50字のガクチカは箇条書きでも良い？短い文章で企業へ好印象を残す書き方を解説

• 1.50字のガクチカは要点を箇条書きにして伝えてもOK

• 2.ガクチカを50字指定で質問する企業の意図

• 3.50字でガクチカを効果的にアピールするコツ

• 4.50字でガクチカを書く場合のおすすめ構成

• 5.ガクチカを50字にまとめるためのテクニック

• 6.50字で伝えるガクチカの参考例文

• 7.50字でガクチカを伝える時の注意点

1.50字のガクチカは要点を箇条書きにして伝えてもOK

50文字指定のガクチカは、エントリーシートの中では非常に文字数制限が厳しいケースです。一般的なガクチカの回答であれば、400文字程度の文字数が目安とされますが、50文字の文字数制限となると、通常の企業とは異なる意図を持って質問されていると考えた方が良いでしょう。

原則としてガクチカの回答は、PREP法と呼ばれる文章構成で伝えることが望ましいですが、50文字ではPREP法を使うことも難しいため、箇条書きで伝えたいことをまとめるのも1つの手段です。回答方法に指定がなく、箇条書きがNGとされていない場合には、要点をスッキリとまとめて箇条書きでガクチカをアピールしてみましょう。

深掘り質問がセットで用意されていることも

なお、50文字指定のガクチカで多いのが、深掘り質問とセットの設問です。たとえば、「あなたがこれまでに学生時代に力を入れたことを簡潔に回答してください」と50文字で回答するよう求められることに加えて、「上記の質問について、大変だったことやどのように乗り越えたのかについて具体的に回答してください」という質問が、400文字指定で用意されているというパターンです。

このように50文字の要約と400文字の本文、2つの質問がセットで用意されているケースも少なくないのです。こうした質問の場合にも、まずは50文字で伝えたいエピソードを箇条書きでまとめておき、その内容に沿って400文字で詳しい内容を紹介すると良いでしょう。

2.ガクチカを50字指定で質問する企業の意図

続いて、なぜ企業はガクチカを50文字の短い文字数で質問するのか、その背景として考えられる質問意図について、次の3つを解説します。
 

• ・取り組んだ活動の大枠だけを知りたい

  ・自社の社風とマッチするかを知りたい

  ・端的に伝える力があるかを知りたい

それぞれ順番にご紹介しましょう。

取り組んだ活動の大枠だけを知りたい

50文字指定のガクチカでは、学生がこれまでに取り組んできた内容について、全体像だけ把握したいと考えているケースがあります。前述した深振り質問とのセットの質問のように、別の項目でガクチカについて詳しく質問するため、50文字の質問では要約だけをチェックしたいというパターンです。

50文字指定のガクチカの質問が単独で用意されて、深掘り質問については面接の段階で投げかけられることも多いです。エントリーシートで書かれた50文字のガクチカについて、面接で詳しいエピソードを深掘りされるケースです。この場合には、50文字のガクチカのエントリーシート対策だけではなく、面接対策にも力を入れる必要があるためご注意ください。

自社の社風とマッチするかを知りたい

50文字指定のガクチカで考えられる質問意図として、自社の社風とマッチする人物かどうか、簡単に把握しておきたいという背景も考えられます。エントリーシートの中でもガクチカの質問は、学生のスキルや強みではなく、人物面について把握するための質問となっています。

これまでに学生生活でどれだけ華やかな成果を残してきたのかではなく、その成果を達成するためにどのように努力し、創意工夫してきたのかを重点的にチェックされているのです。50文字指定の短い回答であってもそうした意図は変わらず、あなたの人物面がよく伝わるようなガクチカを書く必要があります。

端的に伝える力があるかを知りたい

50文字指定の非常に短い回答を求める理由として、学生がこれまでの経験を端的にまとめて伝える力があるかをチェックしていることも考えられます。取引先とのやり取りや上司との連絡など、社会人になると要点を端的に伝えてコミュニケーションを取る場面が多く出てきます。そうした場面でスムーズなコミュニケーションが取れる人物を優先的に採用したいと考えるため、あえて少ない文字数を指定したガクチカを質問しているのです。

もちろん、エントリーシートや面接の段階で、現役の正社員ほどのコミュニケーション能力を求める企業は少ないです。しかし、一定のコミュニケーション能力があるかどうかを判断するためにも、50文字という厳しい文字数指定での回答が求められるのです。

3.50字でガクチカを効果的にアピールするコツ

続いて、50文字でガクチカのガクチカを効果的にアピールするためのコツについて、次の4つを解説します。
 

• ・成果よりも過程を重視して伝える

  ・伝えたいことを1つに絞って書く

  ・指示がない場合は箇条書きも選択肢

  ・数字を使ってアピールする

50文字の厳しい文字数指定でもあなたの人物面が効果的に採用担当者に伝わるよう、これらのポイントを意識して作成してみましょう。

成果よりも過程を重視して伝える

ガクチカの回答を用意する時には、これまでに達成した成果や結果を重点的に伝えるのではなく、その活動に取り組む過程を重視しながら伝えるようにしてください。たとえば、部活動で大会に優勝したという経験を強調するのではなく、優勝するためにこれまでどのように練習に取り組み、試合で勝つためにどのような工夫をしてきたのかを重点的に伝えることが重要です。

