IPAプロジェクトマネージャ試験に受かる勉強法!難易度・合格率と取得メリットを解説

IPAプロジェクトマネージャ試験に受かる勉強法!難易度・合格率と取得メリットを解説
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する国家試験の中でも、「プロジェクトマネージャ試験」(PM)はプロジェクトマネージャーとしてのキャリアを目指す方から高い人気を誇る資格です。IT系の国家資格の中では最も高い難易度を誇り、プロジェクトマネージャーの実務を経験した方であっても合格は容易ではありません。 一方でプロジェクトマネージャー向けの唯一の国家資格ということもあり、業界では高い知名度を誇る資格であることも事実です。試験に合格して企業に対して資格をアピールできれば、プロジェクトマネージャーの内定獲得にも直結します。 そこで本記事では、IPAが実施するプロジェクトマネージャ試験に合格するための勉強法や取得するメリット、ほかの民間資格との違いなどについて解説します。

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1.IPAプロジェクトマネージャ試験とは?

IPAが実施する「プロジェクトマネージャ試験」は、IT業界でシステム開発におけるプロジェクトマネジメントに携わる方向けの資格です。IPAの国家資格の中には、「ITパスポート試験」「基本情報技術者試験」など、業界でも高い知名度を持つ資格があります。これらの資格の中で、最も難易度の高い資格として位置付けられているのがプロジェクトマネージャ試験です。

参考:プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

プロジェクトマネージャ試験の基本情報

プロジェクトマネージャ試験は、年1回、IPAが主催する資格試験です。午前Ⅰ(多肢選択式)・午前Ⅱ(多肢選択式)、午後Ⅰ(記述式)・午後Ⅱ(論述式)の4つの試験で構成されているのが特徴で、1日に4つの試験を受験し、いずれも60%以上の正答が合格ラインと定められています。ただし、論述式の午後Ⅱの試験のみ、ランクABCDの評価のうち、Aランクを獲得できると合格と判定されます。

プロジェクトマネージャ試験が難関とされているのは、午後Ⅰの記述式と午後Ⅱの論述式試験にあります。十分な論述式試験への対策に取り組まなければ、それ以外の試験で合格ラインを突破していたとしても、資格取得には至りません。どちらも独学での対策が難しい試験内容のため、資格取得のための専門学校を利用する方も多いです。

プロジェクトマネージャ試験の対象者・受験資格

プロジェクトマネージャ試験では、前提資格や学歴などの受験資格を設けておらず、申し込めば誰でも受験できる資格となっています。しかし前述の通り、非常に難易度が高い試験となっているため、現実的には実務経験を持った方でなければ合格は難しいでしょう。プロジェクトマネージャ試験の合格者の平均年齢も40歳前後となっており、豊富なスキル・経験を持った方が試験をクリアしていることがわかります。

特に午後Ⅰ、午後Ⅱの試験は実務未経験の方や、プロジェクトマネジメントの経験が浅い方にとっては、試験対策に取り組むのも簡単ではない内容となっています。プロジェクトマネージャ試験の出題範囲や過去問題などを確認して、自分にとってはまだ時期尚早と感じる場合には、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験など、習熟度に合った難易度の資格を選ぶと良いでしょう。

プロジェクトマネージャ試験の出題範囲

プロジェクトマネージャ試験では、大きく分けてテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3つの分野から出題されます。午後I、午後Ⅱの試験では、プロジェクトの立ち上げ・計画と実行・管理、そして終結というテーマから出題されます。プロジェクトマネジメントについての知識を身につけるだけではなく、ソフトウェア・ハードウェア、セキュリティ、経営戦略や法務についても学習しておく必要がある点に注意が必要です。

なお、プロジェクトマネージャ試験の出題範囲は、時代に応じて変更が加えられているため、最新の出題範囲については公式ホームページから確認しておくと安心です。

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2.IPAプロジェクトマネージャ試験の難易度・合格率

プロジェクトマネージャ試験は、IPAが実施する国家資格の中でも最上位に位置する難易度の資格です。応用情報技術者試験など、他の国家資格と比べても合格率が低く、資格取得には多大な勉強時間が求められるのが特徴です。

合格率は約14%

令和6年度(2024年度)に実施したプロジェクトマネージャ試験の合格者データでは、合格率は13.9%となっており、それ以外の試験と比較しても最も低い合格率となっています。プロジェクトマネージャ試験の合格率は毎年15%前後を推移しているので、合格は狭き門であることは間違いありません。

令和6年度秋期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格発表について | 新着情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

