
ただし、エンジニアとしてのキャリアを長期的に考えると、基本的なコードの読み書きができる方が圧倒的に有利です。プログラミングの知識があれば、技術的に実現できるボーダーラインを理解した上で、現実的な提案・設計ができるからです。
本記事では、コードを書けなくてもエンジニアになれること、コードを書かないエンジニアの仕事内容、未経験からコード・プログラムを学ぶのに最適な言語などを詳しく解説します。
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- 1.コードを書けなくてもエンジニアになることは可能
- 2.コードを書く以外のエンジニア(SE)の仕事内容
- 3.コードを書くプログラマー(PG)とエンジニアとの違い
- 4.エンジニア就活に向けたコード・プログラムの勉強方法
- 5.エンジニア就職を目指す人におすすめのプログラミング言語
- 6.まとめ
1.コードを書けなくてもエンジニアになることは可能
「エンジニアはコードを書けなくても就職できるって本当?」と疑問を持つ方は多いでしょう。結論から言えば、コードが書けなかったとしてもエンジニアとして働くことは可能です。
たとえばシステムエンジニア(SE)なら、プログラミングよりもクライアント企業とのやり取りやシステム設計を主な業務としているほか、インフラエンジニアの仕事でもプログラミングスキルよりもサーバー・ネットワーク技術についての知識が重視されます。
プログラミングスキルが不要とは限らない
ただし、エンジニアとしての長期的なキャリアを考えるなら、若いうちにプログラミング言語を習得しておくのに越したことはありません。基本的なコードの読み書きができないと、チーム内でのコミュニケーションに支障が出る可能性があるからです。
要件定義や設計を主に担当するシステムエンジニアであっても、プログラマーが実装するコードの制約や実装できる機能・仕様を理解していなければ、現実的ではないシステムを提案してしまうリスクがあります。エンジニアとしての視野を広げて論理的思考力を伸ばすためにも、最低限のプログラミング知識は持っておくべきでしょう。
昨今ではAIツールの発展により、簡単なコードであれば手軽に生成できる時代になっていますが、出力されたコードの品質を評価するためには、やはりプログラミングへの理解が欠かせないのです。
コードを書けるエンジニアの方が有利
コードを書く機会が少ないシステムエンジニアなどのポジションであっても、プログラミングスキルを持つエンジニアの方が明らかに市場価値が高いのが現実です。なぜなら、コードを理解できるエンジニアは、開発チーム全体の課題をより深く把握でき、技術的な制約を考慮した現実的な判断ができるからです。
また、システムエンジニアからプログラマーへとジョブチェンジを図ったり、フリーランスエンジニアとして開発フェーズ全体を担当できる人材を目指したりと、キャリアの選択肢も広がります。自らコードを書く技術力を持ったエンジニアなら、クライアント企業への提案やプログラマーとの打ち合わせの際にも、建設的で説得力ある意見を出せるようになるのもメリットです。
まずはプログラマーとして就職するのも一つの手段
エンジニアとしてのキャリアを目指すなら、最初は現場でコードを書きながらIT業界での経験を積むために、プログラマーへの就職を目指すのも一つの選択肢です。プログラマーとして自分の手でコードを書く経験を積むことで、システム開発の基礎を身につけることができます。業界で長く活躍する優秀なエンジニアは、誰もが最初は一行のコードを書くことから始め、徐々に上流工程へとキャリアを発展させているものです。
プログラミング・コーディングに携わった経験は、将来的に要件定義・システム設計などの上流工程を担当する際にも大きな強みとなります。IT業界のエンジニアとして市場価値を高めるためには、コードを書く・コードを学ぶ場面は必ず経験しなければなりませんので、新卒カードを使ったプログラマーとしての就職も視野に入れてみてください。
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2.コードを書く以外のエンジニア(SE)の仕事内容
SEのようなエンジニア職は、コードを書く業務やプログラミング作業以外の仕事内容が多く含まれる職種です。ここではコードを書く以外のエンジニアの仕事内容として、以下の3つをご紹介します。
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・要件整理・要件定義
・システム設計
・テスト・デバッグ
それぞれ順番に解説しますので、エンジニアの働き方についての理解を深めておきましょう。
要件整理・要件定義
要件整理・要件定義は、エンジニアの仕事の中でもシステム開発プロジェクトの方向性を決める重要な工程です。クライアントが抱える課題や要望を丁寧にヒアリングした上で、システム開発の目的や実装すべき機能・仕様を明確にします。そのためにクライアントの業務フローを理解し、業務効率化・売上アップにつながるシステムを実現するための要件を整理するフェーズとなります。
この過程ではエンジニアもプログラマーも直接コードを書くことはありませんが、現実的に実装できる要件なのかどうかを判断するために、プログラミングの知見が役立ちます。設計書・仕様書を作成する際にも、実装段階でコードを書くプログラマーが円滑にプログラミング作業を進められるよう、技術的な制約を考慮した現実的な仕様を提案することが求められます。