50文字指定の回答では、練習に取り組むプロセスなどを詳細に伝えることは難しいですが、あなたが過去に取り組んだ事実だけを述べる回答にならないように注意が必要です。あなた自身の強みやスキルを強調したい場合には、ガクチカではなく自己PRの回答で力を入れましょう。

伝えたいことを1つに絞って書く

ガクチカの回答では、伝えたいことを1つに絞って、1つのエピソードだけを紹介することが重要です。特に50文字指定の回答では、複数のエピソードを紹介する余裕はないため、1つのメッセージを丁寧に伝える意識を持つことが重要です。

ガクチカで回答したいメッセージを1つに絞るのが難しい場合、伝えたいガクチカの内容に「タイトル」をつける感覚で、回答をまとめてみるのもおすすめです。エントリーシートで書いたガクチカのタイトルをもとに、面接で詳しいエピソードについてスピーチする感覚を持つと、50文字指定のガクチカでも端的に回答できるようになるでしょう。

指示がない場合は箇条書きも選択肢

50文字指定のガクチカの書き方に特に指定がない場合には、文章ではなく箇条書きで回答をまとめるのも1つの選択肢です。50文字の文字数指定で文章だけで効果的に伝えるのは難易度が高いため、10文字〜20文字程度の箇条書きを並べることにより、ガクチカの要点を伝えるという方法です。

1つの文章で50文字きっちり書こうとしてわかりにくい回答となってしまうよりも、箇条書きでスッキリとまとめた回答の方が、採用担当者にとっても読みやすくなります。エントリーシートの中で箇条書きがNGとされている場合には、必ずそのルールに従いましょう。

数字を使ってアピールする

50文字のガクチカの回答では、できるだけ採用担当者に強い印象を残せるように、数字を使いながらアピールすることが重要です。たとえば「アルバイト先で多くのスタッフのシフト管理を担当しました」と書いた場合と、「アルバイト先で9人のスタッフのシフト管理を担当しました」と書いた場合では、わずかな違いですが数字を使う回答のほうが印象に残りやすくなります、

売上の金額、増加率・成長率、メンバーの人数、取り組んだ期間や日数など、数字でアピールできるエピソードは、積極的に盛り込むようにしましょう。

4.50字でガクチカを書く場合のおすすめ構成

50文字の文字数制限でガクチカを回答する場合、「結論+数字を使った実績」の構成でアピールできることが望ましいです。ガクチカの回答では、一般的にPREP法と呼ばれる構成が使われることが多いですが、50文字の回答ではPREP法を使うことは難しいため、ガクチカの回答にタイトルをつけるような感覚でまとめるのがおすすめです。

たとえば、「米国ブラウン大学に6ヶ月間留学し、英語力を高めながらグローバルに働く土台を身につけたこと」（44文字）などの回答例が考えられます。ブラウン大学という固有名詞や、6ヶ月という数字を盛り込むことにより、少ない文字数でも印象的なガクチカをアピールすることができます。

50文字のガクチカの構成で迷った時には、「結論+数字を使った実績」という構成で、タイトルをつけるイメージで作成してみましょう。

5.ガクチカを50字にまとめるためのテクニック

50文字の文字数指定はガクチカの回答の中でも非常に短く、端的にまとめるのが難しいと感じる学生は多いです。そんな時には、以下のようなテクニックを活用しながら、50文字の文字数指定にマッチした回答を作成してみましょう。
 

• ・文字数を気にせず書いてから要約する

  ・文末は「だである調」で書く

  ・具体的なエピソードを省略して面接で伝える

1つずつ順番にご紹介します。

文字数を気にせず書いてから要約する

50文字のガクチカの回答を作るにあたっては、まずは文字数を気にすることなくガクチカの回答を作成してみるのがポイントです。いきなり50文字でまとめようとするのではなく、一旦通常通りのガクチカをまとめた上で、不要な文章を削って回答を用意する流れです。

事前に文字数を気にせずガクチカをまとめておくことにより、50文字で要約したガクチカについて、別の項目や面接で質問された時にもスムーズに回答することができます。なんとか50文字で伝えようと考え、回答の作り方がわからず長時間悩んでしまうよりも、まずは手を動かしながら下書きを作成してみるのがおすすめです。

文末は「だである調」で書く

50文字のガクチカはできるだけ文字数を節約しながら情報量を高めるために、文末表現は「ですます調」ではなく、「だである調」を使いましょう。ですます調と比べると、だである調はやや上から目線の印象を与えることがありますが、一方で力強いアピールという印象を与えることも可能です。

50文字の少ない文字数でのガクチカでは、回答の力強さやインパクトも重要な要素となります。だである調で断言するように表現し、採用担当者の印象に残るような回答を作成しましょう。

具体的なエピソードを省略して面接で伝える

50文字でガクチカの回答をまとめる時には、あなた自身の人物面が伝わる具体的なエピソードは省略し、面接の場で補うという作戦がおすすめです。50文字の回答では、具体的なエピソードを盛り込むには短すぎるため、無理に入れようとすると何も伝わらない文章となってしまいます。

