ネットワークスペシャリスト試験は意味ない資格?5つの理由と取得メリットを解説

ネットワークスペシャリスト試験は意味ない資格?5つの理由と取得メリットを解説
ネットワークスペシャリスト試験は、一般的なIT企業への就職ではオーバースペックと言われるほど難易度の高い資格であり、就活対策としては意味ないと言われることもある資格です。資格を活かせる就職先・職種も限定的で、IT業界やインフラエンジニア以外の職種への就職も視野に入れているなら、取得する優先度は下がる資格であることは間違いありません。 一方でネットワークスペシャリスト試験を取得することは、インフラエンジニアとしての就職・転職におけるアピール材料となるほか、資格保有者が必要とされる大規模プロジェクトに優先的にアサインされやすくなるなどのメリットもあります。 本記事では、ネットワークスペシャリスト試験が意味ないと言われる5つの理由とともに、取得メリットや資格を取るべき人の特徴などをご紹介します。

1.ネットワークスペシャリスト試験は意味ないと言われる理由5つ

ネットワークスペシャリスト試験が意味ないと言われる理由には、以下の5つが考えられます。
 

  • ・難易度が高く時間効率が悪いから

    ・実務に活かせる可能性は限定的だから

    ・資格を活かせる職種・企業の幅が狭いから

    ・年収アップにつながるとは限らないから

    ・IT業界では経験・実績が重視されるから


上から順番にご紹介しますので、ネットワークスペシャリスト試験にネガティブな意見が集まる背景を理解しておきましょう。

難易度が高く時間効率が悪いから

ネットワークスペシャリスト試験が意味ないと言われる理由として、合格するための難易度が非常に高く、時間効率が悪いことが挙げられます。ネットワークスペシャリスト試験は、IT系の国家資格の中でも最難関に位置する資格であり、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験よりも大幅に難易度が上昇する資格です。

合格率は15%前後を推移しており、受験者10人あたり1人〜2人の合格者しかいない計算です。特に午後試験で出題される記述式の難易度が高く、容易に対策できる試験内容でもありません。時間が限られる就活の時期に、膨大な勉強時間を費やしてネットワークスペシャリスト試験の合格を目指すのは、費用対効果が悪いとアドバイスされることがあるのです。

ネットワークスペシャリスト試験自体が現役のインフラエンジニア向けの資格なので、就活対策として取り組むというよりも、IT企業へ入社後、キャリアアップのために取得するのも一つの選択肢です。

実務に活かせる可能性は限定的だから

ネットワークスペシャリスト試験の出題範囲には、非常に専門的な内容が含まれるため、未経験からネットワークエンジニアやインフラエンジニアとして就職後、すぐに学んだ知識を活かせるかと言われると、難しい一面があります。新卒採用で入社した後に任される仕事内容に対して、ネットワークスペシャリスト試験で学んだ知識に大きな差があり、結局学んだ知識が活かせずに終わってしまう可能性もあります。そうした事態を避けるために、就活対策でネットワークスペシャリスト試験の合格を目指すのは、「意味がないから、やめておけ」とアドバイスされることがあるのです。

ただし、ネットワークスペシャリスト試験の資格を持った若手に対して、責任ある仕事を積極的に任せて経験を積ませようとする職場も存在します。そのためネットワークスペシャリスト試験を取得することに意味があるかないかは、就職する企業の職場環境によっても左右されます。第一志望の企業ではネットワークスペシャリスト試験の資格を活かせる環境があるのかどうか、事前にリサーチしておくと安心です。

資格を活かせる職種・企業の幅が狭いから

ネットワークスペシャリスト試験は、IT系の国家資格の中でもネットワーク技術や情報セキュリティといった専門分野の知識・スキルが問われる資格なので、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアに就職する際には非常に役立ちます。一方で、Webエンジニアや組込み系エンジニアなどのキャリアを目指す際には、有利に働きにくい傾向にあります。

ITインフラを扱うIT企業以外の就職を目指す場合にも、ネットワークスペシャリスト試験は活かしにくくなるでしょう。そのためネットワークエンジニア・インフラエンジニア以外のキャリアも視野に入れている方に対しては、「ネットワークスペシャリスト試験を取るのは意味ない」とアドバイスされることが多くなるのです。

自分自身が目指すキャリアパスにとって、ネットワークスペシャリスト試験は本当に役立つ資格なのかどうかを確認した上で、試験対策をスタートすることが大切です。

年収アップにつながるとは限らないから

ネットワークスペシャリスト試験を取得することが、必ずしも収入アップには直結しないことを理由として、就活対策のために取るのは意味ないと言われることもあります。ネットワークスペシャリスト試験は、ITパスポート試験や基本情報技術者試験と比べると、資格保有者が少なく、企業によっては資格手当・報奨金を用意していないケースもあります。社内での評価は高まったものの、資格手当が支給されずに収入アップには直結しなかった方も珍しくないのです。

