SEの独立で失敗しないコツは?起業のメリット・デメリットと成功の条件

SEの独立で失敗しないコツは?起業のメリット・デメリットと成功の条件
SEの仕事はリモートワークや在宅勤務との相性が良く、独立してフリーランスとして働くのに向いている職種でもあります。SEとして高度なスキルを身につけておけば、パソコンとインターネット環境があるだけで、自由度の高い働き方を実現することが可能です。

しかしSEの独立を成功させるためには、フリーランスになるメリット・デメリットを十分に理解しておき、自ら案件を取りに行く営業力や、自分を律するセルフマネジメントが不可欠です。

本記事では、SEとして独立するメリット・デメリットや独立しないほうが良いSEの特徴、独立を成功させるための条件について解説します。将来はフリーランスSEになることも視野に入れている方は、キャリアプランを立てる時の参考にしてみてください。

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1.SEは独立・起業しやすい職種の一つ

SE(システムエンジニア)は、IT業界の中でも独立・起業がしやすい職種の一つです。SEとしてシステム開発の上流工程から下流工程までを担当し、豊富な業界知識を身につけておけば、個人でも高い価値を提供できる人材になれるからです。システム開発についての知見やプログラミングスキルを持ったSEにシステム開発を依頼したいと考える企業は多く、個人事業主として活躍できるチャンスが豊富なのです。

特に近年では、クラウドサービスの普及により、大規模な設備投資なしに独立・開業できる環境が整いつつあります。AWSやAzureなどのクラウドサービスを活用すれば、物理的なサーバー機器・ネットワーク機器を扱う必要がなくなりますし、GitHubを使ったバージョン管理やSlackを使ったオンラインコミュニケーションが普及したことで、リモートでチーム開発に取り組むことも難しくなくなりました。

IT業界の慢性的な人材不足もフリーランスSEにとっては追い風になり、業界トップクラスの技術力や営業力がない方であっても、高単価の案件を獲得するチャンスが広がっています。

ただしSEの独立を成功させるためには、技術力だけでなく、営業力やコミュニケーション能力、セルフマネジメント能力なども求められます。単なる「技術者」から、「事業主」「経営者」へと意識を変革する必要があるのです。独立前にこれらのスキルを意識的に磨いておくことが、フリーランスSEとして成功するための必須条件になります。

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2.SEが独立してフリーランスになるメリット

次に、SEが独立してフリーランスになるメリットについて解説します。
 

  • ・会社員を大きく上回る収入が得られる

    ・自由度の高い働き方を実現できる

    ・自分の興味・関心に応じた仕事を選べる


それぞれ順番にご紹介しますので、フリーランスSEの魅力を把握しておきましょう。

会社員を大きく上回る収入が得られる

フリーランスSEとして独立する最大のメリットは、会社員時代を大きく上回る収入を得られる可能性があることです。会社員として働く場合、自分の技術力や貢献度に関わらず、会社の給与体系に縛られた固定給しか得られないのが原則です。一方でフリーランスSEとして独立すれば、自分の営業力・技術力に応じた単価で案件を受注できるため、専門的なスキルを持っている方なら月収100万円以上を狙うことも十分可能です。

特に上流工程を担当できるSEや、AI・クラウド・情報セキュリティなどの需要の高い技術に精通したSEは、高単価案件を獲得しやすい傾向にあります。また、会社員時代の給料は、案件報酬から会社が中間マージンを差し引いている形でしたが、フリーランスとして独立すれば直接クライアント企業と契約し、報酬が全額手元に残るのも大きな魅力です。一つの案件ではなく複数の案件を並行して受注することで、さらなる収入アップも期待できるでしょう。

自由度の高い働き方を実現できる

フリーランスSEとして独立すると、働く時間や場所に縛られない自由度の高い働き方が実現できます。会社員時代は決められた時間に出社し、上司の指示に従って働く必要がありましたが、フリーランスになれば自分の裁量で仕事のスケジュールや進め方を決めることができます。納期に間に合わせることができれば就業時間に制限はないので、朝型の人なら早朝から作業を始め、夜型の人は夜間に集中して作業するなど、自分のパフォーマンスが最大化できる時間帯に作業することも可能です。