システム設計
システム設計は、要件定義で明確になった機能をどのように実現するかを具体化する工程です。システム設計では、クライアント企業に提案するための基本設計、プログラマーチームに共有するための詳細設計の2つのフェーズに分類できます。この段階でもコードを直接書くことは少ないですが、プログラミングの知識がなければ設計業務が非効率的になってしまいます。
たとえば、特定のプログラミング言語やフレームワークの特性を理解していないと、本来少ないコストで実現できる機能を、コストがかかることを理由として取り下げてしまう危険性があります。システム設計では、エンジニアとしての技術的・ビジネス的な総合的な知見を活かして、拡張性・保守性に優れたシステムの青写真を描くことが求められるのです。
テスト・デバッグ
テスト・デバッグフェーズでは、開発されたシステムが要件通りに動作するかを検証します。テスト計画の立案からスタートして、さまざまなテストケースを用意してシステムの品質を担保します。このフェーズではプログラマーが書いたコードを読む機会が多くなるので、バグやエラーの原因を特定するためにもプログラミングの知識が不可欠です。
コードの読み書きやプログラミングができるスキルを身につけておかなければ、テスト・デバッグで重大なバグを見逃してしまい、稼働開始した後に大きなトラブルに発展する可能性も高まります。
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3.コードを書くプログラマー(PG)とエンジニアとの違い
コードを書かない仕事内容も多いエンジニアに対して、コーディングやプログラミングを主な業務とするのが、プログラマー(PG)です。プログラマーとエンジニアは、どちらもIT業界では代表的な職種として知られていますが、担当する分野や必要とされるスキルに大きな違いがあります。ここでは2つの職種の違いについて、以下3つの観点から解説します。
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・担当する開発フェーズの違い
・必要なスキルの違い
・向いている人の違い
これらの違いを踏まえながら、自分に合った職種を選んでみてください。
担当する開発フェーズの違い
プログラマーとエンジニアでは、システム開発プロジェクトにおいて担当するフェーズが大きく異なります。プログラマーは主に実装フェーズでコードを書くことに集中し、エンジニアから渡される仕様書・設計書にもとづいてプログラムを作成します。一方のエンジニア(SE)は、要件定義から設計、テスト計画まで幅広いフェーズに関わります。スタートアップ企業など少人数のメンバーでプロジェクトに取り組む際には、エンジニアがプログラマーの仕事も兼ねることもあるので注意が必要です。
必要なスキルの違い
プログラマーとエンジニアでは、求められるスキルにも違いがあります。プログラマーには特定の言語やフレームワークに関する深い知識と、効率的なコードを書く技術力が求められます。一方でエンジニアには、プロジェクトマネジメントスキルやコミュニケーションスキル、業界知識など、より広範なスキルが必要です。エンジニアはコードを書く能力よりも、システム全体を設計する力や、クライアントの要望を適切に理解する能力が重視される傾向にあります。
向いている人の違い
プログラマーとエンジニアは、向いている人の資質・性格にも違いがあります。プログラマーは論理的思考力に長け、細部にこだわってコードを書くことに情熱を注げる人に向いています。一方のエンジニアは、リーダー・マネージャー経験がある人や、コミュニケーション力が高い人が向いている仕事です。プログラマーが技術的な深さを追求できる人に適しているのに対し、エンジニアは広い分野の技術・知識を学ぼうとする人に適しています。
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4.エンジニア就活に向けたコード・プログラムの勉強方法
エンジニア就職のためにコードを書くスキルは必須ではありませんが、就活を有利に進めるためにはプログラミング言語を習得しておくことが望ましいのは間違いありません。ここからは、エンジニア就活を見据えてコード・プログラムを学ぶ際に、おすすめの勉強方法についてご紹介します。
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・初心者向けサイトで基礎を身につける
・手を動かしながらプログラムを実装してみる
・インターン・アルバイトの実務を通じて学ぶ
それぞれ順番に解説していきます。
初心者向けサイトで基礎を身につける
エンジニアを目指す第一歩として、初心者向けのプログラミング学習サイトを活用するのが効果的です。「Progate」「ドットインストール」「Udemy」などのオンライン学習サイトを活用すると、基本的なコードの書き方からスタートして段階的に学べるカリキュラムが用意されています。実際にブラウザ上でコードを書いて動作確認ができるサイトもあるので、書籍や動画だけを使ったインプット学習よりも理解が深まりやすいメリットがあります。こうしたサービスを活用しながら、無理なく継続できるペースで学習を進めてみましょう。