ネットワークスペシャリスト試験を就職や転職に活用するだけではなく、収入アップを期待して合格を目指そうと考えているなら、就職先の企業で資格手当が用意されているかどうか、ネットワークスペシャリスト試験が対象となっているかどうかをリサーチしておく必要があります。

IT業界では経験・実績が重視されるから

ネットワークスペシャリスト試験を取得しても意味ないと言われる理由には、IT業界では経験・実績が重視されることも挙げられます。特にネットワークエンジニアやインフラエンジニアのように実践的な技術力が重視される職種では、保有資格よりも過去の経験が評価の対象となりやすいのです。IT系の国家資格の中でも最難関であるネットワークスペシャリスト試験なら、経験不足をカバーするだけの高評価を受けられるものの、費用対効果の観点からは優先度は低いと判断されることも多いです。

ネットワークスペシャリスト試験に受かるための膨大な勉強時間で、IT企業のインターンに参加して実務経験を増やしたり、企業のITインフラに関わる機会を増やした方が、就活で有利になる可能性が高いのです。ネットワークスペシャリスト試験を取得すること自体は、長期的なキャリア形成では必ず有利に働きますので、就活での評価を重視するか、将来のキャリア形成を重視するかをもとに、勉強に取り組むかどうかを決めると良いでしょう。

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2.ネットワークスペシャリスト試験とは?

そもそもネットワークスペシャリスト試験とは、ITパスポート試験や基本情報技術者試験などを運営する、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施する高度試験の一種です。IPAが運営する国家資格の4段階の難易度のうち、ネットワークスペシャリスト試験は最上位のレベル4に分類されます。

ネットワークエンジニア・インフラエンジニアとして活躍するための専門的なネットワーク技術が問われるほか、情報セキュリティの分野でも深い知見が求められるのが特徴です。受験資格は設けられていないので、実務経験を持たない学生であっても試験を受けることは可能ですが、経験豊富なインフラエンジニアを対象とする試験なので、未経験から資格を取得するハードルは高めです。

また、ネットワークスペシャリスト試験は筆記試験によって行われるほか、試験日程は年1回(春期)となっているため、受験機会が限られることに注意が必要です。

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3.ネットワークスペシャリスト試験を取得するメリット

ここからはネットワークスペシャリスト試験を受験するメリットについて、下記の3つの観点からご紹介します。
 

  • インフラエンジニアの就職・転職に役立つ

    ・大規模プロジェクトへ優先的にアサインされやすい

    ・資格手当・報奨金が支給されることも


それぞれ詳しくご紹介しますので、ネットワークスペシャリスト試験を取得するかどうかを決める参考にしてください。

インフラエンジニアの就職・転職に役立つ

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアをはじめとするインフラエンジニアの就職・転職に役立つのが最大のメリットです。インフラエンジニアの業務で求められる専門知識を効率よく取得できる資格なので、新卒採用でインフラエンジニアの内定を獲得したいと考えている方や、将来的にインフラエンジニアとしてのキャリアを歩みたいと考えている方にとっては最適な資格となります。

ネットワークスペシャリスト試験の試験対策を通じて、専門性の高いインフラエンジニアに求められる役割や仕事内容への理解を深めることができるので、後悔のないキャリアパスを歩むためにも役立ちます。安定した需要があり、将来性の高いインフラエンジニアとしてIT業界のキャリアを積み重ねていきたいなら、就活の前後を問わず積極的に取得したい資格です。

大規模プロジェクトへ優先的にアサインされやすい

ネットワークスペシャリスト試験の資格を取得することで、大企業や官公庁が携わる大規模なプロジェクトへ優先的にアサインされやすくなるメリットもあります。専門性の高いインフラエンジニアが携わる大規模なプロジェクトにおいては、ネットワークスペシャリスト試験を持ったエンジニアを一定数確保しなければならない現場も多く、大手企業を中心としてネットワークスペシャリスト試験の資格保有者が積極的に求められるケースがあるのです。

ネットワークスペシャリスト試験は、国家資格でありながら独占業務は設けられていない資格です。しかしこうした業界事情があることから、ネットワークスペシャリスト試験の擬似的な独占業務が生まれる状況となっているのです。今後もネットワークスペシャリスト試験の資格を持つエンジニアの需要は高まり続けると見込まれているので、将来性の高い資格を取りたいと考えている方にもおすすめです。

資格手当・報奨金が支給されることも

ネットワークスペシャリスト試験は、業界での知名度が高いIT系の国家資格の一つとして、資格手当や報奨金が支給されることが多い資格です。資格手当・報奨金といった制度は入社する企業によって大きく異なるため、第一志望の企業において資格手当が用意されているかどうかは十分に調べておく必要があります。

それでもITパスポート試験や基本情報技術者試験などの資格と比べて、高額な資格手当を受け取れる可能性が高いので、収入アップを目指して保有資格を増やしたい方には最適な資格となっています。

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4.ネットワークスペシャリスト試験を取得する意味がある人の特徴