また、リモートワークが主流となった現在では、自宅やコワーキングスペース、旅行先のホテルなど好きな場所で仕事ができるのも独立する大きなメリットです。地方に移住して自然豊かな環境で働いたり、海外を転々としながら働く「ノマドワーカー」と呼ばれるライフスタイルを実現したりすることも可能になります。決まったオフィスへの通勤時間がなくなることで、その時間を仕事の前倒しに使う、もしくは家族との時間や自己研鑽に充てられるのも、フリーランスSEならではの魅力なのです。

自分の興味・関心に応じた仕事を選べる

フリーランスSEとして独立すると、自分の興味・関心に合った案件を選んで仕事ができるようになります。会社員時代は会社の方針や上司の判断によって担当するプロジェクトが決まり、必ずしも自分が興味を持てる仕事を担当できるとは限りませんでした。しかしフリーランスとして独立すれば、自分が携わりたい技術や業界、プロジェクトを自由に選択して営業・受注できるようになります。

たとえば、最新のAI技術に興味があれば機械学習関連の案件を中心に受注したり、ゲーム開発に情熱を持っているならゲーム業界の案件を選んだりすることが可能です。また、短期集中型の案件と長期安定型の案件をバランスよく組み合わせるなど、自分のライフスタイルに合わせた働き方も実現できます。自分の得意分野や興味のある領域で仕事ができることは、モチベーションを高く保ちながらスキル・経験を積めるメリットにも直結するのです。

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3.SEが独立してフリーランスになるデメリット

一方でフリーランスSEとして独立することには、次のようなデメリットも存在します。
 

  • ・社会的な信用が低下する

    ・社会保険や福利厚生が受けられない

    ・病気・怪我により収入がゼロになるリスクがある


これらのデメリットにも注意しながら、独立・起業するかどうかを慎重に考えることが大切です。

社会的な信用が低下する

フリーランスSEとして独立すると、社会的な信用が低下するというデメリットがあります。会社員であれば、勤める企業の名前や肩書きが自分自身の信用を保証してくれていましたが、フリーランスとして独立すると「どの会社にも属していない人」という少しマイナスの印象を持たれがちです。特に住宅ローンやクレジットカードの審査、賃貸契約などでは、フリーランス・個人事業主の方は安定した収入を証明することが難しく、審査に通りにくくなる傾向があります。

そのためフリーランスSEとして独立する前に、住宅ローンを先に組んでしまったり、クレジットカードを多めに作成したりする方が多いです。クライアント企業からの信頼を獲得するために、会社員時代から副業で個人名での活動に取り組み、名刺代わりとなるような実績・ブランドを確立しておくのが有効です。事業規模が拡大した際には「法人化」を検討することで、社会的信用を獲得しやすくなるでしょう。

社会保険や福利厚生が受けられない

会社員であれば当たり前に利用できていた社会保険や福利厚生が、フリーランスになると自己負担になるというデメリットもあります。会社員時代は健康保険・厚生年金を会社と折半で支払いますが、フリーランスになると国民健康保険・国民年金に切り替わり、全額自己負担で支払う必要が出てきます。国民年金の保険料は定額ですが、国民健康保険料は収入に応じて高額になる仕組みなので、会社員時代よりも負担が増えることも少なくありません。

また、有給休暇や各種手当、社員旅行や福利厚生施設の利用など、会社員であれば当然のように享受できていた恩恵も受けられなくなります。退職金制度もないため、老後資金は自分で計画的に貯蓄・運用していく必要があるのです。これらの負担増を見越して、フリーランスとしての収入目標を設定することも重要となります。

病気・怪我により収入がゼロになるリスクがある

フリーランスSEとして最も警戒すべきリスクの一つが、病気や怪我によって働けなくなった場合に、収入がゼロになってしまうリスクです。会社員であれば傷病手当を受け取りながら収入面の不安なく療養できますが、フリーランスには同様の制度がありません。長期間にわたって仕事ができなくなれば、その間の収入は完全に途絶えてしまいます。