勉強時間は50時間〜300時間が目安

プロジェクトマネージャ試験に合格するための勉強時間の目安として、プロジェクトマネージャーの実務経験者であれば50時間〜、未経験から勉強する場合には300時間ほどの勉強時間が必要となる可能性があります。これはプロジェクトマネージャ試験の出題範囲が広いことに加えて、記述式・論述式の出題内容に合わせた対策が必要になることが理由です。

効率的に資格を取るために短期間でプロジェクトマネージャ試験の知識を学びたい場合には、独学ではなく資格対策に強い専門学校を利用することをおすすめします。

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3.IPAプロジェクトマネージャ試験を取得するメリット

ここからはIPAが実施するプロジェクトマネージャ試験を取得するメリットについて、下記の3つの観点からご紹介します。
 

  • ・マネジメントスキルを客観的に証明できる

    ・資格手当や昇進・転職で収入がアップする

    ・他の国家資格で一部試験が免除される


プロジェクトマネージャ試験を受験するかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

マネジメントスキルを客観的に証明できる

プロジェクトマネージャ試験の資格を取ることにより、プロジェクトマネージャーに必要なマネジメントスキルが備わっていることを客観的に証明できるメリットがあります。就活や転職の際に有利に働くほか、プロジェクトマネージャ試験を取得したことをきっかけにプロジェクトマネージャーの仕事を任されることも考えられます。

プロジェクトマネジメントのためのスキルは、プログラミングスキルや英語力(TOEIC)などと比べると、言語化・数値化しにくいスキルなので、企業にもアピールしにくく感じることがあります。しかしプロジェクトマネージャ試験を保有していることを伝えることにより、専門的なスキルを備えた人物であることを客観的に証明することができるのです。

資格手当や昇進・転職で収入がアップする

プロジェクトマネージャ試験は、IPAの国家資格の中で最も難易度の高い資格となっているため、企業が支給する資格手当でも高額な手当を受け取れるメリットがあります。今後の昇進・転職でも、プロジェクトマネージャ試験が年収アップの交渉材料となり、高収入・高待遇を受け取りやすくなるでしょう。

高収入・好待遇が得られる職種としてプロジェクトマネージャーへの就職を考えている場合には、将来の収入アップのためにもぜひプロジェクトマネージャ試験の合格を目指してみてください。

他の国家資格で一部試験が免除される

プロジェクトマネージャ試験や応用情報技術者試験は、一度合格すると上位の資格の一部の試験が免除される仕組みが存在します。たとえば、中小企業診断士や弁理士試験などが代表的で、将来はこれらの資格の取得も考えている場合には、プロジェクトマネージャ試験を取得する意義がさらに高まるでしょう。

なお、事前に応用情報技術者試験を勉強して合格していた場合、プロジェクトマネージャ試験の午前Ⅰ試験が免除されます。1日の受験で受ける科目数を4つから3つに減らし、落ち着いて試験に臨めるメリットがあるので、将来のキャリアパスや資格の取得予定を踏まえて、受験を申し込むと良いでしょう。

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4.IPAプロジェクトマネージャ試験に受かるための勉強法

ここからはIPAのプロジェクトマネージャ試験の合格を取るための勉強法について解説します。
 

  • ・参考書・過去問を使って全体像を把握する

    ・資格対策の専門学校を利用する

    ・専門学校の模試を受けてみる


これらのポイントを踏まえながら、プロジェクトマネージャ試験の試験対策に取り組んでみてください。

参考書・過去問を使って全体像を把握する

プロジェクトマネージャ試験に受かるための資格対策として、まずは参考書・過去問を使って試験の全体像を把握しておくのがおすすめです。IT系の国家資格の中でも高い知名度を誇るプロジェクトマネージャ試験には、市販の参考書や問題集が充実しており、うまく活用することで実際の試験の内容を把握しやすくなるメリットがあります。

プロジェクトマネージャ試験の過去問と、それに対応する参考書の解説を繰り返しインプットすることで、試験を突破するための基礎知識を習得することができるでしょう。プロジェクトマネージャ試験の出題範囲について把握できたら、問題集や過去問を解きながらアウトプット学習にも取り組むのがおすすめです。

資格対策の専門学校を利用する

プロジェクトマネージャ試験の内容が難しく感じる場合、資格対策に強い専門学校を利用するのも一つの選択肢です。受講者向けの充実したテキスト・問題集やカリキュラムが用意されており、わからない部分が出てきた時にも講師へ気軽に質問できる環境が得られるのが大きな魅力です。

独学と比べると資格取得にかかる費用は増加してしまいますが、より短期間でプロジェクトマネージャ試験の合格を目指すことができます。記述式・論述式の試験にも対策しやすくなるメリットがあるため、記述式・論述式の回答に自信がない方も専門学校の利用が適しています。

