
金融系SEは、こうした金融業界の大規模システムを開発・保守・運用するのが主な仕事内容で、異業界のSEと比べると信頼性やセキュリティを重視した開発スキルが求められる傾向にあります。
本記事では、金融系SEの仕事内容や将来性、必要なスキル、新卒で金融系SEを目指す方向けの就活のポイントについてご紹介します。
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- 1.金融系SEとは?
- 2.金融系SEの仕事内容
- 3.金融系SEの需要・将来性
- 4.金融系SEに求められるスキル
- 5.金融系SEから目指せるキャリアパス
- 6.金融系SEに向いている人の特徴
- 7.金融系SEの新卒内定を取るポイント
- 8.まとめ
1.金融系SEとは?
金融系SEとは、金融業界におけるシステム開発・運用を担当するSE(システムエンジニア)のことを指します。銀行や証券会社、保険会社、クレジットカード会社などの金融機関では、取引データや顧客情報の管理のために、高度なセキュリティと信頼性が求められる大規模システムを運用しています。
こうした金融機関のシステム開発において、要件定義から設計、実装、運用・保守までを一貫して担当するのが金融系SEの特徴です。金融関連の知識とITスキルの両方が求められるのが特徴で、24時間365日の安定稼働が求められる金融システムに携わる高い技術力と責任感が要求されます。
なお、近年では金融とIT、もしくはAIを組み合わせた「フィンテック」の普及により、金融系SEにはさらに重要な役割を任されるケースも増えています。従来の基幹システムの保守・運用に加えて、先端技術を取り入れた新規事業・新規サービスに携わる機会も増加しているのです。
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2.金融系SEの仕事内容
金融系SEの主な仕事内容は、金融機関の基幹システムなどの開発・運用・保守です。要件定義や設計、プログラミング、テスト、運用まで幅広い工程に携わっているのが特徴です。ここでは銀行、証券会社、保険会社のそれぞれの金融機関で働く金融系SEについて、具体的な仕事内容をご紹介します。
銀行に勤める金融系SEの場合
銀行に勤める金融系SEが担当するのは、銀行口座からの入出金や為替、融資などの取引を処理する「勘定系システム」の開発・運用です。ネットバンキング・モバイルバンキングを支え、窓口業務を支援する「チャネル系システム」の開発・運用にも携わります。ほかにも帳簿作成や顧客分析に用いられる「情報系システム」を手掛けることもあります。
証券会社に勤める金融系SEの場合
証券会社に勤める金融系SEは、主に個人投資家が自宅から株式取引を行うための「対外接続系システム」の開発・運用などに携わります。国内外のニュースを共有・管理する「情報系システム」や、証券取引に関するデータを処理する「業務系システム」を担当することもあります。
保険会社に勤める金融系SEの場合
保険会社に勤める金融系SEは、主に保険契約・顧客情報の管理や保険金の支払いなどを行う「契約管理システム」の開発・運用に携わります。保険料の計算や顧客分析に用いられる「情報系システム」のほか、「販売チャネルシステム」と呼ばれる保険代理店・ネット保険などの販売経路を管理するシステムを手掛ける金融系SEもいます。
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3.金融系SEの需要・将来性
金融系SEは、今後も高い需要が見込まれており、将来性が明るい職種です。というのも、金融業界では積極的にIT化・DX化が推進されており、フィンテックの台頭も相まって金融系SEが活躍するシステム開発ニーズが高まっているからです。ネットバンキングやスマホ決済、AIを活用した投資アドバイザーなど、先端技術を取り入れたサービスの開発需要も増加しています。
また、金融機関で現在使われている基幹システムは、数十年前に構築されたレガシーシステムが多く、これらのシステムを刷新するプロジェクトも今後増えていくことが予想されます。新たなシステムへの入れ替えだけではなく、クラウドへの移行やセキュリティ強化など、既存システムの改修・更新のための需要が増加することが、金融系SEにとって追い風となっているのです。
金融系SEとしてのキャリアを積むことで、フィンテック企業や金融コンサルティング企業など、さまざまな分野へのキャリアアップの選択肢も広がることになります。こうした背景から、将来性の高さを重視して職種を選びたい方に特におすすめなのが、金融系SEです。
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4.金融系SEに求められるスキル
ここからは、金融系SEに求められるスキルについて、以下の3つのポイントごとにご紹介します。
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・大規模開発に強いプログラミングスキル
・簿記・会計などの金融知識
・情報セキュリティに関する知識
それぞれ詳しく解説しますので、金融系SEになるための就活対策に役立ててください。
大規模開発に強いプログラミングスキル
金融系SEを目指すなら、金融機関で使用する大規模なシステム開発で活躍するための、大規模開発に強いプログラミングスキルが求められます。具体的には、Java、C#、COBOLなどのプログラミング言語が挙げられます。習得難易度が低めで汎用性に優れるのはJava言語であり、金融系SEを含めてIT業界のキャリアをスタートさせるなら、まずはJavaを学び始めることをおすすめします。