また、納期が迫っている案件の途中で体調を崩した場合、代わりに作業を引き継いでくれる同僚もいないため、クライアントからの信頼を失うリスクも高まります。このリスクに備えるためには、フリーランス向けの所得補償保険などの民間保険に加入したり、緊急時に備えて十分な貯蓄を確保したりすることが欠かせません。また、指定の納期や開発スケジュールを前倒しして仕事に取り組む習慣をつけることで、突発的なトラブルにも対応できる余裕を設けておくことも重要です。

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4.SEの独立までの流れ

SEがフリーランスとして独立すること自体は、決して難しいことではありません。会社を辞めた後、最寄りの税務署に「開業届」を提出すれば、その時点で個人事業主を名乗ることができます。

ただし安易な独立は失敗するリスクを高めるだけなので、まずは会社員として働きながらスキル・経験を積み、副業という形で、会社を通さずに仕事に取り組む実績を増やすことをおすすめします。独立後の収入や生活を見据えて、最低でも半年分の生活費を貯蓄しておくと、収入面の不安・ストレスを抑えて開発業務に集中できるようになるでしょう。

フリーランスSEとしてのSNSアカウントを立ち上げる、もしくはフリーランスエージェント・クラウドソーシングサービスへの登録を済ませておき、継続的に案件を受注できる環境を整えることも大切です。会社という後ろ盾がなくなる働き方だからこそ、計画的に独立の準備を進め、リスクを最小限に抑えることを意識するのがポイントです。

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5.独立しないほうが良いSEの特徴とは?

SEはフリーランスとの相性が良く、独立しても活躍できる方が多いのは事実です。しかし一方で、フリーランスSEとして独立に失敗し、会社員に出戻りするケースも珍しくありません。こうした独立に向いていないSEの特徴として、以下の3つが挙げられます。
 

  • ・営業力に自信がない人

    ・セルフマネジメントが不得意な人

    ・副業を経ることなく独立する人


それぞれ詳しく解説しますので、自分に当てはまる特徴がないかどうかを確認してみてください。

営業力に自信がない人

フリーランスSEとして成功するためには、技術力だけでなく営業力も不可欠です。会社員時代なら社内の営業部門が案件を獲得してくれていたかもしれませんが、独立すると自分自身で案件を探し、クライアントと交渉し、契約を結ぶ必要が出てきます。営業活動が苦手なまま独立してしまうと、スキルがあっても仕事を安定して獲得できず、収入が不安定になるリスクが高まります。特に独立直後は信頼・実績が少ないため、積極的に自分をアピールする姿勢が求められます。

また、単に技術力を提供するだけでなく、クライアント企業が抱える課題を理解し、最適な解決策を提案するコンサル的な「提案力」も重要です。もし営業力や提案力に自信がない場合は、フリーランスエージェントやクラウドソーシングサービスを活用するなど、営業面をサポートしてくれる仕組みを利用すると良いでしょう。

セルフマネジメントが不得意な人

フリーランスSEは自分自身が「会社」であり「資本」になるため、セルフマネジメントスキルが欠かせません。仕事に関わるすべての業務、原則として自己管理する必要がある働き方です。たとえば、納期・スケジュールの管理と調整、品質管理、請求書の発行や確定申告など、会社員時代は他部門が担当していた業務も全部自分で行わなければなりません。セルフマネジメントスキルが低いと、納期遅延や品質低下を招き、クライアントからの信頼を失うことにもつながります。

会社員時代、上司や同僚からの指示や締め切りがモチベーションになっていた人は注意が必要で、独立すると自分で目標を設定し、自己管理しながら業務を進めなければなりません。誰にも管理されない環境で、自分を律して計画的に仕事を進められない場合、独立後の生産性が大きく低下するリスクもあります。

仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちなフリーランスは、ワークライフバランスを自分で調整する能力も求められます。オーバーワークで体調を崩してしまう、もしくは家族との関係を悪化させてしまう事態を防ぐためにも、セルフマネジメントスキルを磨くトレーニングを積むことが大切です。