続いて、ネットワークスペシャリスト試験を取得することに大きな意味がある人・向いている人の特徴についてもご紹介しましょう。
 

  • ・未経験からインフラエンジニアを目指す人

    ・年収アップを叶えたい人

    ・大手企業への就職・転職を考えている人


一つずつ詳しく解説しますので、自分に当てはまる項目があるかをチェックしてみてください。

未経験からインフラエンジニアを目指す人

ネットワークスペシャリスト試験は、未経験からインフラエンジニアを目指そうとする人に最適な資格です。インフラエンジニアとしての実務経験の不足を補えるだけの高評価が得られる資格なので、新卒採用や第二新卒を含め、若手からの就職・転職で大きな効果を発揮します。ネットワーク技術に特化した国家資格であることから、インフラエンジニアに求められる知識やスキルを、体系的にまとめられたシラバスをもとに勉強できるので、インフラエンジニアに必要な知識を独学で学ぶ場合と比べて、効率的に学習できるメリットもあります。

年収アップを叶えたい人

ネットワークスペシャリスト試験は、IPAの試験区分ではレベル4に分類される最難関の資格であり、資格手当や報奨金により年収アップを叶えやすい資格でもあります。ネットワーク系の資格や国家資格を高く評価する職場であれば、月2万円以上の高額な資格手当を受け取れることもあります。インフラエンジニアとして働きつつ年収アップを達成したい方は、ネットワークスペシャリスト試験の取得を目指してみてください。

大手企業への就職・転職を考えている人

ネットワークスペシャリスト試験は、大企業や官公庁が携わる大規模プロジェクトにおいて需要が高い資格なので、インフラ分野で活躍する大手IT企業への就職・転職で有利に働きます。新卒で大手企業に入りたいと考えている方、将来のキャリアパスの一つとして大規模プロジェクトに携わりたいと考えている方なら、積極的に取得しておくことに大きな意味があります。ネットワークスペシャリスト試験の難易度や合格率だけで決めるのではなく、自分自身の将来のキャリアパスを第一に考えながら、試験を受けるかどうかを検討してみましょう。

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5.ネットワークスペシャリスト試験を効率的に取得するための勉強方法

最後に、ネットワークスペシャリスト試験の資格を効率的に取得するための勉強方法をご紹介します。
 

  • ・まずは応用情報技術者試験を取得する

    ・CCNAやLinuCを並行して勉強する

    ・午後試験の対策に力を入れる


これらのポイントを取り入れながら、試験対策に取り組んでみてください。

まずは応用情報技術者試験を取得する

IT系の初学者の方がネットワークスペシャリスト試験を目指すなら、まずは応用情報技術者試験の取得を目標にしてみることをおすすめします。IPAが運営するIT系の国家資格は、難易度の低いものから順番に取得した方が理解が深まりやすく、合格しやすくなる傾向にあります。特に応用情報技術者試験の場合、合格から2年間は、ネットワークスペシャリスト試験を含めた高度試験の一部科目が免除される制度を利用できるメリットがあります。試験当日の負担を減らすためにも、難易度順にステップアップしながら資格を取ると良いでしょう。

CCNAやLinuCを並行して勉強する

ネットワークスペシャリスト試験の勉強に取り組む時には、インフラエンジニアの仕事内容に直結する資格であるCCNA/CCNPやLinuCといったベンダー資格も並行して勉強すると、相乗効果で知識が定着しやすくなります。CCNA/CCNPは、ネットワーク機器大手のシスコ社が運営するネットワーク技術についての民間資格で、LinuCは日本国内向けのLinux技術者の認定資格です。いずれもネットワークスペシャリスト試験の出題範囲と重複する部分が多いため、複数の資格を並行しながら勉強に取り組んでみてください。

午後試験の対策に力を入れる

ネットワークスペシャリスト試験の資格を効率的に取得するなら、記述式の午後試験の対策に力を入れることが重要です。ネットワークスペシャリスト試験の中でも最も難易度が高い試験であり、長文の読解力や国語力など、ビジネススキルが要求される試験でもあるからです。公式ホームページで公開されている過去問や、資格スクールが提供している模試なども活用しながら、記述式試験で合格ラインを突破できる実力を磨いておきましょう。

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6.まとめ

ネットワークスペシャリスト試験が意味ないと言われる理由として、本記事では以下の5つをご紹介してきました。
 

  • ・難易度が高く時間効率が悪いから

    ・実務に活かせる可能性は限定的だから

    ・資格を活かせる職種・企業の幅が狭いから

    ・年収アップにつながるとは限らないから

    ・IT業界では経験・実績が重視されるから


こうした理由でネガティブな意見が集まるのも事実ですが、一方でネットワークスペシャリスト試験があると、大規模なプロジェクトにアサインされやすくなったり、資格手当・報奨金により大幅な収入アップにつながったりすることもあります。未経験からインフラエンジニアを目指す人や、大手企業への就職を目指したい方にもおすすめです。

本記事で解説してきたおすすめの勉強方法も取り入れながら、ネットワークスペシャリスト試験の取得を目指してみてください。

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