しかし、ガクチカで高く評価されるためには、あなたの人物面が伝わってくるエピソードを伝えることが重要なのは変わりありません。そこでエントリーシートの回答だけではなく、面接での回答も含めて、1つのガクチカをアピールするのがおすすめです。

50文字の回答で伝えたガクチカの内容について、面接ではエピソードの細部までしっかりと伝えられるように、面接対策にも力を入れておきましょう。

6.50字で伝えるガクチカの参考例文

続いて、50文字で伝えるガクチカの参考となる、回答例文についてご紹介します。文章の大体の長さや構成について、参考にしながら回答を作成してみてください。

アルバイトのガクチカ例文

「居酒屋でのアルバイトで7人のスタッフのシフト管理を担当し、土日の深刻な人手不足を解消した。」（45文字）

「塾講師のアルバイトで、担当した生徒の定期試験の成績を半年間で30%向上させることに成功した。」（46文字）

「アルバイト先のカフェで顧客層のニーズに合った新メニューを提案し、前年比1.3倍の売上増に貢献した。」（49文字）

部活動のガクチカ例文

「サッカー部の部活動で、部長として25名の部員をまとめながら練習に取り組み、地区大会で優勝した。」（47文字）

「テニス部の副部長として、部員の実力を高めるためのメニューを3つ考案し、大会成績を向上させた。」（46文字）

「野球部でキャッチャーを務め、チームを鼓舞するリーダー役として、3期連続のリーグ戦優勝を果たした。」（48文字）

学業のガクチカ例文

「経営学部のゼミ活動で、企業会計について5人の経営者に取材しながら研究し、卒論で高い評価を得られた。」（49文字）

「情報工学の研究室で、生成AIの未来について3人の技術者の意見を聞きながら研究に取り組んだ。」（45文字）

7.50字でガクチカを伝える時の注意点

最後に、50文字の文字数指定でガクチカを伝える時に押さえておきたい注意点について、以下の3つのポイントを解説していきます。
 

• ・文字数オーバーを避ける

  ・嘘や創作でアピールしない

  ・面接での深掘り質問に対策しておく

エントリーシートで採用担当者にマイナスの印象を与えてしまわないように、これらの注意点を踏まえて回答を作成しましょう。

文字数オーバーを避ける

50文字という文字数は非常に厳しいルールではありますが、企業から指定されている以上、文字数をオーバーしてルール違反にならないように注意してください。特に「50文字以下」と指定している場合には、50文字を1文字でもオーバーすると減点対象となるため注意が必要です。「50文字を目安に」「50文字前後」と書かれている場合には、55文字程度までの文字数は許容範囲と判断されます。

エントリーシートで指定されるルールは、企業のルールや社会のルールをしっかりと守れる学生なのかどうかをチェックする意味合いもあります。「きっと厳密に数えていないだろう」と、文字数をオーバーして回答してしまうと、社会人としてルールを守れない人物であると判断されて、選考で不利に働く可能性があるので十分に注意しましょう。

嘘や創作でアピールしない

50文字で回答するガクチカのインパクトを高めるために、嘘や創作で回答を作ってしまうのもNGです。事実を誇張してガクチカを回答した結果、面接の深掘り質問の時にスムーズに回答することができず、嘘の回答がばれてしまうケースは少なくありません。

エントリーシートのガクチカでは好印象だったにも関わらず、面接ではぎこちない受け答えとなってしまった場合、文章と面接でのギャップによって印象が悪化しやすくなる可能性もあります。インパクトのある回答で書類選考を通過することも重要ですが、その後の面接で期待はずれな印象を与えてしまわないようにご注意ください。

面接での深掘り質問に対策しておく

50文字の文字数指定のガクチカでは、書類選考後の面接で深掘り質問がされる可能性が非常に高いです。そのため端的に回答をまとめてエントリーシート対策に取り組むことも重要ですが、それと同じくらい面接対策にも力を入れておきましょう。

ガクチカについての深掘り質問では、「なぜその活動に取り組もうと考えたのですか？」「その活動を取り組むにあたって困難だったことはなんですか？」「もし当時に戻れるならどのように改善しますか？」などの質問が投げかけられることが多いです。これらの質問を想定しながら、面接での回答方法を練習しておきましょう。

まとめ

50文字で指定されるガクチカの回答では、具体的なエピソードや体験談について盛り込むことが難しいため、箇条書きを活用したり、ガクチカの内容にタイトルをつけるようなイメージで作成するのがおすすめです。50文字の回答を求める企業側の意図としては、取り組んだ内容の大枠だけを知ろうとするケースや、端的に伝える力を備えているかを知ろうとするケースが考えられます。

50文字でガクチカを効果的にアピールするためには、伝えたいことを1つに絞って書くことや、数字を使ってアピールすることが効果的です。まずは文字数を気にせず書いてから全体を要約し、具体的なエピソードは面接で伝える作戦で臨むことも有効です。

本記事で解説してきた例文や注意点とともに、あなたの魅力が最大限伝わるガクチカを作りましょう。

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