C#はWindows向けアプリケーションの開発で使われる言語の一つで、ゲーム開発でも人気です。COBOLは長い歴史を持つ言語で、レガシーシステムの開発に使われてきた実績があります。近年では人気は下火ですが、COBOLで構築したシステムの刷新を行う際に役立つスキルなので、学んでおいて損はありません。
簿記・会計などの金融知識
金融系SEとして活躍するためには、簿記・会計などの金融知識を身につけておくことが望ましいです。簿記検定などの資格を通じて金融知識を身につけておけば、入社後に担当する金融システムの開発に活かすことができるからです。簿記・会計についての資格や知識をアピールすることにより、金融業界への志望意欲の高さをアピールできるメリットもあります。
また、入社後に扱うことになる金融業界の知識に触れておくことにより、金融系SEとして入社後にミスマッチを感じ、早期離職に至るリスクを抑えられるのもメリットです。プログラミング学習と並行しながら、金融業界で必要とされる業界知識も習得しておくようにしましょう。
情報セキュリティに関する知識
金融系SEには、情報セキュリティに関する専門知識も求められます。金融機関のシステムでは、顧客の個人情報や資産情報など、非常に機密性の高いデータを扱うため、セキュリティ対策は最重要事項となるからです。外部からの不正アクセスやサイバー攻撃からシステムを守るために、データの暗号化技術や認証システムの構築スキルなどがあると、金融系SEとして高い評価につながります。
就活対策としては、国家資格の一つである「情報セキュリティマネジメント試験」を取得しておくと有利に働きます。ゆくゆくは「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」の資格取得を目指して、情報セキュリティについて継続的に学習しておくのも良いでしょう。
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5.金融系SEから目指せるキャリアパス
金融系SEは、金融業界に特化したスキル・知識を身につけつつ、システム開発の経験を積めるため、さまざまなキャリアパスを選択できる職種でもあります。金融系SEから目指せるキャリアパスには、以下のような仕事が挙げられます。
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・プロジェクトマネージャー
・社内SE
・金融コンサルタント・ITコンサルタント
ひとつずつ詳しく解説しますので、長期的なキャリア形成の参考にしてみてください。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーとは、システム開発プロジェクトにおける責任者として、コスト管理やスケジュール管理などを手掛ける職種です。金融系SEとしての経験や実績を積むことで、開発チームにおけるマネージャーとして抜擢され、キャリアアップするケースが一般的です。
クライアント企業との打ち合わせや開発メンバーの招集など、幅広い業務を担当するため求められるスキルや経験も多岐にわたりますが、IT業界でもトップクラスの高収入・好待遇を得られるメリットがあります。金融系SEとしての実務経験を積みながら、プロジェクトリーダーとしての業務を担当したり、マネジメントスキルを磨いたりしつつ、キャリアアップを目指すと良いでしょう。
社内SE
社内SEとは、金融業界に限らず一般的な企業の情報システム部門の担当者として、企業の社内システムの開発、運用やヘルプデスク業務などを担当する職種です。金融系SEとして培ってきた幅広い経験を活かすことで、金融業界以外においてもSEとして活躍できるチャンスがあります。
社内SEは金融系SEと比べると、手掛けるシステムで高水準の信頼性・セキュリティが求められることは少なく、比較的働きやすく感じるケースも多いです。残業や休日出勤が発生しにくく、ワークライフバランスを重視する方にも適しています。金融業界だけではなく、さまざまな業界で活躍したいと考えている方は、社内SEとしてのキャリアパスも視野に入れてみると良いでしょう。
金融コンサルタント・ITコンサルタント
金融系SEとして技術的な知識やスキルを活かすことで、金融コンサルタントやITコンサルタントとしてのキャリアを歩むことも可能です。これまでに培ってきた経験をもとに、起業・独立した上で、金融系・IT系の経営課題を抱える企業に対するコンサルティング業務に携わる仕事です。
金融コンサルタント・ITコンサルタントとして活躍するためには、金融系SEに求められる技術的なスキル・知識だけではなく、企業経営についての専門知識や、経営層と円滑な意思疎通が図れるコミュニケーションスキルが求められる傾向にあります。こうしたスキルの習得は容易ではないものの、起業・独立して大型案件を手掛けることで、会社員とは比較にならない高収入を得ることもできるでしょう。
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6.金融系SEに向いている人の特徴
金融系SEに向いている人の特徴としては、下記の3つが挙げられます。
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・IT・金融への興味関心がある人
・強い責任感がある人
・コミュニケーションスキルが高い人
一つひとつ解説しますので、自分に金融系SEへの適性があるかどうかを判断する参考にしてみてください。
IT・金融への興味関心がある人