手を動かしながらプログラムを実装してみる
エンジニアとしてのプログラミングスキルを身につけるには、実際に手を動かしてコードを書く経験が何よりも重要です。前述の学習サイトや入門書を通じて基礎知識を身につけたら、簡単なアプリやWebサイトの開発に挑戦してみましょう。たとえば、ToDoリストアプリ、電卓、簡単なゲームなど、自分の興味のある分野のプログラムを実装することで、学んだ知識を実践的なスキルに昇華させることができます。個人開発の経験は、選考でも強力なアピール材料になるので、就活を有利に進めたい方にもおすすめです。
インターン・アルバイトの実務を通じて学ぶ
エンジニアに求められるプログラミングスキルを習得するために、インターンやアルバイトを通じて実務を経験しておくのもおすすめです。実際の開発現場を体験することで、教材だけでは学べない実践的なコードの書き方や、チーム開発の進め方などを肌で感じながら学ぶことができます。インターン・アルバイトであっても実務経験があることは就活において大きなアドバンテージとなり、面接官からも高評価を得られるでしょう。
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5.エンジニア就職を目指す人におすすめのプログラミング言語
エンジニア就職を目指す際、どのプログラミング言語を学ぶべきか迷う方は多いでしょう。そこで最後に、エンジニア就職に特に役立つ代表的なプログラミング言語について解説します。
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・HTML/CSS
・JavaScript
・Python
・Ruby
・Java
上記5つの言語を紹介しますので、それぞれの特徴や活用分野を踏まえて自分のキャリアプランに合った言語を選びましょう。
HTML/CSS
HTML/CSSはWebサイト制作の基礎となる言語で、エンジニアを目指すなら最初に学ぶべきスキルと言えます。HTMLはWebページの構造、CSSはデザインやレイアウトを実装します。特にWebエンジニアを目指すなら必須のスキルとなっています。初心者向けの言語として比較的習得するハードルが低く、書いたコードはWebページとして視覚的に出力できるので、初心者の時期にモチベーションを維持しやすいのも魅力です。
JavaScript
JavaScriptもWebサイト制作で用いられる言語であり、動的なWebサイトやWebアプリ開発に不可欠です。HTML/CSSと組み合わせることで、ユーザー体験を向上させるようなアニメーションなどの要素を実装できます。近年ではNode.jsと呼ばれるフレームワークの登場によってサーバーサイドでも活用できる言語となり、フロントエンドからバックエンドまで幅広い現場で活躍できる言語として人気を集めています。
Python
Pythonは読みやすい文法と豊富なライブラリが特徴の、汎用性に優れたプログラミング言語です。Web開発でも使用されるほか、データ分析やAI開発との相性が良いのが大きな魅力です。近年ではデータサイエンスや機械学習の分野で需要が高まっており、将来性を重視して学ぶ言語を選びたい方には最適な選択肢です。初心者にも優しい設計の言語なので、初めてプログラミングを学ぶ時にも適しています。
Ruby
Rubyは、日本発祥のプログラミング言語で、読みやすく書きやすい文法が特徴です。「Ruby on Rails」というフレームワークの登場により、Webアプリ開発の分野で広く採用されるようになりました。スタートアップ企業を中心に高い人気があり、短期間で多機能を備えたWebサービスを構築したいプロジェクトで重宝されています。日本発の言語であることから、国内企業での採用例も多く、日本語教材が充実している点も初心者にとっては魅力です。
Java
Javaは、20年以上にわたって企業向けの業務システム開発の中心的な言語として使われてきた実績があります。大規模システムのほか、Androidアプリ開発や組み込みシステム開発など、信頼性と安定性が求められる分野で広く採用されています。「Write Once, Run Anywhere」の理念のもと、異なるOS・プラットフォームで動作する汎用性も魅力です。学習難易度はやや高めですが、一度習得すれば長期的なキャリアに役立つスキルとなるでしょう。
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6.まとめ
コードを書けなくてもエンジニアに就職することは可能で、要件定義やシステム設計など、コードを書く以外の仕事内容も少なくありません。しかしプログラミングスキルを学ぶ必要がないというわけではなく、技術的に実現可能な仕様を提案するためにも、プログラミングに関する知見は不可欠です。
エンジニア就職を目指してコード・プログラムを勉強するなら、初心者向けの学習サイトを活用したり、手を動かしながらコードを書いたりするのが有効です。本記事で紹介してきた初心者向けのおすすめ言語も参考にしながら、プログラミングスキルの習得を目指してみてください。
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