいため、まずは既存のWebサイトやアプリをサンプルとして模写し、ある程度要領がつかめたらオリジナルの作品を開発する方法もあります。

実際に開発を行うことで学習の成果を確かめられるメリットがあるほか、成果物があると就活の際にアピールできます。採用担当者にすぐに確認してもらえるよう、GitHubなどにコードを公開するのも良いでしょう。

関連記事:GitHubとは?読み方や使う前に知りたい機能をわかりやすく解説

6. 初心者がプログラミングを学習するコツ

初心者が挫折せずにプログラミング学習を成功させるには、以下の点を意識してください。

細かな目標を設定する

特に独学で学習を進める場合、「◯◯のアプリをつくる」という最終的なゴールとは別に、日々の細かな目標を立てることが大切です。週単位、1日単位の目標を決め、毎日の学習の後にその日の振り返りや目標の見直しを行いましょう。

細かな目標を立てることには、「毎日やるべきことが明らかになる」「目標達成が自信につながる」などのメリットがあります。

エラーが出ても投げ出さない

プログラミング初心者が学習に挫折する原因で多いのは、エラーを解決できずに諦めてしまうことです。
独学だと自分でエラーを解決するハードルが高いですが、インターネットの質問サイトを使って疑問を解消できる可能性があります。プログラミングに特化したQ&Aサイトとして、teratailなどのサービスがあります。

丸暗記をしない

プログラミングのコードは膨大で、すべてを丸暗記することはできません。分からない点は本やインターネットですぐに調べられるため、学習の際はプログラミングの仕組みや考え方を理解することを優先しましょう。

7. 目的別のおすすめプログラミング言語

最後に、「Webサービス開発」「スマートフォンアプリケーション開発」「ゲーム開発」という3つの目的別におすすめのプログラミング言語を紹介します。
ここでご紹介するプログラミング言語を参考に、事前に自分が作りたいものを決めてから勉強を始めましょう。

Webサービス・アプリケーション開発

Webサービス・アプリケーションとは、GoogleやYahooのような検索エンジン、TwitterやFacebookのようなSNS、Amazonや楽天のようなECサイトなど、インターネット上のあらゆるサービスを指します。
比較的習得難易度が低いプログラミング言語を使って開発できるため、初心者におすすめの分野です。

JavaScript

JavaScriptは、HTML・CSSとセットでWebサービス・アプリケーションのフロントエンド開発に必須の言語です。「カーソルを合わせるとメニューバーが開く」「画像をクリックすると拡大する」など、Webサイトに動きを加えることができます。
習得難易度が低い上に将来性も高いため、プログラミング言語選びに迷っている人がまず勉強することをおすすめできる言語です。

PHP

PHPは、Webサービスやアプリケーションの見えない裏側の部分であるサーバーサイドを開発する言語です。インターネット上に存在するほとんどのブログサイトに使われています。
PHPも習得難易度は比較的低く、開発案件が多数存在する需要の高い言語です。

Ruby

Rubyは、Webサービス・アプリケーションに限らずスマートフォンアプリケーションの開発もできる言語です。
日本で開発された言語であるため日本語の参考書なども多く、プログラム自体も非常に分かりやすいため、初心者にも勉強がしやすい点が魅力的です。

スマートフォンアプリケーション開発

スマートフォンが私たちの生活に欠かせない必需品になったことにより、スマートフォンアプリケーションの需要はますます高まっています。LINEやChatworkのようなチャットツールやGPSを使ったマップツール、家計簿などの生活ツールは、日常のさまざまな場面で活用されています。

Swift

Swiftは、Apple社が開発した言語で、iPhoneやiPadなどで利用するiOSアプリケーションのプログラミングを目的に作られています。
習得難易度はやや高いですが、Apple製品は今後も人気が続くことが予想されるため、将来性が高い言語です。

関連記事:学生向けのSwift入門!環境構築からプログラムを実行してみよう

Java

Javaは、技術の移り変わりが激しいIT業界の中で長年人気のある言語です。Androidアプリを開発できるほか、Webサービス・アプリケーションの開発にも利用できる汎用性の高さが最大の魅力です。
しかし、習得難易度は比較的高いため、プログラミング初心者は学習時間が十分にとれるか確認する必要があります。

ゲーム開発

ゲームには、コンシューマーゲームやソーシャルゲーム、ゲームアプリケーションなど、さまざまな種類が存在します。近年はスマートフォンの普及でより身近なものになったため、開発者の需要がさらに高まりました。
なお、ゲームアプリケーションの場合は、上述したスマートフォンアプリケーション向けのプログラミング言語で開発することが可能です。

C++

C++は、プログラミング言語の代表と言われるC言語から派生した言語です。C言語が持つ特徴に加えてさまざまな機能が追加されているため、ゲームやAIなど幅広い分野で活用されています。
習得難易度は高いですが、身につけることでC言語から派生した多くの言語を勉強しやすくなるのがメリットです。

C#

C#は、Javaから派生した言語です。Microsoftにより開発されたため、Windows上でプレイできるゲームの多くはこの言語で開発されています。
習得難易度はやや高いですが、ほかのゲーム開発向け言語と比較した場合は低いため、ゲーム開発を目的にプログラミングの勉強を始める初心者におすすめです。

8. まとめ

初心者が就活に役立つプログラミングスキルを身につけるには、本や学習サイトで独学したり、スクールで指導を受けたりする方法があります。何から勉強を始めるか迷ったら、まずは自分がプログラミングでつくりたいものを明らかにし、勉強したい言語を選びます。

プログラミングを学ぶと、IT系の職種への就職が有利になったり、自由度の高い働き方を選びやすくなったりするのがメリットです。初心者が学習に挫折するのを防ぐには、1日単位・週単位の細かな目標設定を行い、インターネット上の質問サイトなどもうまく活用しながら勉強を進めていきましょう。

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