専門学校の模試を受けてみる

専門学校に通うことなく独学でプロジェクトマネージャ試験を受ける場合にも、専門学校が出している模試を受験するのは有効です。記述式・論述式の試験が含まれるプロジェクトマネージャ試験では、本番の出題形式でどれだけアウトプット学習できるかどうかが合否を左右します。

プロジェクトマネージャ試験は年1回しか開催されない試験であり、一度合格を逃してしまうとあと1年間待つ必要があります。できるだけ一発合格を達成するためにも、通信講座や資格対策スクールが実施している模擬試験には積極的に申し込み、実戦形式で学びながら試験対策に役立ててみましょう。

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5.PMP・P2Mとプロジェクトマネージャ試験の比較

プロジェクトマネージャー向けの資格には、プロジェクトマネージャ試験以外にも、PMP・P2Mといった資格も存在します。これらの資格は優先して取るべきなのか、もしくはプロジェクトマネージャ試験だけ目指せば良いのか、迷ってしまう方は多いでしょう。

ここではIPAのプロジェクトマネージャ試験と、PMP・P2Mそれぞれについて比較しながらご紹介します。

PMPとは?

PMPは、米国PMIと呼ばれる団体が認定する、プロジェクトマネジメントに関する国際資格です。IT業界に限らず、プロジェクトのマネジメントに関わるスキルを証明できる資格となっており、外資系企業を中心に高く評価される傾向にあります。日本語での受験が可能で、合格できると転職でも有利に働きますが、過去にプロジェクトマネジメントの実務経験に触れていることが受験資格に定められており、やや受験のハードルは高めです。

プロジェクトマネージャ試験は受験資格を定めていないため、未経験からプロジェクトマネージャーを目指す方や、プロジェクトマネジメントの経験が薄い方にとっては、プロジェクトマネージャ試験を取得する意義は高くなるでしょう。受験にかかる費用・手数料に関しても、PMPは非常に高額となる傾向にあるため、費用を抑えて資格を取りたい方にもプロジェクトマネージャ試験がおすすめです。

P2M資格試験とは?

P2M資格試験は、NPO法人日本プロジェクトマネジメント協会が実施する認定資格です。プロジェクトマネジメントに関する知識を体系的に学び、客観的にスキルを証明できる民間資格です。日本発祥のプロジェクトマネジメントスキルについて学ぶため、国内のシステム開発プロジェクトにも活用しやすいメリットがあります。

同協会では、下記の4つの資格試験が用意されており、習熟度に合わせて受験できるのも魅力です。
 

  • ・PMC資格試験

    ・PMSプログラム資格試験

    ・PMS資格試験

    ・PMR資格試験


プロジェクトマネージャー未経験、もしくは経験が浅い方が取得を目指すなら、まずはPMC資格試験から学び始めるのがおすすめです。取得難易度はそれほど高くありませんが、PMC資格試験の場合にはPMC講習会を修了する必要があるなど、一定の受験資格が設けられていることに注意しましょう。

どの資格を優先して取るべきか

このようにプロジェクトマネージャー向けの資格は豊富に用意されていますが、プロジェクトマネージャーを目指す方が優先して取るべき資格は、IPAによるプロジェクトマネージャ試験と言えるでしょう。業界での知名度が高く、どの企業からも評価されやすい国家資格の一つなので、最初に勉強する資格として最適です。

一方で、受験のために実務経験が求められるPMPや、やや知名度に劣るP2Mなどの資格は、プロジェクトマネージャーとしての就職を目指す上では積極的に合格を目指す必要はないでしょう。プロジェクトマネージャーとして就職後、よりスキルアップしたいと考えた時に、PMPやP2Mの資格取得を検討してみてください。

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6.まとめ

IPAが実施するプロジェクトマネージャ試験は、業界で高い知名度を誇るプロジェクトマネージャー向けの国家資格です。IT系の国家資格の中では最も高い難易度を誇り、合格率は14%以下の難関資格となっています。高い知名度が期待できるため、就活や転職、入社後の昇進においても有利に働く資格なのは間違いありません。

プロジェクトマネージャ試験を取得することにより、プロジェクトマネジメントに関するスキルを客観的に証明できるほか、資格手当により即座に収入アップを達成できるメリットが得られます。プロジェクトマネージャ試験に受かるために、まずは参考書と過去問を使って全体像を把握した上で、資格対策の専門学校に通ったり、専門学校の模試を受けたりするのがおすすめです。

本記事で解説してきたPMP・P2Mとの違いについても理解した上で、就活対策に取り組んでみてください。

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