金融系SEに向いている人の特徴として、ITや金融への興味関心がある人が挙げられます。金融系SEとして活躍するためには専門的な知識・スキルを身につける必要があり、ITや金融の分野に興味がない人にとってはスキルアップが苦痛に感じられることもあります。説得力のある志望動機をアピールするのも難しくなり、就職活動でも不利になる可能性が高いのです。
IT系に興味があって独学でプログラミングスキルを学び続けている方や、簿記検定・税理士試験などの勉強に取り組んだ経験がある方なら、金融系SEとして活躍できる資質は十分です。
強い責任感がある人
金融系SEは、高い信頼性が要求される金融機関のシステム開発に従事するため、強い責任感を持って課題に取り組める人に向いている仕事です。自分が担当したプロジェクトを最後までやり抜くことができる人、さまざまなトラブルや問題に備えてきめ細やかな対策に取り組める人であれば、金融系SEとして活躍できる可能性が高いです。
部活動やアルバイトの役職に就き、途中で投げ出すことなくリーダーとしての責任を果たした経験があるなら、就活でのアピール材料として活用してみると良いでしょう。難関資格を取得した経験や、金融業界の長期インターンに参加した経験がある方も、選考では誠実で責任感のある人物として印象付けることができるでしょう。
コミュニケーションスキルが高い人
金融系SEはコミュニケーションスキルが高い人にも向いている職種です。金融機関のシステム開発においては、大規模なプロジェクトを大人数のチームメンバーで遂行するため、さまざまな立場の相手と円滑に意思疎通ができるコミュニケーションスキルが求められます。
金融業界特有の専門用語や業務知識を理解した上で、非エンジニアに対して技術的な内容をわかりやすく説明できる能力も重要です。これまでに接客業やサービス業のアルバイト経験がある方なら、金融系SEの就活でも強力なアピール材料となるでしょう。
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7.金融系SEの新卒内定を取るポイント
最後に、新卒採用において金融系SEの内定を取るポイントを3つご紹介します。
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・入社後に必要なプログラミングスキルを学ぶ
・インターン・アルバイトで実践的なスキルを身につける
・フィンテックなどの注目分野についてリサーチしておく
上から順番に解説しますので、金融系SEの内定を取るための就活対策に役立ててみてください。
入社後に必要なプログラミングスキルを学ぶ
金融系SEの就活対策に取り組むなら、志望企業で入社後に必要とされるプログラミングスキルを勉強しておくことが大切です。金融系SEは、主にJavaやC#などの言語を使って開発業務に取り組みますが、入社する企業によって必要とされる言語が異なることもあります。効率的に就活対策に取り組み、第一志望の企業からの内定を得るためにも、企業の求人内容をチェックした上でプログラミング学習をスタートさせると良いでしょう。
まだ第一志望が決まっていない場合には、Web開発やスマホアプリ開発にも活かせる汎用性を備えた、Javaのプログラミング学習から始めてみることをおすすめします。
インターン・アルバイトで実践的なスキルを身につける
金融系SEの新卒内定を着実に取るためには、インターン・アルバイトで実践的なスキルを身につけるのが効果的です。金融機関や金融系に強いSIerが実施している長期インターンやアルバイトに参加することで、実際の開発環境・業務フローを体験しつつ、業界用語や専門知識に触れられるメリットがあります。
インターン・アルバイトを通じて実務を経験しておくと、未経験者の採用枠ではなく、若手の経験者枠で評価されるメリットもあります。入社後の業務を経験し、ミスマッチを起こすリスクを抑えながら職種選び・業界選びができる魅力もありますので、気になる企業のインターンには積極的に参加しておくことをおすすめします。
フィンテックなどの注目分野についてリサーチしておく
金融系SEの選考を有利に進めるために、フィンテックをはじめとする業界の注目分野についてリサーチしておくのも有効です。AIを活用した金融サービスや、暗号資産(仮想通貨)の取引サービスなど、先端分野についての知識があると、金融業界への志望意欲が高い人物としてアピールできるからです。
面接時には、金融業界についての時事問題としてこれらの注目分野について質問されることも考えられますので、注目が集まっている技術・サービスやニュースについてアンテナを張っておくと良いでしょう。
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8.まとめ
金融系SEは、銀行や証券会社、保険会社などに勤めるSE(システムエンジニア)のことを指します。金融機関で用いられる大規模なシステム開発に取り組むのが特徴で、一般的なIT企業のSEと比べて、信頼性やセキュリティを重視した開発スキルが求められる傾向にあります。金融・ITをはじめとする専門的なスキルや知識が必要とされることから、高い将来性が見込まれている職種でもあります。
金融系SEとしての就職を目指すなら、大規模開発との相性が良いプログラミングスキルを習得したり、簿記・会計などの金融知識を習得したりするのが効果的です。金融機関や金融系SIerでのインターンやアルバイト経験は、就活では非常に有利なアピール材料となるため、積極的に参加しておくと良いでしょう。
本記事で解説してきた金融系SEの仕事内容や必要スキルを参考に、理想のキャリアパスを選択してみてください。
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