副業を経ることなく独立する人

どれだけ技術力や営業力に自信があったとしても、いきなり会社を辞めてフリーランスSEとして独立することは、非常にリスクが高い選択肢です。まずはフリーランスの働き方を体験するため、週末などを使った副業に取り組むことをおすすめします。副業を経験せずに独立すると、会社員時代とは異なる働き方や環境に適応できず、精神的なストレスを抱えるケースも少なくないからです。

副業経験は、フリーランスとしての働き方をスモールステップで試す絶好の機会です。会社員として安定収入を得ながら、副業で案件獲得や自己管理の方法を学び、クライアントとの交渉スキルを磨き、フリーランス市場での自分の価値を見極めることも可能です。さらに、副業で得た収入は独立後の資金として蓄えることもできるでしょう。

SEの独立を成功させるためには、まず副業から始めて段階的にフリーランス比率を高めていくフェードイン・フェードアウトの意識を持つことが、独立失敗のリスクを抑えるコツです。

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6.SEの独立を成功させるための条件

最後に、SEの独立を成功させるための3つの条件をまとめました。
 

  • ・本業に集中できる環境が整っている

    ・自分で決めたことを遂行する意志力がある

    ・時代の流れに合わせてビジネスモデルを変えられる


これらの成功条件を念頭に置きながら、独立を見据えた準備に取り組んでみてください。

本業に集中できる環境が整っている

フリーランスSEとして成功するためには、本業である開発業務に集中できる環境を整えることが不可欠です。具体的には、集中できる作業スペースを確保したり、高速なインターネット環境とパソコンを用意したりするのが基本です。経理や契約関連の事務作業を効率化するツールを導入しておくことで、本来の開発業務に集中できる環境を用意するのも重要です。

また、家族の理解・協力を得ることや、収入の不安を感じないだけの生活費・貯蓄を用意すること、心身のパフォーマンスを維持するために食事・睡眠・運動の習慣に気をつけることも大切な要素です。独立前に、こうした本業に集中するための環境を整えることで、フリーランスとしての働き方を成功に導くことができるでしょう。単なる物理的な環境だけではなく、精神的な安定を保つための環境づくりを意識してみてください。

自分で決めたことを遂行する意志力がある

フリーランスSEとして独立すると、会社員時代のような外部からの強制力や納期のプレッシャーが弱まります。そのため、自分で設定した目標や計画を最後まで遂行するための「意志力」が成功の鍵となります。具体的には、日々の作業スケジュールを自ら管理し、決めたことは必ず実行する規律が求められます。

また、営業や事務作業など、苦手な業務に積極的に取り組む姿勢も重要です。「やりたいこと」だけでなく「やるべきこと」にも正面から向き合い、困難に直面しても諦めずに取り組める意志力があるかどうかが、フリーランスSEとしての成功を左右するのです。

時代の流れに合わせてビジネスモデルを変えられる

フリーランスSEの独立を成功させるために、時代の流れに合わせた変化を図ることも重要です。SEが働くIT業界は技術革新のスピードが非常に速く、数年前に主流だった技術が急速に陳腐化することも珍しくありません。フリーランスSEとして長期的に成功するためには、こうした時代の変化に柔軟に対応し、自身のビジネスモデルを進化させる適応力が不可欠です。

たとえば、特定の言語やフレームワークに固執せず、市場ニーズの高い技術を積極的に取り入れる姿勢を持つと良いでしょう。単純な受託開発だけでなく、コンサルティングやセミナー講師、オリジナルアプリの開発・販売など、複数の収益源を持つことも有効です。変化を恐れることなく、むしろさまざまなチャレンジを楽しみながら働くことが、フリーランスSEの独立を成功させるコツです。

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7.まとめ

SEはフリーランスとして独立するのに適した職種の一つであり、会社員を上回る収入を得られるほか、自由度の高い働き方を実現できるなどのメリットが得られます。一方で社会的な信用が低下し、社会保険・福利厚生が受けられなくなるなどのデメリットもあるため、独立前に十分な準備・対策に取り組むことが大切です。

フリーランスSEの独立を成功させるためには、物理的にも精神的にも本業に集中できる環境を整えることが重要です。自分で決めたことを確実に遂行する意志力や、変化に適応する柔軟性も成功条件の一つなので、フリーランスSEとして独立を目指す際にはぜひ参考にしてください。

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